「初冬の鶴觜山」 07年12月7日(金)
国土地理院地形図:「龍野」25000分の1を参照して下さい。 今日は約2年ぶりに友人KAPPAさんと2人パーティーでの山行となる。この日のために選択したルートがこのお気に入りの鶴觜山だったのだが、 あいにくの曇り空で光量が絶対的に不足。写真撮影に重きを成す2人には厳しい条件となった。 前回の山行の荒地山以来、風邪をひいたり、休みの天気に恵まれなかったりして運に見放された状態が続いているが、今日も引きずってしまった感じだ。 週間予報でもこの日だけ「雨」の予報がなかなか動かなかったが、幸いなことに山中では殆ど雨に当たることはなかった。 行程としては軽めだが、2人とも撮影に時間を掛けることは織り込み済みだし、約半月ぶりの山行で風邪も完治し切っていなかったからリハビリにはちょうど良いだろう。 なお、行程の殆どが 07年1月25日「觜崎の屏風岩を巡る」 鶴觜山〜東山公園 に重複するので詳述はせずに(特に前半部分)、 今回はフォトアルバム風にまとめていきたいと思います。このレポは撮影協力をいただいたKAPPAさんに捧げましょう。 今日は2人揃って撮影しながらの山行なので、いつも以上に所要時間は参考にならないことをまず述べておきたい。 6:45 觜崎磨崖仏前の川原に到着。 川原の隅に車を停めて出発。今回は車での龍野入りとなった。 |
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6:55 觜崎磨崖仏を出発 歩き始めてすぐに磨崖仏を見上げる。KAPPAさんはもちろん観るもの全てが初めてとなるはず。 まだまだ見どころはたくさんあるこのルート。楽しんでもらえればいいが・・。 ちなみにKAPPAさんとは高校で同じクラスになって以来の長い付き合いだ。会えるのは一年に2、3度くらいで、実に重要な機会となっている。 今日はいろいろ積もる話をおしゃべりしながら歩くという、普段の単独での山行とは少し違う時間を楽しめるだろう。 |
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7:04 古宮天満神社 川原から登るのかと思ったKAPPAさん。こんなところから!?という感じだった。「登山口」の道標が無い登山口だ。 |
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神社の境内脇から岩稜に乗る。いきなりのハイライト突入で興奮気味のKAPPAさん。 車を停めている姫新線鉄橋下の川原が眼下に見えているが、もちろん撮影の邪魔にならないように車は極力山側に寄せているからここからは見えない。 この後、墓地、そして獣避けのゲートを通過して、徐々に高度を上げていく。 なお、前回の山行で気になった、鶴觜山山頂まで多数設置されていた手製の案内板が全て撤去されていた。 設置者の方が撤去されたのだろうか。分からないが今の鶴觜山は山の本来の姿に戻っている。とても良かったと思う。 あと、過度な案内板といえば明神山をまず思い浮かべるが、あそこはどうなっているのだろう。2年近く行っていないのでまた確認してみたい。 |
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姫新線撮影タイム 先月の因美線那岐駅付近の撮影のおかげで鉄道写真の楽しさに気付いたKAPPAさんにとっても、ここは絶好の撮影スポットのようだ。 もうどっぷりと鶴觜山の楽しさに浸ってもらって、プランニングした自分としては嬉しい限りだ。 |
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徐々に高度を、斜度を上げながら岩稜を登っていく。落葉が溜まっていると滑りやすいので気をつけよう。 |
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平日朝のラッシュ時は姫新線の気動車も頻繁に通る。KAPPAさんも大満足。 マクロ写真がメインのKAPPAさんだが、今日の行程を通じて広角レンズが欲しくなったそうだ。その気持ちはよく分かる。 |
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そして最大斜度の岩稜を登っていく・・・ |
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8:00 岩稜を登りきる 広大な一枚岩の岩稜を登りきる。まだ最上部は少し先だが、ここからでも鶴觜山周辺の情景は存分に楽しむことが出来る。 対岸の新龍アルプスのトラックや、かつて城山城で激戦が繰り広げられたこと、そしてその山を「寝釈迦」に見立てていることをKAPPAさんにガイド。 天気がイマイチなのが残念だが、KAPPAさんもこの景観を楽しんでいるようだ。雲が切れることを期待しつつ、しばらくここに逗留することにした。 |
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その間にも何本か眼下を通る姫新線を見送る。鉄道模型みたいとKAPPAさんが感想を述べる。 8:40 岩稜の登りを再開 次の列車通過までしばらくあることを説明して登りを再開することにする。 |
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すぐに觜崎の屏風岩の頭頂部(168mピーク)が近づいてくる。 天然記念物になっていることに驚くKAPPAさん。 |
