「紅葉の荒地山」 荒地山城山尾根〜打越山 07年11月21日(水)
国土地理院地形図:25000分の1「宝塚」、「西宮」を参照してください。 国土地理院地形図:10000分の1「芦屋」があると更に楽しめます。 11日の六甲縦走後初の山歩きは、約半年ぶりに荒地山を選んだ。この日と翌日は連休で、本当は比良か北播方面へ遠征したかったが、 冬型の気圧配置のために北へ行くほど天気が悪くなりそうな気配。こういう時は近い六甲に限る。 ただ、南部でも曇りがちの天気予報だったが、予想外に天候は好転して気持ち良い青空の下での山歩きを満喫することが出来た。 晴天の山歩きは約1ヶ月前の武奈ヶ岳以来だった。 約半年前には「道畦谷左俣東尾根」、「道畦谷北尾根」を経由して荒地山を目指したが、今回は城山尾根を通るベーシックなルートを選んだ。 このルートは個人的に久しぶりで約2年ぶり。しかも前回同様に澄んだ青空となった。城山尾根と自分との相性は良いようだ。 6:10 JR芦屋駅出発 ラッシュ手前の頃に芦屋駅に到着。ようやく薄明るくなってきたところを鷹尾山登山口目指して街路を歩く。 途中で食料補給のために阪急芦屋川駅南のローソンプラスに立ち寄る。ローソンまで高級感が漂っていて芦屋はすごい町だと思った。 阪急の高架を潜って芦屋川沿いに北上。坂道が始まる公園前まで歩いたところで暑くなってきたので1枚インナーを減らす。 高座の滝へ向かう道をしばらく登り、鷹尾山の案内板を見て右折する。 案内板にはこれから登る鷹尾山の歴史の概略が書かれている。なお、鷹尾山は城山でも通用するようだが、ここでは地形図に記載されている鷹尾山で統一する。
応仁の乱の頃には鉄の結束で東軍の中核を担った細川京兆家だったが、戦国時代に入ると他家の多くの例に洩れず一族争いに明け暮れていた。 一時は将軍も意のままに操ったほどの権勢を誇った細川高国だが、僅か半世紀後には細川家そのものが家臣の三好、そしてその被官の松永らによって 没落する運命にあるとは考えもしなかっただろう。 |
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6:45 鷹尾山登山口 案内板のある角からやや狭い道路を緩やかに登っていくと程なく鷹尾山登山口に到着。ようやくここで舗装路から開放される。 もう大分体は温まっていたが、ここで準備運動を済ませていよいよ鷹尾山へ登り始める。 鷹尾山への登りは大部分が緩やかな山腹道で非常に快適。但し、殆ど眺めが無いのが残念だ。 |
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しばらく登っていくと北方の視界が開けて、鷹尾山山頂とアンテナを間近に見上げることが出来る。 鷹尾山は登山口から山頂までの標高差は140m程しかないので普通に歩けば30分と掛からずに山頂に辿り着けると思う。 朝焼けの木漏れ日を浴びながら登るのは最高に気持ちが良い。家の近くにあれば毎日でも登りたくなるだろう。 |
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7:05 鷹尾山南山麓の展望地到着 山腹道を緩やかに登っていくと、不意に視界が開けて街を見下ろすことが出来る。澄んだ空気で景観もとてもきれい。 しばらくこの清清しい景色を眺めて小休止をとることにした。広角ズームでは画角が広すぎると感じたので標準レンズに付け替えて撮影。 7:23 南山麓の展望地出発 いつの間にか15分ほども滞在してしまった。今日のルートはこの後も大展望が待っているので先へ進むことにする。 トラックは相変わらず緩い登りの山腹道が続く。記憶通りに終始雑木に遮られるので、登りの途中で景観が開けるのは前述の箇所たった1つ。 |
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7:34 鷹尾山山頂 (263m) 程なくサンテレビとNHKのアンテナ施設のある鷹尾山山頂に到着。アンテナ施設に占領された南面が遮られるが、なかなかの景観が楽しめる山だ。 ここからが今日のハイライトとなる城山尾根が始まるが、その前にとりあえず一息付いていこう。 サンテレビはかつて阪神ファンだった90年代初めまではよく見ていたが、最近はさっぱり見なくなった。 今オフは背骨となる存在の新井まで引き抜かれて、新球場が完成してもこれからカープはどうなるのだろうと一ファンとして行く末を案じている。 殆ど生え抜きでそれぞれのチームが戦った80年代までが最もプロ野球が輝いていた時代だったなと追憶する。 ところで鷹尾山は南北に長い山頂を持っていて、南端のこの位置よりも送電線の下をくぐった北側のほうが幾分標高が高いようだ。 地形図(25000分の1)には263m標高点が記されているが、10000分の1のほうを見ると北側のピークに272mと鷹尾山の山名の記載がある。 一つ標高を記すとすればそちらのほうが正しいのかもしれないが、実質的に双耳峰になっているようだし、展望を得られるのは南側のみなので263mでも良いと思う。 |
