06年 5月22日(月) 阪急御影駅〜住吉谷〜五助山〜六甲ガーデンテラス〜六甲最高峰〜住吉谷〜阪急岡本駅
Mt.Gosuke Rokko-Garden Terrace The summit Sumiyoshi Valley 22nd. May / 06

 5月といえば多少暑いとはいえまだまだ充分快適に歩ける時期というのに、最近の天候不順で前回の山歩きから約3週間も空いてしまった。
今日はその「髀肉之嘆」を解消するためにやや長い行程を組んでみた。岡本駅とは比べ物にならないくらい登山口までの距離が長い御影駅を降りて住吉谷を延々と北上。
五助ダムからは山に慣れた人向けと思われる五助山を縦走。六甲ガーデンテラスで休憩したあと、六甲最高峰まで全山縦走路を辿り、七曲を降りて住吉谷を全線踏破して、
再び御影駅へ戻るプランである。
 この行程の中で最も注意を要する点は五助山への登山口を見つけることである。公設の道標は全く無い。私設の赤テープ、そして踏み跡を慎重に辿ることが大事である。

6:30 
阪急御影駅出発
 始発で駆けつけてももう日はかなり高くなっている。朝のうちに出来るだけ長く歩いておきたい自分にとっては少々不満。
日本もサマータイム(デイ・ライト・セービング)を導入すれば、明るい時間を有効に使えるのにと思う。
 御影駅からはまず白鶴美術館を目指す。北東の方角へ街路を登っていけば辿り着く。白鶴美術館からは住吉川沿いを延々と北上する。と、ここで失敗をしてしまった。
程なく辿り着く落合橋で右の道へ曲がらなければならなかったところを直進してしまったのである。というのも直進しても道路沿いに川(西山谷へ通じる)があったから。
この誤りに気付いたのは赤塚橋まで登ってきた時。しばし考えたがせっかくここまで登ってきたのだから、住吉台を越えて住吉谷へ合流することにした。
住吉台まではかなりの急坂。ムダに体力を消耗してしまった。見知らぬ街の街路は山道よりも難しいかもしれない。

7:00 住吉谷沿いの道に降り立つ
 住吉台を東西に横切る形で越えて、ようやく住吉谷沿いの道に戻ることが出来た。
落合橋で間違わずに住吉谷沿いを歩いていればもう少し早くに到着出来たのだが・・。
案内板にはこの辺りには水車小屋がたくさんあったと書いてある。


 水車小屋の案内板から少し北上したところで細いトラックが始まるが、
しばらく緩やかに登ってくるとご覧のような林道に合流。
住吉台から通じているようで、地元の人が朝のウォーキングに勤しんでいた。
住吉谷

 林道はこの深い住吉谷沿いを五助ダムに向かって通じている。
山道に比べたら味気なさを感じるが、歩きやすいといえば歩きやすい。


7:30
 五助ダムまであと少しというところで分岐が現れる。打越山方面と、石切道が
ここから分かれている。石切道は立派な石造りの道標が雰囲気を盛り上げていた。
またいずれ歩いてみよう。
7:47 五助ダム
 NZ以来、久しぶりのボードウォーク。五助ダムは水を湛えたダムではなく、
土砂により急峻な谷を埋めて、土石流の勢いを和らげるために建設されたものらしい。
1957年に完成して以来およそ半世紀。潅木と湿地帯が広がる素晴らしい場所になっている。


 残念ながらボードウォークはあっという間に終わってしまう。
しばらく進むと細い流れが現れる。渡ったところには・・
 小さいが澄んだ水を湛えた池がある。絶えず住吉川の清流が流れ込んでいるおかげで
きれいな水が保たれているようだ。魚も生息している。

 今日の主要な目的地である五助山の登山口へは、この池の手前の細い流れ(前述)の
手前で左へ分かれる小道を進み、赤テープと踏み跡を頼りに北西方向へ小川を渡渉する。
 しっかりした飛び石が設置されていないので足を濡らすことになった。
スペアの靴下を用意しておけばよかった。


8:19 五助山登山口

 5月の長雨のせいか、小さな滝になっている・・。ロープが設置されており、
これを手助けにして細い谷状を登っていく。確かに五助山は万人向けの山では
なさそうだ。ここに辿り着くまでに道標は皆無。ネットである程度情報を集めなければ
分からなかったであろう。薄暗くじめじめしたところで雰囲気は良くないが、
少し登っただけですぐに明るくなってくる。
8:27 五助山名物?のナイフリッジ

