「峰相山から伊勢山へ縦走」 11年11月26日(土) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「姫路北部」、「龍野」、「安志」、「前之庄」 〜 はじめに 〜 前回、東尾根を通じて伊勢山に大いに魅了されました。 続けて歩きたいと思った西尾根でしたが、早くも翌週に機会が巡ってきました。 ネットを通じて調べているうちに、3年前に歩いたことのある峰相山から 伊勢山まで無理なく縦走出来ることが分かりました。 峰相山周辺も多くのトラックがありますが、今回は峰相山の南側に派生して 白鳥台から取り付くことが出来る未踏の尾根から歩き始めることとします。 今回はスタート地点とゴール地点は約2km離れています。充分に徒歩圏内 ではありますが、充分な山行時間を確保するためにも今回は自転車利用とします。 前回同様、ヤマザクラ広場に駐車し、そのまま自転車を飛ばして白鳥台3丁目へ。 登り坂が始まるところで自転車を置いてから、徒歩に切り換えて登山口へ向かいます。 6:41 ヤマザクラ広場(80m+)駐車場から自転車に乗って出発 ![]() |
行程概要 (山中のルートは不正確です)![]() 伊勢山周辺は基本的に細い踏み跡を辿るようなトラックが多いと考えて 差し支えないと思います。部分的に整備されてはいますが、枝道も多いことから 地形図とコンパスによる読図が必須です。登山口にも案内等は無いことが 普通ですので、事前の下調べも欠かせないものと思います。 |
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6:54 白鳥台3丁目(40m+)の交差点より歩き始める ここより自転車ではきつい登り坂が始まるのを見て自転車をデポすることにする。 朝の閑静な住宅街を散歩中の方々と挨拶を交わしながら歩いていく。 実質的な登山口にあたる水道施設の場所は概ね見当はついている程度だったが、 とにかく山裾の舗装路を道なりに登っていけば間違いないと思う。 地形図でも住宅街から伸びる行き止まりの舗装路で表現されている。 なお、この舗装路は住宅街を外れるところで車止めがあり、 一般車両は進入不可になっている。住宅街での路駐は周辺の住民の方々の迷惑に なりかねないので、遠慮しておいたほうが良さそうと思う。 7:06 水道施設(110m+)到着 緩やかな傾斜の舗装路を登り詰めたところに目指す水道施設がある。 道路沿いの生い茂る木々の向こうには、白鳥台の住宅街を見下ろすまで 既に登ってきている。もうかなり体が温まっているが、水道施設前で改めて ウォーミングアップをしておく。 |
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7:15 水道施設より登山開始 前回の東尾根への取り付き同様、ここにも登山口であることを示す標識等は一切無い。 まずこの階段を登って、施設敷地の外側を時計回りに進んだところからトラックが始まっている。 ネットによる情報が無ければ、絶対にここから登ろうと計画を立てられなかったはずで、 便利な時代になったものと今更思う。 |
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白鳥台周辺の景観が広がる トラックは地元の有志の方々によって整備されているようでありがたい。 取り付きはかなり急だったが、すごく歩きやすかった。 登り始めからまもなく、白鳥台を広く見渡すことが出来る。 その中でも異彩を放っているのが、白鳥城と名の付いている巨大建造物。 自分の持っている地形図(平成13年2月1日発行)には114mのなだらかな小山が描かれているが・・。 一度は行ってみたいところの一つとして、ドイツのロマンティック街道にあるノイシュバンシュタイン城があるが、 自分はやはりレプリカには興味が無い。困ったことに現地に行かないと気が済まない性質なので、 例えば古代ローマ好きとして長年の宿願だったイタリアにまで行ったのもそういう事情による。 でもノイシュバンシュタイン城のように白鳥城も築城から100年以上経つ頃になると、その存在感の重みは増すかもしれない。 |
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7:37 190m+ピーク到着 水道施設から本格的に登り始めて間もなく最初のミニピークに到着。 えっ、もう着いた!?という感じだったが、考えてみれば水道施設からの標高差は80m程度しかないのだった。 まばらに木が生えたピークは東から南の展望が良く、居心地もなかなか良い。 でも縦走が始まったところで長居するわけにもいかないので、ほどほどで出発しよう。 そこそこ広いピークからは、自分が登ってきた白鳥台からのを含めて3方向へトラックが伸びている。 ピークには道標等は一切無いので、歩き始める前には方向確認が必須だ。 と書いている自分も、寸でのところでうっかり石倉方面へ下ってしまうところだった。 |
