「赤西山・波佐利山周回」 2015年 6月 7日(日) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「岩屋堂」、「西河内」 〜 はじめに 〜 これまでに戸倉峠以南の県境尾根は赤谷山を絡めた山行で歩いたのみに留まっていました。 基本的に整備された登山道は無く、時には藪の突破も強いられる県境尾根ですが、 「日野家の山歩き」さんによると赤西山〜波佐利山間は快適に歩けるようです。 万全に下調べを行って臨んだ山行でしたが、あらゆるトラブルが相次ぐこととなってしまいました。 でも終わってみれば全て良し。色々ひっくるめて充実した一日となりました。 6日(土)から一宮のウッディーパークキャンプ場でテント泊。 2:00 起床 4:00 出発 まだ薄暗い時間に初めて赤西林道へ入る。 最初だけ舗装路だがすぐにダートになるので慎重に運転する。 だいぶ進んだ頃、川原にテントが数張り見える。赤西渓谷のキャンプ場を通過。 賑やかなグループでのテン泊ならともかく、人里から遠く離れたここに一人きりで テントを張るのはちょっと勇気が要りそうだ。 キャンプ場を過ぎてまもなく、林道はゲートによって行く手を遮られる。 よく見かける獣避け扉の感覚でゲートを開けに掛かったが、よく見ると施錠されていて開かない! 車で林道に入れるのはここまでと分かって茫然とするが、諦めずにとりあえず地形図を見る。 現在地から林道終点まで約3km。標高差は約200m。片道だいたい1時間ほどと予想。 これなら歩ける範囲ということで、仕方なくここから登山開始とすることにした。 なおゲート前は道幅が広がっており脇に駐車することが出来た。 |
行程概要 ![]() 宍粟50名山の波佐利山〜1,122mピーク付近を除き、整備された登山道や道標はありません。 安全に歩くには読図とルートファインディングが必要です。 今回は赤西山山頂出発直後にルートミスをしており、踏破済みの実線において加えて表示しています。 |
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5:15 林道ゲート(520m+)出発 入念にウォーミングアップをしてから出発。ゲートは真新しく最近新設されたもののように見える。 車はここまでしか入れないが、徒歩やバイク等ならゲート脇を通り抜けられる。 過去に歩かれた方々のレポを観ている限りでは林道終点まで車の乗り入れは可能だったはずだが、 森林管理署に事前に根回ししていない限り、林道歩きを行程に組み込んでおく必要があるようだ。 赤西林道は赤西川に沿って延々と山奥へと続いていく。 もともと林道なので傾斜は少なく、標高差200mもあまり苦にならないものだ。 ヤマメ茶屋から氷ノ山三の丸へ登った時のことを考えれば、今回のほうが遥かに楽な行程といえる。 途中で“先代杉”という巨木もあるが、下山中に立ち寄ることとして先を急ぐ。 |
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6:15 赤西林道終点(700m+) 読み通り1時間で林道終点に到着! 実際には橋を渡って更に奥へ道が続いていくが、地形図において2本線で描かれている道路はここまで。 なお源流を示す道標の左側へも道が分かれているので、ここは三叉路になっていることを念のために付け加えておきたい。 赤西山へ突き上げる尾根はこの橋を渡ったところが取付きとなる。 ようやく本格的な登りが始まるが、その前に小休止をとっておく。 |
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6:30 尾根に取付く 橋を渡るとすぐに左手に急な尾根が目に入る。 しかし地形図を見るとここが唯一といっても良いほど、登りに適した尾根であることが分かる。 本当に急な斜面ではあるが、すぐに明瞭な踏み跡やマーキングが現れ、多くの方々が登られている形跡が残っている。 |
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6:38 林鉄軌道跡 最初の激登りは幸いなことに一汗掻いた頃にすぐに終わる。今日の行程の中でもこの登り始め直後が最もしんどいところだった。 激登りを経て飛び出したところは幅広の山腹道のようになっているが、やまあそさんによるとかつてはここに林鉄の軌道が敷かれていたという。 現状からは想像するのも難しいが、林業で賑わっていた頃の宍粟の山々の光景を見たい気がする。 |
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次第に明瞭な尾根となる 軌道跡からまた少し登ると南側の尾根と合流。 傾斜も段々と落ち着いてくる。 植林と自然林の混成状態で、なかなか風情のある尾根だ。 しばしば現れる大木の切り株も大きな特徴となっている。 |
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北隣の尾根を見やりつつひたすら登っていく | なおも点在する巨木の切り株 | |
