「石楠花谷遡行」 12年 7月15日(日) |
||
国土地理院地形図 : 25000分の1 「有馬」、「神戸首部」 〜 はじめに 〜 石楠花谷に初めて入ったのは6年前のことです。 下流部の小滝群は堪能出来たものの、第4堰堤まで歩いて引き返したという 自分にとっていわくつきの谷であり、いつかリトライしたいと思っていました。 最近、立て続けにご一緒していた友人alfonsさんは今回は休み。 久々に北部まで遠征したかったのですが、フェーン現象で真夏日となる 予想を見てこれも回避。曇りがちのようですが、水量豊富で涼しく歩けそう ということで遂に6年越しに石楠花谷リトライ決行となりました。 石楠花谷の遡行には道迷い、 滑落等のリスクを伴います!! また、ご自身で読図をされる場合は、 このレポを閲覧されることにより 初遡行の醍醐味を損なう可能性もあります。 閲覧をされる場合はご注意下さい。 6:55 神鉄大池駅出発 下界では梅雨独特の蒸し暑さだったが、大池駅で下車した途端に あまりの涼しさに驚いた。低い雲が垂れ込めているが、涼しい風が心地良い。 大池駅の標高自体300mを越しているのだが、やはりその効果は大きい。 北区は暑がりの自分が住むのに心地良いところかもしれない。 自分の将来の夢は山の無い暑い平地の明石から脱出することなのだが。 石楠花谷、地獄谷、及び地獄谷西尾根、そして東尾根へは住宅街を抜けていくが、 要所要所には《地獄谷行》の案内板があるので大助かり。 6年ぶりでも住宅街歩きは順調だった。 住宅街は老健施設が新設されている以外は6年間で大きな変化はなかった。 ![]() 7:12 石楠花谷へ向けて右折 大池の街外れにある極めて重要な分岐。石楠花谷へは右の道へ。 それ以外の3つのトラックへは、ここからもう少しだけ直進してから右折。 兵庫登山会の案内板は地獄谷周辺の概要がよく分かる。 今回の山行をもってこの4ルートを全て踏破することになる。 ところでテニスクラブの名前が以前と変わったような・・。 |
行程概要 (山中のルートは不正確です)![]() 石楠花谷は申し訳程度に道標が散在。紛らわしい枝道、踏み跡多数有ります。 特に第3堰堤より上流では読図、及びルートファインディングが必須です。 下流部の小滝群は沢床を辿るので渓流シューズが必要になりますが、 第3堰堤までは林道が並走しているのでショートカット及びエスケープ(経験済)が可能です。 ダイヤモンド・ポイント以南は普通の山道で、全線ハイキング気分で歩いています。 |
|
![]() |
||
7:15 テニスクラブ入口 神港学園のグラウンド横を通り過ぎてすぐにテニスクラブに到着。 石楠花谷入口の案内板が目立っている。 6年前は駐車場には入らずに、擁壁上の白い囲い沿いに敷地の向こうへ下りたのだが、 現状は深いヤブに覆われてこれを突破するのは骨が折れる仕事になっている。 しばらく案内板の周辺をうろうろして駐車場の中に入らずに下りれるか確認するが無理そうだった。 最初からこうするしかないようだが、案内板の表記に従って駐車場の中に入っていく。 道なりに下っていくと、石楠花谷のランドマーク?となっている高速道路の橋脚が大きく高く見えてきて、そして沢の音も聞こえてくる。 駐車場の舗装が途切れるところで、渓流シューズに履き替えるなど沢歩きの準備を整える。 考えてみれば6年前の入渓の際は登山靴のままだったので、今回初めて渓流シューズ装備での遡行となる。 |
||
![]() |
||
---|---|---|
7:38 石楠花谷入渓口を出発 駐車場を過ぎると道は未舗装となり、すぐに沢の中へと吸い込まれる。 ここを渡渉するというか、狙い通りの轟々たる水量でいきなり一歩目からしっかり冠水することになる。 でも渓流シューズの身軽さと機動力は計り知れないことを改めて感じる。 渇水の時期ならともかく、今日のような水量豊富な石楠花谷は登山靴で踏み込むのは不可能。 但し左岸に並走する林道を辿って、ダイヤモンド・ポイントを目指す場合は登山靴でもなんとかなるかもしれない。 でも林道を辿ってしまうと石楠花谷のハイライトを見ることは出来ない。 いやその前にこの水量だとここの渡渉すら、冠水を避けるのは困難だろうと思う。 こんなことを書いているのにも関わらず、何ゆえか対岸(左岸)へと渡って踏み跡を歩き始めてしまった。 6年前のあやふやな記憶による勘違いだったと思う。 しばらく左岸の踏み跡を辿ってから、あのハイライトへ向けて沢へ踏み込むと考えて歩いていった。 踏み跡から森を通して見える範囲で確かに沢がある。しかし暗くて細い。 あとで地形図を見ると、これは左岸から石楠花谷へ合流する支谷だろう。 無理して沢へ下りると危ないうえに徒労に終わってしまうところだった。 こんなところにも石楠花谷のワナが用意されている。 細い踏み跡はすぐに広い林道と合流する。