「板坂峠から七種山」 2017年 1月 7日(土) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「寺前」 出来れば成人の日3連休からスキーへという希望でしたが雪は降らず、以前から考えていた山行を実施しました。 板坂峠から七種山間は何度となく歩いていますが、一度にまとめて通しで縦走したことはありませんでした。 今回も出発地と下山地点が大きく離れるので自転車が必要です。 まず日の出前の時間帯に慎重に林道終点まで運転して自転車をデポ。 そして出発地である板坂地区の西はずれに向かいます。 板坂峠へ向かうかつての峠道が始まる辺りに、事前に丁度良い駐車地の見当を付けていました。 |
行程概要 ※ 林道終点(330m+)から板坂地区の駐車地(132m)まで自転車を漕いでます。 地理院地図(電子国土Web) 新しいウィンドゥが開きます。 七種山山頂手前でGPSが電池切れとなり、展望岩付近で短い時間ながら再起動させたため、その付近の軌跡が不正確です。 ![]() |
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6:40 板坂地区西端の駐車地を出発 | |
薄明るくなってくる頃に身支度を整えて出発。 霜が降りていて強烈な冷え込みだったが、今日も昼間は小春日和の見込みだ。 峠道は最初は舗装路で始まるがすぐに砂利道に変わる。 獣避けゲートがあるので開けた後は閉まっていることを確認すること。 |
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溜め池の端を通り過ぎる頃から山へ入っていく。 | 7:00 板坂峠(210m+) |
山へ入ったと思ったら、一回ジグザグしただけであっけなく板坂峠に到着。 西側の三枝草から登ってくるよりも、こちらのほうが楽に感じた。 既に暑くなってきていたので、お地蔵さんの前で上着を一枚減らして10分弱小休止。 今回の行程で未踏区間は駐車地から板坂峠の間だけ。 後は何度か歩いている尾根ばかりではあるが、七種山まで楽な道のりではないので気を抜けない。 お地蔵さんの後ろから歩きやすいところを選びつつ尾根に乗る。 踏み跡は殆ど無いが、古いロープやマーキングがそこかしこに残っている。 |
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主尾根に乗る直前にて日が昇ってくる | 7:27 300m+コル (真新しい地籍図根三角点があった) |
初めてこの支尾根を下った10年前の記憶を辿るともう少しヤブっぽかった気がするが、 その時に比べると今ではかなり歩きやすくなっている。 板坂峠から20分も掛からないうちに300m+コルにて主尾根に乗る。 コルには最近設置されたと思われる地籍図根三角点があった。 ここから西側も歩きたくなるような尾根が続くが、今回も七種山方面を目指す。 |
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300m+コルから始まる展望溢れる岩稜帯 | まだ遠い薬師や十字峰、西側には明神山まで見える。 |
朝日を浴びながら展望抜群の岩尾根を歩いていく。 この静かな尾根歩きの気持ち良さと、人工雪しかなくて混み混み状態のスキーとを比べると、山行のほうが楽しいのは間違いない。 でもそろそろスキーもしたいなという思いだったが、この山行の一週間後には待望の大雪によって初滑りに行けることになる。 話を山行に戻すと、いきなり爽快な尾根歩きで始まるが、今日の行程は先へ進むほど展望が無くなるのが大いに残念な点である。 |
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397mピークに向けて徐々にヤブっぽくなってくる | |
爽快な岩尾根はしばらく続くが、段々と尾根上をブッシュが邪魔するようになってくる。 よく見れば見当が付くがルーファイが必要であり、サクサク進める状況ではなくなる。 無理にブッシュを踏み分けなくても、どこかにルートは付いているので丁寧に見回すことが肝要だ。 この辺りのブッシュの中にはイバラが紛れているので、下手をすると服を破ってしまったことを何度も経験している。 397mピーク手前はやや急になるがヤブはなくなる。 ピークの周囲は台地状に緩くなるので、この写真の位置からはまだ本当のピークは見えていない。 |
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7:57 397mピーク到着 | |
長丁場を考慮して撮影の間隔を長く取っているといつしか397mピークに到着。 冬枯れの木々の北側には薬師峰が誘ってくれている。 四等三角点の横にザックを下ろして小休止をとった。 ピークの南東側にも比較的大きな尾根があり、殆ど人が入っていないようだが歩けそうに見えた。 途中までは送電線巡視路もあるだろうし、板坂から直接ここまで登ってくることも出来るかもしれない。 8:06 397mピーク出発 ピークの北側の短い急坂を終えると、再び自分の好きな岩稜帯へ入っていく。 |
