「ごろごろ岳から社家郷山」 JR芦屋駅〜ゆずり葉台バス停 10年5月2日(日)


国土地理院地形図
 : 25000分の1 「宝塚」

参考文献
 : 山と渓谷社 【六甲山】 

 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】
 : 神戸市 「六甲全山縦走マップ」





 今回の山行よりほんの3日ほど前、友人と樫ヶ峰近辺を歩きましたが、
その行程の途上にある社家郷山キャンプ場付近の出合で道標に戸惑う経験をしました。
それに加えて、同山域では以前から歩いてみたい未踏ルートがありました。
 そしてこれまで何度か歩いたごろごろ岳でもルートを誤る経験をしています。
 GW真っ最中の好天の休日。出来るだけ混雑を避けることも狙いました。
今回はこの2つの山域の未詳箇所を一気にクリアにする山行となりました。
今回は通常の単独行でありますので、いつものペースで歩いています。








 6:15 JR芦屋駅出発

 自分は定期券の都合上、JR芦屋駅から歩いているが、普通は最寄の
阪急芦屋川駅利用がお薦め。芦屋から六甲の山歩きといえばロックガーデンや
六甲最高峰方面が人気で、その影に思いっきり隠れている感があるが、
ごろごろ岳は静かな山行を楽しむには最適と思う。但し、山頂付近の風情が乏しい
ことを割り切れるかどうかがポイントだ。

 今日最初の目的地であるごろごろ岳へは水車谷が登山口となる。
芦屋川左岸にある道路(芦有道路へと続く)をしばらく登っていく。
六甲の他の登山口と同様にけっこうそのアクセスの過程で登るので、
駅などでウォーミングアップしておく。またトランスポートとして奥池方面へ向かう
阪急バス(80、81系統)も利用出来る。その場合は水車谷が最寄のバス停だ。








 行程概要 (山中のルートは不正確です)

 7:00 水車谷登山口 (170m)

 JR芦屋駅から約45分で水車谷登山口に到着。ここまでで既に170m程登っている。
登山口はちょうどヘアピンカーブの外側にあり、登山口周辺は団地が立ち並んでいる。
車道から少し奥まったところには道標や案内板もある。

 自分にとってはここは約1年ぶり。今回もツツジを愛でながらの楽しい山行となりそうだ。








 7:05 前回、「西尾根」に入り込んでしまった出合を直進

 ごろごろ岳は基本的には要所に道標が完備されている。しかし、ここは1年前にルートを誤った原因となった、自分にとって因縁のある出合だ。
ただ今では西側の尾根(以降、西尾根と表記します)へ向かうトラックはロープが貼られていて、その横に小さく「ごろごろ岳」を示す手製の案内板が設置されている。
もしかして自分と同じ経験をした方が設置されたのだろうか。自分は今回は未踏の東側の尾根(以降、東尾根と表記します)を歩きたいので直進する。

 但し、西尾根へ向かうルートはしばらくは明瞭であり、出合からの見た目には閉鎖していること自体に戸惑うほどと思う。
実際に自分は前回、このルートでごろごろ岳へ到達している。但し西尾根はやや険しく、分岐など道誤りしやすい要因はあると思う。
特に下りの場合は要注意ではないだろうか。

 明瞭な西側ルートと比べて、正規ルートのほうがじくじくと湿っぽくて、突き当りが堰堤ではないかというような雰囲気なのも西側へ進みやすい要因だと思う。








 7:08 正規ルートの出合を東へ

 直進が正解なので、もちろん堰堤に突き当たることもない。まもなくトラックは水気が無くなり、普通の山道に戻った。
問題の出合からほどなく、再び新たな出合に到着。ここが前回も目指していた出合だった。(前回は山と高原地図に描かれている西側ルートを辿るつもりだった)
左側が西側ルート、そして右側が東尾根へ向かうルートだろう。キーワードとなるのは「前山公園」だ。
公園を通るのかどうかは知らなかったが、今度こそ思惑通りに辿れるだろうと登っていく。








