「御津山脈・天下台山縦走 / 野瀬から天下台山西尾根へ」 2015年12月20日(日)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「相生」




 〜 はじめに 〜

 天下台山、御津山脈周辺は今までに何度となく歩いていますが、未踏ルートはまだまだ残されています。
今回は野瀬から五六見山までのルートと、天下台山西尾根コースという両未踏ルートを御津山脈縦走路でつなぐ行程に挑みました。
距離だけみると7km余と大したことはありませんが、踏み跡不明瞭、激ヤブ突破と難路続きで文字通りイバラの道でした。

 山行に先だって水子地蔵の駐車場に車を停め、自転車で野瀬貴布祢神社へ向かいます。
但し遠見山トンネルまでは登りとなるので、快適なサイクリングとはいえませんが。
トンネル以南では下りとなりますが、冷え込んだ朝に風を切って走ったのでその寒いこと寒いこと…。





 行程概要 


 7:00 野瀬貴布祢神社(10m)出発

 野瀬地区西端に位置する貴布祢神社から山行スタート。
なおこの神社は賀茂神社という名前でもあるようだが、この山行では便宜上貴布祢神社で統一したい。

 自転車ならデポ可能だが車は適当な駐車スペースが無いのが、早朝に自転車を走らせることになった理由。
まずは身体をウォーミングアップして暖めてから本殿へ登っていく。








 野瀬古墳1・2号墳(相生市野瀬)

 この古墳は、6世紀後半に造られ、2基ともに、主体部の横穴式石室が平地の方に向かず、
山側に開口しているのが変わっています。
 いずれも墳丘の大半を失い、石室も半壊の状態ですが、2基が並列し、石室の中心間の距離が
6.3mと接近しているところから、双円墳であったことも考えられます。
 双円墳というのは、2つの円墳がくっついた形で、瓢塚などと呼ばれています。
それぞれに主体部があるので、おそらく夫婦を葬ったものと思われます。

 相生市教育委員会
野瀬古墳1・2号墳(大黒山登山口)

 神社本殿に向かって左側へ回り込むと野瀬古墳1・2号墳に行き当たり、その傍には大黒山登山口を示す指導標もある。
いきなり史跡巡りも出来てしまい充実した山行になると思いきや、指導標の示す先には道らしい道がない。
行く手は獣避けネットが張られ、ネットの向こうは畑や竹林が広がっている。

 地形図を見ると神社付近から尾根に乗れるのは間違いなく、本来であれば畑になっているところを進みたいところだ。
しかし現場の雰囲気からして、畑に入らず北側の竹林になっている斜面を横切ったほうが良さそうだ。
幸いにも立ち木の一つを利用してネットを乗り越えることが出来た。

 竹林及び雑木林になっている斜面を横切って南西へ向かう。
時折マーキングが見受けられるが明確な登山道などは無く、登山口を示す指導標のみ残っているが事実上廃道状態といってよいかもしれない。








山裾の畑を避けて山腹を登っていく

 方角を時折確認しながら、歩きやすそうなところを選んで登っていく。
この辺りは緩やかな山裾が広がっているので、どこにでも降りられそうだ。本来の登山道の痕跡を探しながら歩いたが見当たらなかった。
最近は全く人が立ち入った形跡は無かったが、幸いにも登り始めはヤブもなく順調に高度を上げていく。








次第に緩やかな尾根の形状が現れる

 登るにつれて地形図どおりに尾根の形状が明確になってくる。
行く手にはこれから合流する主尾根が浮かび上がってきて、狙いどおりに行程を進めていることが確認出来る。








 7:33 大黒山・五六見山へ突き上げる主尾根に乗る

 北から登ってくる同程度の尾根と合流する。
この辺りでは比較的多くのマーキングが見受けられ、下りで歩いても尾根の選択が容易に出来るようになっている。
但し北側に向かっても普通に降りていけそうだ。









 110m+辺りで乗った主尾根はゆったりとした地形が続く。
下草が全く無い雑木林で、これなら大黒山まで楽勝だなと思ったが・・。
展望は殆ど開けないが、相生湾を行き交う船の汽笛と工場からと思われる機会音が間近に聞こえる。