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7:46 190m+ピーク出発 ここからいよいよ伊勢山へ向けて待望の縦走開始となる。 ほぼ真北には次に向かう216mピークが程近いところに見えている。 標高差は-20m、そしてごく緩やかに+40m。 トラック沿いにはシダが目立つがとても明瞭で、ルートを見失うような心配は皆無だった。 |
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7:57 216mピーク 190m+ピークから10分程度で次のピークに到着。 平らなピークで展望は無いが、雑木林に覆われて雰囲気は良いと思う。 ピーク上で再びルートは3方向に分かれており、東洋大姫路高校のグラウンド付近から登ってくるトラックも至極明瞭だ。 峰相山周辺の山域も豊富なルートがあるので、色んなバリエーションでプランが組める。 次にどこの山へ行こうかなと考える際の、選択肢に厚みを持たせる上でも心強い存在となりそうだ。 216mピークを過ぎると次はいよいよ峰相山が待っている。 3年ほど前に上伊勢からとんがり山まで歩いているが、峰相山の山頂には立っていないので今回が初めてとなる。 次の峰相山山頂までの標高差は、ごく緩やかに-20m、緩やかに+50m。 雑木林に覆われた尾根はシダも無く快適そのものだ。 |
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8:11 峰相山山頂周辺に展開する削平地、土塁など まもなく峰相山山頂に到着する頃、一見して人工的な地形と分かる一帯が見えてくる。 おそらく戦国時代末期まで峰相山で栄えていた鶏足寺の遺構の一部ではないかと思われる。 ここより少し西に「鶏足寺跡」と呼ばれているところがあるが、そこだけに寺があったと思うとそれは間違いであり、 戦国時代までの大規模な山上寺院は一大勢力といってもよい存在で、鶏足寺も実質的な山城状態と考えて差し支えない存在だったと思われる。 のあるきさんもこの点について触れられており、この削平地を見てなるほどと納得できた。 信長が比叡山延暦寺を焼き討ちしたことが有名だが、ここ鶏足寺も播磨征伐に来た秀吉に目を付けられるほどの勢力であったことは想像に難くない。 |
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峰相山山頂(244m) 削平地のすぐ横には、意外にここがピークがはっきりと分かる、こんもりと盛り上がったところがある。 少し西の「鶏足寺跡」と呼び習わされているところよりは、よほどピークらしいピークとなっている。 展望に加えて三角点も無いのが惜しいが、伊勢山と並んで兵庫100山に数えられているだけの趣きがあると思う。 ピーク上でしばらく小休止。地形図に目を通すが、伊勢山までまだまだ先は長いようだ。 自分の場合、行程を進めるために少しでも効率良く撮影することが大事だから、 その撮影ペースの加減にも気を配る必要がある。そういう意味でも地形図は役に立っていると思う。 8:20 峰相山山頂出発 |
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8:23 「鶏足寺跡」 峰相山山頂を出発してすぐに「鶏足寺跡」にあっけなく到着。これほど近かったのかと驚いた。 3年前に訪れた時は伊勢小学校から南進してきて、ここを経由してとんがり山へ向かっている。 その時には峰相山山頂は割愛したから、正確な距離感は掴めていなかった。 これほど近かったらクモの巣払いで疲れていようと、寄ってもよかったかなあ。 峰相山山頂で一息ついたばかりなのですぐに出発。 ここからしばらくは逆向きに一度歩いたことのある尾根を北進していくこととなる。 |
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快適な縦走尾根 峰相山を過ぎて次の目標は、これまた前回立ち寄らなかった245mピークだ。 縦走路の尾根に露出を合わせたために、ちょうど白トビしているところが245mピーク。 縦走路から少し西に外れたところにあるが、縦走路からの標高差は僅か+20m程度で距離も近い。 今の時期ならば多少藪っぽくても難なく辿り着けるだろう。 8:33 245mピークへ向けてトラックを外れる 245mピークの真東へ来たと思われるところでトラックを外れる。 外れたところだけは踏み跡が錯綜している様相だが、少し奥へ進むと驚くほど明瞭な切り開きが見られる。 予想外に簡単にピークへと導かれることとなった。 |
