「荒地山リトライ〜打越山」 【07年6月7日改訂】

07年5月15日(火)

国土地理院地形図:25000分の1「宝塚」、「西宮」、昭文社・山と高原地図「六甲・摩耶」を参照して下さい。

 ※ 今回のレポを完成、改訂するにあたり、「摩耶山さん歩」てるみさんに情報提供をいただいたことが大きな助力になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 ※ 2014年8月14日、柴田昭彦様よりご指摘いただきました。“十三間四方岩”は現存せず、該当の巨岩は“扇岩”という名称が正しいようです。
 いずれ山と高原地図でも修正されるかもしれません。現在のところ、登山者の便宜を図るために併記という形をとらせて頂きたいと思います。ご指摘いただきまして感謝申し上げます。


 前回、展望抜群の道畦谷北尾根を登り、十三間四方岩(扇岩)を経由して荒地山へ至る計画を立てたが、取り付きを少しだけ間違ったために道畔谷左俣東尾根を登ってしまった。
そちらの尾根も楽しかったのだが、間違ったまま夏季休戦期を迎えてはいけないと思い、記憶の新しいうちにリトライをしておくべきだと思った。

 以前、道畦谷北尾根は弁天岩分岐より上部を下ったことがあるが、未踏だった下部もまた期待を裏切らない登って楽しい尾根道だった。

 なお荒地山へ登った後は、お気に入りの打越山周辺を経由してこれまた未踏だった八幡谷を下って岡本へ出る半日プランとした。


 関連するレポは「06年5月4日 打越山〜荒地山」、そして今回リトライのきっかけとなった前回の「07年5月11日 五月晴れの荒地山〜東西お多福山」のページに掲載中。
 さらに播州野歩記さんでは「弁天岩から荒地山横断、そして迷いの森へ」があります。


6:25 阪急芦屋川駅出発

 4日前と同じく、芦屋川沿いの道を辿って道畦谷を目指す。今日こそ道畦谷北尾根を登るので、もちろんだが宝泉水からだけは登らないように気をつける。


7:10 道畦谷を北へ横切る

 芦屋川沿いの山腹道ではいくつかのごく小さな沢を横切っていくが、道畦谷を横切る際にトラックは堰堤すぐ横を通る。堰堤上の看板で沢の名前が確認できるので、
見落とすことはないと思う。(前回も目に入っていたが・・)

 堰堤少し奥まで沢沿いに進むと分岐がある。(左)
正面の木の枝で塞いでいるような方は道畦谷を更に奥へ進む道。写真では写っていないが、北の斜面へ上っていくほうが今回は正解となるトラックだ。

 堰堤を右に見ながら急斜面を登っていく。荒地山が近づいてきていることを感じさせるような岩がちな登りになる。(右)
そうだ、思い出した!昨年、この岩場を下ったことがあった。目的地の道畦谷北尾根の分岐はすぐそこだ。


7:15 道畦谷北尾根分岐

 この好展望の岩場がある分岐こそが道畦谷北尾根への取り付きである。これからは間違えないようにしよう。
大気は前回ほどの透明度は望めないが、正面に芦屋川の深い渓谷を見下ろす景観はなかなかのものだ。芦屋川沿いの道路を行き交う車の走行音が少々気になるが、
なかなかの休憩スポットだと思う。

 とりあえず記憶にあった分岐まで辿り着いたことでまずは一安心。道畦谷北尾根に登る前にこの岩場で小休止をとる。


 ところでこの分岐の立ち木には少し考えさせられるプレートが掛かっていた。(右)
自分自身、これまで随分テープに助けられてきたが、書かれていることは本当にその通りだ。木々は日々成長して将来は大木になることを想像しなければ。


7:37 いよいよ道畦谷北尾根に取り付く

 小休止を終えていよいよ今日の本題の道畦谷北尾根に取り付く。前回登った道畦谷左俣東尾根以上に登り易く、そしてすぐに好展望の広がる開放感溢れる尾根道だ。
道畦谷左俣東尾根で楽しかった連続するロープ場は無いが、代わりに延々と岩場が続く。


