06年10月13日(金) 神鉄有馬温泉駅〜有馬三山〜番匠屋畑尾根〜六甲ガーデンテラス〜石切道〜阪急御影駅
Arima 3 mts. , Banjoyabataone-Ridge to The Ishikirimichi Track 13th. Oct / 06

 有馬三山と番匠屋畑尾根は以前に1回下り方向で歩いたことがあるが、登り方向ではまだ未体験だったので挑戦してみようと思った。
交通費の節約のためには表六甲へ下りるのは至上命題。どこを通ろうかと思ったら、石切道がまだ未踏だったことに思い当った。
2度目の有馬を基点とする六甲越えの行程である。今日の行程は、山と渓谷社「六甲山」のP.62「有馬から有馬三山」と、
P.66「石切道から番匠屋畑尾根」を組み合わせたものである。


7:00 神鉄有馬温泉駅出発
 新開地発の最も早い普通列車が6:12出発。家からの乗車時間が長い長い。しかも途中の有馬口で乗り換え。毎度の事ながら
有馬へのアクセスはなかなかたいへん。ようやく着いて列車を下りると、朝の有馬温泉は肌寒いと思えるくらいだった。

7:02 落葉山登山口

 駅から温泉街を緩やかに登ってすぐ落葉山登山口に着いた。
落葉山山頂付近には妙見寺があって、舗装された参詣道が敷かれている。
軽くストレッチをして登り始める。


 参詣道脇には西国三十三箇所を模したという祠が点在している。
参詣道は完璧に整備されていて、階段は段差も低くてとても歩きやすい。
 しかしこの後の有馬三山のアップダウンの激しさを下りではあっても経験済み。
落葉山への登りなどはほんのプロローグに過ぎないことは承知している。
 ウォーミングアップをするつもりで、ややゆっくりのペースで登っていった。


7:19 上の部分が無くなっている鳥居を通過

 思ったよりも早く着いたと感じた。ゆっくりと登ってきたので、
疲れはまだ全くない。境内の木々が徐々に色づいてきていた。


有馬温泉を一望する

 朝もやならいいのだが単に霞んでいるだけ。
10月に入ってから空気が霞んでいる日が多くて残念だ。
空気を洗い、季節を進ませる雨が望まれる。


7:22 妙見寺本堂

 落葉山山頂付近は整然とした境内になっている。元々落葉山には山城があった
らしく、妙見寺は明治時代に麓から山頂に移されたようだ。交通至便の地に移す
パターンが多いが・・。

有馬三山を巡るトラックは、この本堂に向かって右から回り込む。
ここでようやく舗装路から開放されて山道になる。


7:24 落葉山山頂(533m)

 本堂横を通り抜けてすぐに、トラック右手に伸びる踏み跡がある。
草むらに周囲を囲まれたところに四等三角点が設置されている。

 昭文社「山と高原地図 六甲・摩耶」では少し西にある526mピークを
落葉山と表記しているが、まあ山全体を落葉山と考えてよいだろうと思う。


7:27 灰形山、湯槽谷山(ゆぶねだにやま)遠望

 三角点を過ぎると行く手に初めて灰形山と湯槽谷山が見えてくる。
有馬三山のうち落葉山までは楽勝だが、これから向かう灰形山と湯槽谷山の登りは
今日のハイライトとなることを知っている。2つの山を見て気合を入れる。


 落葉山から緩やかに下っていく。鞍部に降りてきたところで温泉街へ下る
トラックが分岐する。この辺り地図にはない枝道が多いが道標は完備されている。
エスケープルートが多いので天候の急変時には役立つだろう。

やせ尾根通過中

 しばらくの間だけだが展望の良いやせ尾根を通過する。
この辺りが有馬三山と番匠屋畑尾根を通じて最も楽しい区間だと思う。


 温泉街を足下に見ながら、殆ど高低差の無いやせ尾根をしばらく歩く。
特に危ないことはないとは思うが、路肩を踏み抜かないようにしたい。
こういう区間が六甲山上まで続いたら何も言うことはないのだが・・。



