「山品山・赤谷山縦走」 2014年 7月12日(土)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「音水湖」、「戸倉峠」




 〜 はじめに 〜

 宍粟50名山の赤谷山は登山道はある程度整備されています。
今までに戸倉峠、戸倉スキー場の両方向から登っています。

 そして、音水湖の西にある山品山は以前から気になっていた山ですが、
こちらは残念ながら?宍粟50名山の選定からは漏れたということで
ほぼ自然のままの未整備の状態が保たれています。

 ネットの情報を調べてみましたが、音水湖から戸倉峠まで無雪期に縦走したという
記録は探した限りでは見当たりませんでした。ひょっとしたらLoon's Trail史上初の
先駆けとなるレポになるのでは・・!
それはともかく諸々の情報を突き合わせると山品山から赤谷山までの縦走は
充分に可能ではないかと考えました。
何度かボッカトレを重ねた今、天候との巡り合わせも良かったこの日を選んで遂に決行です!

 万全を期すためにも夜明けと同時に引原ダム堰堤を出発出来るよう自宅を出発。
縦走に先だって下山地となる旧戸倉トンネル前に自転車をデポしておきます。
その後、引原ダム堰堤まで引き返します。巨大な堰堤の袂には数台駐車可能なスペースがあります。
また、堰堤上を渡ったところも駐車可能なスペースがあるように見受けられました。








 行程概要 


  
 5:08 引原ダム(音水湖)堰堤出発

 堰堤前からは既にこれから登る尾根が見えている。
伝聞からは激登りのイメージが強かったけど、他の尾根と同様に緩い区間もありそうだ。

 堰堤上の車道を通って対岸の尾根へ向かう。音水湖の最下流部にあたる堰堤下では
ゴミが多く浮いていたのが意外だった。








 5:14 尾根取付き

 所々にベンチも設けられている遊歩道のような扱いともなっている舗装路を歩いてくると、
すぐに尾根取付きとなる急階段に到着。
かなりの急傾斜の階段だが、六甲縦走で登る栂尾山への階段に比べると断然短い。
ここからいよいよ戸倉峠へ向けての山旅の始まりだ!








早朝の音水湖展望

 今まで見たことのない角度で見る音水湖は新鮮だった。
周囲は静寂そのものだったので、時折通り掛かる車などの走行音が鮮明に聞こえる。

 最初は急な階段だったが、途中からは緩やかになる。








 5:25 遊歩道外の踏み跡を発見

 急階段で始まる遊歩道は南側山腹に続いているが、山品山へ突き上げる尾根へ乗らなくてはいけない。
最近、比較的多くの方が入られているようで踏み跡やマーキングは豊富にあって、スムーズにルートファインディング出来るようになっている。








尾根歩き開始

 出だしこそ足場の悪い斜面を辿るが、一旦尾根に乗ってしまえば歩きやすい。
外界から見たとおりに歩き始めの傾斜はたいしたことはない。
 植林だけではなくて自然林も混ざっていて、尾根の雰囲気は悪くはない。








 5:35 538m標高点ピーク付近

 なおも緩くなって縁石?や、食器やビンが散在する一角に差し掛かる。
やまあそさん情報によると、引原ダム工事に携わった人々の生活の名残であって、
半世紀以上の年月を経ても大工事で賑やかだったであろう往時を偲ぶことが出来る。








 5:50 尾根がいよいよ急坂となる

 調子良く歩けたのはここまでで、いよいよ前評判どおりの急坂の始まりだ。
しかも周辺は植林が多くなって単調な景観。
じっくりとペースを守って淡々と登っていくしかない。
但し本当に急坂となっているのは、標高600〜700m間の100m程度でしかない。








 6:10 750m+到着

 長い行程に備えてややゆっくりめのペースで急坂をこなし、傾斜の緩む750m+に到着。
すぐ西にある770m+ピークから東へ伸びる、ゆったりとした等高線の先端にあたるところだ。
ここは等高線こそ閉じていないが、ミニピークの地形で小休止には心地良い。
10分程度滞在して息を整える。
もし展望に恵まれれば音水湖が眼下に横たわっているだろうけど雑木林で展望皆無。
国道29号を通り掛かる車やバイクの音だけがよく聞こえてくるのみ。








 6:26 770m+ピーク

 ゆったりとしたアップダウンを経て770m+ピークを通過。
尾根はピークを支点に緩やかに北側へカーブを描くのを意識する。
770m+ピークを過ぎてもまだしばらく緩やかで心地良い尾根歩きが続くが、この後は尾根をもう一段登るためのトラバースに入る。