「← 石楠花谷」の案内板が出ているから、 左岸沿いを並走する林道に間違いない。少し緩やかに登ったところで、沢からかなり高いところを歩いていることと、 そしてルートを誤ったことに気付いてすぐに引き返すことにした。 自分の今日の行程はハイライトを含めてしっかりと石楠花谷を堪能することなので、林道を辿ってしまうと前半の見どころがすっぽり抜け落ちてしまう。 ということで文章にすると長くなってしまったけど、最初の入渓口に戻ってきた。 結局、石楠花谷を遡行するには最初から沢床を辿っていくしかないのだ。 7:56 改めて入渓口より出発 最大で膝ぐらいまで水に浸かりながらの遡行となる。 渓流シューズを過信せずに、スリップに気をつけながら出来るだけ歩きやすいところを選ぶ。 ザックが水に浸かった場合のことを考えて中身は全て防水仕様にしているが、胸の前に付けている一眼レフカメラはそうはいかない。 水量が少ないと水質が気になる谷でもあるが、今の時期ならそれはかなりごまかせる。 自分としては六甲での沢歩きは、梅雨明け頃の水量豊富な時期をあえて選ぶようにしている。 それによって石楠花谷下流では、普段は耳障りな高速を走る車の走行音も 轟々と響く水音によってかなり掻き消してくれるというおまけも付いてくる。 |
||
![]() |
||
8:00 さっそく小滝群に突入 入渓口から数分で小滝が連続するハイライトへといきなり入っていく。 6年前の記憶はあやふやなので、殆ど初めてといってもよい感覚で新鮮だった。 ここは左岸寄りは直登が難しそうだったので右岸へと飛び移った。 この辺りはけっこう水深がありそうだ。右岸は小刻みにステップが付いていて越えやすい。 |
||
![]() |
||
石楠花谷下流、ゴルジュ帯へ いきなり深山幽谷の世界へと迷い込んだような錯覚を覚える。 入ってすぐにハイライトを迎えられるのは石楠花谷の最大の特徴というか利点というか。 この雰囲気を楽しむには、くれぐれも頭上を見上げないように? 滝壺はけっこう深いが、右岸寄りには冠水しているものの飛び石がある。 奥の小滝の上流側ではゴルジュはクランク状となっていてますます渓相が狭まる。 そしてそのコーナーの先には、息つく間もなく次の見どころが目に飛び込んでくる。 |
||
![]() |
||
8:10 狭いゴルジュの小滝 石楠花谷下流の核心部といってもよいところに到達。 両側が切り立ったゴルジュに挟まれるように、轟々と水の流れる小滝がある。 手前の滝壺はかなり深く、行水も充分可能だろう。でも今日はそこまで暑くはないのでまたの機会としよう。 とにかく、まるで日本庭園の一角を切り取ったような空間にしばし見とれてしまう。 この核心部を越えるには、滝身左岸にある棚状の岩を登っていく。 写真でも写っているが、登ってくれと誘うようにロープが垂れ下がっている。 左岸沿いは浅いので容易に岩場に取り付くことが可能。 |
||
![]() |
||
ゴルジュに挟まれた小滝 この場に立つだけで涼しかった。小さい滝だが水量豊富で迫力抜群だ。 |
||
![]() |
||
核心部を越える 岩場のステップの一つ一つは大きくて、仮にロープが無くても容易に登れそう。 でも登りきるとかなりの高度感だ。2階建ての家くらいの高さだろうか。 ちなみに手袋は基本的に外したほうが良いと教えられている。 しかし自分の場合は手肌が荒れ性なので、出来る限り手袋を付けている。 でも手袋は汗や水で滑ってしまうリスクがあるので、 時折手袋を硬く絞りながら使う必要がある。 |
||
![]() |
||
核心部を下る 実はここは下りのほうが怖かった。はっきりした足場に乏しいのが原因だ。 足運びはかなり慎重に。足場が濡れている状態だったので細心の注意が必要だった。 正直、下りきった時にはほっとした。 |
||
![]() |
||
8:25 核心部を上流から眺める ロープで下りきると、下流で最大の難所は越したといえる。 小休止がてらしばらく激流を見下ろしていたが、ゴルジュに流れる水を見ると吸い込まれそう。 今日は紛失防止のために小型温度計を携帯していないが、ここでは数度気温が低いようでかなり快適だ。 石楠花谷はここで再び90度東側へ方向転換。 ここより上流は小滝も無く、段々と穏やかな渓相になる。 |
||
![]() |
||
石楠花谷堰堤が出現 沢はすぐにまた西寄りに90度方向転換した。 渓相は滑状で簡単に辿れるところだが、前方には巨大な堰堤と味気ない人工護岸が現れる。 堰堤は以前からあった古い堰堤を増築、改修したもののようで位置自体は同じと思われる。 堰堤上にあった看板によると平成21年3月に現在の姿になったようだ。 6年前はここからしばらく辿れた滑状の沢床は河川改修により、下流側で消滅して巨大なプールが形成されて遡行は不可能。 遡行を継続出来ないのは見てのとおりなので、とりあえず沢から一旦脱出を図る。 左岸の人工護岸の下流側は簡単に岸に上がれるようになっている。 8:40 石楠花谷堰堤 石楠花谷中流部まで4つ大きな堰堤があるが、これはそのうち一つめで最も下流に位置する。 以上をもって石楠花谷の下流部分のハイライトは終了となる。 ここまででも充分スペクタクルなシーンが目白押しだったが、 堰堤上からは高速の橋梁がまだ程近くに見えていて、ごく狭いところに見どころが集中していることを改めて実感する。 |