 道畦谷北尾根は登って楽しいので忘れていたが、急坂の連続でどんどん高度を稼いでいく。芦屋川駅から緩やかに登ってきたが、取り付きからほどなくして
鷹尾山に肩を並べるくらいになった。岩尾根は幅も広くて明瞭極まりないトラックだ。昭文社・山と高原地図「六甲・摩耶」では破線道すら表示されていないのが不思議だが、
大震災後に一度閉鎖されたようでそれが影響しているのだろうか。



 ある程度急坂を登ってくると、正面に大きく荒地山が見えてくる。振り返ると大阪周辺の景観が大きく広がってくる。
六甲に数多く尾根道があるが、これほど見通しの良い尾根道は稀有の存在といえるのではないだろうか。
しかし、言い方を変えると木陰が少ない尾根でもあり、夏には全くお薦めできない、とも言える。もう既に汗だくだが、まだ今日の気温では許容範囲だ。



 尾根は痩せてきて、周囲を見渡せるようにもなってくる。前回登った道畦谷左俣東尾根(と思われる)尾根が近いところに見えている。
小さな堰堤がその尾根の肩越しに小さく見えているので、その向こうにある急斜面に見える尾根が道畦谷南尾根であろうか・・。
前回の記憶を辿ると、道畦谷左俣東尾根に取り付く前にごく小さな枯れ沢を横切ったが、どうやらその前に見落とした分岐があったのではないだろうか・・。
一つ解決するとまた違った謎が浮上してきた。これはいずれ道畦谷周辺を再調査する必要がありそうだ。


8:16 道畦谷北尾根の岩のテラスに到着

 これまで登り一辺倒だったが、ここで一旦水平の区間が現れる。地形図では「弁天岩」の表記の少し左下にある岩場の表示辺りだろうか。標高は370mほどのようだ。
振り返ると南側は相変わらず展望抜群だ。(左)

そして少し進むと、松の木陰の下に岩のテーブルを並べたようなところに着く。(右) まさにここで休憩していってと自然が誘っているかのようだ。
テーブルの上にザックを置いて、横の岩に腰を下ろして優雅に小休止をとる。

 少し進むと、大展望の連続だった岩尾根は荒地山本体に合流して、森歩きの区間に突入する。
ただし、荒地山を特徴付けるものとして巨岩が点在している森だ。中にはこれから切り出そうとしていたかのような岩も見受けられる。
でもここで切り出しても麓まで運ぶことなど出来たのだろうか。荒地山の岩かどうかは分からないが、秀吉が大坂城築城の際に六甲から多数の岩を切り出させたと聞いたことがあるが・・。

そして森に入ってすぐに見覚えのあるところに到達した。



8:30 弁天岩分岐

 道畦谷北尾根の未踏区間は弁天岩分岐まで辿り着いたことで終わった。前回は間違って登ったために出会うことが出来なかった分岐だ。
分岐にある平らな岩に分かりやすく道標が書き込まれている。以前、十三間四方岩(扇岩)から下ってきた時には、ここから北へ曲がって弁天岩方面へ下りていったのだった。

 この岩の道標を見落とすことはないと感じた。この分岐に出会わなければ道畦谷北尾根ではないと考えてよかったのではないかと思う。



今日のハイライト、十三間四方岩(扇岩)周辺の岩場巡りの始まり

 弁天岩分岐を過ぎるとすぐに森を抜けて、巨岩の折り重なるエリアに突入する。(左)
そして見覚えのある三角形の巨岩の横を通過。(右) 目指していた目的地に到達した。ここへ来たかったのだ。



 ここからの景観は本当に遮るものがなく南方を広く見渡せる。東六甲を代表する絶景ポイントだと思う。
ごろごろ岳から鷹尾山一帯を覆う新緑も眩しい。前回、もちろん間違わずに1回で辿り着けると思っていたところだが、思わぬ苦労をしたおかげでよりこの岩場に愛着が湧いてくる。

