06年 9月15日(金) 神鉄有馬温泉駅〜有馬四十八滝・白石谷〜東六甲縦走路〜阪急宝塚駅
Arima 48's falls to East Rokko Track 15th. Sep / 06

 前回の西山谷から1ヶ月近くも山歩きから遠ざかってしまい、一気に運動不足を解消しようとしたのが今日の行程である。
今日のテーマの一つ目は、06年6月19日に紅葉谷〜天狗岩南尾根を、06年7月29日に白石谷を歩いた際に見逃してしまった滝を訪ねること。
そして二つ目のテーマは滝巡りの後、長めのトラックを踏破して「脾肉の嘆」を吹き飛ばすこと。
全て順調に行程を消化し、達成感抜群の一日となる。


7:00 神鉄有馬温泉駅出発
 距離にしてはたいしたことはないのに、家から2時間近くかかってしまう列車の旅。ローカルな雰囲気は味わえるが・・。

 歩き始めの温泉街では少しだけ肌寒さを感じる。季節が進んだことを体感して嬉しくなってくる。夏が終わってようやく生き返った思いがする。

 ロープウェイ駅を通過して林道を緩やかに登っていく。そして川を渡ったところが資材置き場となっていて愕然とする。
またまた堰堤が増える・・。六甲山系は国立公園とはなっているが、堂々と自然破壊がまかり通っている不思議なところでもある。
温暖化により大雨が増えている気がするが、もう既にたくさんある堰堤で土砂が防げるのではないだろうか。実際のところどうなのだろう。
充分に検証した上で工事をしているのだろうか。いやこれまでのやり方ならばどんぶり勘定でやっていると思えて仕方がない。

7:45 七曲滝分岐

 気を取り直して紅葉谷道を緩やかに登り、ほどなく七曲滝への分岐に到着。
道標に従い右折する。滝巡りのトラックは細いが踏み跡は明瞭。
三脚でクモの巣を払いながらの歩行となる。秋が深まればもっと快適に歩けるだろう。



 七曲滝周辺のトラックマップを作成してみた。
距離的には全然たいしたことはないが、ロープに頼るなどして
なかなか険しい部分もあるのでご注意を。
蜘蛛滝へ通じる沢は特に険しいところはないが、渓流シューズ装着がお薦め。



7:50 蟇滝 Gamadaki Falls

 今日最初の滝は蟇滝から。トラックは滝身右上方を通過するが、この辺りは特に足場が
悪く要注意。トラックに沿ってロープが設置されている。
 6月に来た時よりも水量はやや少ないような気がする。


7:57 七曲滝 Nanamagaridaki Falls

 蟇滝から道なりに沢を辿るとすぐに七曲滝。六甲に数多くある滝の中でも
その美しさは白眉といえると思う。来冬には何とか都合を付けて氷結した姿を
見に来なければならないだろう。このお気に入りの滝を前にして今日初めて小休止。
 
 次は前回見逃した蜘蛛滝へ。


8:15 七曲滝、蜘蛛滝への分岐

 七曲滝と蟇滝の間から蜘蛛滝のある沢が枝分かれしている。入り口の立ち木にはテープが
貼られている。前回も気付いてはいたがこの奥にも滝があるとは知らなかった。
沢の入り口は狭く倒木も折り重なり、少し気後れするが入っていくとすぐに広くなる。
入ってすぐに右手に涸れ沢があるが、基本的に水のあるほうを辿っていくと大丈夫。

 ここまで普通のトランピングブーツで歩いてきたが、ここで渓流シューズに履き替える。
今日の行程では2度履き替えなければならないのが少々面倒であるが・・。


うりぼうが現れた!

