「十八丁尾根から後鉢巻山、七曲尾根を経て摂津本山」 2017年 5月20日(土)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「宝塚」





 今回は裏六甲の中で残された著名な?マイナールートである十八丁尾根(とはっちょうおね
と読むのを最近になって知りました)を歩くことにしました。
先月、白水尾根と瑞宝寺谷西尾根を歩いたことで、その間にある十八丁尾根にも自然に関心を持ちました。

 多くのバリルートの尾根では取付きの把握が重要になると思いますが、
この十八丁尾根も例外ではないとみて充分に下調べをしてから臨みました。
最も取付きやすそうに思われた十八丁川に沿う林道ですが工事のために通行不可になっています。
 ※白水尾根に入った際に直に見て確認
ということで松尾橋バス停から入るルートを選択しました。
今回も結果的に尾根の末端近くから取付くことになります。

 なお今回は下りにおいて、もう一つのバリルートである七曲尾根も歩くことにしました。
 行程概要  

 地理院地図(電子国土Web) 新しいウィンドゥが開きます。


 
今回も山旅の起点は有馬温泉駅(350m)

 ホームには神鉄の新型車両が停まっていた。自分が乗ってきたのは右側の旧型車両だが見飽きないところが良いと思う。




 7:00 有馬温泉駅出発

 白水尾根の時と同様に有馬兵衛の向陽閣の前を通って、途中から県道に出て宝塚方面へ向かう。








 7:19 松尾橋バス停(400m)  下調べなくしては踏み込む気になれない雰囲気だった 

 松尾橋バス停の周囲には何も無く、まさに十八丁尾根を歩く登山者のためにあるようだった。

 バス停に沿う擁壁とガードレールの隙間が十八丁尾根の取付きとなる。
ここには道標はもちろんマーキングも無いが、一歩踏み込むと意外なほど明瞭な踏み跡が続いている。
それは良いとして、ここは道路脇ということもあってか多くのゴミが投げ込まれているのが残念だった。

 バス停そばから始まった踏み跡は十八丁川西側の支流の一つである沢に突き当たる前に、上流へ向けて右岸沿いに続いていく。
ここで虫除けスプレーやスパッツを付けたりして、バリルートを歩く用意を整える。

 少しだけ上流側へ進むと沢には堰堤が見える。それほど高くないものなので踏み跡も高巻くことはない。








東側の涸れ沢へ入っていく  沢へ入るといきなりゴルジュの様相になる

 堰堤を過ぎてすぐのところで踏み跡は二方向に分かれる。
ここで上流側へ向かって左手(東側)に曲がると、涸れた細い沢へと入っていく。
すぐに深いゴルジュ状の地形となり、いきなりバッドランドの核心部に入ったようでテンションが上がってくる!

 ルートとなるゴルジュの底は岩がゴロゴロしているが順調に奥へと進んでいく。
ちょうど朝日が涸れ沢の正面から射し込んできて神秘的な光景だったが、日差しが当たると朝から暑かった。








ゴルジュの奥はチョックストーンで塞がれている  小さな石積みの堰堤は右岸を楽に越える 

 ゴルジュの行く手はチョックストーンで塞がれている。
両岸からの岩壁で狭くなっているところを狙ったかのように巨岩が挟まっている。
ロープが垂れ下っているが必ずしも必要ではなく、意外に簡単に越えられた。

 巨岩を越えると細い沢は更に二つに分かれるが、踏み跡は変わらず右岸に沿っている。
この辺りでは踏み跡は心細くなるので、しっかりルートファインディングを行う。
マーキングは途切れがちだが、獣道のような細い踏み跡が続いている。

 沢の北側が明るくなってきて尾根に乗れそうな雰囲気になるが、ここはもう少し我慢して沢に沿って進む。

 すぐに小さな石積みの堰堤を右岸から越えると、行く手が明るくなってきて小さな沢は早くも源頭部に差し掛かってくる。








細い尾根に乗り上げると、あとはひたすら高みを目指して登り続ける   

 写真に撮っても分かり辛いほど、微細な尾根に乗り上げて沢の遡行は終わる。
狭い尾根は砂交じりの柔らかい地面で、踏み跡はあるものの生い茂った草木に当たりながらの登りとなる。
ここを歩くにはやはり歩く時期が重要になりそうだ。クモの巣が多い時期はかなり難儀だと思う。








