「明神山・Auコースから河鹿コース・明神峠周回」 2014年11月22日(土) |
|
国土地理院地形図 : 25000分の1 「前之庄」、「寺前」 〜 はじめに 〜 以前、裏明神のかじかコースは登り下りで一度ずつ歩いていますが、 それが偶然別尾根を辿ったため、389mピーク「大観峰」を通過する本来?のルートは未踏のままでした。 そしてA・Auコースはかなり前に歩いたために概ね忘れています。 この週末は暖かい登山日和が続きそうということで、迷わずテン泊実施を決めました。 これらの事情を組み合わせた結果、思いついたのが今回の周回行程です。 今回もまだ暗いうちに夢やかたの駐車場へ到着。日の出と同時に行動開始出来るよう待機します。 6:33 夢やかた駐車場(130m+)出発 |
行程概要 ![]() 明神山西山麓(裏明神)は基本的にバリエーションルートです。 また明神峠を越えるルートも然りです。 ルート誤り、道迷い、滑落等のリスクがあると感じます。 地形図、コンパスを携行して読図を行いつつ周回する必要があります。 一方の東側は語り尽されていますが、道標豊富な一般登山道です。 |
![]() |
|
---|---|
Auコースはコテージへ どこからAuコースへ入るのかすっかり忘れていたので、2005年の自分のレポを読み返して下調べを行っておいた。 やはりどんな形でも山行記録を残しておけば役に立つ。 コテージの建物脇からは山中へ入る「遊歩道」が始まっている。 全くAuコースと書かれていないことに要注意。 元々夢やかた周辺を巡る遊歩道として整備されたようなので、しばらくはかなり歩きやすい登山道が続く。 このレポを作成している時から遡って9年前ではあるが、一度歩いているコースなので概要を記すに留める。 |
|
![]() |
|
6:48 232mピーク 最初の登りが一段落すると休憩スポットのように整備された232mピークに到着。 ここから西側にはこの後Auコースとして歩いていく稜線が木々の隙間から見えている。 232mピークから平らな尾根を少し西へ進んだところで、遊歩道は南の谷間へと下り始める。道標も有り。 しかしAuコースは引き続いて道なりに尾根を登っていく。 |
|
![]() |
![]() |
展望に恵まれたAuコース 急な登りでもう一段標高を稼ぐと一気に視界が広がる。明神山を彩る紅葉が見事だった♪ Auコースは東山麓の一般登山道の中でも最南端にあって、北側には他のコースが通っている尾根を眺めることが出来る。 写真では外して撮影しているが、この辺りの上空では送電線が横切っていて良い目印となる。 |
|
![]() |
|
短いが急登の「天狗坂」 Auコースは緩急のメリハリがはっきりしており、急なところは本当に激登りとなっている。 このコースは登りで歩くほうがベターといえるかもしれない。 9年前のおぼろげな記憶でも下りが急だったのをある程度覚えている。 |
|
![]() |
![]() |
7:29 350m+ピーク「三ツ岩岳」 天狗坂で標高を稼いだところで350m+ピーク「三ツ岩岳」に到着。 このミニピークを通過してすぐのところにAuコースのハイライトである「三ツ岩」が鎮座している。 朝日で染まる「三ツ岩」はなかなか見事だ。 |
|
![]() |
![]() |
Aコースへ向けて 「三ツ岩岳」を過ぎるとAuコースも終盤を迎える。 明神山ではよく見かける滑らかな岩場、そしてロープを手助けに登れる「滑り坂」に挑む。 |
|
![]() |
![]() |
7:55 A・Auコース分岐・五合目(約380m) 「滑り坂」の急登をこなすと、別尾根から登ってくるAコースに合流してAuコースは終わりとなる。 分岐から見下ろすとAコースも負けず劣らず急坂ぶりが伺える。 分岐は「五合目」にもなっていて、近くなった明神山を眺められる展望スポットとなっている。 明神山を眺めて一息付いたら、次は425mピーク「西の丸」を目指す。 |
|
![]() |
|
8:04 425mピーク「西の丸」 Aコースに合流してから僅かの登りで425mピーク「西の丸」に乗り上げる。 ここから明神山山体へ至るまでは緩やかな尾根が続く。 |