 幸いなことに周囲に親がいないようだった。警戒してそのまま通り過ぎたのだが、
蜘蛛滝を見て戻る時にもまだ居た。写真はその時に撮影したもの。全然怖がる
こともなく、ひっくり返って水浴びをしていた。
彼らはとにかく鼻が利くらしいので、匂いのする食べ物を持ち歩かないように
するとよいらしい。


蜘蛛滝の手前には2つの小滝があった。
 一つ目は段々のなかなかきれいな滝である。しかし周囲の状況により自分撮りは出来ず、
滝の大きさが上手く伝えられないのが残念。それほど大きい滝ではない。
濡れるのがOKなら簡単に直登出来そうだが、滝身右側に巻き道があるのでそちらを辿る。


 段々状の小滝を過ぎるとすぐに次の小滝が現れる。
こちらは広い棚状が連なる小滝で楽々通過できる。最上段だけちょっと
高さがあるが、ロープが設置されている。頼らなくても登れるが、この沢は
往復することを考慮して設置されたものであろうと考える。

8:40 蜘蛛滝 Kumodaki Falls

 思った以上になかなか大きな滝だった。なぜ蜘蛛滝という名が付いたのかは
よく分からないが、蜘蛛の巣を広げたような・・というところだろうか。
七曲滝同様に滝のすぐ側まで近づける。
撮影しながらのタイムなのであまり参考にならないが、七曲滝下流の分岐から
普通に歩いたら10分程度で到着できると思う。


 蜘蛛滝を堪能して、歩いてきた沢を下って七曲滝下の分岐へ戻る。
ここでトランピングブーツに履き替える。蟇滝の側を通らないトラックを辿って
紅葉谷道へ戻る。一部ロープが設置されているほど急坂の部分もある。

 七曲滝分岐から百間滝分岐までは短いがかなりの急登。
今日最初の難関といってもよいかも。ただ木漏れ日が当たっても、
さほど暑さは感じなかった。


9:17 百間滝分岐

 急坂を経てようやく平坦になったと思ったらほどなく百間滝分岐に到着。
直進したらブナ林へ辿り着くが、今日は滝巡り中なのでここで左折。
せっかく急坂を登ったが、ここから百間滝まで一気に急降下する。


 ここで百間滝周辺のトラックマップを。
 今日は蟇滝、七曲滝、蜘蛛滝を観暴後、紅葉谷道を登って百間滝へのトラックを
辿った。この間かなりの急登、急降下である。下りは砂交じりで滑りやすいので注意。
 後で思いついたのだが、七曲滝分岐から一旦白石谷分岐まで下り、白石谷下流を
経由して沢歩きをして百間滝へ向かうほうが楽ではないだろうか。
もちろんこの場合は沢床を辿るので、渓流シューズでないと危ないと思う。


9:32 似位滝 Niinodaki Falls

 百間滝分岐から急降下して似位滝に到着。見れば見るほど不思議な造形の滝である。
滝の側で七曲滝分岐からの急登、急下降の疲れを癒した。
そしてここで再び渓流シューズに履き替え、これから白石谷を抜けるまで続く沢歩きに
備える。
 ちなみに自分の愛用しているザックはマックパック Macpac(ニュージーランドの
メーカーで、現地では知らない人はまずいない) の テカポ Tekapo という。
容量は35L。底近くにジッパーが付いており、他の荷物を出さずに一番下に入れている
ブーツの出し入れが出来る。他の荷物は2Lのペットボトルのお茶。レインウェア。携帯食。
三脚はサイドポケットに入れている。ブーツにしろ、三脚にしろ出し入れしやすいように
工夫するのは非常に大事なことと考えている。


9:53 百間滝 Hyakkendaki Falls

 似位滝から少し戻って西側の沢を辿るとすぐに百間滝。
この2つの滝は非常に近いから便利。周囲を岩壁に囲まれて、さながら
野外音楽堂のよう。なお、百間滝分岐からのトラックはこの百間滝の落ち口
近くを通過する。コースの取り方を誤ると百間滝の上に出てしまうので要注意。

 しばらく百間滝を観暴した後、未踏の百間滝谷を下る。特に険しいところもなく、
順調に下っていく。もちろんトランピングブーツなら滑って危ないところだろう。
次に履き替える時には靴下も替えるので、濡れるのもおかまいなしに歩いていく。