 この後、記憶どおりにトラックは一旦森の中を通過する。そしてすぐ前回は気付かなかった分岐に気付く。道標は左方向の荒地山を誘導しているだけで右は何も無い。
おまけに枝を置いてトラックを塞いでいるようだ。メインのトラックから逸れることは想像に難くないが、明瞭な踏み跡が右へ伸びておりそちらに何があるのか確かめないでは気が済まなかった。
するとすぐに・・


【訂正】
昭文社・山と高原地図「六甲・摩耶」内の
「ロックガーデン」の地図には誤植がある
ということを再びご指摘により知りました。

また、十三間四方岩は現存せず、この巨岩は
「扇岩」という名称であるとのご指摘も頂きました。

×【十二間四方岩】 → ?【十三間四方岩】

【扇岩】 十三間四方という大きさに達しないこと、
麓から見れば開ききらないが扇の形に見える、
このことからこの岩が扇岩という名称であることに
納得出来るような気がします。


ご指摘を受けまして、全て修正致しました。
情報提供をいただいてたいへん感謝いたし
ますと共に、適宜修正したいと思います。  
十三間四方岩(扇岩)に行き当たる

 分岐からはすぐに絶壁に行き当たるが、そこには十三間四方岩(扇岩)が鎮座している。昭文社・山と高原地図「六甲・摩耶」内の「ロックガーデン」の地図で、この周辺で唯一表記されている
ことから自分としてはランドマークに設定していた巨岩である。最近までこれが十三間四方岩(扇岩)と知らなかったが、「摩耶山さん歩」てるみさんから情報提供をいただきました。m(__)m
この写真はこの岩が十三間四方岩(扇岩)とは知らずに、運良くたまたま撮影したものである。

 また柴田昭彦様のご指摘によると、十三間四方は一辺が23m※ほどの大きさを表し、現在周囲にはそれ程大きい岩は現存していません。
以前はあったのか、震災時に失われたのか不明ですが、どちらにしても十三間四方ほどの巨岩が存在しないのは残念なことです。
今後、山と高原地図など諸情報を考慮して、この巨岩に関して必要な修正を行っていきたいと思います。

※ 一間 = 1.8m 



 深い芦屋川の渓谷を挟んで、東側にごろごろ岳の大きな山容がよく見える。ここからだと奥池周辺の住宅街が目立たないので、ごろごろ岳が最も立派に見えるスポットかもしれない。
そして足下は本当に絶壁になっておりスリル満点。大展望は楽しめるがくれぐれも要注意。
 ところでナマズ岩が元々あった「ナマズ溜まり」と言われる場所はこの辺りではないだろうか。ここからなら現在のナマズ岩の場所まで一直線に斜面を転がり落ちることが出来そうだが・・。
震災から既に10年以上経過し、岩が転がって木々をなぎ倒した跡を観察することは既に不可能だ。「ナマズ溜まり」は危険だから近づかないようにという情報を得たこともあるが。
ここも危険といえば危険だが・・。

 スリル満点の十三間四方岩からの大展望を楽しんだ後、再び元の分岐まで戻って岩場巡りを再開する。
ほんのしばらく森歩きが続くが、すぐに再び岩場に突入できる。記憶通りに2部構成になっている。



9:04 十三間四方岩(扇岩)周辺の広い岩場

 この広がりのある岩場の景観を求めて登ってきたといっても過言ではない。ここの景観を広角レンズ(10-22mm)で撮影したかったのだ。
ロック・ガーデンの見どころの一つとして素晴らしい魅力を持っていると思う。たまたま前回と同じく5月の来訪となり、前回同様にたくさんのくまんばちが出迎えてくれる。

 岩場の間を散策しつつ、休憩に適したところを探す。最初木陰の下で腰掛けてオカリナを吹いていたら、腕に毛虫が落ちてきた。
自分のオカリナの音でびっくりしたのだろうか。そういえば自分は高音域(高いドより上)を吹くのが苦手なのである。



 結局日当たりが良い岩の上でしばしオカリナを吹いて楽しんだ。人様に聞いてもらうほど上手くはないし、コンサートをやっているわけでもないので、いつも極力人気の無いところで吹くが、
演奏中にたまたま他の方が歩いてこられることがあったら驚かれることもあるかもしれないがご容赦いただきたい。