||
![]() |
||
釜滝へ 石楠花谷堰堤からしばらく左岸の林道を歩くと釜滝の道標が。 前回は適当なところで沢へ下りた記憶があるが、今回は道標に導かれてスムーズに石楠花谷の河原へ降り立つ。 そこからは上流側に既に釜滝がよく見えている。 |
||
8:50 釜滝 6年ぶりの釜滝は轟々と水が流れる豪快な姿で出迎えてくれた。 というか、この滝は元々この名前だったのだろうかは分からないが、的確な滝名だと思う。 堰堤越えで一汗かいたが、釜滝のおかげでまた一気に汗がひいた。 沢沿いに歩くのが幸せに感じる季節に来るのがお薦めと思う。 |
||
![]() |
||
釜滝の釜を見る 名前の由来となっている釜は下から見ることは出来ない。 少しだけ登ると激流うずまく釜を垣間見ることが出来た。 六甲にこの手の滝は他に無いような気がする。 前述した下流部の滝群からまだ距離はさほど離れていないので、 堰堤で断ち切られていなければ、同じ下流部の見どころとして続けてここまで遡行出来たのかもしれない。 |
||
![]() |
||
釜滝。石楠花谷随一の名瀑と思う。 |
||
![]() |
||
9:05 釜滝出発 いつまでも釜滝の冷気に包まれていたい思いがするが、石楠花谷の遡行を完遂させたいので出発する。 釜滝の釜の左岸の岩盤を登っていくのだが、この岩場の上部で冷や汗を掻くことになる。 上部は頼りなげに張られたロープ沿いにへつっていくのだが、足場となる岩場が斜めになっているうえに、 この日は濡れていて非常に滑りやすかった。仮に脚を滑らせて落ちればそのまま釜に飛び込むことになる。 6年前の記憶では晴天で岩場が乾いていたからさほど苦労しなかった覚えがあるが、 今回は結果的には釜滝の道標まで戻って林道を歩いて回避するべきだった。 この釜滝もそうだが、石楠花谷は辿り方次第で危険度が大きく変わると思う。 |
||
![]() |
||
9:11 釜滝上流側から遡行を継続 釜滝左岸の岩場でちょっと怖い思いをしたが、その上流側は滑状の表情豊かな沢床が続いている。 ここはもう少し斜度があれば、面白いウォータースライダーになったかもしれない。但しすぐ下流には釜滝があるが。 |
||
![]() |
||
釜滝から中流域へ 釜滝横の岩場を登る危険を冒してまで見るべきかどうかは微妙だが、 鬱蒼とした森の中を静かに流れる石楠花谷の雰囲気はなかなか良かった。 行ったことはないけど、奥入瀬渓流を連想させるような感じ。 六甲の中でも良い雰囲気のところと思う。 |
||
まだまだ続く渓流 雰囲気は良いのだが、滝などの見どころは無いし、沢床を辿るのは脚への負担も大きいうえに時間が掛かる。 6年前と同様に今回も一旦この辺りで遡行を切り上げて左岸沿いの林道へ戻ることにした。 六甲の他の沢でもそうだが、石楠花谷でも危険な箇所を避けることと、見どころを効率良く廻ることがカギとなってくる気がする。 この辺りの左岸はどこからでも林道へ戻ることが出来そうなという感じ。 ということで、釜滝左岸の岩場は次回からは無理に登らないようにしたい。 もっと沢装備を充実させれば行動の制約はなくなってくる気がするが、 夏の一時期の沢歩きのためにどこまで投資出来るかという難しい問題がかかってくる。 戻ってから暫くは林道は道幅が広いまま続くのだが、左岸の小さな沢を横切る辺りから狭くなってごく普通の山道になる。 |
||
![]() |
||
9:34 石楠花谷第3堰堤 元林道のトラックはまもなく正面に見えてくる堰堤にぶつかるが、これが第3堰堤。 第2堰堤を見ていないが、林道を辿っているうちに見逃したと思われる。 第3堰堤は左岸の脇から越える。 第3堰堤を過ぎて直後にトラックが二股に分かれるが、6年前の記憶があやふやで覚えていない。 とりあえず河原に下りるルートの確認から。こちらはそのまま堰堤上流側の河原を横切り、右岸の斜面を登りに掛かる。 これはそのまま地獄谷西尾根へ登ってしまうサブルートだった。 このルートでは遡行は継続出来ないようで、もう一方の直進ルートへ。 しばらく歩いていて思い出した。河原へ降りずに直進するのが正解だった。 ここで今まで安全に難所を越えるためにザックに収納しっぱなしだった地形図を取り出す。 自分にとってこの先は読図が必要だと感じた。 |
||
![]() |
||
