05年9月15日(木) 晴れのち曇り 明神山Cコース〜Bコース 残暑が厳しい日が多いながらも時に気温が下がる日があり、夏季休暇にしていた山歩きを再開することにした。夏の間にネットや書籍で溜めていた山行プランの中から まず明神山を選択した。05年から兵庫の山歩きを始めたばかりということもあって、どこへ行くのも初めてという山が多い。明神山は評判が良いので楽しみである。 この山は8つトラックがあるのだが初めてということもあり、展望抜群の尾根歩きのCコース、最短ルートのBコースと最も基本的な組み合わせにした。 7:30 準備を整えて夢やかた駐車場を出発。すぐに橋を渡って小川を北岸沿いに山へ向かって進む。しばらくはきれいに舗装された農道を歩く。 はじめから三角錐の明神山がよく見える。程なくして分岐に差し掛かる。 |
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Cコースは右へ |
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すぐにCコースのスタート地点に着く。 ここで舗装された農道から開放される。 |
このCコースのスタート地点でいきなり偵察中と思われる大きなハチ(たぶんオオスズメバチ)と遭遇する。今秋はスズメバチが大繁殖とかで全く困ったものである。 ちなみに自分は動物全般が好きであるが、スズメバチだけはやっぱり怖い。でも山歩きは止められない。困ったものである。 |
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しばらくはスギの植林の中に敷設された丸太の階段を 黙々と登っていく。非常にきれいに整備され、 NZのトラックに迫る歩きやすさでびっくりする。 |
この後2箇所ほど分岐に差し掛かるが、道標が完備されて迷うことなく歩ける。このCコースへ伸びる尾根を乗り越えて、明神池のほうへ抜けられるようにも なっているようである。2つ目の分岐でCコースの主尾根に辿り着き、90度近く左折して一路明神山山頂へ緩やかに登ってゆく。 しばらく歩くといきなり荒れた感じの急坂に差し掛かる。NZならば木組みの階段道(金網の滑り止め付き)でも設置されていそうなところだ。しかし何も設置 されていない砂交じりの滑りやすい急坂を登るとすぐに最初の見どころに到着する。 |
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屏風岩 見上げるばかりの一枚岩で、白いプレートに屏風岩と書かれている。 芦屋ロック・ガーデンのAケン岩に比べると小さなものではあるが、 自然のままの造形が残されている。 トラックは屏風岩の左を巻きながら進んでいく。 この辺りから日当たりの良い明るい尾根を登っていく。まだ早朝では あるが、太陽が照り付けるとかなり暑く一気に汗だくになる。 少しは曇りを期待したいが。 |
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8:00〜休憩〜8:20 大雌岩 緩やかな尾根道からやや急坂になっているところを登ると 大雌岩に到着。ここでしか見られないユニークな造形が印象的である。 大雌岩と名付けた人はなかなか良いセンスを持っていると一人で感心する。 写真に収めた後で2つの巨岩の間を通る。人一人がやっと通れる幅である。 大雌岩を通過するとすぐに次の見どころに到達する。 |
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観音岩 すぐに観音岩に到着。ここに到着するまでの岩石群、屏風岩と 大雌岩は分かるが、これはなぜ観音岩なのか分からない。 それはこっちに置いておいて、ここはなかなかの展望スポットである。 正面に大きく明神山の全貌が眺められる。 ここで休憩したら良かったと少し後悔する。 |
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岩屋池 観音岩からは岩屋池を見下ろすことが出来る。 なかなかきれいではあるが、下流側の人工物丸出しの堰堤を見ると ちょっと興ざめする。 |
![]() 観音岩を過ぎると、岩のやせ尾根を進んでいく。 この辺りは殆ど高低差も無く、また正面の明神山をはじめとして 周囲の視界が開け、爽快なことこの上ない。 この辺りがCコースのハイライトといって良いのではと思った。 |
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8:28 鯨岩 しばらく雑木林の中を進むとまた視界が開けてこの岩場に出る。 名付けて妙とはこのこと。鯨の背を歩くようで本当に気分が良い。 山頂までずっとこのような岩場が続いていたら良いのにと思ったが、 それは甘かった希望であるとこの後判明する。 |