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8:38 245mピーク到着 雑木に覆われた平らな245mピークに到着。 分かりやすくピークの中央に三角点がある。 ここも人為的な地形のように見えるが、鶏足寺の遺構の一部だろうか。 雑木に囲まれて開けた展望は無いが、木々の向こうに遠く伊勢山が透けて見えるような気がした。 すぐ近くを素通りしてから3年越しでせっかく辿り着いたピークなので、ちょっと休憩していこう。 8:47 245mピーク出発 245mピークから再び縦走路まで戻って北進を再開。 次の目標は峰相山の北の肩にあたる存在の210m+ピークだ。 |
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245mピーク以北は緩やかに下りながらの快適な縦走となる。 途中からは背の低い木々が増え、明るい尾根歩きでとても良い雰囲気だ。正面右奥には伊勢山も小さく見えてきた。 左寄りに弓なりに尾根が曲がった先には目標の210m+ピークも見えてきた。 地形図で見るとおりになかなか目立つピークとなっている。 |
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9:08 210m+ピーク 標高差10m程度の急坂を登ると、また分岐をも兼ねている210m+ピークに到着。 ここから緑台へのルートも通じているようだが、どこに繋がっているのかいずれ確認したい。 ピークは展望こそないものの、今ピークに立っているとはっきり認識出来るところだ。 |
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9:13 峰相山・伊勢山間随一の好展望地に差し掛かる 210m+ピークから少し西へ下ったところから、ぱっと展望が広がってくる! 一度逆向きに歩いているから自分にとって初めての展望ではないはずだが、前回はここまでクリアに見えてはいなかったと思う。 殆ど初めての景観を眺める思いで楽しむことが出来た。 山並みの向こうに新竜アルプスのほぼ全景が見えることもポイントが高い。 砂交じりで滑りやすい岩場だが、縦走路にはロープが設置されていて心強い。 少し下ったところには一枚岩で構成されている支尾根があって、日向ぼっこついでに立ち寄ってみることにする。 |
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9:20 展望抜群の岩尾根 縦走路を外れて立ち寄ってみた岩尾根からは、これから初めて向かうことになるミニピーク群が北方に見えている。 その中でも215mピークの南側に見える岩肌はかなり楽しみなところだ。 この辺りで峰相山と伊勢山の中間付近となっており、先週よりは少しペースを上げるという意識付けで順調に行程が進んでいるようだ。 9:25 出発 ずっと居たくなるし、また麓まで辿ってみたいと思わせる岩尾根だが、 それはまたの機会にするとして縦走路へと戻ることにする。 |
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9:32 上伊勢ルートとの出合 伊勢小学校から登ってきた3年前は、ここで縦走尾根に乗ったという重要な分岐に差し掛かる。 立派な公設案内板も設置されている分岐はなんとなくだが見覚えがある。 伊勢小学校付近の登山口には何の標識も無かったのだが。 この分岐以北は再び未踏の区間となり、急登も含む+60mくらいの標高差に挑むことになる。 |
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215mピーク南の岩尾根 上伊勢への分岐を過ぎるとまもなく、再び好展望の岩尾根となった。 更に見事に丸みを帯びたなんともユニークな景観に驚いた。 明神山に「鯨岩」と名付けられたところがあったが、こちらのほうがよっぽど鯨っぽい上にしかもでかい。 夏は遠慮したいところだが、今の時期はとても気持ちのよいテラスとなっている。 |
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岩尾根から峰相山方面を振り返る 2段に分かれて点在する岩場の上部からは、これまで歩いてきた峰相山方面を広く見渡すことが出来る。 今回の縦走の前半を振り返るともいえる光景だろう。 215mピークはもうすぐのところまで来ているが、地形図どおりに登るにつれて急になっていくので、 展望を楽しむばかりでは済まないところでもあった。 |
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9:48 215mピーク ピークの直下で岩場は途切れ、樹林とシダ藪に覆われた215mピークに到着。 縦走尾根はピークを支点に90度東へ向きを変えるが、トラックもそれに合わせて急カーブを描いている。 尾根歩きの中では方向転換箇所が最も明確に読図出来るところと感じており、こういう場ではコンパスは欠かさず出番となっている。 この215mピークを過ぎると、トラックにはシダが目立ち始める。 でも痩せ尾根となることもあって、ルートを見失う心配はないようだ。 215mピークを過ぎると緩やかに下りつつ、進路は再び北寄りに向きを変える。 |