|
![]() |
![]() |
近づく明神山を見やりつつ緩やかな尾根を北上 Auコースに続いてAコースも同じく9年ぶりだったが、歩いているうちに微かな記憶が蘇ってきた。 8:39 A・Bコース分岐 この辺りより明神山山頂に向けて本格的な登りとなる。 8:49 莇野・馬谷コース分岐 馬谷からこの分岐まで登ってくるコースだが、ここは一般コースの中では唯一未踏のままだったのを忘れていた。 |
|
![]() |
|
9:03 明神山山頂(667.78m)到着 夢やかたから登り始めて2時間30分で山頂到着。やはり前回の北方稜線経由の時より遥かに早い。 時間的には早い到着ではないと思うが、いつも賑やかな山頂に誰も居なかった。 |
|
![]() |
|
明神山山頂 一時よりはすっきり整理された印象を受ける。東側を見ているうちに、七種薬師周辺を歩く行程を思いついた。 |
|
![]() |
|
裏明神方面の展望 山頂の木々が葉を落として見通しが良くなっている。 改めて前回の北方稜線周回を振り返ると共に、雪彦山や宍粟の山々まで見渡すことが出来た。 この後登ってこられた地元の単独男性の方としばらく山談義となった。 寒かった先週とは打って変わって、今日の山頂は暖かくて居心地が良かった。 |
|
![]() |
|
9:52 明神山山頂出発 先に地元の単独男性の方がCコースへ下られるのを見送ってから自分も出発する。 時刻は早10時前になっているが山頂はまだ静か。今日は誰にも会わないままの出発となった。 先週は西の小明神へ向かうところをうっかり分岐を通過している。 今日これから下っていくかじかコースのほうが、どちらかといえば尾根に乗るまで難しいと思う。 登ってきた一般道を適度に下りつつ、読図を行うのと並行して歩きやすそうなところを選んでロープを越える。 方向確認を行いつつ山肌を下っていく。 すぐに尾根の地形が明確となってきて、今日はスムーズにルートファインディング出来たとほっとする。 |
|
![]() |
![]() |
かじかコースを下る 尾根にさえ乗ってしまえば後はそれを辿るのみ。 かじかコースは全般的に痩せ尾根で急坂。滑りやすいところもあるので慎重に下っていく。 西の小明神や明神山を時折眺めながらの尾根歩きとなる。 |
|
![]() |
![]() |
裏明神ならではの手付かずの尾根歩きを楽しめるかじかコース 西の小明神が頻繁に見えるので、方向感覚や標高を下げていく目安になる。 |
|
![]() |
|
かじかコース中盤以下は岩尾根の様相が強くなる 西側には神社コースで通過する447mピークがほぼ同じ高さで見えてくる。 |
|
![]() |
|
大展望の岩稜が続くかじかコース |
|
![]() |
|
10:58 鯰岩 やはりジャンダルムのミニチュアっぽく見える鯰岩を通過すると、下山に利用できる別尾根が派生する。 |
|
![]() |
|
389mピーク「大観峰」が近づいてくる 別尾根の分岐を見送ると大観峰が大きく迫ってくる。 この広大な岩の広場もかじかコースの見どころの一つ。 |
|
![]() |
|
11:11 389mピーク「大観峰」 明神山、西の小明神の並びが見事な大観峰に到着。 写真では分かりにくいが、かじかコースが通る尾根を見通すことも出来る。 この紅葉の景観を眺めながら小休止をとっておく。 11:20 出発 ここから先がようやく今日の本題となる。 先に下る別尾根を含めて大観峰以北までは既に歩いているが、大観峰以南は未踏のままだった。 【かみかわ登山日和】の山ちゃん、そして【日野家の山歩き】の日野家さんといった先達の方々に続いて 慎重にルートファインディングを行って間違わずに踏破したい。 地形図によると389mピーク「大観峰」からは2方向に尾根が派生するが、主尾根と見なしている道なりに南側へ下る尾根を辿る。 適度にマーキングもあって尾根上には明確なルートが続いている。 |
|
![]() |
|
大観峰以南も引き続いて岩場が現れるかじかコース 右後方には明神山もまだ見えている。 |
|
![]() |
|