 霞んでさえいなければもっと楽しめたであろう、やせ尾根はあっという間に
通過してしまう。高度感があり、またちょっとだけスリリングでお気に入りのところだ。
楽しい区間が終わると灰形山への登りが待っている。


灰形山への登り

 落葉山とは比べ物にならないくらいの急坂が続く。しかしほぼ全線にわたって
丸太階段が整備されており歩きやすい。急坂の労苦を和らげてくれる。


8:05 灰形山山頂 (619m)

 急坂を登りついたところが灰形山山頂。木々に囲まれた広場になっている。
国土地理院の三角点は無いが、神戸市による三等多角点が設置されている。
どう違うのかはよく分からないが、山頂には何か目印があったほうがうれしい。


湯槽谷山遠望

 枝越しにはなるが、南にはこれから向かう湯槽谷山が見えている。

 初めて有馬三山を歩いた時は確か休日で、灰形山山頂は多くの人で
賑わっていたが、今日は静寂に包まれている。

 前回から目に付いたゴミを全て回収していく方針を立てたが、例に漏れず
ここでも憩いの跡が伺える。空のビニール袋、飴の袋と、それの千切ったほう。
大体どこでも傾向は同じだ。一通り回収してきれいになったところで、腰を下ろして
小休止をとる。15分程度滞在した後で出発。湯槽谷山へ向かう。


 山頂から少し下ると東側の景観が開けた。空気は乾燥しているように見えるが、
やはり霞んでいる。大気中の不純物が多いのだろうか。


 ところどころ色づいてきた木々を見ながら灰形山を緩やかに下っていく。
この後の登りを考えるとあまり下ってほしくない心境だ。



湯槽谷山を見上げる

 灰形山から下っていると、木々の間から湯槽谷山が大きく迫ってきた。
殆ど左右対称で本当にどっしりした構えのように感じる。
かなり登るなぁと見上げて気合を入れ直す。


湯槽谷山への登り

 鞍部へ下ると遂に長い長い丸太階段が現れた。前述したように下りで1度歩いた
ことがあるが登りは初めて。特にマイペースを心がけて登る。
ただ、灰形山でもそうだったがほぼ全線にわたって丸太階段が整備されているので
非常に歩きやすい。急坂でも階段が無い山のことを考えたら、ハードで知られる
有馬三山は意外に足に優しいと思う。


引き続いて湯槽谷山への登り

 しかし延々と登る。長いことは否めない。薄暗い植林の中を登るのでやや退屈。
それでももう暑さはないので、バテることなく順調に登っていけた。

 階段道が途切れると斜度が緩くなる。一瞬頂上に着いたかと思ったが緩い登りが
しばらく続く。歩いたのは逆向きに1度だけなので記憶がおぼろげだった。
しかし湯槽谷山はお椀を伏せたような形で山頂付近は広いことを思い出し、
頂上は近いことを感じてしばらく登ると・・


8:57 湯槽谷山山頂 (801m)

 緩やかな起伏の峠のような山頂に到着。山名板が無ければ通り過ぎてしまいそう。
昭文社・山と高原地図「六甲・摩耶」では有馬からの所要時間は2時間20分となっている。
撮影しながらでも2時間で到着したので、予想以上に速いペースだったかも。もちろん
有馬三山を登った疲れは感じており、ザックを下ろして10分程度休憩する。

 有馬三山で最高峰なのだが展望が全く無いのが残念。しかし木々を吹き抜ける
涼しく気持ちよい風の中で、有馬三山を登った達成感に思い切り浸ることが出来る。

 10分の休憩の後、湯槽谷峠を目指して南下を開始。当初は緩やかな下りだが、
高尾山へ続くトラックへの分岐を過ぎた辺りから急な下りになる。
木々の間からはこれから歩く番匠屋畑尾根と、その向こうには六甲の主脈が見える。