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10:00 170m+コル コルが岩場というのも珍しいと思った。この地形のためか、コルの両側には踏み跡は見受けられない。 正面にはこれから登る尾根の230m+部分。ここからだとピークっぽく見えているが、284mピークから南に派生する尾根の末端にあたる。 コルの東側は緑台住宅街が程近くに、後ろを振り返ると先程通過した215mピークが間近に見える。 |
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尾根への急登 170m+コルからは約60mの急登となる。等高線が詰まっている地形図どおりのタフな登りだった。 でも要所にはしっかりロープが固定されていて、調子良く高度を稼ぐことが出来る。 既にこの辺りは、峰相山周辺をカバーする「山陽自然歩道」、伊勢山南山麓をカバーする「打越こもれびの森」双方の整備対象外区域で、 全て有志の方によって拓かれたご様子。ややブッシュが目立つがこのくらいが味わい深い山道と思う。 急登の合間に振り返ると、これまで辿ってきた縦走尾根のピークが連なって見えている。 |
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10:15 230m+の出合 急登をクリアして230m+の尾根の肩に乗った途端、六甲縦走路レベルの非常に明瞭な幅広トラックに飛び出てびっくりする。 自分は正確には把握できていなかった、ヤマザクラ広場を基点とするサークルトラックのようだ。 峰相山から辿ってきた縦走路は、小さな案内板で指し示されている。 ここで地形図確認も兼ねて、小休止を入れる。 ヤマザクラ広場のサークルトラックまで到達出来たことで、最終目標の伊勢山も近づいてきた。 でもこの後、まだ乗り越えなければいけない問題のエリアが控えている。 |
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10:27 260m+ピーク 尾根の肩に乗ってから、緩やかに登って260m+ピークに到着。 ここからは正面に伊勢山、右手には展望広場のある284mピークが間近に見える。 サークルトラックに合流してからというもの、体にブッシュが当たらないし、丸太階段道もあるし、 至れり尽くせりで楽に歩ける。でもこれまでの縦走路に比べると、公園の遊歩道みたいでちょっと味気ない気もする。 |
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10:37 284mピークの出合 260m+ピークを過ぎて約40mの登りをクリアすると、284mピークにあたる出合に到着する。 この登りも遊歩道らしくジグザグ道で緩やかに設定されている。 この辺りでこれまで全く見なかったスズメバチを立て続けに目撃してちょっとひやっとした。 284mピークは地形図を見ると南北に細長いピークの北端に標高点が描かれているから、 ピーク南端にあたる展望広場は最高点には設置されていないようだ。 分岐にある公設の道標には、行き先が両方ともヤマザクラ広場を指していて、ちょっと不思議な感じだ。 ここを歩く方はサークルトラックであることは分かっているから、他に気の利いた表記方法があるように思う。 とりあえず、ここから100mのところにある「展望広場」へと立ち寄っていこう。 でも実際には100mもなかったような気もする。 |
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10:40 展望広場(280m+) トラックの支線の行き止まりは、このような展望テラスになっていた。 暖かな日差しに包まれて、とても気持ちの良いところだった。 テラスからは南面180度を広く見渡すことが出来る。せっかくだからザックを下ろして小休止していこう。 10:48 展望広場出発 展望広場から前述の出合(284mピーク)まで戻り、尾根が細くなるところへ入っていく。 |
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10:52 伊勢山が大きく見えてくる 尾根がくびれたところからは、これから向かう伊勢山が先週とは違った角度でよく見えてきた。 峰相山から歩いてきたから、なかなかの達成感に包まれる。 この後、まずは西峰南端峰を目指すのだが、その前にはこのサークルトラックから外れる局面がある。 これがこの縦走において最大の難関と位置づけている。 サークルトラックを辿っていくと、谷沿いまで降りてしまって縦走尾根を外れてしまうという事情がある。 この展望の後、細い尾根をジグザグに下っていく。 進行方向と脇道の有無等周辺状況を確認しながらサークルトラックを歩いていくこととなる。 |