大黒山が近づくにつれて次第に藪っぽくなっていく

 野瀬側から合流してくる支尾根に向かってトラバース気味に登っていく。
マーキングが時折現れたり、微かに登山道の痕跡が見受けられるが消えかけている。
いつしか尾根の形状も明確になり、出来るなら尾根直上を辿りたいが巨岩や密生したヤブに遮られるため、
相生湾側の山腹での迂回を強いられる。ということでもう登山道とは関係なく、少しでも歩きやすいところを選ぶ。
一つだけ救いだったのは、この辺りではイバラを見かけなかったこと。








 8:11 大黒山山頂(264.7m)到着

 野瀬貴布祢神社を出発してから1時間超で未踏だった大黒山に到着。
密度の濃い雑木林に覆われているが、静かで良い山頂だ。
それなりに広い山頂には円を描くように石が置かれている。以前に丹生山系で見た古代祭祀跡と雰囲気が似ている気がする。

 大黒山まで辿り着けたら、東隣の五六見山までは短い吊尾根を渡るだけ、
の筈がこの後が今日の行程で最も難所となった。








大黒山山頂東側で密生した藪に遮られる

 山頂を出発する時が要注意ということで、大黒山でもくまなく歩きまわって消えかけたルートを見出そうしたが見つけられなかった。
地形的には単純ですぐ東側には五六見山が見えているのだが、吊尾根上には全く人の立ち入った形跡が無かった。
少しでも密度の薄いところを見出して進もうとするも上手くいかず、丈夫なレインウェアを着込んで強行突破することにした。
出来るなら木々を傷つけたくないが仕方がない。バキバキ折りながら自分でルートを拓いていく。
「道なんてのは俺様が通った後に出来るってもんだ!」といういつか見たアニメを思い出しながら。








240m+コル以東は歩きやすい笹薮に

 力技が必要だったのは大黒山に近いところまでで、240m+コルでは下草まで消えた歩きやすい空間に。
五六見山への登りが始まると、腰高程度の笹で容易に掻き分けて進むことが出来るようになった。
この頃には再びルートを見出せるようになり、順調に五六見山へ登っていく。
振り返ると大黒山がすぐ背後に見えて、先ほどから殆ど行程が進んでいないことを実感させられる。








 8:47 五六見山・仏が台山山頂(292.7m)到着

 短い吊尾根の踏破に30分超も掛かって、ようやく五六見山までやってきた!
ここから先、天下台山までは以前に歩いたことがあるので、緊張感を多少でも緩めることが出来る。

 今回、初めて近くの水晶山へ立ち寄ることにしていたが、まだまだ先が長いのでまたの機会に置いておくことにした。

 五六見山山頂でも大黒山を示す指導標があるが、自分が歩いてきたところとは全く違う方向を指していることに気付く。
とはいえ、指導標の先を見ても明確なルートは無い。
地形図を見ながら殆ど尾根の直上を進んできたのだが、もしかしたら自分がルートを見つけられなかっただけという可能性もある。
一度ここから逆に大黒山へ向けて歩いてみると、答えが出るかもしれない。








確かに指導標はあるが、踏み跡不明瞭で現状は廃道状態といって差し支えないかも




 8:57 五六見山・仏が台山山頂出発

 暑いレインウェアを脱いでから出発。
ここから先は天下台山まで踏破済。大黒山で時間を食った分ペースを上げていきたい。








五六見山山頂付近からは御津山脈、天下台山、そして播磨灘に突き出た室津が一望出来る

 これまで難路を越えてきただけに、観たことがあっても清々しく感じる景観だ。
空気が澄んでいる冬の海の光景はとても良い。

 とはいえ、ひどい暖冬で県北に雪が無いから実現出来ている山行だけに気持ちはちょっと複雑。
この山行の1週間前に奥神鍋で一応は人工雪で初滑りはしたものの、昼前で切り上げてしまった。
どんな状況でも練習に熱が入る方も居られるが、自分はやはり天然雪が積もらないとやる気が出ないのだ。
ここ数年の経験上、1級を越えれば更なるスキー技術の上達には相当な努力が必要と感じているが、
自分の気持ちが切れかけてるのか伸び悩んでいる。
元々、山歩きよりもスキー歴のほうが長いのだが、最近は山歩きのほうが楽しいという気持ちが相対的に大きくなっているのを感じ始めている。








 9:14 御津山脈縦走路に合流(250m+)