9:42 石楠花谷を右岸へ渡渉 しばらく直進するが前方で沢が横切っている。 こういう場合、渡りにかかる沢が本流なのか支沢なのか迷うときがある。 そこでさっそく地形図とコンパスの出番となる。 先程通過した第3堰堤、そしてこの後に控える第4堰堤に目星を付けて、その間の沢の形状をよく観察する。 すると真っ直ぐと思っていた石楠花谷がけっこう蛇行していることに気付いた。 石楠花谷の地名表示の「谷」の字を包み込むように、沢は緩やかに蛇行している。 大体現在位置の目星を付けて沢の方向を確かめるとバッチリと合った。 ボタンの掛け間違いのない限り、この沢は石楠花谷本流でまず間違いないと感じた。 水量はまだまだ豊富で、飛び石も浸水気味。 最も沢床を忠実に辿る区間は終わったが、まだ脚が濡れる場面があると読んで登山靴に履き替えていなくて正解だった。 渡って直後、トラックは右へと回りこむが、そこで今回の遡行で初めて古い公式の道標を見つける。 阪急電車を連想させる色の板に「 石楠花谷 」と書かれている。これで今歩いているルートが正しいことが分かった。 そして改めて地形図を見ると、この先でも石楠花谷の蛇行は続いている。 この先で再び渡渉する場面がありそうと予想出来る。 |
||
![]() |
||
9:47 再び渡渉 しばらく進むと予想通りにトラックは再び渡渉して左岸へ渡る。 ここで再び方向確認をすると、やはりバッチリと向きが合う。 2度続けて方向が合致するということは、現在位置も含めて読図が上手くいっていると考えて差し支えない。 ということは、第3堰堤と第4堰堤の間の3分の2くらいまで来ていることも分かった。 第4堰堤は石楠花谷のほぼ中央部に位置する要衝で、6年前の初遡行時には引き返すことを決めたところでもある。 もうここからだと地形図上で1cm(実際の距離は250m)もないのでさほど遠くはない。 次から次へと地形図から情報が浮かび上がってきて、爽快なことこの上ない。 不安と暑さで引き返した6年前に比べると、読図が趣味になったことは非常に大きい。 いやいや、でも油断は大敵と周囲を観察しながら歩いていく。 |
||
![]() |
||
9:52 見覚えのある二段構えの巨大な堰堤 2回目の渡渉地点から数分で巨大な堰堤に突き当たる。 地形図でも石楠花谷にある他のどの堰堤よりも大きく描かれた第4堰堤に違いない。 3度続けて現状と地形図が合っているので、ここまでは正確に現在位置を掴めていることが分かった。 この城砦を思わせる巨大な堰堤は右岸に付けられたルートで越える。 なおここでの渡渉は工夫すれば脚を濡らさずに済むかもしれない状況だった。 |
||
![]() |
||
第4堰堤の右岸に付けられた急階段 ここでは堰堤越えにしては珍しく丸太階段が整備されているのだが、かなり段差が大きい。 とにかく焦らずにゆっくりと登っていく。いつの間にやら背後には第4堰堤が同じ高さに見えてくる。 堰堤上では看板をチェックして、これが第4堰堤であることを念のために確認しておく。 堰堤の上流側は再び丸太階段で下りていく。 そのままトラックは右岸沿いを緩やかに登っていくが、6年前同様に一旦河原に下りていく。 とりあえず沢の二股地点となる第4堰堤前で読図をしたい。 |
||
![]() |
||
10:02 石楠花谷第4堰堤上流側 上流側から見ても相当大きな堰堤だ。なかなかきれいな水を湛えている。 とそんなところで、自分の足元から数メートルのところにマムシが居ることに気付いた。 勝手に逃げることが多いのだが、この時のマムシは不思議と落ち着いている。 側に石を投げて逃げさせようとしたのだが、不気味なことにとぐろを巻いて尻尾を震動させている。 威嚇しているのかとしばらく身構えて様子を見ていると、幸いにも反対方向へするすると行ってくれた。 ヘビは急に出てこられると心臓に悪い。ヘビの居ないNZがうらやましい。 ヘビに退いてもらってから、まずは読図と周辺の地形確認。西側には地形図にも本沢同様に水色の線で描かれている大きな支沢。 これは「黒岩」、「阿弥陀塚」方面へ突き上げていく支沢だ。正面に立って方向確認したかったが、いちいちあそこまで水に入っていくわけにはいかないので断念。 でもまあまず間違いないだろう。 手前の流れが石楠花谷本流だとみて間違いないが、念のために方向を見て合致していることを確認しておく。 そこまで確認作業を行った上で、渓流シューズから登山靴への履き替えを済ませる。 この後は沢床よりも踏み跡を辿るほうが長くなるので、登山靴のほうが行程が捗るはず。 それと今の時期の水辺は蚊を含めて虫が多いので、快適な滞在にはハッカ油+エタノールを混合した防虫スプレーが必携だ。 登山靴に履き替えてから、再び読図の続き。 水色で描かれた石楠花谷本流はここから更に三国池に近いところまで突き上げている。 でも目的地のダイヤモンド・ポイントへは、途中で水線の描かれていない支沢へと入っていく形となる。 