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8:39 合掌岩 これはどこをどう見たら合掌岩になるのかよく分からないが・・。 これまで比較的緩やかな登りが続いたが、この辺りから一気に急坂になる。 |
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合掌岩を過ぎると急坂の連続。ロープや木の根を頼りに喘ぎながら登る。 NZのトラックではジグザグで高度を稼ぐであろうところを直登していく。 視界は殆ど利かない区間だが、時に木々の間から外界を見下ろせ、 歩いたきたCコースの尾根の全貌を眺めることが出来た。(写真中央) |
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9:00 地蔵岳 地形図には何の記載も無いが、明神山山頂の右下にある小ピークに到着。 雑木に囲まれて視界が利かないのが残念だが、狭いピークはすっきりと整理 されている。寝かされた丸太に座ったらお尻が痛かった。どうせならもう1本 並べて置いてほしかった。 |
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地蔵岳(愛称 前明神) トラックが整備されてから名付けられたような感じだが好感が持てる。 それはいいとして下の啓蒙プレートが余計なような気がする。 「全山禁煙!」と書かれても吸う人は吸うだろう。TV−CMやポスターなどは無関係に 行く人行かない人がはじめからほぼ決まっている選挙と同じ。 自分のような嫌煙家には駅などの日常生活を思い起こさせるもので、 自然の中で見たくない表記である。 駐車場などのスタート地点に1枚設置すれば良いだけのものだろうと思うが。 |
地蔵岳を過ぎると一旦少し下り、明神山山頂へ向かう本格的な急坂に突入する。山頂へ到達するまでは展望も無く、ただひたすら登るのみ。 |
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八丁坂 「胸突き八丁」から名付けられたのだろうか。見事に張り巡らされたロープを 掴んで一歩一歩登っていく。一歩ごとにぐんぐん高度が上がっていく。 そんな感じのところである。 |
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明神の鎖場 「明神山最大の難所」「落石に充分注意し三点確保の徹底を」を書かれているが、 それほどのところでもなく、山頂が近いことを感じつつ調子よく登っていく。 なお鎖場とあるが、ここには鎖は無い。 |
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9:35 急坂を登り詰めると、不意に行く手が明るく開けて山頂到着。 朝よりはやや雲が多くなっているが、初めての明神山山頂はなかなかの好展望 で迎えてくれることに。 ちなみに山頂には誰もいなかった。 |
![]() 明神山山頂 668mの山頂では三等三角点(一辺の角が大きく削られている のが胸が痛むが・・)と夢前町が設置した派手なモニュメントが 迎えてくれた。これはちょっと存在を主張しすぎるのではないだろうか。 自然の中では人工物は限りなく無いほうが良い。これは夢やかた 駐車場の入り口にでも設置するべきだろう。 それはともかく下界ではまだまだ夏だが、ここだけは秋の気配を ススキから感じることが出来た。周囲は本当にほぼ360度の景観を 楽しめる。 この日はやや雲が多かったが空気が澄んでいて、かなり遠くまで 見通すことができた。やはり山に登ったらこうでなくてはいけない。 NZなら晴れさえすればいつでも遠くまで見通せるのだが・・。 |
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山頂は2段の削平地で成っており、中世まではここに嶽大明神が祀られていた名残を留めている。参詣が大変ということで今では麓に移されているが、 それまではここまで登ってきていたということで、昔の人の信心深さが伺える。 |
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北方の景観。写真左奥には雪彦山の岩峰が見える。Dコース、Eコース、大明神コースを歩いてくると、こちらから上がってくる。またの機会に歩いてみよう。 |
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雪彦山 大天井岳の岩峰がよく目立つが、鉾立山まで見通せる。 |
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東方の景観。七種三山をはじめとして、播磨灘、淡路島、肉眼では橋や六甲山系まで見通せた。意外にもかなり近くに見える。 播州平野をこれほど広く遠く眺めたのは初めてでちょっと感動する。ちなみに04年はNZへ渡航しており、日本の秋は2年ぶりで、ススキがとても懐かしく思える。 日本の季節が春、秋、冬の3つだけだったら言うことはないのだが。(2年ぶりの日本の夏は自分には暑すぎて過酷だった) |