 7:16 「東尾根」に乗る出合を北へ

 しばらく緩やかに登っていくと前方が明るくなり、どうやら尾根に乗ったようだ。
そこは出合になっており、ごろごろ岳とは逆に南へ向かうと前山公園へ抜けるようだ。
下りに使うことがあったら、一度下山地として確認してみたい。
今回はごろごろ岳を目指して東尾根を登っていく。








展望は少ないが、明るくてしかも緩やかな東尾根

 ごろごろ岳のイメージを体現したかのような、程好く緩やかなトラックが続く。
天気も良いし朝日に照らされて、本当に心地良い気分だった。
展望が開けるところはなかなか無いが、木々の向こうに徐々に高度を上げていく景観を見透かすことは出来る。

 この辺りで犬を散歩中の方が後方から来られて、先に行っていただいた。
ワンちゃんも清々しい空気の中を散歩できて足取り軽そう。








 7:33 320m+付近

 上空を送電線した直後、間近に鉄塔を見ることが出来た。
これで登山口以降で初めて現在位置をはっきりと確認。
登山口から150mほど登ったようだ。ごろごろ岳山頂まであと240mほどの標高差しかない。








空中庭園のような東尾根

 殆どが幅広の尾根だが、この辺りだけ両側に山腹が迫ってくる。ごろごろ岳では貴重な区間だ。
トラック沿いに巨岩が散在し、日本庭園のような雰囲気だ。
その向こうにはごろごろ岳本体、振り返ると先ほど現在位置を確認した送電線鉄塔が見える。
鉄塔側のピークが目立って見えるが、地形図上では等高線は閉じていない。
 ごろごろ岳本体へ向かってちょっとアップダウンがあるようだが、地形図を見るとやはり等高線は閉じていなかった。

 小さなアップダウンを経て、しばらく登りが続く局面となる。
それでも急板というほどの登りではない。








 7:58 芦屋霊園コース出合

 再び緩やかなトラックになった頃、また新たな出合に差し掛かった。
出合にある道標はごろごろ岳山頂に置かれているものと雰囲気が似ている。
芦屋霊園からもごろごろ岳へ登れるようだ。(健脚コース)と書かれているが、どのくらい健脚向きなのかまた確かめてみたい。








巨石が目立ち始めた

 段々とトラック沿いに岩が目立つようになってきた。
岩が目立つといえば荒地山がまず思い浮かぶが、意外にごろごろ岳も似たようなものかもしれない。但し外見的には分からないが。
その中には楔を打ち込んだものも見受けられ、こちらも採石場として使われていたことが分かる。
この東尾根を歩いてみて、ごろごろ岳の山名は岩がごろごろしているからではないかという気がしてきた。

 







 8:08 家紋が刻まれている岩が目に留まる

 トラック沿いにある巨岩の一つに家紋と思われる模様が刻まれている。
右のほうはちょっと分からないが、左の四角が四つ並んでいるのは見覚えがある。
秀吉か徳川のどちらの時代かは分からないが、大坂城の石垣に充てられるはずの岩だったのは間違いないと思う。
大坂城にどれだけのごろごろ岳出身の石垣があるのか確かめられたら面白いだろうな。
 いずれにしても切り出した労力を考えると気が遠くなりそう。








※ この楔穴のある岩を「四つ目岩」として記載していましたが、
本物はもう少し北方にあるようです。Tokiwaさんにご指摘
いただきました。ありがとうございました。

2010年9月29日加筆訂正
 8:12 楔穴のある巨岩に到着

 切り出される前の状態で400年残されている巨岩で出来た展望台に到着。
全面ではないが南東方向に視界が開けている。今日はやや霞がかって遠望はいまひとつだ。
とりあえずここでザックを下ろして小休止していこう。