11:30 尾根が二方向に枝分かれする しばらく平らな尾根を南下したところで尾根が広がるというか不明確になった。 大観峰の南で左手に下る支尾根を下る、という読みだったが、実際には左右同規模の尾根が分岐する、と表現するほうが適切だった。 少し遅れて左手(東側)へ向かう踏み跡に沿うマーキングに気付くが、慎重に読図を行ったうえで目的の尾根へ下っていく。 |
|
![]() |
|
シダが広がる支尾根 地形図どおりにまっすぐ緩やかに下っていく。 ややシダがうるさいところがあるが、明瞭な踏み分け道が出来ている。 |
|
![]() |
|
尾根上を直進して下る 踏み分け道はそのまま尾根上を道なりに進んで下り始める。 要所にはマーキングもあるが、念のために下り始める前に他にルートが無いか見回して確認しておく。 北側に並走する別尾根では尾根上を辿り過ぎてルートを見失った経験があるのでやはり慎重になっている。 |
|
![]() |
|
11:40 急角度で左折 マーキング、そして木の結界などを見て、ここで初めて辿ってきた支尾根を外す。 ここでも一応尾根上を道なりに進んでみてルートの有無を確かめておく。 |
|
![]() |
|
支尾根の支尾根を下っていく 写真では分かりにくいがすぐに尾根の地形が明確になってくる。 支尾根のそのまた支尾根を下っているという局面で、尾根の選択を迫られる下りならではの集中力が必要な場面が続く。 |
|
![]() |
|
11:50 再び急角度で左折 先ほどと同様にここで再び尾根を外す。 山腹道をしばらく下ると、ごく微細な尾根状の平らなところを通り掛かる。 さてルートの続きはと、しばし周囲を眺めてルートファインディングを行う。 |
|
![]() |
|
小さな谷の源頭部へ降りていく 写真では分かりにくいが、現地にてよく見ると人の通った形跡がある。 柔らかい斜面で足場は悪いが、降り立ったところは小さな谷の源頭部になっていた。 沢床の踏み跡は不明瞭ではあったが適度にマーキングもあるうえに、読図が正しければさほど遠くないところで林道に出るはず。 |
|
![]() |
![]() |
源頭部から少し下るとすぐに北側から支沢が合流 | 沢は緩やかに左カーブを描きつつ下っていく |
沢の源頭部まで続いた急坂から一転、沢沿いを下るようになると殆ど平坦な区間が続く。 標高でいうともう殆ど林道と同じまで下りきっているような感じだった。 |
|
![]() |
|
12:06 林道へ降り立つ 秘境感漂う沢歩きは林道に出て唐突に終わった。 ということで今日の行程の目的の一つである、大観峰経由で明神山まで踏破すること。が、無事に成功となった! 林道に降り立って達成感と安堵感に包まれる。 この林道は北側の別尾根経由でかじかコースを歩いた際に既に通っている。 あとは明神峠経由で夢やかたへ戻るのみだ。 まずは馬谷奥の三叉路まで林道を歩いていくこととなる。 |
|
![]() |
|
12:15 莇野・馬谷奥の三叉路(170m+)到着 以前、神社コースとかじかコースをつないで周回した時には駐車地となった三叉路に到着。 ここから明神峠へは右側の道へと入っていく。明神峠までの標高差はたった90m。 日当たりが良くて暖かいところで5分程度小休止をとっておく。 三叉路奥の建物は少し前までお蕎麦屋さんが入っていたようだがどうやらお店を閉められたよう。 今出ている看板によると、【 あざみの里・癒しのサロン nanish 】 というお店が代わりに入っているようだ。 ネットで調べてみると、雑貨屋さん兼エステサロン?となっているよう。 ちなみにこの日は人けなく、営業中のようではなかったようだ。 あざみの里・癒しのサロン nanish を過ぎると、すぐに未舗装の林道となる。 頻繁にトラックが行き来しているようで、やや水気を含んだ地面にはしっかり踏み固められた轍が出来ている。 地形図上では明神峠へ向かって破線道が伸びているが、実際には林道なので実線道として描かれてもよいかも。 南側の送電線鉄塔が立っている稜線では、作業道が通されて広い範囲で伐採作業中のようだった。 この送電線は明神峠のほぼ直上を通過するために、峠の位置を特定するうえで非常に都合の良い目標物となりそうだ。 そろそろ明神峠が近いかなと思う頃、林道は二手に分かれる。 地形図では左手(北側)へ向かう林道は表示されていない。右手(南側)へ登っていく林道を辿るのが正解だった。 |
