「竹呂からカンカケ越周回」 2016年 5月15日(日) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「西河内」 〜 はじめに 〜 先日、赤西から竹呂へ周回し、初めて竹呂以南の尾根に足を踏み入れました。 今回は原不動滝奥の院付近を起点として、カンカケ越えまでを周回してみます。 この周回は波賀町側から竹呂山へ登る定番の行程で、実は2年ほど前にも既に試みていました。 しかしその際は予報が外れ、林道を登っていて大雨に遭い撤退しました。 今回はそのリトライでもあります。 ※ 今回の周回行程も全てがバリエーションルートです。 ルート上に指導標や登山道はほぼ無いので、地形図とコンパスによる読図が必須です。 4:50頃 原不動滝奥の院付近の駐車地に到着 林道には2年前には無かった鎖のゲートが出来ており、そこからバックして路肩の広がっているところに駐車。 路肩には車が2、3台停められそう。ここでもかなり標高を稼いでおり、 林道からはりんご園や楓香荘の辺りを見下ろすことが出来る。 |
行程概要 ![]() |
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5:15 林道ゲート 原不動滝奥の院へ下る階段のすぐ先で鎖によってゲートが出来ている。 ここから八丈川上流までは長い林道歩きとなる。 昨日の県境尾根周回の疲れも若干残っているので、ウォーミングアップにちょうど良かった。 |
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5:50 林道三叉路(640m) | 2014年 7月13日の同地点の写真。この後大雨で撤退しており山行記録は無し。 |
ゲートから35分で前回の撤退行では駐車地だった三叉路に到着。 真新しい舗装がされていて、一瞬ここで良かったかなと戸惑い、念のために読図を行って確認した。 前回はここからスタートだったのだが、林道歩きはまだまだ直進して続く。 下りはここに降りてくるので、ここからが周回行程の本題となる。 |
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6:33 林道崩壊地点を慎重に通過 前回撤退した地点より、更に上流側で林道は大きく崩壊しているのを初めて目の当たりにする。 ここからは八丈川の沢床を着かず離れずに沿って歩くようになる。 前回、大雨で早々と撤退を決めたのは的確な判断だったことを上流部を歩いていて再認識した。 なお周囲はマーキングも多いので、ルートファインディングは容易に行える。 |
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6:47 支尾根を見出して取付く 左岸側に比較的顕著な尾根の取付きを見出す。 マーキングはなおも上流側へと続いていくが、ここから登ったほうが得策ではないかと考えて尾根に取付く。 尾根の取付き付近は急峻で、三点支持も行いつつの激登りとなる。 |
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支尾根を登っていく しばらく登ったところで首尾よく尾根に乗り、ひたすら上へ上へ。 途中までアセビ藪に邪魔されるところもあるが、次第に尾根は歩きやすくなってくる。 そして北側にも別の支尾根が平行するのを見るようになると、まもなく上方には稜線を認識できるようになる。 |
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7:16 980mピーク 辿り着いたピークはまさしく、赤西〜竹呂周回で通過した980mピークだった! 登ってきた支尾根は980mピークの南の肩辺りだったので、同時に支尾根取付き付近の位置も明確になった。 ここから竹呂山頂までは一度下りで歩いているので心強い。 980mピークで10分程度小休止してから出発する。 空模様は快晴だった昨日よりは雲が多いが、時折晴れ間ものぞいており周回には全く問題ない。 |
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今回の山行で唯一竹呂山頂が見えた 980mピークを出発して一路竹呂山へ。 木々の間からは一際高いところに竹呂山山頂が見えている。 |
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朝日に照らされるブナの木々に囲まれて急坂を登っていく | 980m+ピークから1040m+尾根分岐にかけて、ブナの森が最も見応えのある区間となっている。 |
新緑のブナの木々がとにかく美しい。 先行の方々がここを狙って歩かれるのが本当に納得出来る素晴らしい尾根だ。 但しスキー場でいうと、コブがびっしりと張り付いているくらいの急斜面となっているうえ、 登山道は無いので楽に登れるところではない。 |
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7:42 1,040m+尾根分岐にてマザーツリーを観る そして付近一帯のシンボルともいうべきブナの巨木に出会う。 この壮観さ、スケール感を写真で表現するのは難しい。 ここから進路を90度北へ変え、あとは一路竹呂山へ向けて最後の登りとなる。 |
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東斜面に広がる素晴らしい光景を眺めながら最後の急な尾根を詰めていく |
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7:58 竹呂山山頂(1,129m)到着 初めて南側から竹呂山山頂に到着。 長い長い林道のアプローチ、980mピークの支尾根取付き辺りなどの難点をクリア出来れば、 今日のルートは宍粟50名山コースよりよほど素晴らしいピークハントのコースとなる気がした。 ここでカンカケ越までの行程を確認したり、オカリナを吹いたりして小休止。 8:13 竹呂山山頂出発 まずは登ってきたばかりの急な尾根を下っていく。 |
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8:23 1,040m+尾根分岐よりカンカケ越へ ブナの巨木を左手に見ながら、ここより初めてカンカケ越へ続く尾根に乗る。 この尾根はいくつか要注意箇所があるようだが、概ね緩やかなアップダウンで歩きやすそうだ。 |