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七種三山 薬師峯(七種薬師)の鋭鋒が特に目立って見える。あの山は 明神山からの眺めが特に美しいと思った。左隅にちょっとだけ 突き出て見えているのが七種槍だろうか。 七種三山も近日中に訪れることにした。 |
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東方から南方の景観。夢前町の街並をはじめ、遠くは四国方面まで見通せた。家島群島が意外に近く見える。 南は少しだけ木立が唯一視界を遮っている。 |
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西方の景観。左奥には瀬戸内海が見えた。西から雨雲が近づいているようで、この方面だけ霞んで見える。この後雨になるかもしれない。 もう少し山頂でゆっくりしたかったが、予定より早めに下山準備に取り掛かることにする。 |
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10:50 山頂で1時間15分過ごした後、立ち去りがたい思いがするが 下山を開始する。降りる間際に年配の夫婦2人がCコースから 上がってきた。 Aコース、Bコースへ通じる南尾根を下る。 降り口に兵庫登山会の明神山のプレートを発見。両側の赤い 装飾が色褪せており、そろそろ化粧直しが必要だと思う。 |
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Cコース最後の難関、「明神の鎖場」には及ばないが、 こちらもなかなかの急坂となっている。岩がごろごろしている 中を足場を選んで慎重に下っていく。トラックはよく踏まれており 歩きやすい。 |
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10分もしないうちに莇野(あぞの)、馬谷(もうだに)方面への 分岐に差し掛かる。地元の人の話によると、静かでなかなか良い 山歩きが楽しめるという。またの機会に歩いてみよう。 ここは左の夢やかた方面へ進む。 |
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少し下ると次はAコースとBコースの分岐に差し掛かる。 Aコースは展望抜群の尾根道という評判だが、今日は計画 通りBコースへ下り、次の楽しみに置いておくことにする。 |
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Bコースは植林の中をひたすらジグザグに下っていくトラック となっており、あまり面白みは無いが、天候が悪化した時に安全 に下山できるエスケープルートとしては重宝するだろう。 |
快調に杉林の中を下っていると、女性2人組とすれ違う。明神山は平日でも登山者の絶えることのない人気の山だと感じた。 |
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長滑ら(滑滝) 傾斜が緩くなると、長滑らに到着。100〜200mの一枚岩と なっており、ユニークな景観となっている。流れる水がもう少し 多かったらもっと良かったかもしれない。 ここでは男性2人組が休憩中だった。 |
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観音滝 緩やかな林道を下っていると、鳥居と観音滝の道標を発見。 往復10分ほどなので寄ってみることにした。 左の杉林を緩やかに登っていくと、行く手に巨大な堰堤っぽい ものが見えてきたと思ったら、それが観音滝だった。 絶壁の上からかろうじて一筋の水がちょろちょろと落ちていた。 滝としては全く期待外れだったが、ここは由緒ある行場のようだ。 すぐに元の鳥居の分岐へ戻り、夢やかた方面へ歩き続ける。 |
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岩屋池 Cコースからも見えていた岩屋池に辿りつく。 堰堤の上からは明神山が見えるが、曇りがちで少し風もあり、 池に反射したきれいな明神山を見ることは出来なかった。 |
12:00 夢やかた駐車場に到着。車が3台ほど増えていた。 観音滝に寄り道したが、山頂から1時間10分で下山。登りはCコースで2時間5分。 お手軽な半日ウォークであったが満足できた。曇りで暑さを軽減出来たのも良かった。雨は少しだけ降ったが 雨具を着るほどでもなかった。次回はAコースから登ってみようと思う。 |