 6:42 820m+

 省力化を図るために山腹を斜めに登ってきて820m+を通過。
音水湖側へは小さな支尾根が派生している。
山品山は北西へ道なりに進めば大丈夫。








 6:47 840m+

 緩く登ってきて840m+に乗り上げる。
ここから山品山直下までしばらく平らな尾根が続くことになる。
山品山まで残る標高差はあと100mほど。








 6:56 いよいよ山品山へ向けて最後の登り

 北側の谷間に広がる自然林の景観がたいへん好ましいが、眼前には山品山直下の最後の急坂が控えている。
長く続くものではないが、ここもはっきりとした踏み跡とステップといえるものはない。
木の根や落ちている枝など何でも足場に使って登りにくい急坂に耐えるしかない。








 7:13 山品山山頂(945m)到着

 急坂をゆっくりと登ってきてようやく山品山山頂に到着!
山頂の上空は空が広く開いていて、明るい山頂はかなり下から見ても目立っていて励みになった。

 但し展望はさっぱりで、僅かに南東方向がちらっと見えるだけ。
これでもし音水湖が見下ろせる展望良好な山であれば、宍粟50名山に限らずに兵庫100山にとっくの昔に入っていたのではないだろうかと思う。

 それはともかく音水湖からの登りごたえは十分だった。
山頂傍の丸太に腰掛けて、パンを食べて静かな山頂でゆっくりと過ごす。
単独行で静かすぎると怖いので、時折熊鈴を鳴らすことは怠れないが。




 7:35 山品山山頂出発

 いよいよ戸倉峠へ向けての縦走開始だ!
気合を入れて読図しながら尾根歩きを楽しみたい。








山品山から一路北へ!

 当面の目標となるのは901m三角点ピークだが、そのピーク手前にある最低コルまでは全般的にゆったりとした下りだ。
縦走尾根は評判どおりの素晴らしい自然林に覆われている。またこの尾根に乗った時から涼しい風が吹き抜けていく。
実に爽快な尾根歩きの始まりとなった。








先日歩いた三久安山に負けない素晴らしいブナの尾根が続く

 展望があれば右手に音水湖が見えただろうけど、それを差し引いてもこの瑞々しい尾根は素晴らしい。
もう新緑とはいえないかもしれない時期になったけど、それでも充分目が癒される光景が続く。
これはぜひ紅葉の時期にも訪れないといけないだろう。








 7:46 900m+ピーク

 小さく等高線の閉じた900m+ピークに差し掛かる。
樹間にはちらっと展望はあって、山深いところを縦走している実感が沸いてくる。
いくつかの山行記録ではここから東にある林道を目指して下る周回コースがとられているという要衝にもあたるところだ。
縦走ではここも道なりに北へミニピークを越えるのみ。








 7:58 840m+コル

 山品山からしばらく続いた下り基調の区間はここで終了。
後から思い起こせば、ここまでが最も歩いて楽しい尾根だったかもしれない。

 とはいっても840m+コルの周囲も美しい森であることには間違いない。
但し音水湖側には植林もあるが・・。

 このあと901mピークまで50m程度の登り返しとなるが、急坂になるのは901mピークの直下のみ。
但し点在するアセビに邪魔をされるのでちょっと登りにくいところでもあった。








 8:11 三角点「奥山」ピーク(901m)到着

 約50m登り返して三角点「奥山」ピークに到着。
山品山よりも僅かながら標高を下げていて、今日の行程の長さを十分に予感させてくれる。
植林が疎らになった北側にはこの後乗り上げる尾根の稜線が見える。
そこまでの登りは等高線を見る限りでは急斜面は無いが比較的距離が長い。
ここで一旦小休止をとっておくことにした。




 8:20 三角点「奥山」ピーク(901m)出発

 ピークを出発すると僅かに下ってすぐに長い登りが始まる。
地形的に特徴の少ない区間が続くが、登り詰める950m+ピークは広そうだから辿り着いたら分かるだろう。








 8:35 950m+ピーク

 比較的距離が長い登りとみたが険しくはなかったので、実際には15分ほどで950m+ピークに到着。
5分程度小休止をとるついでに周囲を観察しておく。

 950m+ピークは東西に大きな尾根が分岐する要衝。
赤谷山へ向かう縦走尾根は西側に進路をとるのだが、現地に立ってみると予想よりも分かりやすかった。
やや西寄りに緩やかに伸びる尾根を道なりに辿るだけだった。








