「ごろごろ岳で未踏の尾根をつなぐ」 JR芦屋駅〜JRさくら夙川駅 09年4月10日(金)
国土地理院地形図 : 25000分の1 「宝塚」、「西宮」 参考文献 : 山と渓谷社 【六甲山】 P.52 「鷲林寺からごろごろ岳」 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】 1週間前には花見は少し早かった神呪寺から夙川公園だった。ここ数日の陽気でようやく満開になったというか散り始めた模様。 ベストタイミングではないかもしれないが、神呪寺からもう一度同じルートを歩くことにする。 そこまでのルートは3年ぶりとなるごろごろ岳を選んだ。ごろごろ岳へは過去に2度登っているが、芦屋川から登るのは今回が初めて。 正面から登ってみて初めて本当のスケールが分かると思えた山だった。 6:15 JR芦屋駅出発 ダイヤの都合上、阪急でもJRでも山に辿り着くタイミングは殆ど変わらない。ということで自分にとって最も交通費の安くつくJRを利用する。 |
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阪急芦屋川駅周辺の桜 芦屋川ではちょうど見頃の桜を見ることが出来た。北側にはこれから登るごろごろ岳が横たわっている。 登山口となる水車谷へは、芦有ドライブウェイへ通じる車道を登っていく。地形図を見ると登山口の標高は170mくらい。 もうこの芦屋川から山歩きは始まっているという感覚で登っていく。 |
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6:52 水車谷登山口到着 JR芦屋駅から35分くらいで水車谷登山口に到着。道路はこの時間帯はけっこう交通量が多いので要注意だ。 もう既に体が温まっているが、ここでストレッチをして本格的な山歩きに備える。 ところで3年の間に新しい案内板が増えていた。 過去に1回だけとはいえ下りで歩いたことがあるので、すんなりと計画通りに登れると思っていた。 この後少し焦らされることになるとは全く想像していなかった。 7:02 水車谷登山口出発 朝日に照らされて柿谷コース(現地案内板による)を登っていく。 久しぶりの本当の山道はやはり清々しい。山の空気はとても良いと改めて思う。 少しだけ登ると小さな沢を通過。渡ってすぐに分岐がある。実は今回は前回歩かなかった東側のルートを歩くつもりでいた。 現地に案内板は立っているが、右側を示す記述は無い。でも一応確かめてみたら、少し進んだところで踏み跡は消えていた。 ここは素直に道なりに進むのが正解。 |
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7:13 今回、ヤマ場となった分岐 しばらくちょろちょろと水の流れる湿っぽいトラックが続いた後、左手にはっきりした踏み跡が分岐している。 正面にはまだ同じような湿っぽいトラック。左手は明瞭なトラック。3年前の記憶を辿るが既に忘却の彼方に。 結局最後は直感で左側に進んだ。しかし、結論から言うとそれは誤りだった。 |
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コバノミツバツツジがきれいに咲き誇っているが、トラックは以前の記憶には全く無いくらいに険しくて心配になってきた。 おそらくこれは違う初めてのルートを辿っていると感じてきたが、踏み跡ははっきりとしているし、もう少し進んでみて結論を出そうと決めた。 |
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7:28 送電線鉄塔に辿り着く しばらく急坂を登ってきたら、正面に送電線鉄塔。右手には更に上方へ続く踏み跡という局面に遭遇した。 とりあえず現在位置を特定しようと鉄塔に立ち寄る。ほぼ同じ高さで西側に鷹尾山。その鷹尾山の北から伸びてくる送電線の真下に居る、 ということで現在位置がはっきりと分かった。ごろごろ岳の南から水車谷にかけて派生する2本の尾根の西側の1本に乗っていたのだった。 ※ 以降、今居る尾根を便宜上「西尾根」、一つ東の尾根を「東尾根」と表記します。 現在、標高は250mくらい。水車谷登山口からまだ80mほどしか登っていなかった。 これまで先程の分岐へ戻ることも考えていたが、はっきりと尾根に乗ったこと、この鉄塔の手前で更に上へ伸びる踏み跡を見つけたことで この西尾根を辿ってごろごろ岳へ登ることに決定した。尾根は山頂へ向かって収束していくので、尾根の派生箇所での辿り方に気を付ければ問題ないだろうという判断だった。 |