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鷹尾山山頂からは東側も窓が開いていて、大阪平野の景観も眺めることが出来る。 2年前のレポにはこちら側の景観には触れておらず、以前は木で覆われていたのかもしれない。 ごろごろ岳越しに見える甲山が印象的だった。 |
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鷹尾山より大阪湾の景観 紀淡海峡まではっきりと見通すことが出来た。このように澄んだ空気の中で歩くのはいつ以来だろう。いつにも増して素晴らしい眺めだ。 |
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芦屋ロックガーデン 地獄谷、高座谷を挟んで芦屋ロックガーデンの岩稜が間近に見える。そういえばしばらくあの辺りは歩いていない。 鷹尾山山頂にはベンチが置かれていて、上記のような景観を座って眺めることが出来る。 しかしまだ行程は序盤なので、小休止も程ほどにして出発することにした。 7:50 鷹尾山山頂出発 いよいよ楽しい城山尾根の始まりとなる。とはいっても鷹尾山はかつて山城があったことを裏付けるように頂上付近は広くてなだらか。 しばらくは森歩きのような雰囲気の中を歩いていく。 |
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鷹尾城の土塁跡? 鷹尾山山頂の中で続くトラックは小刻みにアップダウンを繰り返しながら北へ伸びている。 そこでは堀切、土塁と思われる遺構を見ることができる。戦国時代のものかどうか断言は出来ないが、山城跡の風情は残していると言えるのではないだろうか。 歩き始めてすぐに送電線の下をくぐる。トラック東側には送電線鉄塔が立っていて、そちらのほうに送電線巡視路が分岐している。 以前、弁天岩方面へ芦屋川沿いを歩いたことがあるが、その時に下の入り口を見つけている。使うことはまず無いであろうけど、覚えておいて損はないと思う。 |
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327mピークを北に見て240m+コルへ下る しばらく南北に長い鷹尾山山頂を歩いていくと、不意に視界が開けてトラックは下りに掛かる。 城山尾根はここに始まり何度か登り下りを繰り返して荒地山へ達する。 送電線鉄塔の立っている辺りが次の目標となる327mピーク。写真で見ると標高差が誇張されるが、実際には約20m下って80mほど登るだけ。 先日の六甲縦走に比べたら、造作もないアップダウンだ。 |
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8:05 高座滝出合 (240m+コル) 鷹尾山から少し下って240m+コルへ降り立つ。コルからは高座の滝へ通じるトラックが分岐する。 地形図を見ると高座の滝との標高差はたった40m。あっという間に滝まで降りることが出来るようだ。 なおこの出合のすぐ横には展望の広がる岩場があるが、早く行程を進めたいので今回は割愛する。 |
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鷹尾山を振り返る 240m+コルからしばらく登り返していくと、また視界が開けた。先ほどまで居た鷹尾山をほぼ同じ高さから眺める。 鷹尾山山頂は殆ど平らになっていることが、この角度から見るとよく分かる。 鷹尾山を眺めた後、327mピークを目指して登りを再開。それほどハードなところもなく楽々と登っていくことが出来る。 |