 8:43 940m+ピークの北東側をトラバース

 950m+ピークを過ぎるとすぐに940m+ピークに行き当たるが、ここはわざわざピークを登らなくても大丈夫。
ピークを支点に北に向きを変える尾根にトラバースする踏み跡が付いている。

 ピーク手前の930m+コルでは水を張ったヌタ場があって、人間よりも動物の気配が濃厚な気がする。
実際にこの縦走中に鹿を2回目撃している。幸いにも熊は3個もの鈴のおかげか見ることはなかった。

 940m+ピークの北は980m+ピークまで緩やかに西寄りへと尾根が曲がっていく。
アップダウンも控えめで行程の進み具合も捗るが、この辺りより地表には笹が目立つようになってくる。








 9:00 980m+ピーク

 東西に広く伸びる980m+ピークに到着。
北側には更に広い1,030m+ピークの盛り上りが透けて見えている。
ここで微かな踏み跡を見出して北側のコルへと降りていくが、980m+ピーク上では更に西側へも踏み跡が伸びている。
現在縦走している尾根のすぐ西には音水川に沿う林道が並走しており、裏明神での偶然の出会い以来参照させて頂いている
【かみかわ登山日和】さんのパーティーの方々も歩かれた踏み跡と察した。








 9:16 1,030m+ピーク

 約50mほどの登りを経て南北に長く伸びる1,030m+ピークに乗り上げる。
段々と笹が鬱陶しくなってくるが、まだまだ疎らで明瞭な踏み分け道がある。

 なおこの縦走尾根を通じていえることだが、等高線はさほど詰まっていなくても、未整備の斜面を登るのはけっこう脚力を使うと感じる。
このようなバリルートを歩くと、登山道が整備されていることの有難みを今更ながら感じることが出来る。

 地形図では1,030mの等高線で一括りされているが、実際のピーク上は微細なアップダウンが連続している。
等高線の僅かなうねりも見逃さず意識して、この後の特徴の少なそうな区間も読図していきたい。








 9:33 1,028m標高点ピーク付近

 しっかりと読図していきたいのだが、やはりなかなか難しかった。
何故かピークを外して描かれている1,028m標高点ピークを見出そうとしたが結局は確信を持てなかった。
おそらくこの付近ではないかと思われるが、自分の読図で苦手な局面を改めて認識した格好となった。








背丈が伸びてくる笹を気にしながらも北へ向けて登り続ける

 とりあえず次の目標に設定した1,094m標高点ピークを目指して登っていく。
今度は西側から大きな別尾根が合流してくるから、ピークが接近してきたら何とか分かるのではないだろうか。
それはともかく周囲には貫録のある大木が次々と現れて目を奪われる。








 9:55 巨木群の尾根

 目印としていた別尾根も西側に見えて、おそらくここが1,094m標高点ピークの周囲と思われる緩やかなところに乗り上げた。
この辺りの大木群の密度は自分の行程を一時停止させるのに充分の光景だった!
この後再び急坂を控えているし、そろそろ休憩を入れようかという頃合だったので、ここぞとばかりに10分程度小休止をとった。
山品山と赤谷山の間にこんなところがあったのかと、思わぬ掘り出し物?を見つけた気分。








更に続く巨木群。ブナだけではなく宍粟杉も?

 出発してもしばらくは巨木群の光景を楽しみながら歩くことが出来た。
但し、この後の1,160m+ピークへの急坂が始まるところで、先ほどから懸念していたことが的中した。
これから登ろうとしていたこの急斜面は踏み分け道も消してしまう笹薮に覆われていたのだった。
ここから赤谷山までは距離にするともう1kmあるかどうかだが、その残りの区間が笹薮に覆われているとすれば所要時間は当然長くなる。
考えてみれば自分は今まで真の藪漕ぎの経験は無し。
Loon's Trail史上初となる途中撤退で、音水湖まで引き返さなければならないのではと愕然となった。

 しかしここで考えたのは、この急斜面も距離、標高差ともせいぜい3〜40m。
1,160m+ピークに乗れば藪の状況も変わるかもしれない。その時に改めて判断しようと決めて藪漕ぎを開始した。




