06年 7月29日(土) 神鉄有馬温泉駅〜白石谷〜六甲最高峰〜風吹岩〜阪急岡本駅
Shiraishi-dani 29th. Jul / 06

 これまで芦屋地獄谷、石楠花谷、大池地獄谷と沢歩きに親しんできたが、いずれも「経験者向き」にランク付けされている谷である。(山と渓谷社・六甲山による)
今回「熟練者向き」となっている谷を初めて挑戦することにした。一応、熟練者向きになっているが険しいのはごく一部であり、意外なほど明瞭で歩きやすいトラックが
敷かれている。六甲名物といえる堰堤も少なく、純然たる自然の姿を留めた貴重な谷の一つであると思う。


7:00 神鉄有馬温泉駅出発  毎度思うことだが、新開地から非常に時間のかかる長旅で少々疲れる・・。

 早朝出発のおかげで、白石谷への入り口まで殆ど日に当たることなく辿り着くことができた。しかし昼間なら温泉街で容赦ない日光に晒されることになるだろう。
週末でしかも夏休み(子供だけだが)のせいか、どのホテルも車がいっぱい停まっている。そういえば随分長い年月、国内旅行をしてないなぁ。

7:40 紅葉谷出合

 前回は七曲滝、百間滝へ向けて直進したが、今日は白石谷へ向かう。
道標の「熟練者向け 危険な岩場あり」の表示に少々びびらされる。
ここで渓流シューズに履き替える。トラックはすぐに渡渉し、小ぶりの堰堤を
右岸から越える。今日越える堰堤はこれを含めて3つだけ。


7:50 白石滝

 堰堤を越えるとそこそこ広い河原に出た。ここで沢は東と南の2つに分かれているが、
東の沢に滝が見える。あっけなく白石滝に到着。兵庫登山会の看板がお出迎え。
滝を巻くトラックがこの看板の下から急峻な斜面を登っている。とりあえず白石滝を観暴。

 なお南の沢を辿ると百間滝へ出ることも出来る。いずれ歩いてみよう。



白石滝(の最下部)

 白石滝は数十メートルにわたって延々と延びる滝らしいが、下から見えるのは
ご覧の通りほんの一部。長大な滝を体感するには直登するべきなのだろうが、
今日は初めての白石谷ということで、山と渓谷社「六甲山」に書かれている通りに
白石滝とその上部にある堰堤を巻き道で一気に越えることにする。

 それにしても深い森の下にあるおかげで非常に涼しい。夏になれば山歩きは
中断するつもりだったが、登りに沢歩きをあてれば暑がりの自分でも何とかなる
ことが分かった。今年の夏は普段より一層夏痩せしそうである。


 白石滝を堪能した後、巻き道を辿って堰堤を越え、再び潅木の点在する河原へ
下りてくる。一旦トラックが消えたかと思ったが、沢の流れを辿ることにより迷うことは
なかった。朝の木漏れ日が谷に届いて緑がより一層鮮やかである。
 梅雨末期の長雨からしばらく経ったが、それでもなかなか豊富な水量だった。
この辺りは右岸にトラックがあり、楽に沢を辿ることができる。



 白石谷中流域は小滝の連なる“カスケード・ヴァレー”だった。
登れそうだと思ったら滝を直登していく。しぶきを浴びることが非常に気持ち良く、
心身共に一気にリフレッシュ!できる。
 なおも続く小滝群。堰堤に阻まれることもなく、楽しい楽しい遡行となる。
やはり沢歩きを堪能するには渓流シューズが絶大な威力を発揮する。



 小滝が一段落すると、圧巻の岩壁が目に飛び込んでくる。
よく見るときれいな柱状節理が見られる。ここからしばらく谷は廊下状となり、
曲がりくねりながら緩やかに登っていく。崩壊しているところもあり、多少荒れた
印象のところもある。大雨直後などは落石に気をつけたほうがいいかもしれない。

 しばらく緩やかに登った後、谷は北と南の2つに分かれるが、北側の谷を見ると
比較的大きな滝が目に付く。


8:38 白龍滝

 龍が駆け上っていく姿に似ているというが、正に的を得た名前だと思った。
豊富な水量も相まって優雅な滝姿でしばし見とれる。滝の直下でしぶきを浴びて
またまたリフレッシュ。ホールドは多くて何とか登れそうだと思ったがずぶ濡れに
なるし、単独なので必勝不敗を期さねばならない。直登はまたの機会に置いておく。

 しばらく白龍滝で過ごした後、南へ上がっていくガレた沢を登っていく。
すると右岸の急斜面を登っていくトラックを発見。この辺りが白石谷の中で最も
険しいところだと思った。自分撮りをする余裕も無く、慎重に登っていった。


 しばらくは急峻なトラックだがすぐに水平道となる。白龍滝を越えた辺りで
沢へ降りていくトラックと分岐するが、急さに圧倒されて降りるのをためらって
しまった。しばらく水平道を進むと、遥か足下に滝が一つ見えた。
戻るのが面倒でそのまま進んでしまったが、またいずれ来る時があるだろう。
もうしばらく進んでいくと、緩やかに沢に下りてきた。再び沢歩きを楽しめる。
 白龍滝は躊躇してしまったが、このくらいの滝ならどんどん直登する。




9:15 大安相滝

 多少名前負けしているような気がするが・・。ホールドはしっかりあるので、
滝のすぐ側を直登出来る。登った後、滝の上に大安相滝の看板があった。
滝の下に設置しないとあまり意味の無いような気がするが、適当な設置箇所が
なかったのであろうか。