 オカリナを吹きながら眺めていた景観。まさに空中庭園の趣がある。もっとじっくりと岩場を巡ってみたかったが、日差しが強くてとにかく暑くなってきた。
岩場の散策はもっと涼しい時期に行うことにしよう。身支度をしてそろそろ出発することにする。



荒地山山頂付近から西方の景観

 そろそろ岩場が途切れようとしているところからは間近に荒地山が大きく眺められる。前回、荒地山から何の予備知識も無く下ってきていきなり目に飛び込んできたので、自分にとって印象的な
景観となっている。そして荒地山から鷹尾山へ至る城山尾根の全貌の雄姿を眺められる好展望スポットだ。岩の足場はあまり良くなく、飛び石伝いに辿るといった感じで縁に出る。
 今日は霞んで遠望はもう一つだが、そのうちまた違う季節に再訪することにしよう。




9:36 十三間四方岩(扇岩)周辺の岩場を出発

 今日の第一のハイライトはここで終わり、トラックは再び森歩きとなる。この区間、芦屋ゲートへ抜けるトラックと合流するまで高低差は殆ど無い。
森を散策する優雅な気持ちで歩ける。取り付きから見どころ満載だった道畦谷北尾根は穏やかな雰囲気に包まれてフィニッシュを迎えることが出来る。

 ところでこの森歩きの区間で弁天岩へ下降するトラックが分岐しているのに気付いた。ここからも弁天岩へ下ることが出来るのか。
ここも荒地山へのルートの一つだとするといずれは辿らなければならないと思った。



9:44 荒地山へ通じるメイントラックと合流

 楽しかった道畦谷北尾根のトラックはここで終点。前回も思ったことだが、道畦谷北尾根は自分にとって六甲の尾根ベスト3に間違いなく入ると思う。
前回、間違ったと分かった時は驚いたが、リトライが終わった今となっては、荒地山にとても良い経験をさせてもらったと山に感謝したい思いだ。

 ところで、こういった自分の失敗を取り返す場合に、よく「 リベンジ revenge 」という言葉が多用されるが、これは「復讐する」という意味である。復讐は中村主水ら仕事人に頼むものであって、
日常的に使う言葉ではない。この場合は「 リトライ retry (再び試みる)」が適当ではないかと思う。最近、似た言葉で「再チャレンジ」をよく聞くが、これは「美しい国」とか国民に耳障りの良い
キャッチコピーばかりを聞かせて、選挙だけを当て込んだもので自分は拒否反応を起こす。「ナントカ還元水」のような簡単な問題でさえ、「適切に処理」出来ない現政権が格差社会の是正など
といった難題を解決できるわけがないと思う。「適切」の言葉本来の意味が逆転する今日この頃だし、もっと言葉と行動を一致させてほしいと思うのは自分だけだろうか。



 話を合流点に戻す。

 相変わらず北尾根を示す道標が無いので、以前の自分のように知らない方が通り掛ってもこれではメインルートから外れにくいのではないだろうか。
但し、前回と違っているところがあった。芦屋市が設置していた「当分の間閉鎖します。云々」と書かれていた案内板は少しこの分岐より手前のところに倒されて放置されていた。
とりあえず閉鎖は解かれたということだろうか。

 自分はまだ芦屋ゲートへ下ったことがないが、それはまたの機会に譲るとして今回はとりあえず西へ向かう。



9:58 城山尾根分岐付近のリョウブ?の大木

 昨年も思ったが新緑の美しさを再認識させてくれるスポットだ。自分は今まで紅葉が最も好きだと思っていたが、最近は新緑も悪くないと思えるようになった。
自分はとにかく暑がりである。後に控える季節が冬か夏の違いで、精神的影響があったのであろうが、山歩きは自分の主観や感覚すら変える力があるということだろうか。

 前回、驚かされた城山尾根との分岐を直進。ミヤコザサの間のトラックを緩やかに登ってほどなく荒地山山頂に到着する。
立ち止まらずに歩いたら、荒地山山頂から道畦谷北尾根への分岐までの所要時間はごく僅かだ。