10:15頃 笹薮に突入

 足元が見えないほどではないが、自由に動けないので当然いつものように自分撮りが出来る状況ではなかった。
それでも手持ちで藪の状況を撮影しておけば良かったと後で思ったが、この時は必死だったので撮影する余裕も無かった。








10:26 1,160m+ピーク

 どうにか笹薮を掻き分けて平らな1,160m+ピークに到着!
無事に涼しげな木陰に遮られたピークに立って安堵した。
笹は疎らになっていて、北西へ向かう尾根は苦もなく縦走を継続出来そうだ。
どうやら日当たりの良い南斜面の一角だけ笹の育ちが良かっただけのようだ。
でも短いながらも人生初の藪漕ぎで、片方のスパッツに笹の茎が刺さって穴を空けてしまった。
幸いにも被害はスパッツのみでズボンは無事だった。スパッツは裏側からテープで穴を塞ぐとまだまだ使えそうだ。

 1,160m+ピークは池塘のようにヌタ場が点在する獣の気配が濃厚なピークだが、
これまでの藪漕ぎで乱れた息を整えるために5分程度小休止をとった。








県境尾根を目指して縦走再開

 今日の縦走で最大の難関?を突破して、もう地形的には標高差の少ない尾根で難しいところはなさそうだ。
1,160m+ピークから方向確認を行ったうえで、北西へ向けて縦走を再開する。

 相変わらず尾根上は笹に覆われているが踏み分け道は明瞭に存在し、
またしばらく皆無だったマーキングも点在するようになる。

 1,160m+ピークを出発してまもなく、再び装備品にトラブル発生。
今度はポールの石突きが泥濘にとられたようで紛失してしまったのだった。
時折はポールの先端をチェックする等していたのだがこれで石突きを紛失したのは2回目だ。夏山セール中の好日山荘で仕入れておかなければ。
外れそうなところでは予め石突きを外しておくか、もしくは外れにくそうなきつめの石突きに変えておいたほうがいいのではと思う。








10:46 1,162m標高点ピーク付近

 南西側から比較的大きな尾根が合流してくるのを見て、1,162m標高点ピークに辿り着きそうと判断。
その別尾根の向こうにほぼ同じ高さで見えているのは県境尾根ではないだろうか!
スパッツを破いて石突きを失くした直後だったが、長いバリルートの縦走にも終わりが見えてきたと俄然元気付けられる。








10:50 1,150m+

 殆ど標高差の無い尾根を歩いていくと、同じように南側に比較的大きな尾根が派生している1,150m+北端に差し掛かる。
ここも等高線は閉じていないが隠れたピークと捉えて差し支えないだろう。
ほぼ真北には尾根の続きの盛り上りが見えている。県境尾根と合流するのはもう近いだろう。








11:02 ゆったりした尾根になる

 予期していなかった急角度で踏み跡が左手へ曲がった直後、尾根は広くなだらかになった。
東側には木々の間に道谷付近を垣間見ることが出来る。音水湖から歩いてきて充分達成感を得られる景観だった。

 この辺りは暑さと疲れ、そして目標が近いという気の緩みもあったと反省しなければならないが、ちょっと読図が疎かになってしまった。
上記にあるような地形の変化には敏感にならなければいけない。
このことを悟らせる事態がこの直後に待っていたのだった。








11:10 戸倉スキー場からの尾根コースに飛び出た!

 やや藪っぽくなったところを突破すると、明瞭な登山道に飛び出た!?
すぐ横には見覚えのある道標・・。
自分はいつの間にか県境尾根に乗っていて、西側から合流してくると思っていた県境尾根のルートを見過ごしてしまっていたのだった。
後から考えると予想外に曲がるなぁと思った辺りが県境尾根に合流したところだったと思われる。
そして未踏の県境尾根を辿る踏み跡は見落としてしまうほど、合流点は目立たないものだったのか。
これまでほぼ要所をしっかり見極めて歩いてきただけに、未踏区間の最後の最後で画竜点睛を欠くことになってしまった。

 次回への課題を残すことにはなったが、引原ダム堰堤から始まったバリルートの縦走は無事に完了した。
これまでの緊張感から一気に解放されて肩の荷が下りた。スキーの検定での滑走を終えた後の虚脱感に近いものがある。
読図による先読みを誤ったことよりも、この時は正直なところ安堵感のほうが大きかった。