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8:22 327mピーク通過 今日2本目の送電線をくぐった直後、327mピークを通過。鷹尾山ほどではないがなだらかでそこそこ広いピークだ。木々に覆われて展望は全く無い。 しかもピークといっても広場も何も無いので、意識していないと単なる通過点にもならない。 |
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327mピーク北端から3本目の送電線を眺める 南北に広い327mピーク北端からは3本目の送電線を見ることができる。 ここからトラックは再び下りに転じ、310m+コルへ10m足らず下った後、送電線鉄塔の立っている370m+地点へ約60mの登りとなる。 荒地山を前にして、アップダウンという表現が許されるのはここが最後と思われる。 |
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8:28 奥高座出合 (310m+コル) 327mピークからすぐに310m+コルへ降り立つ。ここからは奥高座へ降下するトラックが分岐している。 後で岩梯子で出会った地元の単独男性ハイカーの方によると、奥高座の滝よりは下流に降り立つという。 谷までの標高差は約5、60mほどのようだ。高座谷は自分は未踏で手付かずのまま。やはり初めての高座谷は水量が豊富な時に歩きたいと思っている。 310m+コルからは、先ほど眺めた3本目の送電線鉄塔まで約60mの登り。でもここでもさほど急なところは無く、楽々と登っていくことが出来る。 やはり道畦谷周辺の尾根道を経験した後では、城山尾根は快適な散歩道という感触がする。 |
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8:37 370m+地点を通過 3本目の送電線をくぐる370m+地点から荒地山へ取り付くまで緩やかな尾根がしばらく続く。この辺りが城山尾根の中でも最も快適な区間かもしれない。 この緩やかな尾根上では、東から登ってくる踏み跡がないか意識して観察しながら歩いた。自分は未踏だが道畦谷南尾根にもトラックがあるという。 地形図から判断してこの辺りで合流するのではないかと予想してみた。その踏み跡かどうか確信は持てないが、平坦な尾根の途中で1箇所東から合流してくる踏み跡を発見した。 また道畦谷周辺を踏査してみたいと思う。 |
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8:49 荒地山を見上げる しばらく殆ど高度を上げないまま歩いていくと、いつの間にか目前に迫った荒地山が北にそびえているのが目に飛び込んでくる。 |
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荒地山 今日のハイライトとなる荒地山の岩肌が目立つ南斜面を眼前に見上げる。荒地山山頂は展望の無い森の中のピークであり、 最大の見どころは登路となるこの南斜面の標高差約100mの範囲に集約されていると言えるだろう。 なお、荒地山山頂は奥まった位置関係にあって、この写真には全く写っていない。 荒地山を見上げた後で、勇んで2年ぶりとなる岩場に挑む。天候も2年前の再現となる快晴でデジャヴを覚える。 |
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荒地山への登りが始まる 急に岩が目立つようになってきたら、いよいよ荒地山に取り付いた合図。2年前もここで撮影をしたことをはっきりと覚えている。 ここから混んだ等高線を裏付けるようにいきなり急坂となる。しかし楽しい岩登りが織り交ぜられて全く苦にならない。 ここではっきりと思い出した。急坂が始まるとすぐにあの有名な岩梯子へ到達することを。 |
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9:00 岩梯子 2年ぶりに岩梯子を登る。写真では難所に写るが、足場はしっかりしていて楽しく登ることが出来る。 ハシゴのすぐ横にある岩梯子の標識が2年前のと違って更新されていた。