その支沢との出合までは500mくらい。そこまでは緩やかな登りが続く。 その道中ではごく小さな支沢を横切る。目標の出合のすぐ下でもう一つ別の同程度の大きさの支沢を横切る。 以上の情報を仕入れてから歩き始めることとする。これだけの情報を念頭に入れておくだけでかなり心強くなれる。 6年前はここで引き返したので、これより以降は全くの未踏区間となる。 地形図によると、第4堰堤を始点にしてみると入渓口、及びダイヤモンド・ポイントへの距離はほぼ同じ。 でも標高差は残り250m稼がないといけないので、体力の消耗度は同じというわけにはいかないが。 最後にパンを一つ食べてエネルギーを充填しておく。 10:28 第4堰堤出発 元の右岸沿いのトラックに戻って行程再開。 踏み跡は細いが予想外に明瞭なトラックが奥へと続いていく。 6年前に遡行を継続していたとしたら、同じ心理状況では歩けなかったと想像出来る。 改めて思うが読図は非常に大事だし、とても面白い作業だ。 |
||
![]() |
||
辿っているトラックは右岸沿いを一貫して続いている。 大体沢沿いを歩くことが多いが、時にはこのようにかなり高所を通ることも。 そんな時に山城の堀切程度のごく小さな支沢が地獄谷西尾根(そのまた支尾根)に突き上げていることに気付いた。 ちょうど針葉樹のマークと被っている谷だ。ボタンの掛け違いは考えられるが一応覚えておく。 ここより少し進んだところで、後方より単独男性が来られた。 読図や写真撮影で自分の遡行速度は明らかに遅いようだ。 それはともかく誰とも会わないと予想していたので、ここからは先行者が居られるという状況はかなり心強かった。 まもなくトラックは再び石楠花谷本流の沢に近づいてくる。 そして水流こそないものの、よりはっきりした支沢を横切った。 とすると、この直後に重要な分岐となる支沢の出合に到着するはず。 |
||
![]() |
![]() |
|
10:50 石楠花谷本谷に別れを告げて支沢へ 読み通りに間髪入れずに再び支沢を横切った。この支沢の大きさはすぐ前のと同じくらいだが、今度は本流よりは少ないもののはっきりと水量もある。 ここで本流から離れて、右岸側の支沢へと向かうはず。 支沢を渡ってみると、ルートは左折。支沢側には「 石楠花谷 」の公設道標まで設置されていて、読みが正解であることを一目瞭然で確認出来る。 これで正確に現在位置が掴めたので、改めて地形図を確認。 石楠花谷からの脱出口は、地獄谷西尾根上の水晶山の南東側のコルに突き上げることは分かっている。 この後にルートは途中で支沢から離れて、尾根に向かう。ダイヤモンド・ポイントの“モ”くらいで谷から離れると予想した。 となると、第4堰堤からこの出合までの距離と、この後支沢を辿る距離はさほど変わらないではないかと考えた。 結果的にはこれが大ハズレとなるのだが。 |
||
![]() |
||
支沢に入ってからのほうが案内板が増えた気がする。 石楠花谷は下流部のほうが沢床、林道とどこでも歩けてしまうのがかえって難易度を高めていると感じた。 ここまで道標が豊富だということは、以前は石楠花谷ももっとメジャーなルートと位置付けられていたのだろうか。 続けて支沢沿いを辿るのかと思ったが、どうやら本流と支沢の間の尾根に一旦乗り掛かるようだ。 |
||
![]() |
||
11:00 石楠花谷尾根ルート、沢ルートの分岐 尾根に乗り上げたところには出合があった。右手には本流を遮る大きな堰堤も見えている。 地形図を見ると岩場表記もある比較的面白そうな尾根が描かれていて、登りきると三国岩付近へ到達出来るようだ。 尾根を登ってみたいけどそれはまたの機会にするとして、今回は避暑も兼ねた遡行を継続する。 |
||
![]() |
||
11:06 支沢の堰堤上流で渡渉 一旦尾根に乗り上げたのは、堰堤を避けるためであったらしい。 地形図を見ると、この後の支沢は徐々に南寄りに向きを変えていく。 どこかで支沢を離れると予想していたので、右岸側の斜面状況は特に念入りに観察していく。 |
||
![]() |
||
石楠花谷上流小滝群に突入 堰堤上流を渡渉後は右岸沿いを歩いていたが、容易に目前に下りられる小滝を発見。 だいぶ上流へと進んできたはずだが、それでもかなりの水量で小さいながらも見応えがある。 スペクタクルな下流に比べて、上流の小滝は見どころとしてはそれほど着目していなかったのだが、 この後それは良い意味で完全に裏切られることとなる。 |
||
![]() |
||
いつ沢を離れるのかと考えながら歩いていたので、左岸へ渡る場面は想定していなかった。 方向は合っているのを確認してから渡渉する。 |
||
![]() |
||