10:18 荒地山山頂 (549m) 到着

 ルートを間違った前回とは違って、今回は満足感に包まれて小休止をとる。前回は気が回らなかったが、今回は山頂の広間に散在するゴミを回収してまわった。
相変わらず飴などを開封する際のビニールの切れ端、そしてタバコの吸殻が多い。自分は大の嫌煙家であるが、周囲に人が居ない受動喫煙の可能性が無い状態では
喫煙者の「自己責任」で吸ってもよいと思う。しかし、吸ったタバコは当然携帯灰皿に入れて持ち帰ってもらうのが大前提だが。

 国はタバコ税を重要な財源としている一方で禁煙治療で健康保険適用にするなどしている。ここに大きな矛盾を感じるのは自分だけだろうか。


 数分で荒地山山頂はゴミ一つ無いきれいな山頂になった。また心地良い達成感が加わった。いつもきれいな状態ならいいのだが。



10:32 荒地山山頂出発

 ここからしばらくは前回と同じルートを辿る。霞んでいるのでなかみ山西の岩場は今回はパス。一路魚屋道を目指す。


 魚屋道へ出ると前回とは逆に南方を目指す。打越山分岐を目指すが、この僅かな距離の間に多くの方々とすれ違う。ちなみに荒地山で出会った人数は山頂付近で1人だけだった。
いつも思うのだが魚屋道の人気の高さはすごい。



10:37 打越山分岐

 ここから魚屋道を離れて、西の打越山を目指す。尾根伝いに小刻みにアップダウンを繰り返しながらの静かなルートだ。
少し西へ進むと、先ほどまで居た荒地山が木々の間から見える。東の十二間四方岩周辺から見るのとはまた違った雰囲気だ。


 歩き慣れたルートゆえにウォーキングに集中する。静かなルートではあるが、今日は数組のパーティーとすれ違う。
皆さん、暑さを避けて木陰の多いルートを辿ろうと、自分と同じ考えなのかもしれない。今日のような日照りの元で、例えば高御位山へ行くとたいへんな目に遭う。(経験あり)



11:08 打越山山頂(480m)到着

 途中で2、3度自分撮りをしたが、魚屋道から30分ほどで広い打越山山頂へ到着。ここへ来るのは久しぶりだ。展望は皆無だが木陰で涼しい。今日はここで昼食にする。
到着時には誰も居なかったが、そのうちに3組のパーティーが到着。一気に賑やかになった。今日の打越山は大盛況だ。



11:33 打越山山頂出発

 昼食を済ませて出発する。山頂からは一旦北へ辿る。今日は八幡谷を通って下山するので、ここから引き返して打越峠経由で下るのが最短ルートだが、
お気に入りの水平道を通りたかったのである。ということで、打越山を下って西から回り込むルートをとる。五助ダム方面への分岐を見送り、水平道へ下る。


11:43 水平道(森林管理道)へ出る (右)

 打越山南山麓の水平道は以前西向きに歩いたことがある。今回は逆向きになるが、東へ向けて歩くと殆ど登りが無い非常に快適な散歩道に早変わりする。



新緑、そして様々な花々で賑やかな水平道を東へ歩く (左)

 自分が花々の陰に隠れてしまったがまあ良しとしよう。暑がりの自分にとって快適に歩けるぎりぎりの気温だったと思う。



11:59 巡視路にて八幡谷へ

 地形図「西宮」では打越山の南を2本の送電線が通過しているが、その南側の送電線が屈曲する辺りに分岐を発見。(右)
写真では分かりにくいが右奥に鉄塔が見えている。巡視路ではあるが、地形図にも破線道が記されているし、分岐の道標にも表示がある。
記憶では八幡谷への分岐は何箇所かあったような気がするが、とりあえず今日はこの巡視路を下山に利用することにする。



 巡視路は途中まではほどほどの下り。通過する人は少ないようで、梢の先が時折体に当たる。それでも踏み跡は明瞭で迷うことはない。
途中までは尾根を下るが、ある程度下ったあたりで東山腹へ向きを変えて下っていく。この辺りはけっこう急斜面になっている。(左)