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397mピーク北側の痩せた岩稜帯を進んでいく | このような尾根が七種山まで続いていればもう少し人気のある山になるだろうけど…。 |
正面に薬師峰を向かえながらの爽快な尾根歩きが続く。 なかなか高度感もあって、自分としては今日の行程でここがハイライトと感じる。 但し残念なことにここを最後に大展望の尾根は無くなってしまうのが、今日の行程の最大の欠点なのは否定しようがない。 |
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明石大橋や六甲まで見通せた空気の澄んだ朝の光景だった | |
大展望の区間はここが最後だからよく味わって通過したい。 |
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8:30 410m+ | |
展望はすぐになくなるが、後はトレーニングと割り切って気持ちを切り替えていく。 410m+では南東側に微細な支尾根が派生するが、藪は濃いうえに急斜面なのでここは辿れそうにない。 |
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8:40 436m標高点ピーク | |
幾度かの地味なアップダウンを経て436m標高点ピークに立つ。 以前から読図が難しい区間と感じていたが、GPSのおかげで初めて標高点ピークが正確に分かった。 ここからはそうびろ山から西に隣接する490m+ピークを目指していく。 逆に南下していく場合は尾根がやや広いので道迷い注意の区間だ。 |
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8:53 490m+ピーク | 初めてそうびろ山へ。相変わらず常緑樹ばかりで展望皆無…。 |
ヌタ場が点在する登りを経て490m+ピークに辿り着く。 そういえば七種で未だにイノシシを見たことがないなと気づいた。 六甲のイノシシに比べて、人への警戒心が強いのかほとんど会うことがない。 東隣のそうびろ山は自分は未踏だったので、立ち寄っていくことにした。 往復30分くらいのピストンだが、アップダウンは急なのである程度の気合が要る。 |
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9:13 そうびろ山山頂(538m)到着 | |
思いがけず周辺が切り開かれていて驚いた。 自分の持っている古い地形図には標高点しか書かれていないが、そうびろ山には2,010年に新しく三角点が設置されていた。 測量直後にはもう少し広く展望が得られたかもしれないが、今でも薬師峰があまり変わらない高さで北西に見えている。 そうびろ山は東西に細長いピークで、福崎町野外活動センターへ下るルートもあるようで、 東側にはマーキングが続いている。 まだまだ青空がきれいなものの、空模様は下り坂を示す雲が流れてきていた。 この後は大きく展望が広がるところはないものの、出来れば晴天のうちに行程を終えたい。 9:19 そうびろ山山頂出発 来た道を忠実に西へ戻っていく。 9:33 490m+ピークへ戻る 引き続いて薬師峰へ向けて北へ下っていく。 490m+ピーク北側は急斜面だが、すぐに緩やかな尾根に変わる。 |
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9:46 460m+地籍図根三角点 | |
冬枯れの木々越しにではあるが、薬師峰と七種槍が揃って見える。 七種槍は相変わらず格好良い姿で誘ってくれている。 |
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薬師峰へ向けての急登 | |
470m+ピークを過ぎると、いよいよ薬師峰へ向けての急登が始まる。 七種はメリハリのあるアップダウンが多いが、ここの標高差約100mの急登も侮れない。 |
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10:09 560m+(野外活動センターからの直登ルートと合流する) | |
ちょっと息が上がってくる頃に、傾斜が緩んで分岐に差し掛かる。 野外活動センター方面から直登してくるルートが合流してくるが、自分のような「マニア」ではなくて普通に薬師を目指すならこちらのほうが断然お薦めのルートだ。 分岐で小休止をとってから薬師峰へ向かう。 |
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10:23 薬師峰/七種薬師山頂(616m)到着 | |