11:21 右岸に付けられた急坂を確認 渡渉地点からまもなく右岸の急斜面に付けられたルートを確認。 その手前の道標には山の会の名前のほうが目立っているが、目的地名のダイヤモンド・ポイントも書かれている。 いよいよ沢からの脱出かと思い、その前に5分程度ここで小休止をとっておく。 |
||
![]() |
||
急坂を経ても沢から離れる気配なし どんどん斜面を登っていくのかと思いきや、先程までと変わらず支谷沿いを継続して登っていく。 急坂はただの巻き道だったようだが、それでもまた小滝が眼下に飛び込んでくる。 上流部の小滝の密度もなかなか高いようだ。 |
||
![]() |
||
なおも続々と現れる小滝群 当初の予想よりもだいぶ長く支谷を歩いているような気がするが、 目の前に次々に現れる小滝を前にそちらへも関心が移っていく。 でもその間も、右岸の斜面に脱出ルートが始まらないか観察することは怠らずに歩く。 |
||
![]() |
||
11:37 垂直に切り立った岩壁を落ちる小滝 いつしかルートは沢床に降りて、この美しい小滝に突き当たる。 高さこそさほどではないが、均整のとれた美しい滝だ。 この滝も含めて上流部の小滝は無名のものばかり。 おそらく水量が少ない時には、殆ど水が流れていないので 滝として迫力が出ていないのが原因ではないかと思ったりする。 この小滝は左岸のステップ付きの岩場を登る。 細めだが残置ロープもある。 |
||
![]() |
||
11:43 段状の小滝 岩壁の小滝からまもなく、今度は棚田のように多くのステップの付いた小滝が現れた。 自分自身、その段々の中に立って、流れる滝を眺めることが出来る。 無数の段々を流れる水を見ているとなんだか癒されるよう。この滝はトルコのパムッカレを連想させる。 それにしてもこの上流の滝群の密度は「石楠花谷四十八滝」と表現してもよいのではないかと思うくらいだった。 石楠花谷は下流から上流まで全てで滝が多いというわけではないが、偏って滝が密集しているようだ。 |
||
![]() |
![]() |
|
時折雲が流れてくるようで、一層神秘的な雰囲気となった段状の滝。 そして視点を変えて、飛沫を浴びながら段々に近づいてもう一枚。 長い遡行の終わりが近づいているはずだが、最後に良い滝が見られたと大満足だった。 滝の観覧を終えて遡行を再開。 ここも滝身より左岸に巻き道がある。 もし渓流シューズを履いたままだったら、滝をそのまま登れたかもしれないが・・。 |
||
![]() |
![]() |
|
11:51 段状の滝をかわして更に上流へ 釜滝左岸の岩場のようにとまではいわないが、ここの巻き道もなかなか険しい。 既に着ている物は上から下までドロドロになっている。 遡行にはいつも以上に汚れてもよい服装で。山ガールの方も山スカはお薦めできない。 左岸より段状の滝を巻いた後、すぐ上流で右岸へ渡渉。 すると目の前にはよく目立つマーキングがある。 ひょっとして水晶山付近のコルへと突き上げていくのではと思ったが、 上方にはそれに続くマーキングは無く、方向を確認したら北寄りだったのでここからの脱出はないと判断。 ということでまだ右岸沿いに遡行を継続する。 |
||
![]() |
||
11:58 再び左岸へ渡渉 支沢の流れもかなり細くなってきた。 この支谷に入ってからもうだいぶ経ったが、この渡渉地点にも正規ルートを示す例の案内板があるので心強い。 もう逐一数えていないけど、断続的に現れる滝を見ながらの遡行が続く。 この小滝は左岸より楽々越えられる。 |
||
![]() |
||
12:01 見慣れない3つの点のマーキング まだ遡行が終わらないのかなと思って歩いていると、視認性抜群の3点マークが目に入る。 この先に何かあるのかと思って注意深く進んでいく。 支谷に入って間もない頃までは確実に出来ていた読図だが、 見通しが外れたっぽいことと疲れも加わって集中力を欠いて怠ってしまった。 それでもかなりの部分の読図が行えたことで、初の遡行にも関わらずかなり心丈夫になったことは確かだ。 |
||
![]() |
||
12:03 支谷の出合より左方へ 右岸から合流してくる支沢へとトラックは続いている。 一応方向確認したら東寄りを指していたのでまず間違いないだろう。 ここでこれまで辿ってきた支沢から更にそのまた支沢へと入っていくようだが、 これまで歩いてきた直進する支沢の上流側にはかなり大きな滝が見える。 これを見過ごす手はないということで、ちょっと寄り道していくことにする。 |
||
![]() |
![]() |
|
12:07 くの字に曲がる一筋の滝 細くて斜度こそ緩いものの、かなり長い滝だ。 上方まで少なくとも10m、いや20mはあるだろう。 水量を見るとおそらく季節限定ではないかと思われる滝だ。 石楠花谷上流の小滝群のフィナーレを飾るに十分な滝ではないだろうか。 いやこの支沢の遡行を継続すればまだ滝はあるのかもしれないが・・。 最後の滝の前に居た時に下方から2人パーティーの方々が登ってこられるが、 予想外に立派な滝の出現に同じく驚かれていた。 結局、今日の石楠花谷で出会った方は以上の3人となった。 自分のほうが一つの滝での滞在(撮影)時間が長いので、お二人のほうが先に出発されていった。 |