12:10 水平道へ向かう別のトラックと合流する。(右)

 合流してきたほうが踏み跡がはっきりで広かったから、あちらのほうがメイントラックなのだろうか。



 地形図では八幡谷まで等高線の混みあったかなりの急斜面で、どのようなトラックが待ち構えているのかと思ったら、写真のようなジグザグ道で楽に下ることが出来た。
破線道は真っ直ぐ八幡谷まで下るように描かれているが、実際にはジグザグのおかげで緩やかに下ることが出来る。
 周囲はうっそうとした植林帯になっているが今は木陰がありがたい。



12:24 山の神分岐に降り立つ

 金鳥山方面から下ってくるトラックと合流すると、目の前には山の神の祠がある。深江山の神と違って、トラック真横で丸見えなので見落とすことはないだろう。
偶然かもしれないが、木漏れ日がスポットライトのように祠を照らしていて、自然のスタジオのようになっていた。自分は目に見えるものしか信じないが、神々しい雰囲気とはこういうものだろうか。



12:28 山の神前で一息付いて、八幡谷下山を再開



 山の神のすぐ下で分岐がある。結果的にすぐに合流するが、この時は旧道を選択。荒れておらず明瞭なトラックが続く。(左)
ほどなく堰堤のすぐ横を通過した。堰堤を通過した後で新道が合流してくる。新道だと堰堤をより高く巻いているのだろうか。
この堰堤を最初に八幡谷はいくつかの堰堤が設けられているようだ。変化には乏しいが快適な散歩道といったところだろうか。

 堰堤を過ぎると山腹道が続き、徐々に高度を下げていく。何個目かの堰堤を通過した後、ようやく谷底が見えるようになったと思ったら、全く水が流れていなかった。
しかし渓相は深くえぐれており、かつては水量が豊富だったのではないだろうか。

 下りが一旦終わったところで、谷の左岸へ渡る橋を発見。周囲は祠が点在する行場のようなところだった。
橋を渡ったところには社がある。そして社の横を奥へ進むとそこには「八幡滝」が。



12:49 八幡滝

 残念ながら水量は本当に少なく、ちょろちょろとしか水が流れていない。これで水量が豊富ならけっこう見応えのある滝だっただろうが・・。
堰堤によって街は安全になったかもしれないが、八幡谷は渓谷としては既に死んだのかもしれない。


周囲は深い谷底に位置しており薄暗い。ひんやりした空気で初夏の陽気の今日は居心地がとても良い。岡本の街のすぐ側にこのようなところがあったとは驚きだ。
木漏れ日のスポット近くの岩で腰を下ろして小休止をとる。街のすぐ側にあるうえに、下山の途中だから全く疲れておらず休憩の必要は無かったが、静かに時を過ごしたくなるような場所だった。


12:55 ひっそりとした八幡滝の行場を出発

 八幡滝より下で渓谷はより深さを増す。山腹道は高度感抜群で、布引の滝の周遊路を想起させるほどだ。但し谷底には全く水が流れていないために写真を撮る気にはなれなかった。


13:05 八幡谷入り口到着 (左)

 不意に明るくなったと思ったら車道に出た。初めての八幡谷であったが、あの静かな行場を見ただけでも通って良かったと思う。
入口付近にはきれいな花がけっこう咲いており、広角レンズではあるが珍しくセミマクロ撮影を試みた。(ホコリが混入するのを嫌って、出来るだけ山行中は広角ズームで通すことにした)
絞りを開放(F3.5だが)にして出来るだけ被写界深度を浅くしてみた。(右) やはりマクロレンズが欲しくなってしまう。


13:30 JR摂津本山駅到着

 阪急岡本駅が最寄だがあまり距離が離れていないので、手持ちの定期券を有効利用できるJRまで歩いた。
岡本周辺は便利な立地条件だなといつも思う。



 そろそろ春山とはいえなくなってきた。次回辺りからは天候によっては沢歩きも考えてみよう。


今日の行程の断面図です




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