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屏風岩の柱状節理を観察するKAPPAさん 高校では2人揃って地学を選択していたことがこの時も話題に上る。 |
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8:58 觜崎の屏風岩頭頂部(168mピーク)到着 一日ほぼ曇天だったが、ここに居る時だけは奇跡的に晴れてくれた。晴れの寝釈迦の景観をKAPPAさんに観てもらうことができて大満足だ。 もちろんゆるりとここで滞在していくことにする。といっても二人ともそれぞれ撮影や、自分はオカリナなどいろいろ忙しいのだが。 |
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觜崎の屏風岩頭頂部より姫新線の列車を眺める。用意していた時刻表を確認しながら、KAPPAさんをアシストしつつ自分も撮影した。 |
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ここはやはり何度来ても良い。また季節の折々に訪ねてみたい。 |
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10:13 觜崎の屏風岩頭頂部(168mピーク)出発 しばらくは晴れていたが、やはり今日は曇天で終始する気配だ。1時間以上滞在して満足して北へ向かう。 |
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KAPPAさんにこれから歩く尾根を地形図と交互に見せながら説明する。地図の面白さもKAPPAさんに伝わったようだ。 ところで、自分はいつもホワイトバランスを「太陽光」で撮影しているのだが、今日の曇天ではただ暗いだけでぱっとしない。 そこでここからの写真の殆どは「曇り」モードに編集し直した。RAWで撮っているとこういう時に役立つ。 |
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ほぼ平坦なまま200m+ピークへ向かう |
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最後に少しだけ登って200m+ピークへ |
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あと少しで200m+ピーク。というところで何かを見つけたらしくKAPPAさんは撮影開始。 マクロ写真がメインのKAPPAさんならではの光景だ。 10:37 200m+ピーク通過 ここから尾根はやや東寄りに向きを変えて緩やかに下っていく。 |
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緩やかで快適な吊り尾根を経て210m+ピークへ |
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11:05 210m+ピーク通過 210m+ピークからは朝からゆっくりと歩いてきた尾根と、これから向かう263.2m+ピーク(鶴觜山山頂)を一望できる。 これほどゆっくりした行程は一人で歩いていてはありえないだろう。 晴天の時とは違い、モノトーン調の新龍アルプスがより「寝釈迦」っぽく見えるような気がする。 鶴觜山山頂南端でゆっくり滞在するつもりだったので、数分の滞在で210m+ピークを後にする。 |
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ごく一部でシダが生い茂っている他は殆どがこのような快適な尾根が続く。 なかなかきれいに紅葉しているが、日差しが当たらないのでぱっとしないのが残念だ。 |
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11:38 263.2m三角点ピーク(鶴觜山山頂)南端の岩場到着 まだ行程半ばだが、今日最後となる展望スポットに到着。ちょうどお昼時だしここで昼食を摂る。 |
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この岩棚は鶴觜山山頂の南端にあって、鶴觜山全山域で最も標高の高い眺めを楽しめる展望スポットだ。 そうはいっても標高は260mくらいなので、学校のチャイムなど下界の音がよく聞こえるが。 霞んではいても瀬戸内海と家島を眺めることが出来た。KAPPAさんも大層ご満悦の様子。 滞在30分くらいで山頂南端の岩場を出発。三角点が設置されているピーク北端へ向かう。 |
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12:19 263.2m三角点ピーク(鶴觜山山頂)通過 今日の行程中、唯一の三角点ピークとなる263.2mピークに到着。前述の岩場から殆ど平坦だから、既にピークに到着していたとも言えるけど。 30分の休憩直後だったのと展望が殆ど無いことで、すぐに通過して下りに掛かる。 |
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そこそこの斜度の下りを経て、更に北へ続く尾根を歩いていく。鶴觜山山頂から南より幾分視界が遮られるが、 静かな尾根歩きが楽しめる良いトラックだと思う。すぐに僅かに登り返して240m+ピークを通過。 この時だけ一瞬日が当たった。でもこの後はずっと曇天だったので、この一枚だけ雰囲気が違う写真となっている。 |