||
![]() |
||
12:17 石楠花谷源頭部(正確には石楠花谷本沢の支沢の、そのまた支沢)、左岸を登る 最後と思われる滝を存分に堪能して、左方から合流してくる支沢に戻って登り始める。 支沢の支沢にはもう水の流れは無く、谷の形状は徐々になくなってくる。 約5時間にも及ぶ長かった石楠花谷遡行がまもなく終わるということがひしひしと伝わってくる光景だ。 |
||
![]() |
||
石楠花谷源頭部、もしくは山肌を登る。 いつしか谷は山腹と同化。左岸に沿っていたトラックはそのまま山腹を一直線に登っていく。 目前には稜線が既に見え、あのコルに乗り上げるのはもうすぐだ。 コルの直下では比較的笹のブッシュが目立つうえに斜度が急になって、最後の最後までタフな石楠花谷遡行となった。 |
||
![]() |
※ 行程中には690m+コルと読んでいました。 |
|
12:24 地獄谷西尾根上、700m+コル到着 ※ 長かった石楠花谷を踏破し、遂に地獄谷西尾根上にあるコルに乗り上げた!! 6年越しに遡行が完了したこともあって、思わず「やった!」と声を上げるほど達成感は抜群だった。 登ってきた谷方向を見下ろすと、地獄谷西尾根を歩いた時にどんなコースなんだろうと、 未踏の石楠花谷に思いを馳せたことが昨日のことのように思い出される。 ここからダイヤモンド・ポイントは近いが、水晶山も近いのでせっかくだからピストンで寄っていくことにした。 コルから水晶山ピークまでは20m程度の登りのようだ。 地獄谷西尾根を歩くのも随分久しぶりのことだ。 |
||
![]() |
※ 行程中には水晶山(710m)と読んでいました。 | |
12:30 720m+ピーク到着 ※ 水晶山(710m)に到着したはずだが、あの目立つ兵庫登山会の山名板も無いし、 山頂には付き物の個人の置き土産のプレートも無い。ただ小さな石柱があるだけ。 何となく違和感を覚え、もしかしてニセピークではないのかと思い、もうしばらく西尾根を大池方面へと歩いてみた。 すると最初のピークより高いところはなく、明らかに下り始めたのでここがピークとして間違いないようだ。 あの大きな山名板は風で飛んでしまったのだろうかとか考えていた。 実際にこの時もかなりの涼しい強風で汗が完全にひいたほどだったのだ。 休憩中に読図をしていてもう一つ違和感を持ったことがある。 水晶山とダイヤモンド・ポイントはもっと近かった記憶があるのだが、 地形図を見ると両地点の間に720m+ピークがあるではないか。 両地点間にアップダウンがあった記憶は無く、これだけの距離を歩いただろうかと古い記憶を辿ってみる。 でもこの時点では思い出せなくて、帰宅後に自分の過去の撮影記録やネット上の他の方のレポ等も調べてみた。 すると水晶山は現地表記と地形図の表記が食い違っていたことが判明した! 数年前に自分がこのピークに立った時に存在していた兵庫登山会の山名板は置き場を誤っていたのだった。 この720m+ピーク(元水晶山とされていた)から一つ北西の710m標高点ピークに山名板は移されているのだろうか。 いずれ地獄谷西尾根を歩いて確かめたい気がする。 水晶山の位置がずれていたことが分かって、遡行時には判然としなかった石楠花谷上流部の 読図も後になってだが追えるようになった。 1.石楠花谷からの脱出で最後に登った源頭部は地形図では「ダイヤモンド・ポイント」の“ン”に重なっている谷であったこと。 短いが等高線の詰まった地形図通りにコルの直下では急斜面だったことで確信を持った。 2.遡行中、最後に分かれた長い滝のあった支沢はダイヤモンド・ポイントのすぐ西に突き上げていること。 3.そして、最後に突き上げたのは690m+コルではなくて、700m+コルだったこと。 ということで、石楠花谷は第4堰堤から始まる中流域よりも、 本流から支沢へ入ってからのほうがかなり長いのだった。 これが分かったことで次回からはもっと的確なペース配分が出来るはずだ。 帰宅後に全ての謎が一本の線に繋がったことで、 推理が当たったコナンのようにすっきりした気分になった。 以上のことが分かったのは帰宅後。 この時はダイヤモンド・ポイントまで少し距離があるなと読図しながら、昼食のパンを食べていた。 涼しい強風が暑がりの自分には心地良く、いつまでもここに居たい気がした。外から見ると雲の中に居たのだろう。 予想外に携帯が通じたので、自宅に石楠花谷踏破と書いたメールを送信しておく。 12:46 720m+ピーク出発 涼しい山頂ですっかり元気になってから出発。先ほど石楠花谷から突き上げたコルを経由してダイヤモンド・ポイントへ。 ダイヤモンド・ポイントまで少し登りがあるが、地獄谷西尾根はずっと前に踏破済なのでもう緊張感は無い。 でも一部にはロープも張られているくらいの登りもあるので、短いとはいえ楽な道程ではないのだが。 |