 8:26 楔穴のある巨岩を出発

 15分程度の滞在時間で出発。地形図によるとまもなく西側のルートと合流するはずだ。
地形図にある破線は実際の登山道とは違っていることも多いが、ごろごろ岳南側に関して言えば例外的に概ね参考になる状態だと思う。








 8:36 西側のコースと再び合流する出合

 薄暗いほぼ平坦な森を抜けると一転空が明るくなり、見覚えのある出合に出てきた。
西尾根を経由した1年前にも通り掛った出合だ。ごろごろ岳山頂までの距離はまだちょっとあるけど、
ここまで来ると山頂までの標高差は90m位だ。確か前回も9時頃に山頂に着いたはず。
今日はまだ後のスケジュールも控えているので先を急ごう。

 少し進んだところで、子供も含めた10名くらいの団体さんと遭遇。
自分のほうがペースが速かったので、道を譲っていただきました。




 山頂手前の広場では再び数名の団体さんが小休止中だった。
いつもなら他の方を見かけることも稀なごろごろ岳だがさすがGWだ。


 





 8:54 ごろごろ岳山頂(565.3m)到着

 外観通りなだらかで山頂らしくない、ごろごろ岳山頂に到着。
山頂周辺を少し歩いてみたが、三角点は最も高いところにはない。
ということは、ごろごろ岳の標高はやはり565.6m?
標高が訂正されたのは三角点の標高だから、実際の標高はそれよりもう少しだけ高いはずだ。
ごろごろ岳の山名由来は判然としないようだが、分かってしまえばつまらないかもしれない。

 なお山頂のすぐ近くには車道もあり、車の走行音が聞こえてくることもあるが、それは気にしてはいけない。
なだらかな山容ゆえ開発されたが、六甲山系西部には山自体が消えたところもあることを考えると御の字だと思う。




 9:05 ごろごろ岳山頂出発

 ごろごろ岳山頂からは南北に走る主稜線を北へ向かう。
別荘地の裏手を進むが、それもあまり気にしないことが、ごろごろ岳を楽しむうえで大事な点である。
この区間は標高差も少なく、快適な山歩きとなること請け合いだと思う。

 途中、剣谷や奥池方面へのトラックが分岐する。
自分も道誤りの経験がある山域だが、以前よりは道標が整備されていてそのリスクは減っているようだ。








 9:23 観音山展望

 北隣の観音山に近づくにつれてトラックを覆う木々はまばらになり明るくなってくる。
夏場はあまり歩きたくない区間だが、今はまだ大丈夫だ。
展望を得られそうなところを見つけたので、少し脇道に逸れてみた。
岩が散在する展望スポットがあり、谷を挟んですぐ近くに観音山へ至る尾根が見えている。
これからその尾根を回りこんでいく。




 途中に奥池方面への分岐を通る。








 9:38 せせらぎコース、パノラマコース出合

 北から東へぐるっと廻る尾根を歩いていくと、正面に観音山が見えてくる。
その手前にパノラマコース(観音山を経て鷲林寺)と、せせらぎコース(谷沿いに鷲林寺へ)に分かれる出合がある。
自分は何年か前に観音山山頂には到達したことがあるので、今回は初めてせせらぎコースを辿ってみる。
強くなってきた日差しを避けたいと思ったことと、まだ見たことがない滝が同コースにはあった。








せせらぎコース

 ごろごろ岳と観音山をつなぐ尾根を外れて、せせらぎコースへ下っていく。
せせらぎコースは意外なほど整備されていた。途中には石階段もある。
下り始めからトラックにはちょろちょろと水が流れており、降雨後には少し歩きにくいかもしれない。

 途中からは沢の形状もはっきりしてきて、せせらぎコースはその右岸沿いを下っていく。
パノラマコースが経由する観音山は広い展望を得られる日当たり良好の山頂だが、
せせらぎコースは全く趣が異なっており、その時の気分や事情で全く違う雰囲気の中を歩けると思う。