10:10 屏風滝 Byoubudaki Falls

 下流方向に降りてから撮影。落差は2mくらいかと思う。
ロープも設置されていて足場も豊富なので両方向へ通過は容易である。
左右には岩壁が広がり、まさに屏風と呼ぶに相応しい。
写真では目立たないが、一応水は流れ落ちている。


10:14 ゴルジュ通過

 屏風滝から少し下流に進むと見事なゴルジュが現れた。長さは短いが深い
岩壁に挟まれて秘境ムード満点である。

 このゴルジュを通過すると程なく白石滝手前の河原に到着。
白石谷に合流する。これで思ったことは七曲滝から百間滝へ向かう際は、
百間滝分岐を経るよりも、白石谷を経由して百間滝へ向かうほうが楽では
ないかということ。もちろんこの場合は完全に沢歩きになるので足を濡らし
たくない方にはお薦めできないが。


10:22 白石滝 Shiraishidaki Falls

 2度目の白石谷に足を踏み入れる。
河原にザックを下ろして一息入れる。白石滝を直登出来るかと滝を観察してみる。
しかし見た目にかなり険しそうで直登する勇気が持てない。
白石滝は全長70mくらい続く長大な滝で、ここから見えているのはほんの一部。
斜度はそこそこだが、実際に登るとなると険しいような気がする。いや不可能では
ないようだが、やはり単独行動なので慎重にならざるを得ない。

 小休止した後、いよいよ白石谷の遡行を開始するが、前回のと重複するところは
基本的に省略する。


 ここで白石谷のマップを作成してみた。表示している巻き道は2度白石谷を遡行して
歩いた自分の辿ったものを書いている。白石滝の巻き道は2本あって、滝に近いほうが
より険しそうである。兵庫登山会の看板の下から安全な巻き道があるが、これも
歩いていくと2方向に分岐する。降りるところが違うだけで、長い巻き道でも見落とす滝が
無いので、どちらを辿ってもいいと思う。白石滝からの巻き道を降りると、潅木が生い茂り、
土砂の堆積した河原に出てくる。流れを見つけたらそれに沿って歩く。
 
 白龍滝の巻き道は南に開けたガレた沢を登ったところから始まる。青ペンキの
印を探してそこから登る。そこに辿り着くまでに登れそうな踏み跡があるが、
かなり険しく危険である。青ペンキの印のある巻き道を辿ると程なく分岐が現れる。
ここで下るほうを選ばないと大安相滝へ至るまでの小滝を通り過ぎてしまう。
下りはロープが設置されているほど急で、また足場も狭いので通過は慎重に。
より安全を期すならそのまま巻き道を辿る。大安相滝の手前で沢へ降りれる。


10:52 白龍滝

 殆ど撮影せずに黙々と歩くと、白石滝から30分で到着できた。
非常に美しい滝姿で、やはり白石谷のハイライトといえよう。
昇り竜を連想させる滝を見てしばし休息する。

 白龍滝からは一旦下り、すぐに南へ分岐する涸れ沢を登っていく。
この滝の巻き道の通過が白石谷の中で最も険しくて難所だと思う。


白龍滝のすぐ下流で南へ分岐する涸れ沢

 ガレて足場が悪いので通過は慎重を要する。巻き道の入り口はここより少し上。
写真中央の大きな倒木を通り過ぎて左側の斜面を観察し、青ペンキの印を探す。
前回はもっと手前より登りだしてしまい(少し登れば正規の巻き道に合流するが)、
非常に険しい難所で冷や汗をかいた。高度感もあり高いところが苦手な方は要注意。


11:15 白龍滝の少し上に降りてくる
 
 前回は巻き道を辿り過ぎて見落としてしまった区間へ降り立つことが出来た。
自分の身長にも届かないが、この小滝が前回見落とした滝の一つめ。

 それとここに何故か白龍滝の看板のかけらが落ちていた。しかし白龍滝にあった
看板と形が合わない。元々2箇所に設置されていたのか。更新されたのか。
そもそもどうして滝より上流にあるのかは深い謎に包まれている。