薬師峰へ登ってきて、前回より少し景観が広くなっている気がした。 南側はあまり変わらず、そうびろ山と490m+ピークが見えるのみだったが…。 |
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薬師峰/七種薬師山頂(616m) | どっしりした七種山と鋭鋒の七種槍。対照的な二峰。正面奥には元旦に登った大仲山が見える。 |
最も展望が広がっていたのは三角点の北側だった。 最近、どなたかが手入れされたようで、藪が切り開かれて七種山と七種槍がバッチリ見える。 初めてここへ来た頃には観れていた光景だったが、周辺の灌木が伸びて見えなくなっていたのだった。 10:30 薬師峰/七種薬師山頂(616m)出発 まだあまり疲れていないし、先はまだ長いので出発する。 |
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10:36 地獄鎌尾根、明神山の展望スポット | |
薬師以北は基本的に展望皆無なので、ここも貴重な場所といえる。 南西側の地獄鎌尾根が最も険しそうに見えるところでもある。 西側には多くの支尾根を広げる明神山の展望が素晴らしい。 |
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10:53 十字峰(550m+) | |
40mあまり登り返して十字峰に到着。ここで小休止を入れる。 この後の行程を考えると西尾根へ進むほうが楽しいのだが、今日は計画通りに北進する。 |
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十字峰以北の地味?な縦走尾根へ | |
ここから先は展望も無い上に、植林が多くなるというあまり面白くない区間に。 但し地形的にはメリハリがあるので、読図の妙味を味わうには良い尾根だ。 北西側に見えている570m+は直下を巻き、すぐ北隣にある580m+へ。 580m+までは緩やかな尾根が続くのだが・・。 |
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11:11 580m+ピーク (地籍図根三角点有り) | 薬師・七種山間でいくつかある強烈なアップダウンの一つめが始まる。 |
植林に覆われて展望の無い580m+ピークに着く。 仮に周囲を切り開けば七種山、槍の良い展望台になり得るピークではあるが、 現状ではさっさと先へ進むのみとなる。 580m+ピークを過ぎると激下りとなる。 すぐ北側には登り返さなければいけない600m+ピークが植林帯の向こうに透けて見える。 単調な光景が続いて飽きてしまうが、ここは膝への負担も大きいので焦らずに通過したい。 |
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11:26 600m+ピーク | 二つめのアップダウンも侮れない急坂。北側には再び登り返す600m+ピークが見える。 |
登り返した600m+ピークは辛うじて七種山方向に窓が開いている。 足下には七種神社と七種滝の岩壁も小さく見えている。 しかしここのピークも植林に覆われていて薄暗く、やはり雰囲気は良くない。 |
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11:43 600m+ピーク直下を通過 | |
再び登り返した600m+ピークは頂上直下西側を巻く。 そしてこのピークからは尾根は90度西へ大きく向きを変える。 七種山へは大きく迂回する形の尾根を辿るので、とにかく長く感じてしまう。 西へ伸びる尾根は以前よりヤブが切り開かれて歩きやすくなっていた。 |
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11:52 630m+ピーク | |
約40mの急登を経て630m+ピークに到着。 ここからは北東へ90度、再び尾根が方向転換する。 |
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12:03 600m+コル | |
630m+ピークから北側では、ヤブを避けるためか一旦尾根を外れて谷へ降りる格好となる。 七種山を目指す北向きでは自然に北東へ向かえるが、逆向きではやや違和感を覚えるコース取りとなる。 今回は未踏の588m三角点ピークへ向かえるかどうか、尾根の南側に意識を向けて歩いた。 しかし急坂にびっしりと植林が覆い、ややヤブっぽくなっている光景を見て寄り道する気が萎えてしまった。 なお後ほどネットを探してみても、588m三角点ピークを踏んだレポは見つけられなかった。 |
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12:22 590m+(七種神社へのルートが分岐する) | |