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鶴觜山山頂を眺める 240m+ピーク付近からは、すぐ南に先ほどまで居た鶴觜山山頂がきれいな三角錐に見えている。 けっこうどこから見てもきれいな山容の山だ。 |
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12:44 240m+ピークU通過 240m+ピークから殆どまっすぐの尾根を進む。そして僅かなアップダウンを経て240m+ピークUへ差し掛かる。 同じ高さの小ピークが続くので、便宜上Uと区別した。ここは左へカーブしながら下っていく。道なりに進むことが出来るようにも見えるが、枝で塞いで曲がるように仕向けている。 木々越しに次に向かうことになる、平らで長い230m+ピークが見えている。 なお、この240m+ピークUでKAPPAさんが女郎グモを発見。その間しばし小休止をとった。 |
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13:00 180m+コル通過 240m+ピークUから60mほど下って180m+コルへ降り立つ。 神戸新聞総合出版センター刊「はりま歴史の山ハイキング」では、ここから環境衛生センターへ下山出来ると書かれている。 しかし、今回も左側を注意深く見回しながら歩いたが、それらしき踏み跡は見受けられなかった。誰も通る人が居ないから消滅したのかもしれない。 終点まで歩いてもたいした距離ではないから、途中で下るのはもったいない気がする。 |
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今日の行程中最後の難所といえる230m+ピークへの約50mの登りだ。 途中で野鳥観察をしながらゆっくりと登った。この時晴天だったなら望遠ズーム(EF70-300mm F4-5.6 IS USM)を持ってきていたので撮影を試みたのだが。 KAPPAさんは実際に撮影していたが、やはり光量不足のせいか上手くはいかなかったようだ。 |
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13:16 230m+ピーク通過中 50mほど登って広い230m+ピークへ到達する。約200mほどの長さを持つ広大なピークといえる。 KAPPAさんが今度は木に向かって撮影を始めた。見つけたのはカゲロウだった。羽の模様がきれいな虫だ。 自分ならば見逃してしまう小さな虫たちもKAPPAさんは確実に見つけては見事に写真に収めていく。まさに目の付け所が違うとはこのことだ。 |
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230m+ピークを通過中 微妙にアップダウンはあるが230mの等高線はしばらく続くので、実質的には殆ど平坦になっているピークだ。 鶴觜山から北へ派生する尾根上では最北端に位置する。但しここも展望が無いのが残念だ。 |
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13:32 230m+ピークを通過して下りへ しばらく続いた230m+ピークだが、最後に少しシダヤブっぽくなるとピークも北端に到達。 切通しの峠に向かって60mほどの下りが始まる。 鶴觜山全山域でいえることだが、この時期は落葉で滑りやすくなっているので気をつけたい。 |
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13:40 切通しの峠(170m+)到着 イノシシのヌタ場っぽいところを通り抜けるとまもなく切通しの峠に到着。ここで鶴觜山の尾根縦走は一段落。 先に降り立ったKAPPAさんは腰を下ろして小休止中だった。 |
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切通しの峠の周囲では見事な紅葉を見ることができた。これで日が当たっていたら更に良かったのだが。 |
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13:50 大正池 峠からしばらく下ると大正池に到着。KAPPAさんは土手の中央から池の写真を撮影しようと試みていた。 池の名前を教えると、やはり2人して「サクラ大戦」を思い出す。“太正桜に浪漫の嵐”よく遊んだなぁ。 そういえば最近、セガの石原さとみのCMを見ていないな。 |
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14:03 大正池下の三叉路を通過 2人で高校の時などの話をしながら歩いていると三叉路に出た。ここからはしばらく舗装路の登りが続く。 この辺りはちょっと退屈な区間なのだが、2人で話しながら歩いていると気が紛れる。 |
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14:16 ゲートを迂回 立ち入り禁止になってるやん!?と驚くKAPPAさん。左から迂回して通り抜けられると説明する。 この先に控えている実情を知る者としては、これは既に無用の長物になっているのだが。唯一の利点は不法投棄を防止することくらいかも。 |
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14:33 だだっ広い広場 ゲートを通過してしばらく舗装路を辿ると殺風景な広場に出てくる。ベンチでしばし休息するがふきっさらしなのでとにかく寒かった。 今年の1月よりも今日のほうが寒いと感じる。この先に今日最後の見どころがあるからと言って先を急ぐことにした。 |