 7:53 十八丁尾根下部の展望地(450m+)に辿り着く   

 細くて柔らかい尾根をズルズルとずり落ちながら登り詰めると、一気に周囲の光景が広がってきた!
東隣の白水峡に似たアルプスっぽい光景を楽しみながら小休止をとった。

 展望地は東側から別の尾根が合流してきているところだが、辿ってきた尾根との間は抉れていて足元は脆い。
北側の平らな尾根は一見歩きたくなる雰囲気だが、この辺りの尾根は岩尾根ではなくて砂尾根と表現するほうが良いかもしれない。








なおも細い尾根を直登していく   

 登っていくにつれて尾根は段々と大きくなっていくが、写真のように痩せていたり砂地の上を歩くところもある。
しばらくはほぼ一直線に道なりに進んでいく。この辺りではルート読みが紛らわしいところは見受けられない。








急登が一段落すると二重山稜のような地形に   

 西側からの支尾根が合流してきて傾斜が緩んで歩きやすくなったが、地形図では表現しきれていない二重山稜のような地形になった。
マーキングもあったのでルートファインディングの参考に出来るが、最初に歩いていた尾根から西に平行する尾根に乗り換える展開となる。








 8:15 540m+ピーク   

 乗り換えた尾根を登っていくと、登り始めて最初の明確なピークである540m+ピークに到着。
そこそこ広く閉じた等高線の西寄りを通過していく形になる。ここでくの字状にルートは方向転換する。

 現在は利用出来ない東側の林道から登ってくる場合、このピークで合流するパターンもあるかもしれない。








いよいよ本格的な登りになっていく   

 540m+ピークを通過すると比較的まとまった登りとなる。
展望のない木々に覆われた尾根ではあるが、まだ邪魔になる岩も無くて歩きやすい。








 8:33 580m+ピーク(等高線は閉じていない)   

 580mの等高線が伸びる尾根の肩は等高線は閉じていなくても明確なピークを成していた。
ピークのやや西寄りには神戸市による三等多角点が設置されている。
十八丁尾根は比較的長い尾根ではあるが、三角点が一つも無いのが自分としては惜しいところだ。

 地形図ではここから西側の芦有ドライブウェイまで破線道が伸びており、エスケープルートとして使えるかもしれない。 (※ 芦有ドライブウェイは歩行者進入禁止)
なお十八丁尾根は芦有ドライブウェイから近いので、車の走行音(ドリフト音まで)が頻繁に聞こえてくる。
静けさを求める点からするとマイナスだが、車道が近くを走っているというのはある意味心強いかもしれない。








580m+ピークの向こうには急坂が立ちはだかる  尾根上には岩が目立ってくる 

 次の目標地点610m+までの標高差は比較的短いが、なかなかに急な尾根だった。
でも邪魔にならない程度に岩が点在していて、歩いていて飽きないところだった。








東側から合流してくる尾根を見やりつつ標高を稼いでいく  








 8:45 610m+   

 次に乗り上げた610m+はミニピークの地形は見られたが等高線は閉じていない。
ここでは北東側から大きな支尾根が合流してきており、十八丁川沿いから登ってくることも出来るかもしれない。
二方向からのルートの分岐傍の木には十八丁尾根と書かれたテープが目印になっている。
この先もしばらくまとまった登りが続くので、ここで5分ほど息を整えていく。








610m+を過ぎると巨岩が連なる岩尾根となる  巨岩が何連発も続く 

 次は690m+を目標に登り始めるが、尾根上には次々とこれまでとは桁違いの巨岩が立ちはだかる。
一見してさすがに登れないと分かる岩が現れるが、尾根上を外して踏み跡が続いているので問題ない。

