「ブナの紅葉狩り」 紅葉谷道〜石切道 07年11月2日(金)
国土地理院地形図:25000分の1「宝塚」、「西宮」を参照してください。 六甲縦走前最後の山行となる今回は少し短めの行程ではあるが、有馬の紅葉谷道から六甲ガーデンテラスを経由して石切道で下山するルートを選んだ。 昨年11月下旬にも「紅葉狩り」で紅葉谷道を歩いているが山上手前のブナ林では既に落葉していたので、今年は少し早めに歩くことにしていた。 でもまだ早過ぎる感もあるが、日程の都合で今日にせざるを得なかった。晴れてくるのは下山する頃という予報を聞いてはいても。 7:08 神鉄有馬温泉駅出発 朝は随分冷え込むようになってきた。山間部の有馬では特に冷え込みが顕著なようだ。 予報通りどん曇りの空の下を歩き始める。 |
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有馬温泉界隈、おねの像 昨年は深紅の紅葉と一緒だったが、まだ大部分は青葉のままだった。 ロープウェイ駅手前辺りまで歩いたところで、暑くなってジャケットを脱いだ。 周囲の紅葉はやや進んできてはいるが、ピークにはまだしばらくかかりそうだった。 林道が大谷川を渡る辺りでは何やら工事中だった。まだ周辺の景観は以前と変わっていないように見えるが、堰堤などを設置するのだろうか。 7:45 湯槽谷出合 だいたいいつもここで一息つくようにしている。ここで一度渡渉するが、まったく水が流れていなかった。前日は確か雨が降っていた筈だが・・。 崩れた階段道の手前には以前は無かったと思われる新設の案内板が設置されていた。
六甲山上に車を置いて、紅葉谷道を有馬へ下って入湯。そしてロープウェイで紅葉谷を俯瞰するというプランを前提に書かれているようだ。 風呂嫌いの自分はまだ有馬で温泉に入ったことがないし、ロープウェイにも乗ったことがない。 でも温泉はともかく紅葉谷を一度上空から見てみたいとは思うので、ロープウェイを含めたプランを考えてみたい。 |
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湯槽谷出合を過ぎて一つ堰堤を越えたところで、大谷川の川岸に降りることが出来る。 下流側で全く水が流れていなかったのは堰堤で堰き止めていたからのようだった。それでも水量はとにかく少ないが。 ようやくこの辺りから黄葉が目立つようになってくる。せせらぎの音を聞きながら観賞の出来るお気に入りスポットである。 8:08 七曲滝出合 白石谷出合を過ぎてしばらく登ったところで七曲滝出合。1年くらい行っていないので、立ち寄ってみることにした。 蟇滝には寄らずに登り気味のルートをピストンする。 |
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8:16 七曲滝到着 水量は少ないが、お気に入りの七曲滝と1年ぶりの対面。ザックを下ろしてしばらく滞在することにする。 滝の上では黄葉とまでいくのだろうか、いや萌黄色かもしれない。何ともいえない色合いの木々を見上げる。 昨年はほぼ紅葉最盛期の姿を見たので、これはこれで良いのかもしれない。 そうそう、前回、前々回と持っていなかったオカリナをここで楽しんでいこう。 音楽は苦手な科目の一つだった自分だが、やっと「♪紅葉」をレパートリーに加えることが出来た。 今がぴったりの曲ではあるが、実は今年の春から吹いていてようやく身に付いてきたのだが。とにかく秋は冬を除いては最も好きな季節なのである。 |
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黄葉が進みつつある七曲滝 8:44 七曲滝出発 約30分じっくりと七曲滝を観賞して出発する。一度氷瀑を見に来なければいけないと思っているが、 長期予報通り厳冬になってくれるかどうかやはりスキーヤーとして心配である。 |
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七曲滝出合からしばらくはそこそこの斜度の道が続いて高度をどんどん上げていく。 道端の苔と竹、そして黄葉が織り成す日本庭園のような風情である。 百間滝出合に達すると快適な山腹道の始まり。水量が少ないので今日は百間滝へ立ち寄るのは止めておく。 氷曝観賞の際にはけっこう難路になりそうな気がする。 |
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山腹道が緩やかに登る辺りになると、けっこうきれいなグラデーションの黄葉が出迎えてくれた。 これでもう少し日が射してくれたら良かったのだが・・。最近は自分の休みのたびに天気が怪しくなる悪循環が続いているので本当に困ったものだ。 まもなく右手から沢が近づいてきて、行く手に堰堤が見えると左岸へ渡渉してその堰堤を越えに掛かる。 この辺りで単独男性、そして女性とすれ違う。そういえば自分は未だに紅葉谷道を下りで歩いたことがない。 |
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時折六甲山上の稜線が見えてくる頃になると、全てではないがかなりきれいな黄葉を見ることが出来た。 やはりこの時期の紅葉谷道は外せないと思う。来て良かった。 |
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時折ではあるが、トラックが落葉に覆われるようにもなってきた。自然のじゅうたんを歩くのも秋の楽しみだと思う。 この後に控える新雪のじゅうたんを思い描きながら。 |