ただ、しゃれっ気だけで名付けたのではなかったようだ。 岩梯子を登りきったところで、登ってくるところを上方から撮影したいと思ったが、 難所のために10秒で撮影位置に付けなかったので断念した。こういうところではリモートコントロール装置が必要だった。 そうこうしているところに下から前述の軽装の単独男性ハイカーが登ってこられた。 地元の方で雨天と週末を除いてほぼ毎日岩梯子まで登ってこられるという。今日はこの後高座谷を経由して降りられるとのこと。 しばらく山談義を交わした上で、再び岩梯子を用心深く下って降りられていった。 今日、荒地山で出会った方はこの方を含めて2名のみだった。 9:19 岩梯子出発 岩梯子とその周辺の景観を楽しんだあと、岩場歩きを再開する。 周辺は迫力ある巨岩が点在しており、どんなに急な登りでも楽しく登れてしまう雰囲気を持っている。 |
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見上げるばかりの巨岩の中を登っていく。岩によってはボルトが打ち付けられていて、ロッククライミングゲレンデとして使われていることを窺い知ることが出来る。 自分は全く未知の世界だが、やってみたら面白いだろうなと思う。 |
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新七右衛門くらの通過に掛かる 前述の写真から僅かに登ったところの岩棚から撮影した。行く手には岩の間に穴が開いていて、ザックを外さないと通れない「新七右衛門くら」が待っている。 ちなみに反対側には旧七右衛門くらと思われる形跡を見つけた。今では埋もれていて通過不可能だが、かつては通り抜けられたような雰囲気があった。 阪神大震災によって荒地山の様子も大きく変わったようだが、あの地震が早朝ではなくもし昼間に起こっていたらもっと被害が大きくなっていたに違いない。 |
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新七右衛門くら前から大阪湾を見下ろす 新旧七右衛門くらの岩場を両側に挟んで、さながらゲートのような空間から大阪湾を見下ろす。 まさに自然によって造形された展望テラスであって、個人的に荒地山の中でも特にお気に入りの景観スポットになっている。 日が当たると暖かく、そして少し奥まっているので風も和らげられる。夏ならただ暑いだけだろうけど、今の時期ならばこれ以上に快適なところはないかもしれない。 |
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9:42 新七右衛門くら通過 岩のテラスからの展望を楽しんだ後、いよいよ新七右衛門くらの通過に掛かる。 一度試してみたが、やはりザックを背負ったままでは体が通らなかった。でも身一つになると楽々と余裕で通り抜けられる。まるで天然のアスレチック施設だ。 ところで荒地山には悪行を働いた七右衛門という男が、山の神の怒りに触れて岩場に打ち付けられて死んだという伝説がある。 今の世は七右衛門もびっくりの諸悪がはびこっていると思う。癒着に贈収賄ともうべちゃべちゃに汚染されている状態を見ると、まじめに税金を払うことは本当に無意味だ。 諸問題の根本を辿ると、自民党が政権に長く居座り過ぎたことに尽きるのではないか。 |
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新七右衛門くら上の岩場で滞在 穴蔵をくぐった後、その上の岩場でザックを下ろしてお待ちかねの休憩タイムをとる。 風景写真の撮影や、食事、そしてオカリナを心行くまで吹いて、快晴の荒地山での一時を満喫した。 ここで滞在中に年配の単独男性ハイカーが手ぶらで軽々と登ってこられた。 足取り非常に軽く挨拶を交わすとどんどん登られていった。ここを毎日歩いていたら足が衰えることはないのではと思う。自分もかくありたい。 |
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荒地山から南方の景観 最初に登った鷹尾山を遥か眼下に見下ろす。ここから見ると本当に低山と感じる。 |
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荒地山から西方の景観 風吹岩と、魚屋道のある尾根が高座谷を挟んで間近に見える。 10:20 新七衛門くら付近の岩場を出発 滞在時間約35分で出発する。2年前の記憶を手繰り寄せると、もうまもなく展望の岩場歩きは終わる見込み。 |
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新七右衛門くらからまだしばらくは岩場歩きが続く。時には部分的にロープが設けられていたりする。 岩場の各所ではロッククライミングゲレンデを結んでいると思われる枝道が時折分岐しているようだが、 とにかく登っていればいずれ荒地山山頂へ到達出来ると考えて支障はないと思われる。 |