 五六見山からは明瞭なルートに変貌して、順調に柏登山口から伸びている縦走路に合流。
ここからはたつの市と相生市の市境ともなっている御津山脈を東進していく。

 御津山脈縦走路から天下台山までは以前に詳述しているので簡略して記したい。

 縦走路とはいっても常に下草に当たりながらといった感じで踏み跡薄いルートだ。
整備万全な六甲縦走路のように快適に歩けるところではないのと、
天下台山まではイバラの群生地も通過するのでレインウェアのズボンは履きっぱなしにしておく。








230m+コルより谷沿いを野瀬へ下るルートが分岐しているが、ここも難路と捉えたほうが良さそうだ








 9:33 273mピーク

 273m標高点ピークからは近くなった室津の眺めが良い。
でも午後に順光で眺めるのが理想かもしれない。








次第に近づいてくる雄鷹台山

 大黒山周辺の難路に比べれば、御津山脈縦走路は快適そのもの。
遠ざかっていく五六見山、近づいてくる雄鷹台山と縦走の醍醐味も充分に味わえる。








 9:52 210m+コル

 野瀬から大浦への山越えルートと交差する210m+コル。
写真では分かりにくいけど、踏み跡は比較的明瞭だ。








236mピークを過ぎると尾根は弓なりに左ターンを描きながら雄鷹台山へ








やや笹が深いところもあるが、遠くなっていく五六見山や播磨灘を見ながら心地良く縦走出来る








10:32 雄鷹台山山頂(310.5m)到着

 最後の短いがかなりの急斜面を登り詰めると雄鷹台山に辿り着く。
五六見山からは1時間30分でなかなか良いペースだ。これなら天下台山に昼頃に着くだろう。
山頂の様子は以前と変わらないが、どなたかが忘れられているらしい水筒だけが枝に掛かっていた。




10:39 雄鷹台山山頂出発

 ここから先、天下台山の手前の馬場坂に辿り着くまでは再び難路となる。
特にイバラの群生地の野瀬奥山以南が要注意で、無事な通過には気合と集中力が必要だ。








ダイセルの敷地を示す有刺鉄線沿いに北上

 雄鷹台山の北斜面は標高差100mほどの急斜面となっている。
ルートは藪を避けるために付かず離れずといった感じだが、基本的に有刺鉄線沿いを下っていく。
落ち葉で滑りやすい急斜面なので足運びは慎重に行う。

 写真では白トビ気味ではあるが、行く手には野瀬奥山が既に見えている。








10:55 180m+コル

 180m+コルに降り立つと激下りから解放されてほっと一息付けるが、ここから先が今日2番目の難所だ。
このコルもかつては東西に人の行き来があったかもしれないが、今日では東側はダイセルの敷地内なので立ち入ることは出来ない。







野瀬奥山まで延々と続くイバラの道

 前回、逆向きに南下した際にズボンを派手に破ってしまった因縁の地なので、今回はレインウェアのズボンで脚は防御出来ている。
本当は上半身もレインウェアを着こんだほうがより安全なのだが、初冬のこの時期でも日当たりの良い南斜面は暑い。
上半身の服を破かないように、徐行で慎重に進んでいく。
イバラに引っかかりかけたら蔓を折ってリベンジ?しながら歩いたが、棘を避けて指の力だけでへし折るので蔓が強靭に感じた。
ルートを塞ぐような目立つものは折ったが、すぐにイバラは復活するだろう。
今度からここを通過する際は鎌が必要だと痛感した。








11:20 290m+ピーク「奥山南展望台」

 180m+コルからのイバラの登りはここで一段落。まだまだ難路が続くので、焦らずに一息入れていく。
南側にはこれまで辿ってきた御津山脈が逆光で一望できる。








290m+ピークを過ぎると野瀬奥山まではあと少し

 北斜面はイバラこそ減るものの、歩きにくいことは変わらない。
きれいな三角錐の野瀬奥山の姿を励みに僅かに下ってから登り返していく。








有刺鉄線沿いに野瀬奥山へ最後の登り  御津山脈を振り返る

 シダは埃っぽいけど問題ないとして、とにかくイバラがうっとおしい。
何本折ったか分からないくらいイバラは駆除したので、別の意味で達成感を得られた感じがする。
そんな難路を経て登り返してきただけに、背後に海が見える御津山脈の眺めもまた格別な思いがする。