終始深い森に覆われて展望は利かず、時折北隣の尾根がちらちらと見えるのみ。 北隣の尾根とは山頂の直下で合流するので、現在位置の特定には使えなさそう。 他には、990mくらいで南側から支尾根が合流してくるのは確認していたが、歩いていて支尾根の存在に気付かなかった。 殆ど一直線に山頂を目指すという感じで、なかなか読図が難しい尾根だった。 |
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7:38 森を抜ける 北隣の尾根がかなり近づいてきた頃、森林限界を越えたように草原になっているところに出た! 日野家さんも触れられているように、色んな植物が生えている盆栽のような切り株も印象的。 行く手少し上には目指す赤西山山頂。そして南側に目を向けると・・ |
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三室山の雄姿 南側から何度となく眺めていたはずなのに、北側から見ると予想外に貫録ある山容でちょっと感動してしまった。 赤西山からだとあまり距離がなく、遮るものがないから余計にそう見えるのだろう。 昨日の雨で空気が洗われたようで、三室山が本当にきれいに見えた。 |
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赤西山への最後の登り 三室山の景観をしばし楽しんだ後、再び森へと入り山頂へ。 地面には枯れた笹がたくさん落ちている。 簡単に歩けるようになったのは有難いけど、笹枯れは何が原因なのかが気になるところだ。 |
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7:51 赤西山山頂(1,202m)到着 ようやく赤西山山頂に辿り着いた。等高線で描いていたイメージよりもずっと広い山頂だった。 残念ながら山頂からは景観は得られず、また何らかの石標はあるが三角点ではなかった。 山頂から少し西側に外れたところだと視界が利くようだ。 但し、この時に休憩に入るよりも県境尾根へのルート確認を先に行うべきだったと思い返す経験をすることになる。 |
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県境尾根の向こうに続く三室山、竹呂山への稜線 赤西山山頂から少し下っていくと、木々が途切れて周辺を広く見渡せるようになる。 やはり堂々とした三室山に魅せられるが、それへと続く県境尾根がぜひ歩いてみてと誘っているかのよう。 しかし一見歩きやすそうに見える県境尾根ではあるが、三室山山頂直下では藪を突破しなければならないのはやまあそさんのレポで確認済み。 でもいずれは良い季節を選んで歩いてみたい。ピストンを避けるためには車が2台必要となるが・・。 この景観を眺めながら休憩に入るが、この日は稜線付近でやや強く冷たい風が吹き付けていた。 汗冷えで寒くなってきたので、着ることはないと思っていた上着を一枚増やす。 その後でパンと紅茶で一休み。そしてこの光景を眺めながら思い切りオカリナを楽しんだ。 30分超の滞在時間で赤西山山頂を出発し、いよいよ波佐利山への県境尾根縦走を開始する。 ところが・・。 |
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8:25 赤西山山頂出発 結果から言うと鳥取県側へ下る尾根に乗ってしまった模様。 右手になだらかな尾根(県境尾根)、そして自分の下り始めた尾根の行く手が急下降していくのが見えた時に間違ったことを確信。 ただ赤西山山頂に戻るしかない。 間違いをリセットするための登り返しは余計にしんどく感じるのは何故だろう。 |
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9:10 赤西山山頂を再出発 山頂に登り付く直前でトラバースに入り、日の当たる明るい尾根に乗った。 右手にはもう目に付く尾根は無いし、今度こそ間違いないようだ。 山頂から下り始める前に慎重に読図をしたつもりだったが、思い返してみると勘違いだったというしかない。 山頂から右手に緩く下り始める尾根を見てはいたが、ほぼ真東に下る別尾根であると認識してしまったこと。 下り始めるのが早過ぎたこと。緩く広がる山頂なのでもう少し周辺をくまなく観察すべきだったこと。 そして、山頂到着直後にルートの続きを確認しておくべきこと。 自分としては単独行で初めての未整備の山に居る場面で、それだけ慎重に確実に確認作業を行う必要があった。 この時のルートミスで約40分。林道歩き往復2時間。当初の構想より3時間近くも行程時間が伸びたことは今までに無かったと思う。 気を取り直して県境尾根の縦走を開始。 尾根は段々と痩せてきて、周辺の景観を見渡せるようになってくる。 そして時折マーキングも目に入ってくる。先ほど間違って下っていた広い尾根はマーキング皆無。 しかし最近のものとみられる明瞭な踏み跡があったことも惑わされた一因となった。 |