||
![]() |
||
12:52 ダイヤモンド・ポイント到着 ブッシュを掻き分けてあっけなく久しぶりのダイヤモンド・ポイントへ到着。 読図で予想していたよりもかなり早く着いたような気がするが、これも前述の水晶山の一件に起因する違和感だった。 720m+ピークから歩いていることがリアルタイムで分かっていれば、読図どおりにあっけなく着いた、となったのだが。 写真には自分しか写っていないが、到着時には数名の方が居られて賑やかなダイヤモンド・ポイントだった。 元々ぱっとしないポイントだったが、ブッシュに展望は遮られがちで更に冴えなくなっている・・。 ダイヤモンド・ポイントから見下ろすと、意外に北区では日差しがあるようだ。 この裏六甲では涼しいが、北区の下界ではかなり暑くなっているだろう。 今日の行程のメインテーマとなる区間はここで終了。 この後はもうおまけのようなものなので完全に緊張感から開放される。 道中は雨上がりでドロドロだろうから、スパッツは付けっぱなしにしておいたほうが快適だろう。 小休止してから出発する。 13:03 ダイヤモンド・ポイント出発 この後は三国池、掬星台を経由して、自分にとってはいつもの最終目的地である灘駅へ向かう。 距離は長いが平坦か下りがメインなので、曇りがちな今日は体力的にはきつくないだろう。 |
||
![]() |
||
三国池付近で見たアジサイ 最近、自覚してきたけど、自分は涼感を誘う青いアジサイが好きだと思う。 この時期の六甲は水量豊富な沢と、アジサイの取り合わせでかなりお薦め。 |
||
![]() |
||
13:21 三国池 既に見慣れていていつもは素通りする三国池に立ち寄る。 水面は風があって完全には鏡になっていないが、霧に包まれて普段になくとても神秘的。 自分の心の原風景となっている、NZのレイク・マセソンに近い雰囲気があった。 サウス・ロードに入った途端、多くの方とすれ違う。 自分の場合、縦走以外でここはあまり登りでは歩きたくないところだ。 表六甲に入るにつれて、時折日差しも射してきて幾分温度が上昇したような気がする。蒸し暑い・・。 快適だった石楠花谷や地獄谷西尾根とここまで違うのかとびっくりする。 |
||
![]() |
![]() |
|
13:50 アゴニー坂へ 多少蒸し暑いが行程としては楽なので快調に歩けた。 自分がアゴニー坂に入る前に、20人くらいの団体さんが登られた。 入口で撮影をしたりして数分の時間調整をしてからアゴニー坂を登り始める。 しかし結局は途中で追いついてしまい、皆さんに道を譲っていただくことになってしまった。 急行が来たといって脇へ避けていただいたパーティーの皆さん、ありがとうございます。 |
||
![]() |
![]() |
|
14:09 摩耶山掬星台到着 掬星台では再び曇りがちとなって比較的涼しかった。 今日はやや息の長い行程だったので、涼しめの掬星台で大休止をとることにした。 数え切れないくらい来ているところだが、掬星台はとても落ち着ける。 午前中まで居た石楠花谷のようなタフなところから、 この掬星台まで六甲は本当に表情豊かな山だと改めて思う。 14:42 摩耶山掬星台出発 掬星台からは先日alfonsさんと歩いたばかりだが、最短距離の上野道で下山する。 今日は単独だから自分のペースで下ることが出来る。 但しトラックは濡れているのでいつもよりはゆっくりと下った。 下るにつれて晴れ間も多くなって、明らかに気温が上がってくる。 暑がりの自分の場合、地形のタフさよりも暑いほうがきつい。 五鬼城展望公園のB展望台も日差しがきついので今日は素通り。 |
||
![]() |
||
15:22 神戸高校裏の登山口到着 掬星台から約40分で下山。 今はとにかくドロドロの上着を着替えてリフレッシュしよう。 15:34 登山口出発 あとは道なりに王子公園まで下って、定期券の使える灘駅へ向かう。 15:55 JR灘駅着 駅前のローソンでコーラを仕入れて一人で乾杯。 石楠花谷から始まった長い行程の後だけに、今日もコーラが最高に美味かった! 〜 終わりに 〜 6年越しで石楠花谷リトライが完了ということで達成感抜群の一日となりました。 石楠花谷は整備されたトラックではなく、道標も五月雨式に散在する程度しかありません。 さらに水量豊富な時期の下流部の遡行は渓流シューズが絶対に必要です。 また沢が枝分かれしていく中流部より上は、読図をしながら歩くと楽しいうえに心強いでしょう。 またいつの日にか尾根道などのサブルートも歩いてみたいと思います。 |
||
行程断面図です![]() |