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940m+の美しいコルを通過。一人でも「ワォー!」と歓声を上げてしまう場所だった。 尾根には下草が無く見通しは良い。 |
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8:41 960m+ピーク付近 地形図を見るとプロペラのように南北に細長い960m+ピークを通過中。 東側には先ほど乗り上げた980mピークがすぐ近くに見える。 |
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960m+ピークを過ぎて972mピークへ南下中 地形図を見るとだだっ広い930m+コルが続く一帯だが、実際はやはり10mに満たない微細な変化が。 コル東寄りに続く尾根に乗っていると、その後のルート取りがスムーズに感じる。マーキングも見受けられた。 |
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東側には大きな972mピークが見えてくる 南北に長く大きな楕円形の972mピークが見えてくる。一旦30mほど登りとなるようだ。 その手前にある静寂の鞍部の美しさにまた歓声を上げる。 |
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9:01 972mピーク 楕円形に広い台地状のピークで、その南の肩に標高点が描かれている。 木々の向こうには次に向かう960m+ピークが透けて見える。 カンカケへ向かう尾根歩きも、はや後半へと入ってきた。 |
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960m+ピーク到達直前には仲良く並ぶ三姉妹のブナ 一帯ではブナも楽しめるが、植林もけっこう多い尾根だった。 9:20 960m+ピーク ここから林道三叉路へ向けては大きな支尾根が分岐しており、カンカケ越へ下ってから余裕があれば登り返してきてでも尾根歩きを続けたかった。 しかし雲行きが万全ではなくなってきたのと、別の問題があったことでこの支尾根踏破は次に持ち込むことになった。 |
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960m+ピークから南西へ下る尾根へ | 880m+付近を通過中。一帯は地形図からはイメージし難い光景が広がっていた。 |
960m+ピークから順調に下り、途中でやや西寄りに曲がるのを意識していると、周辺は二重山稜のように尾根が分かれる。 正解は西側の尾根を辿ることで、周辺はマーキングも続いていた。 地形図からはこのようなややこしい地形を想像し辛いところなので、ここは意外に要注意箇所だった。 |
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二重山稜を過ぎて900m+ピークへ ピークの手前ではうっとおしいアセビがあるが、すんなり通過出来る踏み分け道がある。 |
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9:38 900m+ピーク | |
南北に細長い900m+ピークを南下していくが、ピーク上は切り倒したばかりの木々が散乱している。 植林の木々から木の良い香りが強く漂っている。 ピークを過ぎてカンカケ越へ向けて急な下りとなるが、間伐されたばかりの木々が邪魔をする。 場所によっては折り重なるように木々が散乱しているので、最も難儀なハイマツ藪を通過するような状況に近い。 時には平行棒のように木の上を通過しながら、どうにか通れそうなルートを見出して下っていく。 まもなくカンカケ越のすぐ上に降りるが、崖となっていて下れないので平行移動して降りれそうなところを探す。 |
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9:53 カンカケ越(878m) | 一見の価値あるカンカケ越からの展望 |
最後の最後で想定外の苦労をしてようやくカンカケ越に降り立った。 正確には峠の少しだけ千種町側へ降り立つことが出来た。 カンカケ越には文字の消えかけた古い道標があるが、これを見ると登山者よりは自転車やバイク?の方を対象にしたもののよう。 カンカケ越の西側にある展望地にさっそく寄っていくと、千種町の山々が居並ぶ素晴らしい展望が広がる。 但しこの日は低い雲が漂って、後山辺りの県境尾根は見えず。 まだ歩いていないところも含めて、千種町周辺の山行を近いうちに実施したい。 曇りではあってもこの山また山の光景は清々しいものであり、ここでもオカリナを楽しんだりして良い一時を過ごした。 |
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10:11 カンカケ越出発 あとは出発地に向けてひたすら林道を下るのみだが、その前にカンカケ越の南側の尾根の取付きも確認しておく。 尾根の西側と東側両方にマーキングがあり、どちらからも入っていけそう。 植松からカンカケの尾根も歩くと、県境尾根から派生して大甲山へ至るまでの長大な尾根も繋がる。 近いうちにぜひ歩いておきたいところだ。 10:39 林道三叉路 |
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11:08 林道ゲート 林道歩きが長い場合はソールが柔らかめの登山靴を履いておくと楽かもしれない。 11:12 駐車地 ちょうど6時間で山行を終える。 虫にたかられながら山装備を解き、心待ちにしていた温泉へ2日間の汗を流しに行く。 〜 終わりに 〜 竹呂山以南の静かな尾根歩きでした。 展望はカンカケ越までお預けとなりますが、素晴らしい尾根が続きます。 新緑は堪能できたので、今度は紅葉の頃にも歩いてみたいと思いました。 周回の行程はちょっと地形が複雑なところや、ルートファインディングが必要となります。 読図の妙味を楽しみながら歩きましょう。 |
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行程断面図です![]() |