9:14 湯槽谷峠通過

 裏六甲の要衝ともいえる湯槽谷峠に辿り着く。有馬三山だけを歩く行程なら
ここから湯槽谷を下るのだが、今日は番匠屋畑尾根に向けて直進する。

 ここでも目立ったゴミを2、3点回収。そのうち一つはコーヒーの空き缶で、
なんと木の枝に突き刺されていた。何をしにこの山奥までやってきたのだろうか。


9:26 752mピーク通過

 湯槽谷峠からしばらく緩やかに登るとすぐに四等三角点のある752mピークに着く。
周囲はブッシュに囲まれて展望も無く、三角点が無いと普通に通り過ぎてしまう。
 番匠屋畑尾根にある三角点はこの1つだけである。

 それにしても日が当たるとやはり暑いなぁ。


番匠屋畑尾根を南進中

 番匠屋畑尾根は小刻みにアップダウンを繰り返す尾根道。しかし有馬三山を
歩いてきた足には易しく感じられる。それだけに有馬三山のアップダウンは激しかった。
展望が殆ど無いのが残念だが、歩いていてとても落ち着く尾根道だと思う。


引き続き番匠屋畑尾根を南進中

 時折やや急な登り下りがあるが距離は短い。多くの区間はこのような穏やかな感じ。
途中、ロープウェイの索道の直下を通る。間近にロープウェイが通過する様子を見られる。
六甲山上から有馬温泉までを結んでいるが、自分はまだ利用したことがない。


極楽茶屋跡(番匠屋畑)へ向けてやや長い急坂を登る

 古い記憶では極楽茶屋跡(番匠屋畑)からは長く下った覚えがある。有馬三山に
比べると短いが、有馬から長い道のりを歩いてきた足には最後の難関。
でもやはり丸太階段のおかげで歩きやすい。

 登り切ると小川谷への分岐が現れ、そこからしばらく歩くと番匠屋畑へ到着する。


10:07 番匠屋畑、極楽茶屋跡到着

 前回来た時は周囲を草むらに覆われていたが、きれいに刈り払われている
番匠屋畑に到着。かつては茶畑があったことからこの名が着いたと伝えられている。
 極楽茶屋跡は道路沿いにあり、現在も住人の方が居られるようだ。
跡と呼び習わしてはいるが、ただ営業をしていないだけのようである。

 きれいに刈られた上にはまた目立つゴミが。虫除けスプレー、飴の空き袋数点回収。
更にきれいになって気持ち良くなったところでザックを下ろしてしばし休憩。

 これから表六甲へ下るためにまずは六甲ガーデンテラスを目指す。
裏六甲からだと短いが登りがある。これまで誰とも会わなかったが、ここへ来て続々と
ハイカーとすれ違うようになる。さすが全山縦走路。


10:26 六甲ガーデンテラスから石切道方面を見下ろす

 六甲ガーデンテラスへ来た時に空気が澄んでいることがまだ一度もない。
今日も下界が霞んで見えている。トイレだけ済ませてさっさと通過。
みよし観音方向へ歩く。

 ちなみに、いつも殆ど素通りしているが、六甲ガーデンテラスは六甲山上
きっての観光地。もっと視界の澄んだ日には長逗留して、またオシャレな店で
お買い物を楽しみたいところだ。


 六甲ガーデンテラスから駐車場横を西に進むと再び山道が始まる。
ここから御影駅まで長い長い下りの道のり。これがまた楽しみ。


10:34 石切道分岐

 整備された階段道を下っていると、石切道への分岐に辿り着く。
石造りの立派な道標が目立つ。ここからは未踏のトラックで、どんな道なのか
ワクワクしながら降りていく。
 石切道は少しだけ登ると、あとは長い長いやや急な下りで始まる。
名のあるトラックだけあって踏み跡は明瞭。迷うことはなかった。
石切道のある尾根の両側には大月地獄谷、五助谷と2つの深い谷があり、
時折現れる展望ではその深い谷を見下ろすことが出来る。
 立ち止まって耳を澄ますと、けっこう大きな滝からと感じる水音が聞こえてくる。
西山谷以上に堰堤が多くて味わいの薄いと聞いている大月地獄谷だが、いずれは
踏破しなければと思う。