安堵感と達成感に包まれて赤谷山山頂へ

 戸倉スキー場から赤谷山を踏んで戸倉峠へ向かう周回ルートは整備されている上に既に何度か歩いている。
緊張感溢れる縦走から解放されて身体も軽くなった気分。








11:20 赤谷山山頂(1,216m)到着

 昼前でどなたか憩われているのではと思ったが、意外にも誰も居なかった。
それはともかく引原ダム堰堤から長い道のりを経て辿り着いた赤谷山山頂は、これまでとはまた違う感覚を与えてくれるようだ。
何しろここまでで6時間超もの所要時間が掛かっているので、時間の上ではアルプスでの初日の登りと同様とみて良いのではと思う。








たいへんな高山のように感じた赤谷山

 南面の景観を眺めて今日の縦走終盤の再検証を行う。
縦走行程終盤は標高差が乏しいので、地形の変化には敏感にならなければならない。
県境尾根は自分が辿ってきた1,162mピークからの尾根へ向かって西方から登ってくる形になっている。
意外にも双方の尾根の規模はさほど変わりないように見える。




 木陰の無い山頂でかなり暑いけど、心地良い達成感の中で倒木に腰掛けて滞在する。
その時に戸倉峠方面から単独男性が登ってこられ、パンを食べ終えた後で山談義をさせて頂いた。
御謙遜されてはいたが、かなり山慣れた方とお見受けした。
それを裏付けるように戸倉峠へ下山する際には、結果的に先に下山中だった自分を追い抜いていかれることとなる。




11:53 赤谷山山頂出発

 あとは戸倉峠へ向けて数度歩いた県境尾根を下るのみとなる。
長い縦走を首尾よく完結させるためにも、気を緩めることなく下山しなければならないのだが。








ブナの森を楽しみながら戸倉峠へ

 赤谷山から戸倉峠へ続く県境尾根は植林も多いが、ブナをはじめとして自然林も多く見られる。

 緊張感から解放されて調子良く下っていくが、戸倉峠直前のややこしい激下りは要注意。
自分はあまりマーキングを見ていなかったからか、ルートを逸れて戸倉峠直上の崖上に降りてしまいそうになった。
斜面をトラバースしているところで先述の単独男性が降りていかれるのが見えた。
何度か歩いているところでも気を付けなければいけないことを改めて実感した。








12:44 赤谷山・戸倉峠登山口(880m+)

 やや予想よりも時間が掛かって戸倉峠付近の登山口へ降り立った!!
あとは林道を下るだけとなるが、なんと舗装されていてびっくり。
とはいってもまだ作業が途中なのか、旧トンネル前まで砂利道と舗装路が交互に現れる。
何故ここを舗装する必要があるのか自分には分からないが、石突きが片方抜けた状態ではポールは使いにくかった。








13:02 旧戸倉トンネル波賀側入口(780m+)到着

 引原ダム堰堤を出発してから約8時間。長かったような短かったような、色んな意味で充実した縦走だった!
とはいえ、車に戻るまでは山行が終わったわけではない。デポしておいた自転車の出発準備を整える。








13:10 音水湖までのダウンヒル開始

 いよいよ音水湖へ至る長い下り。旧道はヘアピンカーブを切っていくのを楽しみながら調子良く下れる。
新戸倉トンネルは工事中のようで交互通行になっていた。








音水湖対岸より山品山、そして早朝に歩いた尾根を眺める

 外観を見ても急なところがよく目立っている。
それにしても音水湖周辺は殆ど標高差が無く、自転車を漕ぐ必要があって非常に暑い。








13:52 引原ダム堰堤・駐車場(470m+)到着

 山行中よりも暑い暑い時間を耐えてようやく懐かしい出発地に戻ってきた!!
車の回収まで含めると行程時間は約9時間。
日の長い今、日の出と同時に行動を開始したこともあって余裕を持って行程を終了させることが出来た。

 充実した達成感に包まれて約1ヶ月ぶりのテント泊へ。 ※ 翌7月13日の山行は朝から強く降り始めた雨のため中止…




 〜 終わりに 〜

 引原ダム堰堤から戸倉峠まで、延々と自然豊かな尾根歩きを堪能出来ました。おまけに少しだけですが藪漕ぎも。
未整備で手付かずの尾根が続きます。地形図とコンパスをフルに活用しての縦走となります。
また、戸倉峠から逆向きに南下するとすれば、続々と尾根の選択を迫られるので難易度が跳ね上がると思われます。
この縦走尾根に広く分布するブナですが、今度はぜひ紅葉の時期に再訪してみたいと感じさせてくれるのに十分な美しさです。








行程断面図です




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