前回見落とした滝その2

 この区間なかなか楽しい!大安相滝に至るまで連続して小滝が現れ、
遡行気分を満喫出来る。ぜひ巻き道を辿り過ぎずに、一つ目の分岐で
下って楽しんでいただきたい区間である。この滝は先ほどの滝よりは
大きいが滝身右側を簡単に登れる。



11:19 大安相滝

 あっという間に白石谷最後?の滝であろう大安相滝に到着。本日最後の滝を
じっくりと楽しむ。2段構成になっているが、どちらも簡単に登れる。最後?と
なっているのは小安相滝という滝もあると思われるから。いやもう無い可能性もある。
堰堤工事によって破壊されたか、大雨で土砂に埋もれたか定かではない。
しかし無いかもしれないとなると余計に見たくなってしまう。本当に消えてしまった
のであろうか。今回は先の長い行程なので断念したが、支谷を含めて調査してみたい。


12:03 大安相滝上流の沢が分岐するところ

 ここから先は殆ど足が濡れないと分かっていたので、ここで渓流シューズから
トランピングブーツに履き替える。ちょうど昼時にもなったので、ウィダインゼリーを
平らげる。少し涼しくなったがまだ夏バテのせいか食欲はあまりない。

 沢が2方向に分かれ、南の沢には堰堤がそびえている。沢からすぐに巻き道が
始まっている。笹が深いが踏み跡はしっかりある。しかしやはり急坂。堰堤を
造るなら同時に巻き道も整備してもらえないものか。登山道は立派な公共の
財産だと思うが。

 堰堤を越えると水量の少ない細い沢へ降りてくる。部分的に土砂を盛って
歩きやすいようになっている。この沢はトランピングブーツで充分歩ける。


12:11 魚屋道へ向けて沢を離れる

 「有馬⇔六甲山頂」と書かれた小さな道標を見て右岸の踏み跡を登っていく。
山腹道になるまではとにかく険しくてたいへん。この辺りが白石谷最後の難関と
いって間違いない。登り一辺倒ではなく、途中で涸れ沢を横切るところもある。
テープや道標が所々設置されているし、踏み跡は明瞭なので迷うところはない。


12:22 山腹道になった

 10分ほど急坂を喘いで登るとご覧のような平坦な山腹道になる。
既に前方には魚屋道のある尾根が見えている。もうすぐ笹から開放される。


12:28 魚屋道に到達

 2度目の有馬四十八滝巡り+白石谷遡行が無事終了。なかなかの達成感である。
ここでスパッツも外して足元を涼しくする。水分補給などしてくつろいでいると、ちらほらと
ハイカーが歩いてくる。10分ほどの間に6,7人と出会ったが、皆有馬へ向けて下って
いくところだった。山歩き+温泉のプランで楽しまれる方が多いと聞いている。
ちなみに自分は日帰り温泉に入ったことがない。基本的に風呂嫌い+暑さ嫌いなので、
夏はシャワーのみで済ませている。

 一息入れた後、魚屋道を緩やかに登るとすぐに一軒茶屋に到着。
さすが六甲山上の交通の要衝ということで、色んな方向にハイカーが行き交っている。
色んな方向へ歩きたい誘惑に駆られるが、今日の行程どおり宝塚へ向かうことにする。


12:52 一軒茶屋付近からの景観

 山並みの向こうに下界が見えるが、やや霞んでいるようで視界はさほど良くない。
しばらく休憩した後宝塚へ向けて出発する。ここからは六甲全山縦走路の標識に
従って進む。しばらくは車道と着かず離れずで、山歩きの風情はあまりない。
石の宝殿を過ぎると車道歩きが続く。交通量は少ないのが救いだが、せめて歩道を
設置できないものであろうか。確か摩耶山の車道はあったはずだが。

 ちなみに自分は車で六甲山に上がったのは中学の時に1回だけ。
初めてスキーをした人工スキー場へ行った時。あのスキー場へはあの時が
最初で最後になるであろう。今ではゲレンデが非常に緩いし距離も短すぎる。