11:37 野瀬奥山山頂(328m)

 遂にイバラの道を突破して野瀬奥山に到着。
まだ馬場坂まではヤブっぽいルートが続くが、イバラさえ無ければそれだけで快適に感じるだろう。
 イバラとの格闘が続いたので、ここでは小休止を入れていきたいところ。

 なお天下台山を抜いて、この野瀬奥山が今日の行程における最高点。
地形図どおりにだだっ広いピークではあるが雑木林に覆われていて、有刺鉄線沿いに明確なルートが伸びているので間違いにくいはず。
但し西側にも踏み跡が伸びているので、改めて地形図を見ると少し西に進んだところで崖に行き当たりそうだ。








野瀬奥山を通過すると天下台山が近づいてくる 西には五六見山、大黒山が見える

 野瀬奥山から少し北へ進むと天下台山が見えてくる。
まだだいぶ距離があるように思うが、既に山頂には人影も見えるし声まで聞こえてくる。
一方、西側には今日の行程序盤に歩いた山々も見えてくる。








イバラは少ないが、まだまだヤブっぽいルートが続く

 この後、天下台山の手前に見える270m+ピークを越えていく。
なお上空に見えている送電線は、今日の行程終盤で下山ルートとしている西尾根へと繋がっている。








12:06 270m+ピーク

 野瀬奥山北隣の270m+ピークを通過。ここも同じく有刺鉄線沿いに明瞭なルートが続いている。
平らなピークを通過すると、いよいよ馬場坂へ向けて下り始める。








12:17 馬場坂(210m+)

 長い長いヤブっぽいルートを経て遂に馬場坂に到着。
相生側から龍野側へ抜ける古道が越える馬場坂は、今日も古き良き峠の姿を忠実に残す貴重な場所。
ここから天下台山まではあと少し。ここから先は歩きやすくなるので、レインウェアのズボンはここで脱いでおく。




12:27 馬場坂出発








関電巡視路を辿って天下台山へ

 これまでとは打って変わって、手入れが行き届いたルートを辿っていく。
途中で東尾根、岩屋谷からのルートが合流してくると程なく天下台山へ。








12:44 天下台山山頂(321.3m)到着

 自分にとって3回目となる天下台山に到着。
眼前にはこれまで歩いてきた山々が全て見渡せ、難路が続いた今日の行程もあって達成感は相当なもの。

 山頂南側には先ほどから見えていたグループの方々、そしてまもなく子供連れのファミリーまで登ってきて、なかなか賑やかな山頂での時間となった。
というか、ここまで想定通りに誰とも出会わなかった行程を経てきたので何だかほっとした一時だった。




 山頂では暖かいココアを入れて南側の山々を眺めて昼食とした。




13:05 天下台山山頂出発

 天下台山ではこれまで北尾根、東尾根と歩いたので、今日は西尾根を選択した。
「とんび岩通信」さんによると、山頂からの歩き始めは公設ハイキングコースということで整備は行き届いている。








海が見える景観が爽快な西尾根へ

 これまで踏破してきた山々を左手に見ながら緩やかに下っていく。
見た目にも周回に近い今日の行程が進んでいるのが分かるので、気分良く下っていけるところだった。

 なおこの歩きやすい公設ハイキングコースは東部墓園へ向かっている。
目当ての西尾根コースへは途中でルートを変えなければならない。








13:14 西尾根コースへ

 天下台山から少し下ったところから西尾根コースが分岐する。
歩いていた公設ハイキングコースは山腹を北へと進んでいくが、西尾根コースは小さい指導標と明瞭な切り開きで目立っている。
西尾根コースはほぼ全ての区間が関電巡視路となっているので、下りは比較的歩きやすい行程となるだろう。








13:20 240m+

 分岐から僅かに下ったところで、西尾根コースに入って初めての送電線鉄塔に辿り着く。
ここを過ぎると西尾根コースで随一とも思える展望を楽しみながらの下りとなる。
正面の谷あいには車を置いている水子地蔵辺りが既に見えている。
西尾根コースはヤブを掻き分ける必要がなくて本当に歩きやすかった。