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展望の素晴らしい県境尾根 赤西山からの下りが落ち着くと、高低差の少ないなだらかな尾根になる。 県境尾根からは主に東側に広く景観が得られるようになる。 宍粟の山深さを感じさせる光景、稜線を抜ける風と、自分の足音と、鈴の音しか聞こえない静寂感が病みつきになると改めて思う。 |
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波佐利山へ至るまでの県境尾根全貌 前方に波佐利山へ至る稜線の全貌が見えてくる! 赤西山出発直後に尾根を乗り間違えて自分で勝手に苦労したが、一旦県境尾根を歩き始めたら波佐利山までの縦走はとても快適そう。 一番手前の1,070m+ピークでは展望も期待出来そうだ。 |
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整備されてはいないけど比較的歩きやすい痩せ尾根が続く赤西山北側の県境尾根 |
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9:27 1,070m+ピーク 1,070m+ピークは正しくは2箇所で等高線が閉じた双耳峰。 赤西山から歩くとここまでは殆ど下りか平坦の楽な行程で辿り着く。 振り返ると赤西山が整った山容で見送ってくれる。ここから見るとやはり鳥取県側はなだらかそうに見える。 三室山は赤西山の向こう側に隠れたようだ。 |
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南北に細長い1,070m+ピークを北上中。 この辺りで赤西山と波佐利山の中間付近。 標高差があまり無いので、縦走を始めると本当に早い。 波佐利山が見る間に近づいてくるのが分かる。 風は相変わらずやや強めではあったが、段々生ぬるくなって気温もあがってきたようだ。 |
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9:34 1,047mコル 本日の縦走中、唯一標高点表示のある1,047mコルに差し掛かる。 コルは風の通り道であってここでも絶えず吹かれたが、とうとう暑くなってきて赤西山山頂で来た上着を1枚減らす。 波佐利山に向けての縦走後半は比較的登りが多くなってくるが、それでもそれぞれ80m、20m、80mとあまり大したことはない。 コルを過ぎればまずは1,130m+ピークに向けて登り返しにかかる。 |
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9:54 1,130m+ピーク 80mという標高差以上に、暑さのせいもあって大汗かいて1,130m+ピークに到着。 今までより右手に波佐利山が木々の間にちらっと見える。 この1,130m+ピークはまるでひょうたんのような形をしている。 ピークを歩いている間に北東方向に向きを変えて、緩やかなアップダウンに掛かる。 |
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10:06 1,130m+ピーク(ジャンクションピーク) 僅かに登り返して北隣の1,130m+ピークに差し掛かる。 T字状のピークは突き当たりを東へ向かう。既に目指す波佐利山は真横に見えている。 実際に歩いてみると赤西山から波佐利山の距離はあまり長くない。 出来ればもう少し達成感を得られるくらい縦走したいのだが、今回は稜線歩きの部分に限っていえばちょっと物足りなかったかもしれない。 なおこのピークから逆向きに北西へ向かうと長い尾根の行く手には、地形図に山名表記のある大ボウシまで通じている。 |
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10:11 1,100m+コル 1,130m+ピークから少し下って1,100m+コル。 ここも明確なコルの形状が印象的。コルからは波佐利山まで約90mの最後の登りとなる。 |
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波佐利山山頂が見えてくる 1,100m+コルから登り始めはやや急だが、次第に緩くなってくる。 すると前方やや右寄りには波佐利山山頂がすぐ近くに見えてくる。 波佐利山山頂すぐ手前にはニセピークがあって、県境尾根の続きはここから北へ伸びている。 いずれは波佐利山から赤谷山まで縦走したいが、それはまたの機会として今回は波佐利山を踏んでおこう。 |
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10:25 波佐利山山頂(1,191.7m) 意外にあっけない感じで波佐利山山頂に到着。ルートミスを除けば赤西山から1時間15分程しか掛からなかった。 それはともかく初めての波佐利山山頂。展望こそ恵まれていないが、なかなか訪れにくい奥地のピークだけに達成感はそれなりにある。 それと僅かではあるが、木々の間には氷ノ山まで見えた。 宍粟50名山の一つではあるが、この山頂から下山ルートにおいてまで誰とも出会うことはなかった。 せっかくの波佐利山山頂なので、ここでブランチタイムを過ごしていくことにした。 |