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11:04 210m+コルから遊歩道を外れる しばらく下ったところで分かりやすい答えが待っていた。 284mピークの北にある220m+ピーク手前のコルから踏み跡が分岐していた。 進行方向、及び周辺の地形からここに間違いないと判断してサークルトラックを外れる。 サークルトラックの行き先を見てみると、東の谷方向に続けて下っていくことを確認。 現場にはベンチとサークルトラックの道標があるので良い目印になる。 なお縦走尾根を示す案内は無い。読図しながらの楽しい縦走が再開する。 |
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11:08 220m+ピーク 踏み跡へ入ってすぐ、220m+ピークに到着。 ピーク上で踏み跡は2方向に分かれるが、周辺の状況から判断してピークの左寄り側を進む。 この後、-40m、+20mのアップダウンが始まるが、この40mの下りは地形図で見るとおりの激下りであった! |
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220m+ピーク北面の激下り ピークから少し下ったところで撮影したが、これでもまだ少し緩いところだった。 体感的に40度くらいの急斜面だったと思われる。要所にはロープが設置されていて心強かったが、 今日の行程中で一、二を競うほどの難所だったのは間違いない。 普段は手に持ったままの三脚だが、この時はさすがにザックに収納してから下った。 行く手には180m+コル、200m+ピークが木々の向こうに見えている。 |
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11:16 180m+コル ターザンのような感覚で激下りをこなして180m+コルへ降り立つ。 コルの西側には踏み跡があって、上伊勢へ下山出来るのだろうか。 次の目標である200m+ピークへは20mくらいの登り返しだが、 こちらは激下りの後には緩く感じられる登りだった。 |
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11:19 200m+ピーク 1 180m+コルからすぐに200m+ピーク 1 に到着。 この後すぐにもう一箇所同じ高さのピークを通過するので、便宜上番号を振り分けることにする。 200m+ピーク 1 の南には220m+ピークが見送ってくれる。 ちょうど日陰になっている辺りが激下りで、もし逆向きに歩いたら辛い場面になるに違いない。 ここから尾根は西寄りに曲がりながら次の200m+ピーク 2 を目指す。 伊勢山南山麓では珍しくアップダウンは小康状態の区間だ。 |
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11:23 200m+ピーク 2 200m+ピーク 1 から程近いところにある200m+ピーク 2。 地形図で確認したとおりにピークの上でトラックは90度方向転換する。 その向こうにはいよいよ伊勢山西峰南端峰本体が見えてくる。 どの辺りで先週下ったばかりのメインルートに合流するのかワクワクしてくる。 |
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200m+ピーク 2 から、伊勢山西峰南端峰をつなぐ縦走尾根 これまでになくシダの生い茂る尾根だがルートはいたって明瞭。 行く手にはもう至近距離で西峰南端峰の山肌が見えている。 この辺りで薄々気付き始めたが、メインルートの尾根よりは一つ西の尾根に居ることが分かってきた。 |
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11:30 西峰南端峰山麓で一つめの分岐 今まで不明瞭だった区域に初めて踏み込むというのは、ちょっと不安もあり、また楽しみでもある。 そういう時に未確認の分岐に差し掛かった。 分岐上から様子を見てみると、どうやらメインルートのある谷あいへ下山出来るようだ。 もちろん、自分は徐々に斜度が増していく西峰南端峰方向へ登っていく。 |
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11:33 また分岐 少し進んだところでまた分岐が現れた。 今度も下山ルートかなとも思われたがちょっとトラックの傾斜が緩い。 この支線は尾根の途中でメインルートに合流出来るルートかもしれない。 これまで辿ってきた尾根はこの後山肌に吸い込まれ、方向確認しながら雑木林の明るい斜面を登っていく。 この辺りは明確な踏み跡は無いが、とにかく高いところへ登っていけば問題ないだろう。 |