|
![]() |
|
12:37 林道を捨て明神峠へ 周囲の地形を観察して、この奥が明神峠と推定する。 登ってきた作業道はここでヘアピンカーブになっていて、方向転換した後は西方へと登っていく。 ここで植林に覆われた森に入っていくが、現地には明確なルートやマーキングは無いので自分で判断した。 見た目以上の急斜面に苦労しながら20m弱の標高差を詰めていく。 もう少しで作業道から見えていた稜線に達するところで、南側から伸びてきた杣道を見つける。 作業道が通される前のほうが地形が分かりやすかったかもしれない。 |
|
![]() |
|
12:42 明神峠(260m+) 植林に覆われた峠に出てくる。ここが明神峠で間違いないが、現地には道標や峠のお地蔵さんも何も無くちょっと寂しい。 峠の少し東側上空を送電線が通っているはずだが、地上からは木々に遮られて見えなかった。 峠南側の稜線には関電の巡視路がある。 一方の北側は急斜面になっていて登っていくのはしんどそうだが、もし辿っていければAuコースの350m+ピーク「三ツ岩岳」に到達出来るかもしれない。 明神峠から夢やかたへは緩い下りの行程が残るのみとなる。 峠の東側直下には期待していたような明確な踏み跡は見当たらないがマーキングは見受けられる。 谷に沿って歩けるように方向確認を行ってから下り始める。 |
|
![]() |
![]() |
夢やかたへ向けて下っていく 明神峠より少し下っていくと、マーキングや踏み跡もより明瞭になる。 そして更に下るとかつての峠道と思われる痕跡も現れてくる。 歩きやすそうな道ではあるが、木々の枝が散らばっていて荒れている状態だ。 やがて谷は次第に広がりを見せてきて、南側から支谷が合流してくる。 その頃からは小川も現れ、峠道は左右に渡り返しながら下っていく。 道が途切れているところもあるが、適当に歩きやすいところを選んでいく。 |
|
![]() |
|
13:02 夢やかたコテージ村周辺の遊歩道に合流 だいぶ谷の地形が広がって車の音まで聞こえてきた頃、夢やかたのコテージ周辺を巡る遊歩道に合流。 ここを登っていったら232mピークの西でAuコースの尾根に達しそうだ。 この分岐には明神峠を示す道標は無く、不遇な扱いをされている峠だなと感じる。 |
|
![]() |
|
13:08 夢やかた駐車場(130m+)到着! 「遊歩道」となってからまもなくして、見慣れた夢やかた駐車場に出てくる。 出てきたところは広い駐車場の最もキャンプ場寄りのところだ。 この遊歩道入口(夢小径)にも明神峠を示す案内板は皆無。 まあ今日のような周回の行程でも組まない限り、峠越えをすることはまずないだろうから無理もないかもしれない。 約6時間30分で順調に周回完了! 早発のおかげでキャンプ場でゆったりする時間も十分に確保出来た。 山行終了後、そのまま夢やかたにてキャンプ場利用手続きを行いテント設営に入る。 |
|
![]() |
![]() |
夢やかたキャンプ場 数えてみたら今日はなんと今年13泊目のテン泊だった。 更に今日は今年最後のテン泊となったが、昼間は日向では暖かくて読書が快適だった。 夜の冷え込みもさほどでもなく、快適によく眠れそうだった。 しかしテントで過ごす機会も当分無いと思うとちょっと寂しかった。 なおこの日はライダーの方々もテントを張られていて、夢やかたキャンプ場の客層の広さを感じる。 むしろ自分のような山ヤのほうが希少なのかもしれないが。 明日は3時30分起床として、20時頃には就寝した。 |
|
〜 終わりに 〜 かじかコースの大観峰以南はちょっとややこしく感じます。登りで歩いても尾根に乗るまでは難しいのではと思います。 明神峠は山道が残る東側と、林道で大きく改変された西側とで全く様相が異なります。 裏明神の他のコース同様に読図が必要な峠越えルートと思いました。 明日はいよいよ裏明神でも最難関?と感じるT字尾根〜Vキレット周回へ挑みます。 |
|
行程断面図です![]() |