13:28 2本目の鉄塔には寄らずに分岐を山腹へと進む

 すぐ目の前には2本目の鉄塔が見えているが、西尾根コースはここで北側山腹へと折れていく。

 山腹を進んでいくと細い流れのある岩場を通過するが、ここにちょっとしたトラップがあった。
西尾根コースは岩場を挟んで道なりに伸びているのだが、それよりもその僅か上にある指導標に目が留まってしまった。
吸い寄せられるように指導標に誘われると、結果的に西尾根とは無関係のもので行く手は濃いヤブで難路そのものだった。
これは違う!ということで、周囲をよく観察するとすぐ下に明瞭なルートが伸びていることにようやく気付いた。
人間の視野の限界というか、視覚吸引効果のようなものを感じた経験だった。








西尾根コースは尾根だけではなく、山腹も通過する

 天下台山の西方はなかなか地形が複雑で、一本道となるような明確で大きな尾根は存在しない。
点在する送電線鉄塔を通過する関電巡視路を活用しながら、尾根や山腹を辿っていく変化に富んだルートだった。
 次の鉄塔に辿り着くまでは北側の山腹を迂回する形で下っていく。








13:48 140m+

 3本目の送電線鉄塔は再び好展望。
水子地蔵のある眼下の谷間が近づいてきて、今日の行程も終わりが見えてきた。
想像以上に展望が多い西尾根コースなので、下りも本当に楽しいものとなった。
でもこの鉄塔の基部には何故かコバノミツバツツジ?と思われる花まで咲いていて、
珍しいものを観たというよりも暖冬をもたらすエルニーニョの不吉な影響を心配せずにはいられなかった。








岩場もあって意外に歩いて楽しい山腹道。行く手には今日最後の送電線鉄塔が近い








13:55 110m+

 緩やかに下って今日最後の送電線鉄塔に辿り着く。
振り返ると複雑な地形からか、天下台山山頂は分からなかったというか見えなかったのか。
地形図を見ると楽しかった西尾根コースももう終盤。残る標高差は80m弱だ。








西尾根コース下部は再び尾根道へ

 これまでしばらく山腹道が続いたが、最後は尾根歩きで締めることが出来る。
馬場坂から下ってくる谷沿いに伸びる明瞭な尾根を辿っていく。巡視路であるために最後の最後まで快適だ。
行程を終えるのがもったいないと感じる西尾根コースだったが、遂に眼下には大きく民家が見えてくる。








14:10 西尾根登山口(30m+)

 天下台山の西山麓を走る道路脇に降りてきて西尾根コースは終わった。
現場には指導標の残骸はあるが、現状は巡視路を示す「火の用心」標しかない。
目立たない登山口ではあるが、西尾根コースも北尾根や東尾根に負けない良いルートだった。

 水子地蔵とその駐車場はここからすぐ南に進んだところだ。
あまり使われてはいないようだが、付近には馬場坂に直登出来る馬場坂西コースの登山口もある。




 車に戻って山装備を解く。
そして山行後の心地良い余韻で忘れないよう、野瀬貴布祢神社前に置いてある自転車の回収に向かう。
早朝に自転車を押して登った道も車ならあっという間で、すぐに行程出発地の野瀬へ辿り着く。








野瀬貴布祢神社

 山行の起点となった懐かしい野瀬貴布祢神社に戻ってきて一応周回完了!
消えたルートを追ったり、ヤブを強行突破、そしてイバラの道と難路続きだったが、その分周回の達成感は大きなものだった。




 自転車を回収してから道の駅あいおい白龍城へ向かい、同地のペーロン温泉で山行の汗を流す。
浴場からは海の向こうに天下台山が見えて、心行くまで山行後の余韻を楽しむことが出来る。
またこの日は時節柄、温泉ではゆず湯に入ることも出来た。
この後も雪が積もらなかったために結果として年内にもう一度山行することになるが、今年一年の労を労わった思いの一時ともなった。

 温泉後は忘れずに牡蠣を買ってから帰途に就いた。
室津や相生へやってくると牡蠣もついでに買えるので、この意味でもこの地域の山行は貴重な機会だ。
身が充分に大きくて、帰宅後にさっそく両親と共に美味しくいただきました。








 〜 終わりに 〜

 野瀬周辺のルートは基本的に廃道状態。そして野瀬奥山付近はイバラの道で大変な行程です。
この行程は万人の方にお薦めできる行程ではありません。
もし歩かれるなら好天の冬の日を選んで、地形図とコンパスをお供に気合を入れて縦走しましょう。








行程断面図です




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