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14:48 東山公園到着 見頃はやや過ぎた感はあるが、さすが紅葉の名所と言われているだけあって、なかなか見応えのある紅葉を楽しめそうだ。 もちろんここで2人揃って撮影タイムに入る。常用の広角レンズから先月購入したばかりの望遠レンズ(EF135mm F2L USM)に交換して 少し雰囲気の違うカットを狙ってみた。このレンズはポートレートでの使用をメインにしているので、風景写真で使うのは今日が初めてだ。 とにかく明るいので光量不足の今日は特に重宝した。 |
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東山公園の紅葉 |
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曇天なのが残念だったが、しばし2人して幽玄の世界を楽しむことが出来た。 次回はぜひ晴天の下で見頃の紅葉を楽しみたいものだ。 |
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15:18 東山公園出発 約30分の滞在で東山公園を出発。播磨新宮駅へ向かって歩き始める。 東山公園に隣接して国民宿舎志んぐ荘があるが、なんとKAPPAさんは小学生の頃に宿泊したことがあると、この時に思い出された。 今晩は実家で過ごす予定だそうなので、親に良い土産話が出来たと喜んでいた。すごい偶然だ。 なおKAPPAさんとは、以前全く偶然に六甲のトゥエンティー・クロスで出会ったことがある。 偶然、同じ日に山歩きへ出掛け、しかも同じトラックを同時刻に通過したから起こったのだが、あれは本当に奇跡といってもよい経験だった。 |
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15:32 東山公園橋を渡りにかかる KAPPAさんにとっては、俄かに小学生の頃の思い出の家族旅行を偲ぶ行程になった。今日鶴觜山を選んだのは自分なので、不思議な因縁を感じる。 東山公園橋でもKAPPAさんは懐かしんで盛んにシャッターを押されていた。但し人が通り掛るたびに橋が揺れるので、望遠中心のKAPPAさんの撮影は難航を極めた模様。 このカットは橋の袂から前述の135mmの望遠レンズ(強風でゴミが入ることを嫌い、広角に付け替えていなかった。)で撮ったもので、揺れは影響しないところにカメラを設置している。 15:47 東山公園橋を渡り終える いろいろ撮影していたら、橋を渡るのに15分ほど掛かった。前回一人で歩いた時はこの後、揖保川沿いに南下して東觜崎駅を目指したが、 今日は最寄の播磨新宮駅へ向かう。姫新線は未経験のKAPPAさんに一駅の区間だけでも乗車してもらって気動車の魅力を味わってもらいたいとの狙いがあった。 |
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16:10 播磨新宮駅到着 途中の踏切で走行中の列車を撮影したりしながら、ようやく播磨新宮駅へ到着。姫路行き列車が約15分後に出発するようだ。 駅舎で切符を買っていると、何やら雨の音が・・。そういえばこの日の夕方に雨があるかもという予報が出ていたが当たってしまったようだ。 山から降りた後で良かった。しかし駅舎から列車の発車するホームまでは屋根が無いのでダッシュした。東觜崎駅へ着くころには止んでいると良いが・・。 降りしきる雨の中、列車が到着。10分程度の停車時間を経て出発するようだ。 16:27 播磨新宮駅出発 KAPPAさんは気動車に乗った記憶が無いとのことで、実質的に今回が初めての乗車体験だったようだ。 発車時の低いエンジン音とゆったりした加速に興奮を隠せない模様。 2人で車窓に流れる今日の行程で歩いた山々を眺めているとあっという間に揖保川を渡って東觜崎駅へ。僅か数分の気動車の旅だったが楽しんでくれたようだ。 次の機会には姫路から姫新線に乗車して龍野へ来ようということになった。 |
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16:33 東觜崎駅到着 駅で列車を見送ってホームを後にする。雨足は弱まったものの残念ながら止んではいなかった。 いつもは持っているが、こういう時に限って折り畳み傘を忘れていた。よって久しぶりにレインウェア(面倒くさいのと短時間なのでとりあえず上だけ)を着込んで東觜崎駅を出発。 16:50 觜崎磨崖仏到着 10分程度で車を置いている、今日の行程のスタート地点である磨崖仏前の川原に到着。この頃には雨は上がっていた。 しかし西の城山や的場山方面からは次の雨雲が近づいてきているようだった。手早くスニーカーに履き替えたりして山装備を解く。 17:00 觜崎磨崖仏前出発。家路に着く。 直前まで実施さえ危ぶまれた2人パーティーでの山行だったが、どうにかこうにか予定の行程を終えることが出来て大満足。 今日の行程の距離は約7、8kmで、先月の六甲縦走が43kmだったと言ったら非常に驚かれていた。 前回同様、王将で会食して解散となった。お互いに多忙の中、機会を合わせるのがなかなか大変だが、次はスキーも久々にご一緒出来たらいいですね!
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今日の行程の断面図です。![]() 上記の行程に加えて、東觜崎駅から觜崎磨崖仏までの約1kmを歩いています。 |