05年5月26日(水) 晴れ 笠形神社コース〜仙人滝コース

 実際に歩いてから半年も経ってからのレポートではあるが・・。(^^; 五月晴れの気持ち良い一日、播州を代表する名山の一つとして人気の高い笠形山を歩いた。
神戸新聞総合出版社刊「新版ふるさと兵庫50+8山」を参考にして瀬加に車を停め、笠形神社コースを登り山頂に到達。帰路は西を迂回する仙人滝コースを
経由して下山するというプランである。

 9:20
 瀬加の集落にある登山者用の広い駐車場を出発。しばらく集落の中の緩い登り道を歩く・・はずだったが、先に駐車場で道を尋ねてきたおじさんが鳥居まで
車で上がるからということで、ご好意に甘えてヒッチハイクさせてもらうことに。m(__)m 歩く予定だった集落内の登りを車で楽に登れて嬉しかった。

 鳥居前で下車。おじさんにお礼を告げ、笠形神社コースを歩き始める。
おじさんは笠形神社コースを往復するとのことで、この後山頂でも再開
することに。

 鳥居からは杉林の中を緩やかに登っていく。すぐに前方の視界が開けて笠形山が遠くに見える。するとまもなく笠形寺に到着。

 9:40

 笠形寺

 トラックは境内の横を通っていく。右手には日光が当たり、
さながら中尊寺金色堂のような建物が目に入る。

 笠形寺 蔵王堂 (市川町指定重要文化財)

 境内も建物も全て整備が行き届いていてすばらしい。
紅葉の時期に来たら尚情緒深いところだろう。


 再びトラックに戻り、杉林の緩やかな坂を登る。両側には祠や地蔵が点在し、すがすがしい雰囲気の中を歩く。


 9:50

 休み堂
 最近立て直されたようで、なかなかきれいなあずまやが
トラック脇に立っている。まださほど疲れていないので、ここでは
休まずに登り続ける。


 10:05

 笠形神社

 休み堂からは一旦車も通れる林道に出て、ジグザグに登っていく。
途中からは再びトラックに戻り、しばらく急坂を登って、笠形神社に
到着。宮司さんも巫女さんも居らず、普段は無人のようで静寂に
包まれている。境内には姫路城の昭和の大修理の際に供出された
杉の大木の跡地があり、立派な記念碑が建立されている。

 
 緩い傾斜地になっている笠形神社の境内の奥から山頂へ続くトラックが始まっている。しばらくは薄暗い杉林の中を登るが、すぐに視界が開けてくる。
笠形山で初めて見る笹の原がこの辺りからトラックの両側を覆っている。

 細いが明瞭なトラックが緩やかに伸びている。


 再び森歩きとなったところで、仙人滝へ抜けられるトラックとの
分岐点に到達。後で分かることだが、仙人滝コース下部の簡易
舗装の林道はめちゃくちゃ歩きづらく、笠形神社コースで登り、
仙人滝を経由して笠形山へ登るのも良いと思った。


 この笹原を歩く辺りが笠形神社を経由して笠形山へ登るトラックの
ハイライトではないかと思う。非常に開放的で歩いていて気持ちがよい。


 そして有名な延々と続く長い階段が現れる。しかし周囲の景観も
素晴らしく気持ちよく登れてしまう。振り返ると今日初めて下界の
景観を楽しむことが出来たが、霞んでいてあまり遠くは見えない。


 一旦杉林に入るが、急な階段は延々と続いている。横には階段を
嫌った踏み跡も形成されている。階段の間の土砂が流出して、余計
に段差が大きくなってしまっているからだろうか。トラックは作りっぱなし
でよいわけではなく、普段からメンテナンスが必要なのである。
ニュージーランドではトラックの整備は国の機関DOCが一手に担って
いる。スコップを肩に担いだDOCの職員と何度となくトラック上で会った。
日本も車が走る道に限らず、登山道の整備ももう少し熱心にお願いしたい。


 笠の丸 (10:40〜10:50)

 笠形山の前衛峰である笠の丸に到着。帰路に通ることを予定している
仙人滝コースはここからも分岐している。
 あずまや、そして景観図の表示もあるが、周囲は木立に囲まれていて
景観を楽しめそうで楽しめない。北には笠形山の山頂付近だけが木々の
間から近くに見える。しばし階段登りで上がった息を整えて出発する。


 笠の丸と笠形山山頂の間は始終ブッシュの中を通るために
展望は全く無い。途中でグリーンエコー笠形から登ってくるトラックと
合流。一旦鞍部へ下るために山頂手前で少し登り返す。この最後の
難関を突破してようやく山頂到着となる。


 笠形山山頂 (11:00〜12:00)

 山頂は思ったほど広くはない。あずまやが2つ建っている。ちょっと
雑然とした感は拭えないが、夏の炎天を避けるにはありがたい。

 周囲は本当に360度の展望が広がっている。自分が到着した時
既に片方のあずまやには男女2人組が食事中だった。


 あまりこの書体は好きではないのだが、立派な標識が設置されている。
しかしこの標識の後ろの北面の木立が育ちすぎて、景観と一緒に記念
撮影出来ないのが残念。


 笠形山山頂にある一等三角点。


 笠形山から北方の景観。

 千ヶ峰を遠望

 現在笠形山から千ヶ峰を越えて三国岳まで縦走路が整備されている。
しかし長距離であることと、スタート地点とゴール地点の交通手段が
ままならないためにデイウォークのハイカーが殆どの現状では宝の
持ち腐れといったところか。途中で1、2箇所でもハット(山小屋)を
設置して、ハイカーを対象にしたバスなどでも走らせてくれないと。