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7:33 網掛けの露岩帯を通過 鉄塔からしばらく登ると、ワイヤーで固定されている露岩帯の尾根になった。 慎重に踏み跡を辿ると、露岩帯を避けるようにして北の森へと続いている。時折赤テープもあって心強い。 |
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西尾根は地形図通りに緩急がはっきりしていて、緩いところは本当に平らだった。 コバノミツバツツジの群生の中に細い踏み跡が伸びている。 なんだか、以前下ったことのあるルートに比べて断然楽しくなってきた。 |
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コバノミツバツツジに彩られた西尾根 おそらく1年のうちで最も華やかな状態に違いない。朝日にも照らされて尾根は非常に明るい雰囲気だ。 東側にはいずれ合流することになる東尾根も見えてくる。ごろごろ岳は実に懐の深い良い山だと感じる。 山頂周辺のことはあえて考えないようにして、良い面を見てあげようと思う。 |
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7:53 明瞭なトラックに合流 東尾根への合流はまだ間があるという頃、不意に明瞭なトラックが西側から合流してきた。 これまでずっと獣道以上、山道未満という感のトラックをワクワクしながら歩いてきたが、なんだか拍子抜けしてしまった。 分岐には「火の用心」という看板以外は案内板は無い。改めて地形図を見ると、弁天岩の下流付近に伸びる支尾根がある。 水車谷登山口以外に、上方にもう一つ登山口があるのだろうか。いずれ確かめてみたい。 |
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明瞭なトラックに合流してからは、特に急な箇所も無く本当に快適な散歩道を歩く感覚だった。 時折、一応コンパスで方向を確認したりしながら歩いていく。西尾根はどんどん幅が広がってきて、 もう尾根歩きという感じではない。 |
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8:06 正規の柿谷コースと合流 これまでも明瞭だったが、再び更に明瞭なトラックと合流する。今度は案内板も設置されている。 これが以前下ったことのあるルート、柿谷コースだ。 2つある案内板のうちの一つに手製の案内が括り付けられており、それによると今まで歩いていたルートは「進入禁止」と書かれており、 踏み込みにくいように分岐には枝が横たえて置かれている。確かに今まで歩いてきたルートは知らずに下るとちょっと危ないと感じる。 これは安全上の措置だと思う。 この分岐からは下ったことのある柿谷コースを登っていく。とはいっても3年ぶりだから殆ど覚えていないのだが。 柿谷コースは全般的に緩いところが多い。場面的に変化に乏しいので結果として飛ばしてしまった。 |
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8:32 東尾根と合流 不意に周囲が明るくなったと思ったら、右手から東尾根が合流してきた。 少し前から目印にしていた送電線もはっきりとその姿を現す。この送電線はごろごろ岳山頂の少し東側を通っている。 景観上の問題はおいといて、これ以上に分かりやすい目印は無い。 鉄塔の下では、東尾根を辿ると思われるルートも分岐していた。今度こそこちらを辿ってみよう。 それにしても、以前からこんなに明るい状態だっただろうか。これほど空が広くなっているところを通った記憶が無いのだが。 分岐のすぐ北には475mピークがあって、見た目にもそれと分かった。でもトラックはピークの少し東を通過する。 |
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東西の尾根が合流すると、山頂までの標高差はもう100mしかない。 ごろごろ岳を東から見ると分かるが、山頂の周囲は殆ど平らな印象だ。 実に緩い気持ちの良い散歩道が続いている。 まもなくNHKの施設を通過。これは覚えている。もう山頂は間近だ。 そして犬に吠えられたことも思い出した。今度はびっくりしないように、身構えつつ歩いていく。 |
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8:54 ごろごろ岳山頂直下の広場 今回は吠えられなかったと思って通過した途端、背後から吠えられて広場に到着。 3年前と違い、広場を囲むようにロープで規制してあることに気付く。 ここを通らないと山頂に辿り着けないので通らせてもらった。 さあ、3年ぶりのごろごろ岳山頂だ。 |