 前述の登山口から少し登ったところで、一旦五助山と逆向きに南下するとすぐに行き着く
のがこの超痩せ尾根。震災前の登山口はもっと南にあったようで、この細い尾根をトラックが
通っていたようだ。震災で崩壊が進み、現在は非常に細い尾根になって通行は危険。
高いところの好きな自分でもちょっと怖かった。


8:39 ナイフリッジの尾根を体験した後で、改めて北上を開始。
尾根上を細いながらも明瞭なトラックが続いており迷うことはない。
おまけに境界尾根になっているようで、一定の間隔を置いて設置されている
赤い杭が良い道標になっている。しかし、地図にはない分岐がたくさんあり、
分岐選定は慎重に行う必要がある。この最初の分岐では左上に伸びる急坂へ。
 
 ところで未確認だが五助山の登山口は他にもいくつかあるようだ。
山と高原地図「六甲・摩耶」では、この辺りは踏跡不明と書かれているので役に立たない。

 すぐに笹薮に突入。五助山は全山笹に覆われていると考えてよい。
踏み跡は明確なので迷うことはないが、足元が見えないくらい笹が生い茂っている
箇所がたくさんある。ヘビが怖いのでストックで前方をなぎ払いながら進む。
更に次から次へと現れるクモの巣を払いのけるためにもストックは必需品といえる。
ちなみに自分は笹薮はあまり好きではない。長袖と手袋で防御しないと怪我をするし、
それにどうも雰囲気がよろしくない。なぜ今五助山を選んだのかは自分でも謎である。


 しばらく笹薮の急坂を登ると、今日初めての景観を得ることが出来た。
爽やかな「五月晴れ」と言いたいところだが、今日も見事に霞んでいる。
 時折は笹薮から開放されて、ご覧のような雑木林を通ることもある。
日が当たると既に暑いが、木陰では涼しい風が通り抜けて、汗かきの自分には
非常に気持ちがよい。


 五助山への登りの間に何度か視界が開けるが、
近くの打越山でもぼんやりとしか見えない。

 五助山は尾根上に一本道が通っているだけかと思ったが、途中にも何度となく分岐が
現れる。他の登山口から上がってくるトラックか、もしくは東西に平行する谷に通じている
のかもしれない。

9:25〜9:45 五助山山頂 (636.6m)

 阪急御影駅から約3時間かけてようやく五助山山頂に到着。笹薮の中で小さな広場に
なっている。四等三角点が出迎えてくれた。木立のおかげで涼しく休憩するにも最適。
くまんばちの羽音を聞きながら、一人っきりで孤独と静寂に浸ることが出来た。


 山頂からは東から南にかけて見渡すことが出来る。しかし前述の通り霞んでいて
今日は満足のいく写真を撮影することが出来なかった。
五助山は空気の澄んだ日に再び歩いてみたい。
 それにしても日が当たるとかなり暑い。早くも春の山歩きシーズンは終わりが
近づいてきたようである。
 山頂からは北方に向けて再び笹薮のトラックが始まる。
山頂で一息入れるといっても、五助山の尾根全体から見ればまだ半分も歩いていない。
再び気合を入れなおして笹薮に踏み込む。


 笹薮の中の細いが明瞭なトラックが終始続く。トラックから外れることはまずないが、
途中何度となく現れる分岐はかなり紛らわしい。常に地図とコンパスを活用して
現在位置と進行方向を確認する必要がある。
 六甲ガーデンテラス付近の鉄塔群がいつの間にか近づいてきた。
笹薮の尾根歩きが延々と続くために、こういうことで元気付けられる。



 小刻みにアップダウンを繰り返しつつ、徐々に高度を上げていく。
五助山山頂以外にもピークが3つほどあるようで、急坂もたびたび現れる。

 途中、最も気をつけなければならない分岐がある。倒木で塞がれているほうが
正解という、裏の裏を読むといった感じのミステリアスな分岐だ。しかしうっかり
写真を撮るのを忘れてしまった。また違う季節に再訪したい。