10:55 水場通過

 しばらく下るとパイプからちょろちょろ水が出ている水場に辿り着く。
もちろん飲む気にはなれない。顔と手を洗いリフレッシュした。
 水場から下はトラック上をしばらくの間だけ水が流れており涼しげな雰囲気。

 


 急坂が一段落すると、思いがけず長い平坦な区間が始まった。
やはり平坦なところが一番歩きやすい。


五助尾根を眺める

 この辺りはなかなかの展望が続く。五助谷とその向こうには五助尾根が間近に
眺められる。五助尾根は今年5月に歩いたが、普通なら石切道を先に歩くことが
多いのだろうな思う。足下の五助谷からも水音が聞こえてくる。こちらもいずれは
歩かなければならないだろう。しかし見たくない堰堤も1つは丸見えで確認出来た。


11:13 切り株の展望台

 緩やかに下っていくと、間伐材を利用した切り株ベンチが並ぶ展望台に到着。
赤ペンキで「ひとやすみ」と書かれている。五助尾根を間近に見ながら一休みする。
ここでも飴の空き袋数点を回収。展望台はきれいになった。でもしばらく休んでいたら
やっぱり暑くなってきた。休憩を切り上げて下山を再開する。


11:24 舗装路へ出てしまう

 しばらく下ると道幅が広くなって林道みたいになったと思ったら、いきなり
舗装路へ出てしまう。道標が完備されているので戸惑うことはないが、
山歩きの風情はぶち壊しだ。堰堤の工事用に舗装されたのか、舗装路沿いに
ある採石場からの運搬のためなのか。


11:32 舗装路から開放される

 しばらく緩やかに下ると幸いな事にすぐに舗装路から開放される。
舗装路を直進すると住吉霊園方面の西谷橋へ向かうようだ。

 舗装路から開放されるのはうれしかったが、この先に待ち受けていたのは
今日一番の荒れたトラックだった。


石切道下部は石がごろごろごろごろ・・

 非常に歩きにくいトラックに閉口する。有馬から歩いてきた足には最後の難関となった。
大きな石がごろごろしており、とにかく足元には細心の注意を払わないと捻挫してしまう
可能性が高い。トラックの様子を観察していると、かつては石畳が整備されていたが、
長い年月の間に石の間の土砂が流出して、現在のような荒れた姿になってしまった
ような感じだ。
 気をつけて歩いていても浮石を踏んでしまいそうになる。下りで歩くと特に要注意。


11:49 石切道を下りきった

 ようやくの思いでごろごろとした石切道を脱出。そこは五助山へ登った時に歩いた
ことのある五助堰堤下流の分岐。なかなかの難路を下りきった達成感に浸る。

 時刻は正午近くで日差しに当たるとかなり暑い。木陰を選んで小休止する。
ここから御影駅まで距離は長いが下り一辺倒。水分補給を済ませて歩き出す。


12:17 水災記念碑

 住吉谷沿いに下ってきて落合橋に出る直前には水災記念碑がある。
五助山を歩いた時には何と見過ごしてしまっていた。六甲が堰堤だらけになる
きっかけとなった水害である。石碑に刻まれた最高水位を見ると、少しは
惨状をうかがい知ることが出来る。

洪水水位の碑

 昭和13年7月、当地方を襲った阪神大水害で住吉川が氾濫し、
流域に大きな被害をもたらした。この水災記念碑には、台座の右わきに
最高時の洪水水位が刻まれている。このほか、住吉学園内にも、
同災害を記念した碑が建てられている。

 東灘区役所


12:35 阪急御影駅着

 石切道登山口から45分で阪急御影駅に到着。タイミングよくやってきた列車に乗り込む。


有馬三山から番匠屋畑尾根は達成感抜群のアップダウンが続くトラックで大満足。
石切道は部分的には良いトラックだが、部分的には舗装路あり、ごろごろと荒れた部分ありで、全体的な評価は微妙なところだ。
御影石を切り出した歴史あるトラックの割には、ちぐはぐで適当な扱い方を受けているという印象を否めない不遇のトラックだと感じる。



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