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まだまだ巨岩が折り重なる荒地山南斜面 まっすぐ上へ歩いていくとすぐに岩場が終わってしまいそうなので、ちょっと寄り道もしながら歩いた。一帯はまさに巨岩が演出する空中庭園の趣がある。 この辺りで意識していたことは、道畦谷左俣東尾根のトラックとの合流点を発見すること。 半年前、道畦谷北尾根を登ってきたつもりが、実は道畦谷左俣東尾根を辿っていて、荒地山山頂東の分岐に着くまで気が付かなかったことがある。 このことから城山尾根と道畦谷左俣東尾根の両トラックがどこかで合流していることは明らかだった。岩場の上部でそれらしき合流点を発見。 一度ここから下っていけば確実に特定出来るだろうけど、それはまたの機会にするとして今日は登っていく。 |
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10:34 展望の岩場を抜けて樹林の山頂へ 楽しい楽しい岩場歩きはここをもって終わり、落ち着いた雰囲気の森に覆われたトラックに様変わりする。 ここから荒地山山頂までは約40mの標高差を実に緩やかに登りながら近づいていく。荒地山山頂付近はさながら高原のような地形で、肩に乗ればもう山頂に到達したも同然だ。 |
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10:40 荒地山山頂東にて 荒地山山頂東の分起点横には自分がいつも目に留まるそこそこ大きな木がある。 5月の新緑の時にも目を楽しませてくれたが、この黄葉もまた最高だ。周囲の木々も含めてかなり葉を落としたからだろうか、 新緑の頃に比べてかなり明るい雰囲気となっている。もう少ししたら完全に落葉して冬の装いになるだろう。 |
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黄葉を楽しんだ後、分岐を山頂方面へ進む この分岐からはすぐに荒地山山頂へ到達するのだが、現在ちょっと残念な事態が発生している。 原因は不明だが分岐の道標が無残に折られてぶら下がっていた。イノシシのせいと考えたいが、いずれにしても更新の必要があるだろう。 10:45 荒地山山頂(549m)通過 上記の分岐からすぐに荒地山山頂へ到達。本日の行程中最高地点となる。 通過中のショットを撮影しようと思ったが、その準備中に至近距離でオオスズメバチが飛んできたので中止した。 秋が深まってきたからか、かなり動きが鈍っているように感じられたが注意するに越したことはない。 結局、今日の行程中見かけたオオスズメバチはこの時の1匹だけだった。 |
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10:52 なかみ山(536.7m)付近の岩場 展望の無い荒地山山頂に代わって絶好の展望スポットになっているなかみ山付近の岩場に到着。 5月に新緑に覆われた頃に訪れて以来となる。風が思いっきり吹き付けてきて寒いが、ここからの景観も特にお気に入りとなっている。 |
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なかみ山から眺める六甲山系の景観 打越山域と六甲主脈が織り成す特に好きな景観である。紅葉の見頃にはもう一息のようだ。 遥か西には須磨アルプス辺りの山々も見えている。あそこから右手に見える主脈を先日縦走したことを考えると、今改めて達成感が湧いてくる。 |
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なかみ山から眺める東西お多福山と六甲主脈の景観 ここは東西に長い六甲山系を見渡すことの出来るユニークな展望スポットだと改めて思う。 六甲主脈の手前に黄緑色の草原が広がる東お多福山がよく見える。この景観に誘われて2年前は東お多福山へ足を伸ばしたが、 今日は打越山方面へ行くことを考えているので遠望するだけに留める。 |