 尾根を挟んで両側に行ったり来たりしながら登っていく。
マーキングはあるが所々で踏み跡が不明瞭となるので、しっかりルーファイして辿っていく。








直登が難しいところは巻く踏み跡がある   

 巨岩帯はしばらく続くが、等高線の間隔が狭いところはごく短い。
雪彦の岩尾根を辿っているかのように楽しい区間だった。

 東側に支尾根を持つ690m+ピークに乗り上げるとなだらかな尾根になる。
この辺りから笹が目立ち始める。








 9:19 690m+   

 尾根中盤の要所とみていた690m+に突き当たる。
登り方向に歩いてきたらここで東西二方向に尾根が大きく分岐する形となるが、西側に進むと698m標高点ピークを経て芦有ドライブウェイに降りてしまう。
ここは東寄り(正確には南東)に伸びる尾根を辿っていく。








十八丁尾根では随一の展望地   

 先の重要な分岐からは既に見えているが、東側に大きな窓が開いているところに差し掛かる。
尾根上からは比較的新しい土砂止め工事が成された斜面と芦有ドライブウェイ、その向こうには先月歩いた白水尾根が大きく見える。
この斜面が展望地になったのは、近年発生した土砂崩れが原因とのこと。








 690m+の展望地   

 少し先に進んだところで痩せ尾根となり、今度は西側の景観も大きく開けてくる。
ここからは射場山や湯槽谷山などの有馬周辺の山々を見通すことが出来る。
同じ高さに見える射場山はどこから見ても丸い山容。湯槽谷山の高さが目立って見える。

 尾根のすぐ先の木々の中には次の目標地点の十八丁山山頂があるが、
せっかく眺めも風通しも良いところだったので、ここで小休止をとっていくことにした。








 9:33 十八丁山山頂(710m+)  もうすぐ一旦、車道脇に出てくるはず 

 展望地から僅かに登ったところが十八丁山山頂(710m+)。古くは兵庫登山会の山名板があったらしいが今は何も無い。
閉じた等高線の広さからすると予想外に狭い山頂だった。
東側にも踏み跡が伸びているが、急崖と芦有ドライブウェイに阻まれるので利用価値は低いかもしれない。

 先ほど小休止をとったばかりなのですぐに出発。
山頂西側の縁を辿って、南側のなだらかな尾根へと進んでいく。
笹が生い茂っているが踏み跡は明瞭だった。








 9:41 芦有ドライブウェイに出てくる(680m+)   9:49 再び十八丁尾根へと入っていく 

 芦有ドライブウェイの路肩に出てきて、一旦は十八丁尾根は分断される形になっている。
遮るものがないと日差しが暑いが、ここは小休止をとるには都合が良い。

 まだ時間が早いのかドライブウェイを走る車は疎らで写真には写らなかった。
自分は未だに車で六甲に来たことがないので詳しく知らなかったが、芦有ドライブウェイの通行料は自分の感覚ではけっこう高くて片道930円(有馬〜芦屋。普通車)
もしドライブするならよく味わって運転したい道路だ。なお同区間のバス料金は780円。

 路肩からよく見えるが、道路はこの先からトンネルが始まって、短い距離を除いて次に地上に出るのは表六甲側になる。

 ここまで登ってくると、十八丁尾根は3分の2くらいは踏破したことになる。
長らく未踏だった十八丁尾根もいざ歩いてみたら楽しくて短く感じてしまう。

 小休止後、再び十八丁尾根の登りを再開。
取付きは南側の木々の間にある。見間違えることはない明瞭な踏み跡が始まっている。








先ほどまでと似た雰囲気の尾根が続いていく   9:55 後鉢巻山など六甲山上が見えてくる 

 道路敷設で尾根が断ち切られたので、似た雰囲気の尾根が続いているのも当然だった。
取付きからしばらくは緩やかで明瞭な踏み跡が続いて歩きやすい。

 少し南下してから南東寄りに向きを変える辺りでは南側に窓が開いていて、六甲山上の光景が見えてくる。
後鉢巻山のアンテナが進行方向上部に見えていて、残った標高差を体感することが出来る。