 しばらく下っていくと、トラック左側の足場の悪い急斜面に踏み跡があること、そしてその先には滝が見えているのに気付いた。
ここがまだ見たことがなかった旭滝だった。慎重に下っていって滝を見よう。








 9:58 旭滝

 思った以上に落差が大きく、見応えのある滝だ。
しばらく雨が降っていないが、水量もそこそこ。滝には虹も掛かっていてきれいだ。
予備知識として知っていたが、この滝も行場として使われている。
滝直下にはお地蔵さんも祀られ、信仰の場として清々しい空気が包んでいる。
せせらぎコースは元来、行場への道として整備されたのかもしれない。
ザックを下ろしてしばらく旭滝の冷気に触れていくことにする。

 写真では水量が乏しい印象を受けるが、実際には近づくとずぶ濡れになるほどだった。
減光フィルターがあれば良かったのだが、滝への日当たりが良過ぎてシャッタースピードを
思うように長く出来なかったのが原因だと思う。滝の撮影に限って言えば曇りのほうが都合が良かった。




10:17 旭滝出発

 旭滝の清浄な空気を満喫して出発。
旭滝を過ぎると堰堤が気付いただけで2箇所はあり、上流部の清々しい雰囲気はちょっと減退したのは残念だった。
しばらく下ると予想外に分岐があるが、鷲林寺を示す道標に従い右折した。








10:30 若宮神社到着

 せせらぎコースをせせらぎから離れてしばらく山腹道を進むと見覚えのある若宮神社に到着。
ここは鷲林寺の最奥にあり、境内から2本のトラックがスタートしている。

 ここから次の目的地、社家郷山までは山を離れて車道を歩いていく。
鷲林寺ではまだ咲き残った八重桜がきれいだった。

 鷲林寺交差点から県道82号を北進。若宮神社から約30分で社家郷山キャンプ場へ到着する。








11:03 社家郷山キャンプ場登山口

 先日降りてきたばかりの社家郷山キャンプ場付近にある登山口から登り始める。
先日は友人と「キレットルート」を下ってきたが、今日は「林間ルート」を登るつもりだ。

 この登山口から登って、道なりに進むとキャンプ場のフェンスに突き当たる。
そこから「四季の道」を示すトラックを辿る。但し、「四季の道」は周回コースのようであるので、
社家郷山主稜線を目指す尾根を外さないように、途中で四季の道を離れる。すると先日も問題になった四つ辻の出合に到着する。








11:12 数日前戸惑った、キャンプ場付近の出合を直進

 登山口から約10分で、先日確認作業で行き来した出合に差し掛かる。
先日、主稜線を向かうと判断した「林間ルート」の行き先をこれから確かめることになる。
この尾根を登ると489mピーク(西三ツ辻出合)に到達出来るはずだ。
この「林間ルート」も社家郷山山域で残されていた未踏ルートであった。








「林間ルート」

 出合を過ぎるとしばらくは急坂が続く。今日の行程中では最も難所だったかもしれない。
先日偵察で登ったところを過ぎてもまだまだ登りが続く。
「林間ルート」は展望箇所が基本的には無いが、木々越しに「キレットルート」のある尾根や主稜線が見えてくる。
急坂である分どんどん高くなっていくのが楽しい。








11:28 「林間ルート」東屋より甲山の展望

 なかなかの急坂を登りきると東屋に到着する。正面には甲山、手前にはヤマザクラが見事だ。
甲山をやや高いところから見下ろしているので、現在位置は400mくらいだろうか。
東屋はゴミもなくて、まあまあきれいだ。甲山の遠望を見下ろしつつ、一息入れてから主稜線を目指して登りを再開する。








「林間ルート」上部

 地形図を見て東屋の先の標高差はもうあまりなさそうと思ったが、
イメージよりも登りが続き、しかも距離も長く感じた。
主稜線は少し前から絶えず右側に見えているのだが、なかなか合流しない。
この尾根は北西へ遠回りする格好で続いているからだろうが、長いと感じたのは疲れてきたのかもしれない。