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なかみ山から大阪湾の景観 以上、約270度の景観を楽しめる素晴らしい展望スポットだ。 11:00 なかみ山の岩場出発 いつまでも居たくなるところだが、じっとしているととにかく強風で寒いので出発することにする。 岩場からは先日の縦走路の塩尾寺への下りを思い起こさせるような荒れた下りを経て、魚屋道周辺の森へ下っていく。 森の中は強風から守られて、おまけに木漏れ日もあってほっとする空間だ。 |
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森の中の集会所?前を通過 このミニストーンサークルを通過したら程なく魚屋道へ。その前にこの岩のベンチを活用して小休止をとった。 11:14 魚屋道へ出る 魚屋道を少し南へ登り返して、打越山方面へ右折する。今日もこの僅かの区間で数組のハイカーとすれ違う。魚屋道はいつでも人気のあるトラックだ。 ロックガーデンから有馬温泉へ抜けて入湯する、というのが六甲のポピュラープランなのだが、今くらい冷え込んできたら温泉に入って帰宅するのは気持ち良いかもしれない。 |
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11:20 魚屋道を離れて打越山方面へ しばらく登り返すと大きな案内板の設置されている分岐に辿り着く。そこからは打越山域へ向けて再び静かな尾根歩きの区間となる。 時折、黄葉、紅葉を楽しみながら、殆ど高低差の無い尾根を快適に歩いていく。考えたら今日の行程はアップダウンが少なかった。楽をし過ぎたかも。 |
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全体の中ではごく部分的ながらも、今が最盛期となっている紅葉も見ることが出来た。 11月上旬までは殆ど冷え込みもなく、紅葉の遅れが予想されていたが、意外にも帳尻を合わせてきたのかもしれない。この分だと落葉も早まりそうだ。 そして冬の訪れも。 そして間もなく七兵衛山分岐。そうだ、今日のような澄んだ空気の日にこそ再訪しておこうと思い立ち、寄り道していくことにした。 分岐からは10分も掛からずに七兵衛山山頂に到達する。 |
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11:48 七兵衛山山頂(462m)到着 期待通りの素晴らしい景観が待っていた。今年の4月に一度訪れたことがあるが、その際は春霞でさっぱりだったので、まともに景観を楽しむのは今回が初めてとなる。 陽だまりが心地良いと感じられるこの時期には、あまりに居心地が良過ぎる?山頂だ。本当に時間が経つのを忘れてしまいそうなほど居心地が良かった。 ちょうど昼時だし、混んではいなくともどなたかは居られるのではと思ったが意外にも誰も居なかった。 昼食を摂った後、今日2度目のオカリナを楽しんだ。 ところで七兵衛山の山名が気になっていたのだが、荒地山の七右衛門伝説と偶然にも「七」つながりだが何か由縁でもあるのだろうか。お互いに近い山だし・・。 あったとしても民間伝承の類なような気がするが、こういうことを詮索しだしたら好奇心旺盛な自分には気になってしょうがない。 |
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有志の方によって素晴らしい整備がされている七兵衛山山頂 このようにきれいに手入れがされている七兵衛山山頂だが、やはりゴミは少ないとはいえゼロではなかった。 ここを手入れされた有志の方に敬意を表する意味でも、ゴミを全て回収していこう。 |
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12:20 七兵衛山山頂出発 約30分の滞在で充分満足して出発。登ってきた小道を元の分岐まで戻る。 途中で打越峠方面へ下りそうな分岐を見つける。まず間違えないとは思うが、うっかり誘われないように気をつけよう。 |
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12:25 七兵衛山分岐 七兵衛山山頂から5分で元の分岐まで下り付いた。ここから打越峠、打越山へ向けて西進を再開する。 この良い時期にけっこう大勢の方が歩かれているのではと思ったが、打越山山頂に至るまで自分以外に全く人影が無かった。 |