地形図では表現されない変化に富んだ尾根になる  痩せ尾根上に松の巨木が連なる 

 地形図上では710m+の針葉樹記号がある辺りだが、尾根は意外にかなり痩せている上に松の巨木が連なるようになる。
尾根上に立ちはだかる木々の根元を乗り越えていくという、岩尾根に似た変化に富んだ尾根歩きとなった。

 西側は木々が疎らなところもあって、先月歩いた瑞宝寺谷西尾根を観ることも出来る。








10:05 小さな沢の源頭部(720m+)   

 この先、800m+辺りまで一貫して尾根直上を歩く区間が続くとみていたらまた予想外な展開に。
小さな沢の源頭部がせり上がってきて、尾根が分断されたような感じだった。
東側の斜面が尾根の続きになるが、すぐにはルートを見いだせずに斜面を横移動して探し出した。








10:18 760m+ピーク(等高線は閉じていない)   

 短いけどやや急登だった斜面を登りきると、狭い760m+ピークを越える。
一気に尾根の形状が明確になって、やや南寄りに向きを変えて登っていく。
尾根の西側は崖状になっているところがあったが、期待したほど展望が広がるところは無かった。








810m+  10:33 なぜか電線がある(810m+) 

 久しぶりに傾斜が緩んでなだらかな尾根になった。
東側から別の尾根が合流してくると意識して見ていたが、尾根の合流ははっきりと認識出来なかった。
南側斜め前方の木々の向こうには、これから歩いていく十八丁尾根の上部が透けて見えている。

 次の830m+ピーク手前は平らな地形が広がっていた。踏み跡はその中を東寄りに進んでピークを巻いていくようだ。
その辺りで電線と電柱があることに気付く。見かけたのはこの時だけで、何のために山の中にあるのか分からなかった。








10:38 830m+にて尾根に回帰  10:41 830m+ピーク 

 830m+ピークを通り過ぎたところで一旦外した尾根に乗り上げる。
通り過ぎたピークはすぐ近くだったし、せっかくだから少し引き返す形で寄っていくことにする。

 830m+ピークは僅かに西側に窓が開いていて、瑞宝寺谷西尾根上部が近くに見えている。
十八丁尾根の行程も残り僅かとなっていることを実感する。

 ピークから下側にはまだ踏み跡が続いていた。
自分は気付かなかったが、尾根通しでピークに乗り上げる踏み跡があったのかもしれない。

 このピークから出発して間もなく、下り中の単独男性と出会う。
この日に十八丁尾根で出会ったのはこの時のお一人のみ。








十八丁尾根終盤はゆったりした地形 この先が最後の登り 

 後鉢巻山を取り巻く旧道(850m+)までの標高差は残り僅か。
ちょうど見ごろのヤマツツジが濃くなりつつある新緑に映えていた。

 最後の登りの直前はゆったりとしたコルになっているが、西側にはマーキングが見られた。
もしかしたら瑞宝寺谷から上がってくるルートがあることを示すものだったのだろうか。

 最後の登りもルートを見出すのに少しだけ見渡して探した。
やや不明瞭だったが、見つけたルートは最後まではっきりとした踏み跡が付いていた。








10:50 旧ドライブウェイに達し、十八丁尾根は終わる。(850m+)   

 最後の登りは本当に呆気なく終わって、白水尾根と同様に旧道に飛び出す。
十八丁尾根の入り口はガードレールに六文銭のようなマーキングがされている。

 十八丁尾根は白水尾根に比べるとやや長い行程であり、自分の場合は所要3時間30分だった。

 旧道にて小休止をとってから一軒茶屋方面へと向かう。
少し西側に進んだところで、十八丁尾根の一部を見下ろすことが出来る。
きれいに手入れされた六甲最高峰と違って草木が伸び放題なので、やや景観は遮られるがバリルートに相応しいかもしれない。








