「北山奥山散策」 08年10月30日(木)

国土地理院地形図:「加古川」25000分の1をご参照下さい。

 比良山系の釈迦岳に登って以降にひいていた風邪もようやく落ち着き、約2週間のブランクを埋めるためにリハビリをする必要性を感じた。
昼から晴れるという予報を見て急遽出かけたのが、07年5月7日以来となる家から最寄の山である高御位山系だった。
その中でも前回豆崎から北池まで縦走した時に歩き残していた北山奥山以東に向かうことにした。
お手軽なプランではあるが、「山高きをもって貴しとせず」の格言を地でいくような素晴らしい稜線歩きとなった。


参考文献 : 神戸新聞総合出版センター刊 【 はりま歴史の山ハイキング 】 P.14 「播磨アルプス全山縦走」
※ 但し前述の通り今回歩いたのはそのほんの一部です。


 行程の短さの割りには写真のボリュームが多めとなっています。お手軽な行程も手伝って撮りたくなるショットが満載の山でした。
対するレポの分量は少なめになりますが、フォトアルバムを繰る感覚でご覧いただければと思います。





11:55 北池登山口

 全山縦走でも利用した駐車ポイント。通行の邪魔にならないように車を停めて出発する。
今日の目的地である北山奥山へはここから登るのが最短ルートであるが、未踏のままの東の稜線を歩くために宝殿方面へ向かう。
但し真っ直ぐ東端の登山口へは向かわずに、上記【はりま歴史の山ハイキング】で記載されている宝殿駅付近の一等水準点へ立ち寄ることにした。
少し遠回りになるので、三角点等に興味のない方にはお薦めできない。








12:20 一等水準点 点名429 標高3.5m

 北池から徒歩約30分。地形図に描かれている通りに目当ての水準点があった。
周辺はやや道幅の狭い住宅地であり、車で乗り付けるのは遠慮したほうがいいかもしれない。
勉強不足のために三角点と水準点の違いがよく分からないけど、とにかく水準点も大切にしましょう。

 水準点からはほぼ真北に進路を取って、今日の行程の登山口のある辻地区へ向かう。








12:47 辻の峠

 辻の集落を抜けて少しばかりの登り坂を経て小さな峠に到着。地形図によると標高は10m弱。
【はりま歴史の山ハイキング】では、「地蔵堂がある峠」と記載されている。
北山奥山へ向かうトラックは西側の斜面から始まっている。
北池から1時間くらい歩いているので、とりあえずここで小休止していくことにする。








12:53 四等三角点を目指して一旦東の丘へ

 地蔵堂の前で地形図を見ていると、すぐ東の丘(44.8m)に三角点があるのに気付く。
すぐそこのようだし、簡単に登れるトラックもあるし、ということで立ち寄っていくことにした。

 44.8mピークは平らな広い丘であり、すぐにトラックは平坦になる。
そして目星を付けた三角点へ向かいそうな踏み跡を発見。しかし、踏み跡は深い藪の中に突入しなければいけなかった。
冬ならいいけど、スズメバチの居る今の時期に藪に突入するのはリスクが大きいと判断してあっさり断念。
とりあえずこのトラックの終点を見ておこうとピークの東側へ。








12:57 丘の東端に行き着く

 辿り着いたところは送電線鉄塔の基部だった。トラックは送電線巡視路だったようだ。
基部からは東側の景観を見渡せる。低いけど、播磨アルプス最東端の眺めと言ってもいいかもしれない。

 東端に行き着いた後すぐに地蔵堂の峠まで戻る。向かい側にはこれからまず登る100mピークが整った山容を見せてくれた。




13:05 峠に戻り、北山奥山へ向けて登山開始

 44.8mピークへ寄り道をした後で、ようやく今日の行程を開始する。
播磨アルプスの他の登山口と同様、しばらくは見通しの利かない森の中を登るようだ。








「つづら曲り」

 固有名詞が付けられているジグザグを登っていく。今日はもう釈迦岳に登った時のような体のだるさはない。
本来の軽快さが戻ってきたのを実感した。やっぱり健康が一番だなとしみじみ思った。(単なるカゼだったが)

 登り始めて数分で尾根に到達。このお手軽さが播磨アルプスのセールスポイント。
尾根には乗ってもすぐには展望は広がらなかった。なおもしばらく雑木林の中を登っていくと・・








13:21 展望の岩尾根へ到達

 登り始めて10分ほどで遮るもののない岩尾根へ到達。(途中で小休止を入れたため実質徒歩10分)
眼下には峠の地蔵堂と44m+ピーク。そして遠くには未踏の飯盛山。
今日はなかなか空気も澄んでおり、澄んだ秋空の下で楽しく歩けそうだ。




 数分で100mピークを通過。トラックはピークのすぐ南を通過した模様。ピーク自体はヤブに覆われている。








13:30 100mピークを通過して西へ

 100mピークを過ぎると前方にはこれから向かう北山奥山の前衛峰にあたる160mピークが大きく見える。
そして北東には高御位山の威風堂々の山容が変わらず立派である。

 この景観だけを見れば、街のすぐ側とは思えない雰囲気だと改めて思う。
実際にはすぐ近くを通る加古川バイパスの車の音がけっこうすごいけど。








13:40 太閤岩

 潅木帯の中の70m+コルを経て、太閤岩に到着。すぐ側には解説板がある。

 太閤岩

 今を去る四百有余年の昔、天正年間に羽柴秀吉が志方城を攻めた時、ここに本陣を置いてこの岩に腰を下ろして采配をとったと言い伝えている。
今この岩の上に立つと城山は指呼の間にあり、横大路永室原成井の砦から遠くは中道子山、城東は神吉・加古川の書城・西は姫路まで手に取るように
見渡されて軍兵を指揮するにかっこうの場所であったことがうなづかれる。
 ここから眺められる尾上高砂、曽根をはじめ淡路、四国の島々の景色はまことに美しい。