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12:27 打越峠通過 (430m+) 七兵衛山分岐からはすぐに打越峠に到着。八幡谷、そして黒五谷方面へ続くトラックと交差する峠らしい峠だ。 先日、【摩耶山さん歩】のてるみさんから黒五谷についてご紹介を戴いているものの、この後は水平道(森林管理道)を歩く予定なので 大きく遠回りを強いられることを避けてまたの機会に歩くことにしたい。 打越峠から打越山へは標高差約50mの緩やかな登りとなるが、この辺りでは植林を中心にしてけっこう倒木が多く目に付いた。 土地が痩せてきているのか、森の管理が追いついていないのか分からないが少々残念な光景だ。 |
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12:38 打越山山頂(480m)到着 打越峠から約10分で打越山山頂に到着。ちょうど昼時なのでどなたかが居られるかと思ったが、ここでも意外と誰とも出会わなかった。 ここも約半年ぶりの訪問だが、しばらく見ないうちにけっこうゴミが目に付く。可能な範囲で回収していこう。 12:47 打越山山頂出発 見渡してゴミが無いことを確認してから打越山山頂を出発。七兵衛山で充分お昼休憩を撮ったので、ここでは休憩はしない。 |
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13:01 水平道(森林管理道)へ 打越山山頂から北西に廻りこむようにして、今日最後のテーマとなる森林管理道(通称水平道)へ降り立つ。 水平道はこれまでにも何度となく歩いているが、意外にも紅葉の季節には歩いたことがなかったので今日はそのほぼ全線を踏破することにしたのである。 しかし、今日の水平道は紅葉には一足も二足も早かった。全体的にはまだ緑が目立つ。 |
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ところどころで秋の風情が漂う水平道 まだ見頃には間があるものの、ところどころできれいな黄葉、もしくは紅葉を見ることは出来た。 やはり水平道はヤマザクラ、新緑、そして紅葉の時期が最もお薦めだと思う。 この水平道はその名の通り、等高線をなぞるように敷設されているトラックであり、地形図で見るよりはかなり距離が長く感じられる。 水平道を踏破するのに比べたら打越山、打越峠の主稜線を辿ったほうがかなり所要時間が短縮されるだろう。 |
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13:21 打越山山頂南の分岐 くねくねと等高線を辿って方向感覚を維持するのが難しい水平道を歩いていくと、すぐ南に送電線の走る四差路の分岐を通過。 北へ登ると打越山山頂付近へ、南は以前一度通ったことのある関電巡視路で、八幡谷へ下ることが出来るトラックだ。 地形図では412mピークを経由して南へ直進して、八幡谷へそのまま下れないような破線道が描かれているが実情と異なっている。 前回歩いた時には何ともなかったのだが、ここの道標も根元から折れて無残な状況になっている。 今日はやたらと壊れた道標を目にする機会が多いなあ。 |
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13:25 打越峠南の分岐 しばらく北寄りに歩くとまた四差路の分岐。北へ登ると打越峠。南へ下ると八幡谷。この打越峠への直登ルートは意外にもまだ歩いたことがないことに気付いた。 一度打越山域を横断して黒五谷へ抜けるプランを組んでみよう。 この分岐を過ぎるとようやく打越山から七兵衛山の南山麓へ移る。道中七兵衛山へ直登出来そうなマイナールートの分岐が目に付く。 なおも方向感覚を狂わせるように始終向きを変えながら歩いていく。 なおこの分岐を過ぎたところで自分撮りをしている最中(思うように撮れずボツにした)に打越峠から3人の男性ハイカーが降りてこられたので 先に行っていただいた。このお三方とはこの先保久良神社上の展望スポットまで、抜きつ抜かれつしながら偶然同じルートを辿ることになる。 |