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宍粟50名山・波佐利山 時折、意識的に鈴を鳴らさないと不安になるくらい静か。 10:50 波佐利山山頂出発 山頂出発時のルートミスをやらかしたばかりなので、ある程度整備されている宍粟50名山でも慎重に周囲の状況確認を行う。 三角点から直に南西に下る尾根もあるが、僅かに東へ進んだところから南に下る尾根に50名山コースが設けられている。 |
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宍粟50名山コースにて波佐利山から下山開始 一見やや下草が多いけど、50名山コースなので踏み跡は明瞭でマーキング、道標豊富。 下り始めのみやや急だがすぐに緩くなってくる。今度は間違いなく狙い通りに1,122m標高点ピークを通る尾根に乗っているようだ。 但しこのまま道なりだと音水林道へ下ってしまうので、赤西林道へ戻る自分は途中で50名山コースを離れる必要がある。 既にルートミスをしているが、今日の行程の中でもこの後に要注意箇所を通ることを念頭に置いている。 |
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植林の隙間から赤西山を見通す 波佐利山方向から赤西山を眺めると本当に端正な姿で見える。 自分が歩いてきた赤西山からの県境尾根を眺めたいが、この森深い尾根ではなかなか難しいかもしれない。 それにしても朝から青空がきれいな登山日和だったが、何だか高曇りの空模様となってきた。 それと50名山コースの通る尾根とほぼ同規模の別尾根が派生しているのも確認する。 この後緩やかに下って南西方向に急角度に尾根が曲がると、緩やかなカーブを描く1,122mピークに差し掛かるはず。 |
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11:09 1,122mピーク この辺りがピークかなと答え合わせをする、必要も無く1,122m標高点を示す道標があった。 道標と横の木のオブジェがシンボルとなっている1,122mピークに到着だ。 植林の木々が邪魔してはいるものの、県境尾根が尾根の右手に見え隠れする。 1,122mピークを過ぎると、まもなく赤西林道方面へ下る支尾根が派生するはず。 見落とさずに慎重に観察しながら進む。 |
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11:14 50名山コースから離れて支尾根へ 音水登山口を指す道標が現れると、右手に急角度で下る支尾根に気付く。 下り始めこそ急だけど、すぐ下で緩やかになっている様子も目に入る。 そして細いけど明瞭な踏み跡とマーキングもある。念のために方角確認を行ったうえで支尾根を下り始める。 実際に歩いてみると50名山コースと同様にはっきりして辿りやすい踏み跡が続いている。 |
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この支尾根でも点在する巨大な切り株 この支尾根に人面木があるという情報を頭に入れていたが、確認し忘れてしまった。 この切り株の辺りからやや右寄りに急な下りとなっていく。 |
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赤西川へ向けて一直線に下っていく支尾根 波佐利山付近から眺めるよりも、やや近く高くなってきた赤西山を見通す。 予想通りとはいえ、波佐利山山頂以降に展望スポットといえるようなところはなさそうだ。 |
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等高線の詰まった支尾根下部 下るほどに急斜面となっていく支尾根。時折目に入るマーキングを目安にルートファインディングしつつ下っていく。 微細な尾根の派生も時折見受けられたので、下りでは特にルートを外さないように気を付ける必要がある。 |
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遂に支尾根末端を捉える 実際に等高線が詰まっているのは標高差100m余り。 時間にしてはたいしたことはないはずだけど、ルートファインディングの緊張感もあって下り甲斐を感じる支尾根だった。 支尾根の末端は2本の沢の合流箇所というよくあるパターンだ。 下りきってみると何やら道標のようなものが建っている。 |
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11:46 赤西川源流地点に降り立つ 降り立ったところは赤西川源流地点とされている川原だった。 地形図には水線が更に上流の波佐利山直下まで描かれているが、源流地点の定義は自分にはよく分からない。 いずれにしても登りで支尾根に取付く際には重要な道標となるだけに覚えておきたい。 |