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ごろごろ岳山頂(565.3m) 芦屋から約3時間で山頂到着。盛りだくさんだった登りの疲れを癒すためにも、以前からやってみようと思っていたことを実行する。 ごろごろ岳山頂でごろごろしよう。ちなみに山名には諸説あるようだけど、自分の感では標高から名付けられたというのが正しいのではと思う。 但し、今では565.3mに改正されてしまったのが残念だ。 15分程度ごろごろしてから、ごろごろ岳山頂を出発する。 本当はもっとごろごろしていたいけど、今日は正午頃には夙川公園へ辿り着きたい事情がある。 |
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9:15 ごろごろ岳山頂を出発。苦楽園尾根を下り始める 山頂を後にして、初めての苦楽園尾根へ向かう。 やはり初めての尾根を歩くのはワクワクする。どんな尾根かな〜♪ |
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巨岩がごろごろしている苦楽園尾根 山頂のすぐ下で送電線を通過してからは、巨岩の間を伝うように下っていく。 これを見ると岩がごろごろしているから名付けられた山名ではないかという気もしてくる。 なお、岩が多いけど、トラックはよく踏まれていて歩きやすい。 |
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9:26 立会峠? しばらく下っていくと正面にミニピークはあるが、トラックは枝等で塞がれている。右手に降りるように誘導されているところにやってきた。 もしかしてここが「山と高原地図」に書かれている立会峠だろうか。これで北側に下るルートがあれば、峠として間違いなさそうだがどうみても踏み跡は無かった。 なお、正面のミニピークを探査してもよかったが、春霞で展望は期待出来ないだろうから、峠かどうかも含めてまたの機会に調べるとして下り続ける。 |
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9:31 六麓荘への分岐を通過 一本道だと思っていた苦楽園尾根だが、ここで2本に分岐していた。 今日は苦楽園尾根を辿りたいので、またの機会に歩いてみよう。 |
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分岐のすぐ傍には窓が開いていて、京阪神を広く見渡すことが出来た。 但し、今日は春霞で遠望は利かない。また違う季節に再訪してみたい。 分岐通過後もしばらく巨岩がごろごろした尾根が続く。 この尾根は登っても楽しいだろうと思う。今日ではっきり登山口を把握出来るだろうから、今度は登りで再訪してみよう。 |
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けっこう下ったかなと思われる頃、再び視界が開けてきて甲山が見えた。 眼下にはこれから下る苦楽園の街並みが見える。 行程後半は神呪寺から夙川公園へ下るが、そこまでのルートは北山公園を通過する。 こうして見るとけっこう距離感がある。 |
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尾根を下っていくと、春らしい光景に立ち止まった。 山桜とコバノミツバツツジと周囲の新緑のコンビネーションが実に良い。 これでモデルに花があればいうことはないのだがご容赦を。 |
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「ダケ道」状になった苦楽園尾根のトラックを下る 苦楽園尾根は最後の最後までいろんな局面があって楽しい道のりとなった。 写真だけだと山深い地のような印象だが、周囲には住宅街が迫っていて、近くから犬の鳴き声も聞こえてくる。 さあ、どんな登山口だろうと下っていくと・・ |
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10:00 苦楽園尾根登山口 唐突に住宅街の一角に飛び出した。外から見ると、ここが尾根の末端であるという印象は無い。 テープ類以外に目立った道標は無く、しかも敷地内へ続くように見える階段で降り立つから、 ここが登山口だとは分かりにくい状況だ。最後はプツッと切られた感があるが、苦楽園尾根はなかなか良い尾根だと思う。 登山口の前で、ここから神呪寺までの道のりを再確認する。 何しろ北山貯水池に辿り着くまで全て未踏の区間であり、道を間違えてタイムロスをする事態は避けたかった。 街歩きのところは、基本的に「山と高原地図」のほうが分かりやすい。 大まかに書くと、柏堂町(かやんどうと読む。この日に知った)のバス停を目指し、北山公園を北へ進んで北山貯水池に至るという道のりである。 柏堂まではずっと下りだが、北山公園は北向きだと全体的には登りとなる。 「山と高原地図」には両方向同じ所要時間として記載されているが、これに対しては半信半疑だった。 実際に登る場面のほうが多く、ペースを乱されずにすんだ。大した標高差ではないものの、この日は夏を思わせるくらい暑かったのだ。 |