13:08 東六甲縦走路入り口

 昨年に1回友人Kappaさんと歩いたことのある東六甲縦走路を初めて単独で歩く。
話しながらだった前回と違い、一人で黙々と歩くとやはり長いトラックだということに
この後気付くことになる。ともあれここでようやく車道からは開放される。


13:16 笹が深い東六甲縦走路

 前回歩いた記憶(昨年5月)よりも意外に笹が深いことに驚いた。長袖で良かったが、
これが半袖なら擦り傷を作ってしまったに違いない。
 基本的にこのようなよく踏まれた尾根道だが、時折けっこうハードな登り下りがある。
ロープや鎖が設置されているところも。六甲縦走では暗くなってくる頃にこの区間を
歩くようでたいへんだろうなと思う。
 なお全線にわたって殆ど視界は利かず、延々と森歩きが続く。


13:49 船坂峠通過

 入り口から約40分で船坂峠。殆ど同じ風景なので自分撮りはあまりしていない。
東六甲縦走路は船坂峠より西の区間が最もアップダウンが激しくて険しいと思う。
六甲縦走でも難所の一つだろう。
 なお、ここから北へ下山するルートもあるようだ。(南へも踏み跡あり)
東六甲にも歩きたい谷がいくつかあるが、自宅からのアクセスが不便でまだ未踏。
いずれは歩きたいとは思っているが・・。


14:08 ごろごろ岳遠望

 殆ど展望の無い東六甲縦走路だが、時折木々の間から景観を楽しむことは出来る。
と同時に現在位置を確認することが出来る。まだまだ先は長い。

 船坂峠を過ぎるとそれまでよりは幾分起伏が緩やかになる。更にいつの間にか
トラックを覆っていた笹からも開放される。



 笹から開放されて、雑木林の中を歩く。いつの間にか日差しが西に傾いてきた
ような気がする。それと朝からの滝巡りの疲れも出てきたようだ。東六甲縦走路に
入るまではまだまだ余力を残していると思っていたが、船坂峠に至るまでの
アップダウンでかなり体力を使ったのだろうか。それともやはり1ヶ月近くの
ブランクは大きかったか。しかし宝塚まで何とかなるだろうと思い歩き続ける。


14:14大平山直下に到達

 大平山は東六甲縦走路のほぼ中間地点。まだ半分か〜という思いだった。
山頂にはNTTドコモの施設があり、山の風情は台無しになっている。
車道は施設に向かう関係者専用のものなので、交通量は皆無に等しいのが
救い。東六甲縦走路は山道が途切れることは殆どないものの、大平山と
大谷乗越の2箇所で寸断される。惜しかったなぁ。
本当に12km続くトラックはなかなか貴重な存在になったであろうに。

それはともかく路傍のススキが秋の訪れを感じさせてくれる。


樫ヶ峰遠望

 車道からは2箇所で景観を楽しむことが出来る。前方にまだ歩いたことのない樫ヶ峰と、
写真では分かりにくいが仁川の競馬場も見えた。まだまだ先は長い。


14:25 再び山道へ

 10分くらいで再び車道から開放される。ここから大谷乗越までは下り一辺倒。
自然林に浸りながら黙々と歩いていく。


14:40 大谷乗越

 急な階段が現れる頃には足下から峠越えの車の騒音が響いてくる。
もう1箇所の山道寸断地点。注意して道路を横断する。
 大谷乗越を過ぎると高低差の少ない快適なトラックが続く。歩いているうちに
船坂峠までの疲れも少し取れたような気がする。


14:59 岩原山分岐

 「岩原山山頂まで300米 宝塚の最高峰」と書かれている。今日の残り体力を
考えると岩原山へ立ち寄るべきではなかったであろうが、高いところを見ると
つい体が反応してしまう。前回は素通りしたところだった。

 分岐からしばらくは急だが、すぐに緩やかになる。山頂付近は平らな山だった。


15:07 岩原山山頂 (573m)