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13:44 七兵衛山南の分岐 かなり歩いてきたと思ったら水平道では急坂に感じる下りを経てこの分岐に差し掛かる。七兵衛山への取り付きから直に下ってくると辿り着く分岐だ。 以前歩いたことがあるが、落ち着いた雰囲気のなかなか良いトラックだった。 石が整然と並べられて休憩スポットとしても使えるが、今日は日が当たらないと寒いので先を急ぐことにする。 少し歩いたところでは年配の男性の方が道端で木でベンチを作成中だった。挨拶を交わして通過する。 体感だが七兵衛山南山麓は、当山域主峰の打越山以上に懐が深くて、水平道が長いような気がする。 沿道の紅葉は少し見頃まで間がある状態で終始するので、少々飽きが来ていたかもしれない。 くねくねと水平道を歩いていき、そろそろ東の出口が近づいてきたと思ったら、最後に燃えるような見事な紅葉の木が目に飛び込んできた。 |
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水平道最東端で見つけた、まさに見頃の紅葉のモミジ 最後の最後で今日最もきれいな紅葉を見ることが出来た。時折雲に覆われるようになっていたが、日が射すとまさに燃えるような赤が眩しい。 水平道全体が見頃を迎える頃にはもう落葉しているだろうから、このモミジだけはかなり絶妙のタイミングで通り掛ることが出来たと思う。 桜と同じように紅葉も最もきれいな時期はごく僅かということを聞いたことがある。天気や休日との兼ね合いがあるから、タイミングを合わせることは至難の業だ。 今日持ってきたレンズで最も長いのは35mm(1.6倍になるから実質的には56mmの標準レンズ)なので、これ以上寄れない(右)ことが少々惜しまれる。 山歩きの時のレンズ構成は軽量化とのジレンマがあるが、次回までにちょっと再検討してみる必要がありそうだ。 最も便利なのが17−85のズームレンズになるのだが、これが山歩き中常時装着しているとけっこう重く感じる。カバンに投資すると改善されるかもしれないが・・。 ここで紅葉撮影をしていると、先ほど展望スポットで一旦追い抜いた前述の3人パーティーの方々が歩いてこられた。 ここだけはきれいだが、水平道の見頃はいつも遅いと言われていた。いずれ絶妙の時期でまた水平道を歩かなくては。 3人の方をお通ししてレンズを交換したりなどしてもう少し撮影してから出発。モミジの下で10分くらい居ただろうか。 14:15 森林管理道(水平道)東入り口通過 見頃のモミジからすぐのところで長かった水平道の終点、風吹岩から保久良神社へ下るトラックとの出合に到着。 モミジの撮影時までは何とか晴れてくれていたが、いつの間にか冬を思わせる重い雲が空を覆ってきていた。 午前中の快晴は本当に貴重な時間だったことを改めて認識した。 |
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14:25 保久良神社上の展望地 保久良神社上の展望スポットでは前述の3人パーティーの方がそろそろ出発するところだった。今日はよく出会いますね〜、と再び挨拶を交わして一足先に降りていかれた。 雲間から日差しがこぼれてきて、午前中とは全く趣の違う写真を撮ることができた。 特に疲れていないし、じっとしていると寒いので撮影が終わると自分も早々に下山することにした。 |
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冬の趣漂う保久良神社参道 ちらほらと参詣者とすれ違いつつ、駆け下るように保久良神社の参道を歩いていく。葉を落としつつある木と、長い木の陰とが冬の訪れを感じさせてくれた。 数えてみると年内に残された山歩きの回数はあと多くて3回といったところだろうか。昨冬は異常な暖冬だったが、今冬は従来通り山歩きは冬季休戦期に入ると思われる。 |
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14:56 JR摂津本山駅到着 自分にとっては撮影会の時以外には関係無いが、すっかりクリスマスモードに包まれたオシャレな岡本の街を抜けて摂津本山駅に到着。 この時は晴れていたが、この後街もすっかり曇り空になった。良いタイミングで降りてきたようだ。 終わってみれば前日までの「曇り」の予報は大きく外れて、素晴らしい好天の下で歩くことが出来た。今日は珍しく運が良かった。 15:03 JR摂津本山駅出発 曇り空に覆われた六甲の山々を車窓から眺めながら帰途に着く。 シフトと天気の都合上、次の山歩きは12月に入ってからになりそうだから、11月は今日が最後。山歩きをしていると無雪期も早い。
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今日の行程の断面図です。![]() |