同じような光景が続いて、疲れもあって嫌気が差してきた頃に七種神社へのルートの分岐までやってきた。 ここまで来ると七種山もそう遠くはないが、分岐を過ぎると約50mくらいの急登となる。 急登を過ぎると標高差のあまり無い尾根になるが、とにかく変化に乏しいので長く感じる。 なだらかな尾根の途中で再び見かけた地籍図根三角点からは七種山へだいぶ近づいたことが分かる。 |
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12:43 630m+ピーク(七種山北の分岐) | |
ようやく七種山北の分岐に辿り着いた。 ここから七種山まではあと一登り。分岐で小休止を入れてから登り始める。 |
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七種山まで約50mの登り。背後には歩いてきたなだらかな尾根、その奥には雪彦山も見えている。 | 七種山への登りの途中。ここからだと踏んできた630m+ピークがきれいな三角錐で見える。斜め奥には明神山。 |
13:00 七種山山頂(683m)到着 板坂を出発して6時間20分。予想どおりにやはり後半が長く感じた道のりだった。 そのせいか七種山に辿り着いてほっとした。山頂では3人パーティーの方々が滞在中だったので、 とりあえずつなぎ岩へ立ち寄っていくことにする。 |
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つなぎ岩 | |
1週間前の元旦に縦走した町境尾根を再び眺める。 こちらから縦走してきても長かった。 今日は出来れば歩いてきた南側の尾根を眺めながら休憩したいと思い、七種山山頂を出発して展望岩へ向かうことにした。 |
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13:08 展望岩(七種山山頂付近) | |
七種山山頂から近い展望岩からは今日歩いてきた南側の山々を眺められる。 空模様はいつしか冴えない薄雲が広がっていたが、逆光の山々を眺めるにはちょうど良かったかもしれない。 今日はこの展望岩で大休止をとっていくことにした。 休憩中にGPSを確認して、電池が切れていたことにようやく気付いた。 試しにもう一度電源を入れてみたら、僅かの時間だけは作動してくれて、 ログが七種山山頂の手前で切れていることが分かった。 せめて自転車に辿り着くまでもっていてくれれば良かったが仕方がない。 電池は繰り返し充電可能なエネループを使用しているが、公称からすると2回くらいの山行は充分動作可能とみていた。 しかしやはり電池にとって酷な冬は特に山行毎に毎回充電するほうが良いのかもしれない。 13:32 展望岩出発 GPSのログは七種山手前までで切れてしまったが、集中力までは切らさないように下山していく。 |
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七種神社下の小滝群。ここまで来ると林道終点はすぐそこ。 | 林道終点からは自転車でのダウンヒルとなる。 |
14:10 林道終点(330m+)到着 最後の石段も慎重に下ってようやく自転車に辿り着く。 14:15 林道終点(330m+)出発 前回よりは短いサイクリングとなるが、林道はけっこうな勾配があるのでハンドルさばきは慎重に。 小滝林道と合流する辺りからはごく緩やかな下りとなる。 県道から右折して板坂地区に入ると、駐車地までは緩やかながら登りとなる。 |
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14:35 板坂地区西端、駐車地(132m)に到着 | |
思ったよりも早く、林道終点から約20分で駐車地に到着。 ようやく約8時間にわたるタフな周回を終えた。 山行装備を解いた後、今回も市川町のせせらぎの湯へと直行した。 〜 終わりに 〜 板坂から七種山へ向けて数多くのアップダウンを経て高度を上げていくという、展開的には歩き応え十分で充実した行程ではあります。 但し何度も触れているように、薬師以北の区間では展望が殆ど無くなる地味な尾根となってしまいます。 もし車が2台あれば、七種山から板坂まで南向きで歩くほうが、楽しみを後半にとっておけるのでお薦めと思います。 この日の行程が長く感じたのは左膝の調子が思わしくなかったこともありました。 日々の激務を経るにつれ、自分の体も疲れが出てきているのかもしれません。 せせらぎの湯では大いにセルフマッサージをしておきました。 この山行を最後に、ようやく2016−2017年のスキーシーズンに突入となりました。 山行はしばらくお休みとなります。いつもレポでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 |
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行程断面図です![]() |