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傾斜がどんどん増していく伊勢山西峰南端峰の南斜面 メインルートのどこで合流するのかを楽しみにして登っていくが、雑木林は段々と急になってきて、 ちょっと気を抜けば柔らかい地面に足をとられてずるずる滑りそうだ。 少しでも登りやすいところに足を掛けながら上へと向かっていくと、行く手が明るくなってきて何やら岩場らしきものが見えてきた。 メインルートで見られた岩場の一角が見えてきたと思い、逸る気持ちで登っていく。 |
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11:50 急斜面に展望が開けた あまり人は歩いていないところのようだが、それでもルートらしいとっかかりはある。 険しいが楽しく登っていくと、不意に南側の視界が開けて緑台の住宅街が見えた。 先週も曇天の下で見ていた景観で、もう西峰南端峰を目指すメインルートは近いようだ。 |
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11:53 伊勢山西峰南端峰(316m)到着 激登りを経て辿り着いたところは、なんと伊勢山西峰南端峰のピークだった! 尾根の途中で合流すると予想していたので本当にびっくりした。 先週の自分もそうだったように、ここから下るルートが始まるのはちょっと気付かないと思う。 この時予想外にピークは無人で、不意に自分が現れてどなたかを驚かせることはなかったのは、ほっとしたような残念なような。 ということで、メインルートの尾根登りは省略された形になって、いきなり目標のピークに着いてしまった。 ここより以北は先週踏破済の区間であり、白鳥台から始まった楽しい縦走はここで終わりとなる。 本当に楽しい道程だった。今の時期なら峰相山〜伊勢山縦走は最高だ。 ちょうど昼時だしここで2週続けて昼食を摂ることにする。 ピークから少しだけ下ったところが好展望のうえに、座るのに適した岩場もある。 |
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伊勢山西峰南端峰(316m)からの景観 西峰南端峰からは今回歩いた縦走尾根、先週歩いた東尾根の展望が抜群だ。 先週も眺めた景観なのだが、あいにくの曇天で納得出来る写真写りではなかった。 踏破後に縦走尾根の一つ一つのピークやコルなどの地形を確認する作業は何とも楽しいものだし、山への愛着もますます深まる。 前述の展望広場とヤマザクラ広場をつなぐサークルトラックは、どうして伊勢山を目指さなかったのかなと思ったが、 伊勢山本体は今の手付かずの状態を保つのが最も良いと感じた。サークルトラックはもっと気軽なピクニックで活用出来ればそれはそれで良いと思う。 |
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伊勢山西峰南端峰から、伊勢山本峰を眺める 西峰南端峰からは伊勢山が至近距離で大きく見える。 先週歩いたばかりだが、この後下山の途中で再び立ち寄ることとなる。 12:11 伊勢山西峰南端峰出発 ここでオカリナ練習をするのも気持ち良いが、今日は温めているプランがあるので先へ進む。 ここからは全て踏破済なので、ワクワク感は減退するが落ち着いて歩けるところだ。 西峰南端峰からはすぐ北端峰へ到達するが、岩場のピークは超満員で、脇のトラック上で昼食を摂られている方々も。 食事中脇に避けていただいて恐縮だったが挨拶を交わして先へ進む。 ここへは後で戻ってくるので、北端峰の上に立つのは先送りすることとして、一路空木城へと向かう。 そういえば「先送り」はどこかの国の得意技だが、失った時間は取り戻せないことをどう考えているのかな。 |
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12:24 空木城跡到着 先週、曇天の上に冷たい強風もあって、探訪も疎かになりがちになってしまった空木城を再訪する。 伊勢山西峰北端峰(神坐の窟)、空木城跡は、西山麓から登るトラックが整備されていて、公設の道標も完備されている。 この辺りは伊勢山の中でも、すごく整備の行き届いた山域に該当する。 西峰北端峰からの激下りを除けば、空木城が展開する尾根はいたって緩やかだ。 この辺りは地形図「安志」の右下に描かれており、夢前町と林田町の境界にもあたっている。 270m標高点ピークが空木城本丸にあたるところで、その東側にあたるここで尾根はピークへ向けて90度西へ曲がる。 この辺りから堀切等の山城の遺構が見られるようになる。 また、明確なルートは見受けられないが、今の時期ならば北の大堤峠へ下ることもひょっとしたら可能かもしれない。 |