五助山山頂付近を遠望する

終始殆ど展望は利かないが、ここは五助山山頂を最も間近に眺められるところでは
ないだろうか。意外にもけっこう尖った山容をしていたことに気付かされる。


10:24 
 何度かアップダウンを繰り返して、平坦で広がりのあるピークに到達。
五助山の尾根の3分の2までは歩いたと思われる。小休止すると共に、
トラックの続きを慎重に確認しておく。
 東の天狗岩が近づいてくる頃になると、トラックは険しさを増す。
かなりの急坂が続くようになる。いよいよ終盤の難関に差し掛かったようで、
気合を入れ直して登っていく。


 トラックは大岩の下で分岐している。結果から言えばどちらへ進んでも合流する。
まず右へ進んでみた。岩がごろごろしている急坂を登っていく。
すぐにトラックは大岩の上に出る。左側から登ってきているトラックを見つけたので、
試しにそちらへも降りてみることに。
 予想通り、元の分岐へ戻った。再び登り返して大岩の上に立つ。こちらも手足を
総動員して登るほどの急坂である。側にある木は同じところを掴まれているのか、
手を掛けるにちょうど良いところだけ禿げていた。
 ということで左右どちらへ進んでも岩登りを楽しむことが出来る。五助尾根の中で
ハイライトと感じるところであった。ちなみに大岩は木立に囲まれて展望は無い。


 更に巨岩が点在している中を登っていく。どの岩も威厳たっぷりで、東の天狗岩が
どれなのか正直言って分からない。というかこの辺りの総称と考えても妥当だと
思うほど見事な巨石群である。
 岩の間をかいくぐって登っていく。巨石群もそろそろ終わりに近づいてきたようだ。
森の中にひっそりと点在する巨石の庭園といった趣で好感が持てる。



 荒地山の新七右衛門くらを思い出す

 トラックからは外れるためにくぐる必要はないが、見た目に充分楽しいところだった。
本家の天狗岩(一つ西の尾根にある)はまだ見たことがないが、東の天狗岩は
なかなか楽しいところで、五助尾根最大の見どころといっても良いと思われる。

 東の天狗岩を抜けると、しばらくほっとする平坦なトラックが続く。
この辺りまで来ると、六甲ガーデンテラスからと思われる車の走行音や音楽が
聞こえてくる。もう五助尾根の終点は間近のようだ。


11:30 全山縦走路に合流!

 経験者向きといわれている五助山を何とか初めて&単独で無事に踏破することが出来た。
この道標を見て更に達成感が湧いてくる。振り返ってみると登山口の分かりにくさ、
ブッシュの多いトラック、変化に富んだ地形、山歩きの醍醐味が詰まっている。
気軽に歩けるところではないが、山に慣れた人にはたいへんお薦めといえる。


11:40 六甲ガーデンテラス

 少し前までブッシュの中で孤独に浸っていたが、今度はおしゃれな観光地に入り込む。
ギャップを感じるが、これが六甲の宿命だから仕方がない。五助山登山口で濡れた靴を
おしゃれなテラスで乾かしつつ昼食を摂る。ちなみに自分は山歩き中はたいへん小食で、
この日の昼食もおにぎり2個だけ。(水分は2Lのお茶を携行)
しかも最近暑くなってきてますます食が細ってきた。


五助山遠望

 六甲ガーデンテラスからは間近に五助山の全貌を眺められる。
今しがた歩いてきた山を眺める気持ちはまた格別。
それにしても霞がひどくて、下界はうっすらとしか見えないのが残念。
空気の汚れが一目瞭然である。

12:30 六甲ガーデンテラス出発。東へ進む。
六甲全山縦走路

 靴と靴下がすっかり乾き、リフレッシュして出発。六甲最高峰へ向かう。
写真は新緑の下を歩くベストショットであるが、この付近の縦走路は車道で
ズタズタに寸断されてしばしば山歩きの風情が損なわれる。

 六甲ガーデンテラスと六甲最高峰間の標高差はさほどではないが、
登り下りが連続して五助山踏破で疲れ気味の足には少々辛い。
六甲縦走大会でも意外にここは難関なのではないだろうか。
ちなみに自分は全山縦走の意欲はあるが、祭りなどのイベント全般が嫌い
(混むのがイヤ)なのでいつ実現するかは全く分からない。