11:01 後鉢巻山を踏むために旧六甲縦走路へ入る   

 これまで立ち寄ったことがあるかどうかはっきり覚えていないが、白水尾根と十八丁尾根を歩いたことで後鉢巻山のピークを踏んでおこうという気になった。
後鉢巻山の南斜面の一部は崖崩れのために旧六甲縦走路は閉鎖されたままとなっている。
この崩れた部分を避けつつ、歩きやすそうなところを辿って後鉢巻山へ向かった。








11:08 後鉢巻山山頂(898m)到着  名称付きの山頂としては六甲において2番目に高いはずなのだが訪れる人は少ないよう 

 ピーク直前で東側から登ってくる明瞭な踏み跡と合流し、後鉢巻山山頂に到着。
山頂には後鉢巻山の目印になっていた電波塔と関電の発電所に占領されている。
関電の発電所は軽油が貯蔵されているようだが非常用のものだろうか。

 この2つの建物しかなかったら、本当に味気ない山頂になっていたが、
建物敷地の南側には山名標が設置されていて、どうにかピークを踏んだ達成感を得ることが出来る。
鉢巻山はこことは別の場所にあると認識しているが、この際あまり大した問題ではないとも感じる。




11:13 後鉢巻山山頂出発

 来た道を戻るつもりだったが、ヤブや足場の悪いところもあったので、
明瞭な登山道を使えそうな東側から降りていくことにした。








後鉢巻山山頂へは旧縦走路から支線が出ていた   

 自分の持っている山と高原地図2005年版では縦走路はトンネルを通るように書かれているので、
この縦走路が使えなくなったのはそれ以前だったのだろうか。

 この分岐から旧縦走路を西側へ進むと崖崩れの箇所に出てしまうので、一旦東側へ向かい車道に出てトンネルを通って西側へ進んだ。




11:28 一軒茶屋

 大勢の登山者が行き交う一軒茶屋前で小休止。

 普段は七曲を下るような行程は組まないのだが、目的の七曲尾根を歩くために今日は特別に降りていく。
七曲は大勢の登山者が登ってくるので、可能であれば下りで使うのはあまり望ましくないだろう。








11:38 七曲から七曲尾根へ踏み込む(810m+)  七曲尾根取付(810m+) 

 一軒茶屋から東山腹を下ってきた七曲が西山腹にカーブしていくところが目的の七曲尾根の取付き。
この短い区間だけでも大勢の登山者が登ってきて、六甲で随一のゴールデンルートであることを改めて実感する。
登りの登山者をやり過ごしてから、笹に覆われた七曲尾根へと踏み込んでいく。
取付きはマーキングが豊富にあって、今までなぜ気づかなかったのか不思議なくらい。








七曲尾根  蛇谷北山がよく見える。手前の尾根は黒岩谷西尾根 

 尾根の地形は単純明快でほぼ一直線に下っていく。背の高い笹が生い茂っているが踏み跡ははっきり付いている。
マーキングも豊富にあって、ルートファインディングする手間もあまりない。
ゴールデンルートの七曲がすぐ西側の山腹に平行しているので、終始登山者の話し声が聞こえてくるのはここならではだろう。
意外に展望を得られるところも多く、上部では東側の蛇谷北山がよく見えていた。








最も笹が深いところで肩辺りまで。西側も展望は少しだけあった   

 七曲尾根直上を歩く標高差は約150mで、この間には紛らわしい支尾根は無い。
調子良く下っていけるが、足元が見辛いところもあるので要注意。

 標高を下げるにつれて笹は無くなってくるが、一ヶ所だけルーファイのために見回したところがあった。
安定した踏み跡が途切れるところは無いので、しっかりと周辺を確認しながら歩きたい。








12:10 七曲に合流(640m+)   

 最下部はかなりの急斜面だが、木々に掴まりながら降りていく。
最終的には尾根をぐるりと周っている七曲に突き当たって尾根歩きは終わりとなる。

 ここは芦屋方面から歩いてくると、住吉谷を渡って急登で始まる七曲がやっと落ち着くところだ。

 七曲では変わらず大勢の登山者が歩いており、驚かせないようにタイミングを見計らってから登山道に降り立った。
七曲に降り立つと下からの入り口も多くのマーキングがあって、七曲尾根を目的にしている登山者ならすぐに気付くようになっている。