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林道ゲートへ向けての長い下りが始まる 支尾根は無事に降り切ったが、車に戻るまではあと5kmの道のりが残っている。 地形図上には破線道が赤西川左岸に続いているが、実際にも明瞭な踏み跡とマーキングで簡単に辿れるようになっている。 |
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踏み跡から林道のような幅広の道へ 最初こそ細い踏み跡だったが、次第に車が通れるような幅広の道が現れる。 谷沿いの退屈な道中ではないかと思ったが、意外に花(タニウツギ?)も多く緑豊かな道中に心落ち着く道のりだった。 |
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12:05 林鉄軌道橋脚遺構 左岸沿いの道が途切れているように見えたところで目に飛び込んできたのが、この林鉄の橋脚遺構。 木造の橋桁を見ていると、ラピュタに出てくるトロッコ列車のシーンを思い出した。 この上を木材を満載した貨車が通過していたのだろうか。 余談だが現在明治以降の産業遺産を世界遺産にという動きがあるが、 なんでもかんでも世界遺産に認定していくと「世界遺産」ブランドの希少価値が下がるような気がする。 観光などで金が絡むから話がややこしくなるのだろう。 本来は世界遺産の認定の有無で物事の価値が変わるものでもないし、あまのじゃくの自分は旅行先として基準にすることもない。 それよりも人知れず、静かな山中で朽ちていくこの橋脚のほうが愛着が沸くような気もする。 それと近いところで逆に人を集め過ぎて史跡を傷めている竹田城跡のブームには食傷気味。早く元の静かな城に戻るのを願っている。 この後は地形図上でも破線道から実線道に変わり、より林道に近い状態となっていく。 間もなくヘアピンカーブを過ぎて右岸へと渡ると、見覚えのある空間に辿り着く。 |
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12:23 登りの尾根取付きに戻ってくる 懐かしの登っていった尾根の袂に戻ってきた! 改めて見ても急な尾根の取付きであり、達成感を再び味わうことが出来る。 当初の予定通りに車でここまで乗り入れてれば、ここで行程終了となるがそうはいかない。 横にある赤西川の堰堤上でザックを下ろして小休止をとっていく。 川の水はとても冷たくて顔を洗うと気持ち良かった。 12:38 休憩を終えて出発 ごく緩い下りが続く林道を歩いて一路ゲートを目指す。 帰りに寄るつもりだった“先代杉”は考え事をしていてうっかり通り過ぎてしまった。 まあまたいずれ赤西に来ることがきっとあるだろう。 |
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13:17 林道ゲート到着 やはり登りよりはやや早く、林道終点から約40分でようやく林道ゲートに到着! 往復の林道歩き+ルートミスにより、思いがけず約8時間にわたる歩き応えのある充実した山行になった。 |
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軍師官兵衛、タイトルバック撮影地 帰りに寄ろうと思っていた、林道沿いにある撮影地に立ち寄る。現地はダートの林道だが、撮影地は数台は路肩に駐車可能。 近年には珍しく全話欠かさず観た大河ドラマだったが、オープニングのどの辺りで映像が使われていたのかはっきり思い出せない。 それはともかく、心洗われる清流であることは間違いない。 赤西渓谷を抜けた後は、定番の波賀温泉楓香荘に立ち寄って2日間の汗を流して帰途に就く。 身体がだいぶ山行に馴染んできたので、来週からは荷を重くしてみようと思う。 |
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〜 終わりに 〜 純朴な自然を満喫出来る県境尾根と赤西渓谷。 自分自身多くの未踏区域を残しているところですが、赤西山から波佐利山にかけての縦走自体の難易度は高くないと感じました。 今日の行程で要注意点となるのは、やはり林道歩きのアプローチの長さと、尾根の取付き、支尾根の選択。そして自分の場合は山頂出発後のルートミス。 初めての山に入る時には程度の如何を問わずに緊張しますが、この山域は基本的に未整備と捉えて油断なく歩いて楽しみたいものです。 赤西山〜波佐利山間を歩いたことで、付近の県境尾根に残る未踏区間は赤谷山〜波佐利山、そして赤西山以南となりました。 このうち三室山〜大通峠は日野家さんのお導きにより、早くも翌週に歩くこととなります。 |
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行程断面図です![]() |