 大安相滝を過ぎると、また谷は東と南の2つに分かれる。「山と渓谷社・六甲山」
では本流の東の沢を直進するとあるが、南の沢の堰堤を越す明瞭な巻き道が
あるので南側の沢へ進むことにする。

 なお、小安相滝が文脈からするとこの南側の沢にあるようなのだが、今日は
見つけられなかった。もっと沢の上流にあるのだろうか、もしくは沢の入り口の
堰堤によって破壊されたのであろうか。次回はもう少し上流部を調査してみる
ことにしよう。


 大安相滝を過ぎて分岐する南側の沢を登っていく。
この辺りまで来ると水量は少なくなり、殆ど濡れることがない。
沢は穏やかな様子だが、ここに出るまでの堰堤の巻き道が急であり、
なかなかに険しい。


9:50 沢を離れる
 
 しばらく沢を辿ると右岸を登っていくトラックを発見。意外にも公設の道標まである。
思った以上にメジャーなトラックなのかもしれない。ここで渓流シューズから登山靴に
履き替える。その際に腕にヒルが落ちてきた。とっさに指で弾き飛ばしたが、ヒルに
取り付かれたのは初めての経験でちょっと驚いた。それにしてもヒルは普段何をエサに
して生きているのだろうか。


10:08 魚屋道に出る

 沢を離れた直後はなかなか険しいトラックだったが、その後は魚屋道に出るまで
殆ど高低差のない穏やかな山歩きとなった。背の低い笹がびっしり生えていたが、
細い踏み跡が明瞭に続いていて迷いそうなところはない。
 
 魚屋道から白石谷へ入れるように公設の道標が設置されている。
下りでも歩けないことはないだろうが、やはり谷は登り方向で歩くほうが良いと思う。
ここで一息入れて最高峰へ向かって歩き出す。
ここから有馬まで魚屋道を下るのが最も楽なのは分かっているが、順調に白石谷を
遡行できたのでまだ時間も早いし、運動不足解消のためにも、節約のためにも
(神鉄は運賃が高い)距離は長いが表六甲へ下ることに決めた。


10:20 吉高神社

 魚屋道をしばし登ると吉高神社が道の少し西に見えてくる。
神社というよりも“ほこら”といったほうが妥当なような気がするくらい小ぶりな
神社だった。
「山と渓谷社・六甲山」では、白石谷を遡行するとここに出てくることになっている。
よく見ると神社の北から踏み跡が森の中へ消えていた。辿り方によってはここへ
出てくるようだ。途中で分岐があったが、気がつかなかったのかもしれない。

 湧き水で顔を洗い、一息入れた。それにしてもフェンスに掛けてあるタオルは
何に使っているのだろうか。
10:35 六甲最高峰

 土曜日だが暑いせいか三角点のある広場には誰もいない。
何度も立ち寄っているが、近くを通るとどうしても寄ってしまうスポットである。
白石谷を抜けるまでは直射日光を浴びることがなかったので、ここに来て
今日初めて日の下に出てきたことになる。


六甲最高峰より北側の景観

 今しがた辿ってきた白石谷方向を見たかったが、周囲の木々が育ちすぎて
あまり景観は良くない。電波塔を展望台として開放してくれればいいのだが・・。
六甲最高峰より東お多福山、ごろごろ岳などを遠望

 下界は霞んでいるが、なかなかきれいな青空だった。すっかり緑が濃くなり、
夏本番といった感じ。考えたら、従来は夏に出かけることがなかったので、
この色彩の写真を撮るのはもしかしたら初めてかもしれない。


10:45 一軒茶屋

 カキ氷が食べたい・・。

 ここから七曲を皮切りに魚屋道を南下する。暑いから人が少ないだろうと思ったが、
どんどんハイカーとすれ違う。団体さんも数組見かける。
風吹岩の少し北で外国人ハイカー5人組ともすれ違う。久しぶりに英会話したかったが、
逆方向に歩いていたし、しかも暑いし「ハロー!」だけで済ませておく。
最終的にすれ違った人数は軽く100人は越えていただろうと思われる。白石谷では
誰とも会わなかったが、魚屋道の人気の高さを改めて実感する。


12:00 風吹岩

 雨ヶ峠を過ぎた辺りから、かなり暑く感じられてきた。下りが大半とはいえ
ペースがあまり上がらない。風吹岩も暑かったが、いつもは邪魔に感じる鉄塔のおかげで
若干日差しが和らげられていた。魚屋道では多くの方が最高峰を目指していたが、
自分にはこの暑い中表六甲の魚屋道を登っていく気力は無い。
 ここからの下山ルートは決めていなかったが、地図を広げて検討した結果、やはり
今回も保久良神社経由で岡本駅へ降りることにした。ロックガーデン中央稜のトラックを
降りても良いのだが、急な部分もあるし、登りのハイカーが多いことを見越しての判断。


12:30 保久良神社より少し上の展望地にて

 すっかり夏草が伸びていた。夏には珍しく、なかなか空気が澄んでおり、和歌山方面
まで見通すことが出来た。

 それにしても風吹岩から南は殆ど下り一方なのだが、暑いせいで疲れは倍増する。
下りだから乗り切れたものの逆向きに歩いていたら耐えられなかっただろう。
 登りで沢歩きをぶつけることは自分にとって非常に大事なことだと実感する。
13:00 阪急岡本駅到着

 ちょうどやってきた特急に乗り込む。冷房が効いていて天国!この暑い時期に六甲を横断出来たことは自分にとって自信が付いた山歩きとなった。


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