 ここは路肩が広くなっていて木陰もたっぷりあったので、とりあえず小休止をとった。
今日の行程は下りが長いので、先を急がずに脚を休ませつつ下りていくことにしたい。

 七曲を登ってくる登山者はひっきりなしの状態だったが、日本語以外に英語、中国語なども頻繁に聞こえてくる。
英語のリスニング感覚は錆びついてると思っていたが少しだけ残っているようだ。それはともかく六甲も国際的な山になったなとなぜか感慨深くなった。




 これより先、住吉谷左岸道、右岸道、打越峠、八幡谷を経て下りていく行程だ。
自分にとっては定番の下りルートであって目新しいところはない。トレーニング感覚でひたすら歩いていくことになる。
 住吉谷左岸道に入るまでは順路に逆らう形にはなるが、七曲・魚屋道のゴールデンルートを南下していく。








木々が整理されて見通しが良くなった住吉谷左岸道上部  13:00 左岸道から右岸道へ 

 住吉谷左岸道は山腹の木々がかなり減っていて、右岸道側の山腹がよく見えるようになった。
以前よりもやや風通しも良くなった気がするので、前よりも夏向きのルートになったかもしれない。

 西おたふく方面への渡渉地点で、お気に入りの右岸道へ入る。
すると右岸道を塞ぐ形で立っていた柵が倒れていた。事実上は大平岩まで開放された状態とみるべきだろうか。








13:10 大平岩(370m+)到着。   

 住吉谷で最も目立つ?大平岩に到着。誰もいなかったので今日はここでやや長めの休憩をとることにした。
岩の上に座っていると谷を渡る風もあって、気持ち良く昼食を摂ることが出来た。
それと意外にも携帯の電波が届いていたので、心配性の母に現在地メールを送っておく。








13:29 大平岩出発  13:31 左岸道へ戻る

 約20分の滞在で大平岩を出発。右岸道はここから南下すると次第に不明瞭になるので左岸へと渡り返す。
有志の方が掛けていただいたと思われる2本の丸太橋はしっかりしている。

 大平岩から左岸に渡るとすぐに左岸道に合流する。

 ここから先は住吉台に下りて、くるくるバスを利用するのが最短ルートだが、
脚の調子からすると予定どおりに摂津本山(岡本も可)へ下りれそうだ。




 途中で住吉谷左岸道から黒五谷方面へ向かう。








13:52 打越峠(430m+)   

 黒五山、そしてここまでの2箇所の登り返しを耐えて打越峠に到着。
ここから先の下りは疲れてきた脚にはけっこう堪えるので、打越峠で一息入れていく。








14:12 山の神(200m+)  

 山の神まで一気に急降下。逆向きだと良いトレーニングになるコースで、今までよく歩いてきたところだ。
山の神からも登山口までしばらく掛かるので、ここでも一息入れていく。








八幡谷  八幡谷登山口(120m+) 

 急な下りも手すり付きで快適。疲れてきたところで有難い♪
打越山の山域は有志の方のおかげで、六甲で最もホスピタリティー溢れるところになっている。




14:30 八幡谷登山口(120m+)

 登山口からしばらくは急坂の舗装路が続くので、ここでも小休止をとっておく。








14:52 JR摂津本山駅(10m+)到着   

 八幡谷登山口から20分の街歩きで到着。
有馬から約8時間掛かったので、今日も歩き応え充分で大満足だけど疲れた。




 〜 終わりに 〜

 十八丁尾根は六甲のバリルートの尾根の中でも比較的距離が長く、読図の楽しさも相まって踏破の達成感を大いに味わえました。
尾根の派生はあちこちにあるのでルートミスに注意。また取付きを含めた下部は道迷いや滑落のリスクがあります。
地形図とコンパス、出来ればGPSも携行して慎重に臨みましょう。

 また七曲尾根もすぐ横に七曲があるとは思えないほどバリルートの雰囲気抜群です。

 六甲の奥深さを改めて感じた山行となりました。








行程断面図です




BACK

inserted by FC2 system