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10:33 北山貯水池到着 暑くて大汗を掻きながら北山貯水池に到着。苦楽園尾根の登山口から30分ほどだった。思ったよりも早かった。 先週は殆ど咲いていなかった神呪寺周辺の桜だが、今日はもう散り始めの状態だ。 1週間空いたが、どうにか間に合ってよかった。 池の縁では近隣の介護施設からと思われるお年寄りの団体さんが春の日を楽しまれていた。 でも暑がりの自分はもう暑くてしょうがない。公園の水道で顔を洗ってリフレッシュさせてから歩き始める。 |
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春爛漫の北山貯水池を歩いていく ここからは山歩きモードから花見モードへ。ザックを背負って花見している人はなかなかいないだろうと思う。 重い荷物が無い一般の花見客が少しうらやましく思える。 |
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北山貯水池よりごろごろ岳を眺める 1時間半ほど前まで居た山を池越しに眺める。やはりどこが山頂なのかはっきりしないが、山名の上辺りかな。 遠めに見ると自然豊かなのだけれど。 |
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北山貯水池から神呪寺へ 花びらのじゅうたんになりつつある道を歩いていく。 |
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10:59 神呪寺山門とさくら茶屋 わざわざ苦楽園から歩いてきたのは、ここの桜の風景を撮影したかったからなのである。 ここは自分にとって3年前に初めて花見の楽しさに気づいたところである。こちらも散り始めているが、まだ満開の状態といえる。 車で来ると見過ごされがちだが、本来はここから神呪寺に入るのである。下から車道を抜きにして見ると、本来の神呪寺の風情が味わえると思う。 山門直下のさくら茶屋の前の桜も満開だ。平日だがお茶屋さんは開いているようだ。 食事こそしていないが、この懐かしい雰囲気のある空間が好きである。 3年ぶりに神呪寺山門周辺の桜を見ることが出来て大満足。 いよいよ夙川公園へ向けて、1週間前に下ったばかりのルートを再び歩く。 途中からは住宅街を通るが、概ね東の縁を辿るように下っていく。 甲陽園駅から逆に登っていく場合は、このルートが最も分かりやすいと思う。「山と高原地図」にも記載されている。 11:45 夙川公園到着 北山貯水池や神呪寺でも散り始めていたが、夙川公園では桜吹雪となっていた。 まだ満開とはいえるが、一部の木々は葉が目立つようになってきている。 その後の情報によると、あと2、3日くらいで見頃は終わっただろうと思われる。間一髪間に合った。 先週訪れた時間帯には日が西に傾いていた。つまり南北に伸びる夙川公園で、満遍なく日が当たっている状態で撮影するには、 正午頃に来なくてはいけないことに、その時気付いたのだった。今日こそ思い通りのタイミングで撮影出来る。 |
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レンズを取り替えつつ、充分に夙川公園での撮影を満喫することが出来た。 時折見られた桜吹雪を狙うもなかなか難しかった。 |
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13:05 JRさくら夙川駅到着 まさに花見にはぴったりのゲートとなっている。 この日は試験9日前だったので、山歩きを楽しみつつもいつも頭のどこかで問題演習をしているような 軽く緊張感に包まれていた状態でした。次回はすっきりした状態で、山歩きが出来るようにと願いつつ家路に着きました。 それにしても暑い日でした・・。 |
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今日の行程の断面図です![]() |