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250m+コルを分断する堀切 尾根上には明確な堀切があって、いよいよ空木城へと入城する。 室町〜戦国時代が守備範囲の自分には楽しい山城探訪の始まりとなる。 この堀切からも上伊勢からルートが登ってきているようだ。 こことは別に西峰北端峰の激下り付近にも登ってきているから、周回コースを組むことも出来る。 |
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本丸(270mピーク)の東側には堀切から数えて2段の削平地が見られる 尾根の傾斜を利用して段々になった削平地が良好な状態で残っている。 一つ一つの削平地は狭く、城兵が多くて十数名常駐出来る程度と見受けられる。 トラックは尾根の南側を通って、本丸のある270m+ピークへと登っている。 本丸の手前には展望も楽しめるベンチも設置されているが、とりあえず城跡探訪のほうが先だ。 |
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270mピーク(空木城本丸) 地形図で見るよりもかなり広く感じられる270mピークに到着。 もっとも室町時代に築城されてこの地形になるまでは、もう少し高い山だっただろう。 270mピーク周辺には本丸を中心として、いくつかの小さな削平地による郭が構成されている。 この広い本丸の削平地だけでも見応えがあるが、今日は西側に削平地がいくつ残っているのか数えてみよう。 |
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270mピーク西端は1.5m程度掘り下げられている ピークの西端は家を一軒建てられるくらいの削平地がみられる。 便宜上ここを二の丸と表現するが、この段差は本丸を守る最後の障壁とされたのだろうか。 段差には丸太階段が整備されていて、快適に城跡探訪が出来て至れり尽くせり。 ピーク西端からは尾根が狭まっていくが、西尾根上にも削平地が現存している。 |
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二の丸の西側には二段の削平地 二の丸の下にはほぼ同程度の広さの削平地が連なる。 東側でも見られるのと同等の広さだ。 南北の斜面は崖のような急斜面だから、人が行き来できる東西方向はこのようにしっかり守られていることを確認した。 赤松家は嘉吉の乱で滅亡した後、応仁の乱を経て再興。 戦国時代には被官の浦上家や一族庶家の別所家の台頭により衰亡していくが、 それでも秀吉の軍門に下るまで置塩城を中心とした夢前三郡は押さえていた。 姫路城のような華やかな近世の城よりも、このような山城のほうが好きな自分には、 赤松家の波乱に富んだ盛衰記はすごく心を惹かれるものがある。 受験のための上辺を撫でるだけに終始する、学校の授業では歴史の楽しさは伝わらないといつも考える。 |
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二段の削平地の西側も更に続くトラック 削平地は2段で構成されていることを確認したが、丸太階段もある整備されたトラックはなおも尾根の下方へ向けて続いている。 今回の行程ではこれ以上下ることは断念したが、いつか西の山麓から空木城へ登城してみたく思う。 城跡探訪はこのくらいで切り上げて、270mピークの本丸へと戻る。 この後は本丸でオカリナを心ゆくまで楽しんだ。 レパートリーを増やすために楽譜(読めないので音階を書かなければいけない)まで印刷して課題曲「埴生の宿」を練習した。 いつまでも満足に吹ける曲が「ちょうちょ」や「アメイジング・グレイス」だけでは寂しいので、 音楽は苦手科目だったはずなのだが山行中に練習時間は確保していきたい。 |
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出発前に本丸南のベンチで一休み ベンチからは南面180度が広く見渡せる。 空木城の城兵達も見ていた光景と思うと、心境をシンクロ出来る気がする。 先ほどまでは西峰北端峰で集う方々が見えていたが、今は誰も居ないようだ。 13:30 空木城跡出発 空木城滞在1時間超で出発する。 ここだけはピストンになるが、西峰北端峰まで引き返していく。 |
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急登を経て西峰北端峰へ 行きには早く空木城へ行きたい気持ちが勝って駆け下ってしまったが、 険しい局面の西峰北端峰の北斜面を復路で撮影した。ここでも設置ロープが大活躍する。 神坐の窟は先週じっくりと探訪したので、今回は少し立ち寄るだけとした。 その神坐の窟の屋根にあたる西峰北端峰へといよいよ登っていく。 昼食時から少し時間をずらしただけで、満員だったピークには既に誰も居なかった。 |