   志方町誌より


 見通せることは一目瞭然なのは分かるけど、三木合戦の端緒となったのは秀吉の失策だったという可能性を考えると、
この岩に後年の官位名(太閤とは関白を辞した人を指す)を冠するのは少々違和感を覚えざるを得ない。




13:47 太閤岩出発

 太閤岩から160mピークはほんの数分の行程だった。








13:54 160mピーク(城屋敷)

 城屋敷と呼ばれているらしい160mピークに到着。ピークはトラックの少し北に位置する。
周囲のブッシュのおかげで展望は少々隠れ気味だ。城屋敷とはかつて山城がここにあったことに由来する由。

 なお、この160mピークは米相場を伝達する「旗振山」でもあったようで、ここにも解説板があるが、
部分的に少々読みづらくなっている。電話が普及するまではここで相場を知らせる旗が振られていたようだ。








北山奥山が見えてくる

 160mピークを過ぎると前方には北山奥山がその姿を現す。
播磨アルプス南東部では最高峰であり、南に長く延びる尾根がなかなか立派に見える。

 トラックは相変わらず展望抜群であり、展望が無いところのほうが例外と言っても良いかもしれない。








もう一つの160m+ピーク付近

 地形図をよく見ると160mピーク(城屋敷)の西にもう一つ160m+ピークがある。(等高線は閉じている)
この岩棚を通り過ぎたあたりのようだ。この辺りはアップダウンは殆ど無いと言ってもいいくらい快適なトラックが続いている。








160m+ピーク付近より北山奥山を見上げる

 正面には大きく北山奥山が見えてきた。山頂に辿り着くまでずっと展望を楽しみながら歩けるようだ。








北山奥山への草稜歩き

 こういうところの風情が何よりも好き。今の季節も相まってとにかく爽快だった。夏ならとても歩けるところではないだろうけど。
午後の斜光を楽しみながら、北山奥山の魅力をかみしめていた。








160mピークを背にしてまもなく北山奥山へ

 160mピークはここから見ると双耳峰になっているのがよく分かる。
100mピーク手前から始まる楽しい岩尾根は北山奥山へ辿り着くまで長く続いた。
「播磨アルプス縦走」の最後にこれほど味わい深い区間が残されていたとは。自分にとっても予想外だった。








14:29 北山奥山山頂(183m)

 緩やかに登りついたのは見覚えのある北山奥山山頂。地蔵堂の峠から約1時間30分で到達した。
普通に歩くともっとずっと早いので、この所要時間は全く参考にならない。
ゆっくり歩いたこともあるだろうけど、全く体にも違和感はないのでもう完全に復調したと実感した。

 北山奥山山頂は展望が無いが、少しだけ南へ下りたところがお気に入りの展望スポット。
久しぶりのオカリナを吹いていこう。








播磨アルプスの山々を眺めて小休止

 前回の縦走時、前方の170m+ピークを経て北池へ下りた。このルートもなかなか良かったが、
今日歩いてきた地蔵堂の峠からの尾根も負けじと素晴らしかった。播磨アルプスはどこをとっても楽しく歩ける稀有の山だと思う。








14:58 北山奥山山頂出発

 北山奥山で約30分寛いだ後で行程を再開。
出来れば北に見える主峰、高御位山まで歩きたいところだったが、今日は北山登山口へ下ることにする。
とりあえず北山奥山からは北へ進路を取る。








15:06 165mピーク付近の出合

 まもなく送電線鉄塔のある165mピーク付近に到達。北山登山口はここから下山にかかる。
この北山登山口へ下るルートも未踏であり、どのようなところなのか楽しみだ。








165mピーク付近から眺める高御位山

 さすが主峰だけあって堂々としている。巌を西日が照らしていて、より神々しく見えるようだ。








15:15 下山開始

 北山登山口へ下山開始。下り始めてすぐにご覧のような景観が広がる。
縦走路からは見えなかったが、播磨アルプスに囲まれた箱庭のようだ。
下山ルートはこの後80m+ピークを経て北山地区へ下る模様。
下山中殆どの間は展望を楽しみながら下れる。北山ルートは予想以上の魅力を持っていた。








 短いがそこそこ急な岩尾根を下っていく








15:36 80m+ピークを通過して岩場を下る

 雑木林の80m+ピークを通過すると広大な岩場が広がっていた。
この横幅は百間岩以上ではないかと思われる。








15:49 北山登山口

 最後は森歩きになって北山登山口に到着。この写真の坂の上には公衆トイレが設置されていた。
北には高御位山が程近くに見えている。北山ルートはなかなかの楽しさだった。いずれここから登ってみたい。








北山鹿島神社

 北山登山口に隣接して鹿島神社がある。大鳥居のあるほうは鹿嶋神社。よく見たら字が違うけど、何か謂れでもあるのだろうか。
参拝者向けで設置されたと思われるが、けっこう広い駐車場もある。そういえばもう初詣には十数年行っていなかったなぁ。


 北山鹿島神社からは道なりに南に歩いて、本日の駐車ポイントである北池登山口へ。




16:05 北池登山口到着

 約4時間で戻ってきた。単なるリハビリを超えて、お手軽ながらも非常に楽しめる山だった。近いので時折はトレーニングにも使いたい。








今日の行程の断面図です



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