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紅葉谷上部のブナ林 ここの黄葉が見たくて再訪したと言っても過言ではない。昨年はすっかり落葉していたからだ。 まだ少し青葉が混じってはいるが、しっかりと黄葉が進んでいるようだ。ブナを見上げながら一息付くことにした。
見頃まで後1、2週間といったところだろうか。ちょうど六甲縦走と重なるのでやはり今年は難しいだろう。 ちなみに自分は六甲縦走に参加するのは、今のところ今回一度限りと考えている。 |
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番匠屋畑へ向けて最後の登り 案内板のところからもまだしばらくは黄葉を楽しみながら登る。 そして植林になって暗くなったと思ったらすぐに番匠屋畑へ到達する。 |
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10:00 番匠屋畑 実に久しぶりの番匠屋畑に到着。ここで一息入れた。 有馬から約500mの登りだが道中いろいろと見どころがあるので、紅葉谷道はさほど疲れを感じずに登ることが出来る。 右手からは番匠屋畑尾根が合流してくる。展望皆無ながらも静かな尾根歩きが楽しめるが、ここ1年ほど歩いていない。 番匠屋畑から極楽茶屋跡前を通って道路を横断。全山縦走路を少し西へ進んで六甲ガーデンテラスへ向かう。 西向きに歩くとしばらく登りとなる。今度の日曜日には雨に当たらずここまで歩けるだろうか。 |
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10:14 六甲ガーデンテラス 平日の午前中で人影まばらな六甲ガーデンテラスに到着。縦走路の土道から出ると途端に冷たい風が吹き抜けて寒い! とりあえずお気に入りの西側テラスに向かって休憩しよう。 ところで六甲ガーデンテラスは色々なショップが集合している六甲山上の観光スポットの一つだが、未だにどの店内へも入ったことがない。 |
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やや霞んではいるが表六甲の景観を眺めて一休み。ここの円形劇場風のテラスはお気に入りスポットになっている。 |
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既にクリスマスモードに入っている六甲ガーデンテラス 10:33 六甲ガーデンテラス出発 じっとしていて冷え切ってしまったところで、今日の下山ルートの石切道へ向かう。石切道は約1年ぶりで2回目だ。 全山縦走路を西へ進む。ちらほらと縦走路を東向きで歩く人とすれ違いながら階段道をしばらく下る。 |
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10:39 石切道へ みよし観音に辿り着く直前で石切道へ入る。石切道は六甲の中で最も立派な門構えのトラックではないだろうか。 かつては多くの石を切り出して搬出するのに使われたようだが、実際は上半分はごく普通の山道。とはいうもののこの区間が楽しいのだが。 |
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石切道最上部から表六甲を見下ろす 入り口からすぐのところで木々の間の窓から下界を覗くことが出来る。街はまだまだ遥か下のほう。 石切道は下りで歩いてもけっこう長丁場に感じるのは、やはり途中から単調になるからだろうか。 この景観を眺めた後、トラックは一気に下りに掛かる。しばらくまあまあの下りが続いた後、一時緩やかになる。 |
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まだ紅葉の見頃まで間があるように見える石切道だが、ときにこのようなきれいな黄葉を見ることもできた。 この後やや急になると水場を通過。ちょろちょろではあるが今日もパイプからはしっかりと水が出ていた。 |
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11:03 石切道のハイライト。山腹道へ しばらく下ると石切道で最も快適な区間である五助谷を見下ろす山腹道となる。 この区間がもっと長いと石切道はより人気の高いトラックになるであろうと思われるが・・。 |
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とても雰囲気の良い水平道がしばらく続く。まだ石切道を登りで歩いたことがないが、住吉台から登ってきたらほっと落ち着く区間になるに違いない。 |
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この山腹道は東に急峻な五助谷が切れ込んでいるおかげか、しばらく景観を楽しみながら歩くことが出来る。 五助谷は五助滝を核心部に持つ熟練者向きの谷とのこと。自分はまだ未踏だが相当な難路であるようだ。 五助谷を挟んで東には五助尾根が間近に見える。涼しい時にまた歩いておきたいところだ。 |
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山腹道が終わると緩やかに下りに掛かる。それでも展望の良い区間はまだ続く。 この松の木の下は南方の景観を広く見渡すことの出来る石切道随一の展望スポットだと思う。 |