 南方の景観。もっと遠望が出来れば橋や六甲までもが見えたのであろうが残念。

 南方から西方にかけての景観。福崎の町がやっとみえるくらい。

 七種三山、明神山を遠望

 それほど離れていないのだが、やはりぼんやりとしか見えない。
しかし七種槍や明神山などの鋭鋒が多く印象深い。


 景色を楽しんでいたら、先着の2人が下山して入れ違いに瀬加から鳥居まで送ってくれたおじさんが到着。更に単独の男性が一人登ってくる。
写真を撮りあったりしたり、山について話し合う。後から到着した男性はグリーンエコー笠形から登ってこられたそうである。けっこう静かで良い山歩きを
楽しめるそうである。いずれ歩いてみよう。

 山頂での滞在も1時間になり立ち去りがたいが、お2人に別れを告げてそろそろ下山することにする。
笠の丸へ続く鞍部へ降りていくと、年配の夫婦とすれ違う。平日でも登山者が絶えることはなく、笠形山の人気の高さが伺える。

 笠の丸に到着後、往路と別れ、仙人滝コースを降りていく。しばらく杉林を下るがぱっと視界が開けて鹿ヶ原に到着である。
 

 鹿ヶ原

 かつて鹿がよく走り回っていたということから名付けられたらしい。
今では人間の背丈を越えるほどの笹がびっしりと生えていて、
ここを走り回るのは難しいのではないだろうか。

 このようなトラックが下まで続いたら気持ちいいのだが、しばらく降りると
森の中に入ってしまう。

 
 地形図上で768m標高点の辺りであずまやが建っている。一休みには最適だ。水分補給だけして再び下り始める。
分岐では「ほうらい岩・仙人滝」を選択して下っていく。そして「ほうらい岩 20m下 
ゴミをすてるな(←手書き)」の道標を発見。
分岐から急坂を慎重に下っていく。


 ほうらい岩 (12:50〜13:00)

 タタミ3畳くらいの平らな岩場になっている。南方の景観も最高で
休憩に最適。絶壁になっているので、高所恐怖症の方にはお薦めできない。
自分のような高いところ好きな面にはほうらい岩に来るためだけに
仙人滝コースを登る価値はあると思う。足下の新緑が眩しかった。


 ほうらい岩を後にし、再び急坂を分岐まで戻る。
自然林の中の山腹道を緩やかに下っていく。
殆どが杉林の笠形神社コースに比べると、こちらのほうが
純然とした山歩きを楽しむことが出来る。



 仙人滝 13:30

 ほうらい岩側から降りてくると仙人滝到着前に踏み跡があり、
ガレ場を通って仙人滝の上部に立つことができる。
上部は階段状の小滝が連なっている。
全長は35mと比較的長い滝であり、下部からだけだと全貌を
見上げることは出来ない。

下部の滝壺へは絶壁となっており、当然ここから降りることは出来ない。
踏み跡を辿ってトラックへ戻り、仙人滝下部へ到達する。
なお滝は滑りやすく、滑落しないように細心の注意を払って滝見物を
していただきたい。

 仙人滝下部の景観。絶壁になっており、水量がもう少しあればさぞ
迫力ある瀑布になるであろう。
 側にある解説板によると、享保12年に姫路城主榊原式部大輔が
雨乞いのために領民千人を参拝させたことから名付けられた説と、
古来より仙人(天狗)が住むと言い伝えられていることから名付け
られたという2つの説があるようだ。

 もう一つ解説板があり、この辺りでは“マムシ注意!”とのこと。
足場は石がごろごろしており、死角も多くて一気に緊張するが、
幸いにもこの日はヘビ1匹見かけることはなかった。

 新緑が眩しい滝壺であったが、ここはぜひ紅葉の頃にも再訪したい
ところだ。
 

 仙人滝を過ぎると、トラックは沢から離れて杉林の中を緩やかに下っていく。杉の葉が落ちて踏み跡が無いところもあるが、
テープがそこかしこに貼られており迷うことはない。

 13:47
 車1台が通れるくらいの林道に出てきた。登山道入り口にはマップが設置されている。
ここからは緩やかな下りが延々と続く。歩きやすいと思いきや、どうやったらこんな壊れ方をするのか舗装が剥がれて道路が
めちゃくちゃになっていた。普通の山道を歩くよりも足場が悪く時間が掛かる。捻挫をしないように注意が必要だ。
ここを登りに使ったら辛いだろうと思う。

 

 笠形山遠望

 ようやく壊れた簡易舗装の林道を抜けて、歩きやすい農道になる。
振り返ると笠形山が遠くなった。

 田園風景の中を緩やかに下っていく。


 14:25 笠形山登山用駐車場着

 瀬加の集落を下から回り込むようにして車を停めてある駐車場に到着。
朝は自分の車1台だけだったが他にも数台停まっていた。

 今日は一日快晴に恵まれた気持ちよい山歩きとなった。霞が無くて
もっと遠望が利けば何も言うことはないのだが。

 
 笠形神社コース、仙人滝コースを使用すると殆ど一筆書きで歩くことができ、ループトラックを構成することが出来る。
一部に悪路はあるが充実した山歩きになるであろう。
 次回はグリーンエコー笠形からと、大屋町側からのトラックを歩いてみよう。

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