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13:45 伊勢山西峰北端峰(310m+)到着 ほぼ360度の見渡すばかりの大展望と高度感が堪らないピークで本当に最高だった! 巨大な岩塊であるうえにそこそこの広さもあって、縁にまでいかなければ危険はないと思う。 ピークからは先ほど探訪した空木城が少し見下ろした尾根上に見える。 先週は北方は黒い雲が広がっていたが、今日は本当に快晴だ。 これならもっと北の高い山に登る計画も実行出来たかもしれないが、里山歩きにも最高の天気だったことは間違いない。 |
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伊勢山西峰北端峰(310m+) 西峰北端峰はこのように尾根の突端に突き出た巨大な岩塊で構成されているユニークなピークだった。 ピークからはもちろん神坐の窟は見えないが、ピークの下に巨大な空洞が開けていることも考えると、 もっとスリルのある山頂滞在となるかもしれない。 |
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伊勢山西峰北端峰(310m+)から先程突き上げた西峰南端峰を見る 地形図でも南北に細長い等高線の両端に2つの等高線の閉じたピークが描かれている。 ほぼ同じ高さの両ピークだが、心持ち南端峰のほうがちょっとだけ高いように見える気がする。 ここ西峰北端峰でも、しばらくオカリナを吹いて過ごす。 最初よりはだいぶ指遣いが慣れてきたが、まだまだ練習が必要なようだ。 ここも本当にいつまでも居たくなるところだが、残りの所要時間を考えて程々で切り上げる。 14:09 伊勢山西峰北端峰出発 下山ルートは東尾根を歩いた先週に目星を付けていたルートを歩きたく、 途中まで東尾根を南進することにする。 伊勢山本峰を含めて東尾根については先週に詳述しているのでここでは簡略したい。 |
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14:17 伊勢山山頂(353m) 暑い時期には日差しを避けるのに良いと思うが、今はただ肌寒い。 水分補給だけして早々に出発する。 時には短い登り返しがあるが、東尾根を南進すると基本的に下りが続く。 今回は撮影は殆どしなかったので、所要時間は驚くほど短縮出来た。 |
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14:38 190m+コル 先週は1時間ほど掛けて登った北部東尾根を20分で駆け下って190m+コルに到着。 下山のために東尾根を回り道してきたのは、このコルから西の谷沿いを下るルートを歩きたかったからだった。 3分程度一呼吸おいてから190m+コルを出発する。 |
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190m+コルから下る谷沿いコース コルからすぐに谷の源頭部になり、徐々に水量を増す小川沿いに下っていく。 地形図どおりに緩やかに下っていくので、下りでも膝に優しいコースだ。 西に傾いた日が谷に柔らかく差し込んで、山行のフィナーレを飾るのにとても良い雰囲気だった。 |
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14:53 ヤマザクラ広場周回遊歩道と合流 190m+コルからゆっくり歩いても僅か13分で、先週歩いたメインルートにあっけなく合流してしまった。 予想したとおりにここと繋がっていたことを確認した。 このルートを使えばヤマザクラ広場発着でも、ピストンを避けて伊勢山を周回コースで気軽に歩くことが出来る。 でも伊勢山西峰南端峰と東尾根の298mピークへの登りはどちらも急だから、 どちらを登るのが楽かというと甲乙付けがたい。 出合からはサークルトラックの一部を成す遊歩道を散策気分でヤマザクラ広場へ戻る。 |
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15:03 ヤマザクラ広場到着 日が西に傾きつつある中、駐車地であるヤマザクラ広場に到着。 車で山の装備を解いてから白鳥台3丁目に寄って、デポしてある自転車を回収してから帰宅する。 〜 終わりに 〜 好天にも恵まれて、約8時間かけ峰相山から伊勢山まで、里山歩きを大いに満喫出来ました。 このルートは夏を避ければとても楽しめると思います。 この山域はまだまだ歩いてみたいところがあるので、時折訪れてみたいと考えています。 |
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行程断面図です![]() |