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表六甲の展望スポットは数多くあるが、このような山深い雰囲気の展望を楽しめるところは少ないのではないだろうか。 ひとしきり景観を楽しんだところで緩やかな下りを再開。この辺りで中高年女性3人パーティーとすれ違う。 今日石切道で出会ったハイカーはこの時の3人のみ。 |
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11:23 切り株ベンチの休憩ポイントでひとやすみ やや手前の草木に阻まれるがある程度の景観を楽しみながら休憩することが出来る。 この切り株ベンチは間伐材を利用しているとのこと。割り箸は自然破壊という向きもあるが、 間伐は森林環境を守る大切な作業であり、間伐材を用いることは大事なことであると思う。しかし実際には手付かずで荒れている森が多いという深刻な状況である。 そういえば、民主党がつまらないことで混乱していて情けない限りだが、長い目で見れば二大政党制が定着することが日本の将来にとって良いことであることは間違いないと思う。 福田首相が今のねじれ国会のことを「片肺飛行」と行っていたが、それは本来自公に任せ続けていることを指す時に使うべき言葉であると考える。 これだけ不都合満載な現状では代わってもらうのは当たり前のこと。政権担当能力というのは実際に政権を担当して初めて身に付くものであると思っている。 片方のエンジンを使わないまま放置を続け、錆びてくたびれたエンジンをいずれ調子が良くなるのではと淡い希望的観測を持って使い続けているのが現状ではないだろうか。 11:33 10分ひとやすみして出発 まだしばらく緩い下りが続いた後でとうとう舗装路へ出てしまう。石切道はここからが長い。 石材置き場を通り過ぎた後、石切道(土道)は舗装路から分岐するが、この下は歩きにくいごろごろとしたトラック。 今日はこの歩きにくい部分を避けて、まだ未踏の住吉霊園経由で下るルートを辿る。 いつもは基本的には舗装路を避けるのだが、とにかく石切道下部は歩きにくいのである。ここの場合に限っては舗装路を辿るほうが楽だと思う。 舗装路はごく緩やかな下りが終始続く。六甲には杣谷や長峰山、そして塩尾寺から宝塚など急な舗装路歩きを強いられるところが多いが、 この住吉霊園へ続く舗装路の楽さは特筆に価する。 |
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しばらく下っていくと西側の木立が切れて、石切道のある尾根の西側に並走する大月地獄谷を見渡すことが出来た。 大月地獄谷もまた五助谷と同じく熟練者向きでまだ未踏の谷である。堰堤ばかりが多くて見どころが少ないということで入渓者が殆どいないと聞いている。 しかしその少ない見どころの中には見ておきたい滝があるので、出来れば来年の春くらいに初挑戦してみたいと思っている。 |
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11:48 住吉霊園が見えてきた ほとんど平坦に近い舗装路を歩いていると広く視界が広がってきた。 行く手にはこれから向かう住吉霊園の広い敷地がよく見える。この辺りはヘアピンカーブが続いて高低差をカバーしている。 この展望スポットからしばらく下っていくと急カーブの西側に大月地獄谷の入渓ポイントを発見。小さな札が掛かっていた。 少し足を踏み入れてみたが、けっこうブッシュが多くてあまり人が入っていない模様。 地形図を見ると大西谷(支谷)との合流点の少し上で大月地獄谷本谷に到達しそうだ。 |
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住吉霊園に到着 緩やかな下りを経て住吉霊園まで降りてきた。舗装路はいつの間にか楽に車がすれ違える立派な道路になった。 空模様は天気予報の通り今頃きれいに晴れてきた。遅いって。 両側に墓地が並ぶ中を道なりに下っていく。このような大きな墓地を間近で見るのは初めてだ。 |
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12:09 荒神山堰堤 霊園を通り過ぎると行く手には大月地獄谷第一の入渓ポイント、二段構えの荒神山堰堤が見えてきた。 車が3台並んでいるその右側から踏み跡が始まっている。ここの出だしの踏み跡は意外に明瞭。道標は何も無い代わりに赤テープがあった。 このヘアピンカーブを曲がると大月地獄谷に沿って下っていく。川を観察しながら歩いていると、川岸に時折赤テープが設置されているのが見えた。 どこから続いているのだろうか気になったが、少し下ったところで堰堤があってその下からは確認出来なかった。このような下流部から遡行している方が居るのだろうか。 12:17 渦森橋バス停到着 既に何人かが待っているバス停に到着。時刻表を見ると、もうバスが来そうだ!ということで写真を撮っていない。 12:18 渦森橋バス停出発 意外にも空席が殆ど無い状態だったが、かろうじて最後列に座ることが出来た。バスは一路JR住吉駅へ向かう。 12:33 JR住吉駅到着 約10kmの手頃な行程で縦走前最後の山歩きを締めた。 大会まで約1週間空くので、休養充分の状態で縦走できるはずだ。あと残る問題は天候だが・・。 |
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今日の行程の断面図です。![]() |