13:10 六甲最高峰

 約1年ぶりに最高峰まで上がってきた。風が強くて帽子が飛ばされそうになる。
ともあれ、御影から歩いてきたことにまた達成感が湧いてくる。
 平日ではあるがさすが最高峰というべきか、次から次へとハイカーが到着する。

 全山縦走路のアップダウンで疲れたので、ここでもしばらく休憩する。


13:25 最高峰を出発。一軒茶屋(この日は休業)を通って魚屋道を南下する。
魚屋道

 一軒茶屋からは七曲と呼ばれている長い長い坂道をハイテンポで下っていく。
昼下がりではあるが、次から次へと登ってくるハイカーとすれ違う。
魚屋道の人気の高さを改めて実感する。


新緑のモミジ

 紅葉の時期も良いが、新緑もまた格別。
14:00 本庄橋跡

 七曲の長い下りで疲れた足をしばし休める。
最盛期は過ぎたようだが、藤の花がまだまだ咲いていた。


 まだまだきれいだった藤

 
 本庄橋からもう少し南下を続ける。今日のプランの終盤は長い長い
住吉谷を踏破すること。住吉谷への分岐に気をつけながら歩く。



14:18 雨ヶ峠より少し北にある住吉谷への分岐
 行き過ぎたかと少々心配になったが、ここから最終目的である住吉谷へ。

 
住吉谷道

 魚屋道と違い、誰ともすれ違わなくなる。最初は谷から遠く離れた山腹を下るが、
足下に住吉川が見えてきて徐々に近づいてくる。想像以上に深い谷に驚嘆。
これほど山深いところが最高峰の南にあったのかとびっくりした。


14:43 住吉川沿いに出てくる

 新緑の中の清流は本当に良い雰囲気で心洗われる。
火照った顔を洗ってまたリフレッシュ出来た。
 この辺りで川の向かいに別のトラックが見える。西岸のトラックもいずれ
歩いてみなければならないだろう。

 
15:07 五助ダムに到着

 朝にもやってきたあの名も無いきれいな池に戻ってきた。午後の陽光に照らされて、
同じ場所でもまた違う雰囲気だ。これで五助山、住吉谷とサークルトラックを歩けた
ことになる。今日のプランは少々長丁場だった。


 池の傍を過ぎ、朝に撮り忘れた五助山登山口へ続く細い道を撮影。
この道の奥にある小高いところが五助尾根の最南端部分である。
今日使用した登山口はその東側。増水していると渡渉時に靴を濡らすことに
なるので、ぜひ代えの靴下を用意することをお薦めする。
 なおこの北にも堰堤があるが、登山口はそれよりも手前にあるので、
もし見つからないようであれば目を凝らして渡渉する踏み跡を探してもらいたい。
赤テープが誘導してくれている。


 再びボードウォークを渡って、長い長い御影駅への下りがまた始まる。
この山域は駅からのアクセスも難関の一つといえるであろう。
御影駅から五助ダムまでたっぷり1時間はかかるので、余裕を持って計画を
立てたほうがいいと思う。


五助ダムの堰堤を眺める

 朝のうちは曇っていたので、また写真を撮り直した。
全面コンクリート張りの無機質な堰堤とは違い、花崗岩を積み重ねて出来ている。
緑が堰堤を覆ってきており、人工物ではあるがなかなか好感が持てる。

15:53 落合橋通過
 朝は住吉台まで登ってしまったが、帰路は間違わずに住吉川沿いを下り順路通りに落合橋に出てくる。しかし住吉川沿いは資材置き場のようなところが続き、あまり雰囲気は良くない。

16:10 阪急御影駅着
 9時間半をかけてようやくスタート地点に戻ってくる。疲れたが五助山と住吉谷を全線踏破したことに達成感は抜群だった。3週間のブランクを少しでも埋めることが出来たと思う。


 今日のプランの中で五助山は整備されたトラックではないので、不安であれば経験者同行を強くお薦めします。
五助尾根全線を通じて地図には無い分岐が無数にあるので、トラックを誤る危険性が常にあると考え、地図とコンパスを携帯し慎重に歩きましょう。
住吉谷は道標も完備されて、トラックも明瞭なので万人向きです。ただ御影駅から五助ダムまでが本当に長いので要注意。特に夏場は避けたほうが無難でしょう。

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