 平らな上に雑木林の中で全く展望の無い岩原山山頂に到着。三角点も無い。
踏み跡は更に続いているが、地図によるとナガモッコク尾根へ続いているのだろうか。

 登頂記念プレートが3枚ほどぶら下がっているが、これらの紹介はいずれ来られる
かもしれない「播州野歩記」の野歩記さんにお任せしたいと思う。自分ならプレートを
残すなど面倒くさいし、まして名前を書くなど恥ずかしくて出来ない。
公共の場に表札を置くような行為ではないだろうか。少なくともNZでは見たことがない。


 岩原山の急坂を下って再び東六甲縦走路を歩き出す。
やはり1ヶ月ぶりの山歩きの身にはハードプランだったようで、この頃よりかなりの
疲れを感じるようになる。岩原山への往復が余計だったかも。
ややペースを落として歩く。登りがないのがせめてもの救い。


15:33 岩倉山反射板への分岐

 前回も立ち寄った岩倉山反射板はここからすぐ。休憩も兼ねて立ち寄ることにした。


15:35 岩倉山反射板前からの景観

 展望良ということだが、周囲の木々が育ってあまり見通しは良くない。
ちょうど前方に甲山が見える。ようやく終点の宝塚が近づいてきたようだ。
しばらく休んで再び分岐へ戻る。

 しばらく進むと塩尾寺に向けてやや急な下りになる。
この辺り土砂の流出が進んで、トラックはV字状になっており非常に歩きにくい。
疲れた足には堪える。六甲縦走で使われる主要トラックなのだから、もう少し
補修の手を加えてもよいのではないだろうか。NZでは補修中のトラックを各地で
見てきた。山道(特に階段部分)は不断の整備が必要なのである。
丸太の階段は耐久性が低い。NZでは四方を板で囲み升状にして、そこへ土砂を
入れて段を作っていた。もちろん手間は掛かるだろうが、このほうが長持ちする
だろうと思われる。空港を造るのに比べると、山道の補修など簡単に出来る筈。
 いかに山道を重要視していないかが、NZと比べるとよく分かる。


15:50 塩尾寺到着

 崩れた急坂を下ってようやく塩尾寺到着。境内にあるベンチで一息つく。
写真は境内にある見事な大木。長い東六甲縦走の疲れを癒してくれる気がする。
しかし、ここで気を抜いてはいけない。ここから宝塚まで延々と舗装路の急坂が
続くのである。疲れた足には本当に最後の難関が残っているという心構えをする
必要がある。


15:59 宝塚市街遠望

 塩尾寺から舗装路の急坂をしばらく下るとこの展望が開ける。
そう、まだまだ高度は高いのである。しかもかなりの急坂が続き脚力を要する。
 滝巡りから始まったロングトレイルの疲れはかなりのものだった。
これがNZなら通りかかる車を待ってヒッチハイクを狙いたいところだ。
 交通量は殆ど皆無でそういうわけにもいかず、苦肉の策として途中から
ジグザグに下っていった。スキーで中回りをしている感覚だ。
かなり脚への負担は軽減された感じだ。


16:11 住宅街より宝塚中心部を遠望

 舗装路はそのまま住宅街へ入るが、なおも続く急坂。まだけっこう駅まで遠い。
宝塚駅から塩尾寺へ至るまでに街路で分岐を繰り返すが、道標が豊富に設置されており、
初めてで地図なしでも歩くことは可能である。


16:23 武庫川を渡る

 カーブしながら渡る優美な橋の上を歩く。川辺には宝塚大劇場が見える。
1回宝塚歌劇を見てみたい気がするが、どうにも入りづらい気もする。



16:26 阪急宝塚駅到着!

 有馬温泉駅から9時間30分余りでようやく宝塚に到着。橋の手前にあるコンビニで買った
オレンジジュースを一飲みにして、計画通りにロングトレイルを歩けたことを一人で祝う。
 ホームに上がると今津線の列車がちょうど入ってきたところで無事に座ることが出来た。
心地良い疲れに包まれて阪急電車で帰路に着く。


 振り返ってみると、今日の体力では魚屋道を南下して下山するのがちょうど良かったかもしれない。
これからは気候も良くなることだし、脚力が命のスキーシーズンも近づいているので出来るだけ途切れさせずに歩きたいものである。



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