日当たりの良い「林間ルート」上部

 地面が砂状になってきて、周囲の木々がまばらになってきた。何だか観音山周辺と雰囲気が似ている。
地面の照り返しもあってか、けっこう暑くなってきた。
もう行く手に高いところがないので、すぐに主稜線と合流できるはずだ。








11:52 西三ツ辻出合(489mピーク)

 先日問題になった出合から約40分で西三ツ辻出合に到着。
ここからは「展望ルート」と名づけられている主稜線を東進する。
「林間ルート」が長く感じたのは距離のせいもあるが、ここが社家郷山山域で最高峰であるからかもしれない。
なお、地形図では東の457mピークに樫ヶ峰の山名が記載されている。
こちらのほうが標高はやや高いが、地形図には489mの標高点表記があるのみで三角点は無い。








鎖場もある「展望ルート」

 今日最後の目的地である未踏の北斜面の尾根の入口まで、主稜線「展望ルート」の緩やかなトラックが続くかと思ったが、部分的にはこのような急坂もある。
3年ほど前に「展望ルート」は西にある小笠峰まで歩いているのだが、記憶がおぼろげで殆ど初めての感覚に等しかった。








12:09 東三ツ辻出合より少し西。「展望ルート」(主稜線)から北斜面へ下り始める

 途中数箇所のアップダウンを経て、未踏の北尾根へ進むであろう踏み跡を発見。
現場の出合にはテープなどマーキングがあり、行き先がエデンの園を示していたことで確認出来た。
念のために少し先の東三ツ辻出合まで偵察してみたが、ここ以外に付近には北へ下る踏み跡は見受けられないのを見届けてから下り始める。

 北斜面をずり落ちるように下っていく。木々を掴まないととても下れないような急坂だ。
しばらくは森の中を下るが、すぐに周囲が見渡せるようになってくる。
まだ見ぬ未踏の痩せ尾根を前に否が上にも期待が高まってくる。








12:15 展望地にて昼食

 このまま進んでいくと下山してしまいそうと思い、ハイライトへ進むのを前にして、少し木陰になっているところを選んで昼食を摂った。
周囲は山に囲まれていて、六甲山系東端にあるにも関わらず、とても山深い雰囲気だ。




12:27 昼食を終えて出発








12:30 樫ヶ峰北斜面の痩せ尾根に突入

 まもなく踏み跡の両側が切れ落ちてきて、今日のハイライトである痩せ尾根がその姿を現す。
下方にエデンの園、右上方には樫ヶ峰へ至る馬の背が程近いところに見えている。
樫ヶ峰北斜面にこれほど良いところがあったのかとわくわくしてきた。








 痩せ尾根はきれいに両側が切れ落ち、ナイフリッジの様相を呈してきた。
しかもこの尾根は砂交じりで非常に脆く、そして滑りやすい箇所が多い。
楽しいところには違いないが、見方によれば危険なところでもある。
展望を楽しみつつ、また痩せ尾根を味わうようにゆっくりと慎重に降りていく。








最も痩せている箇所を通過中

 高いところが好きな自分には本当に楽しいところだった!
撮影のためでもあるが、行きつ戻りつしながら痩せ尾根を堪能する。
行く手には少し盛り上がったところが見えてきて、どうやら最も痩せている箇所はあそこまでのようだ。








荒々しい景観を見せる樫ヶ峰北斜面

 ロックガーデンも脆い岩場が多いが、こちらもそれに負けないくらいだ。
南側のほうが穏やかな山域なのに、南北でこれほど違うこともあるのかと驚きだ。

 そうこうしているうちに中高年のご夫婦の方が降りてこられた。
自分と同じく周囲の景観を楽しまれている模様。でも自分のほうが圧倒的に遅いので、先へ進んでいただいた。
芦屋から歩いてきたと話すととても驚かれていた。でも距離にしてみればさほど長くはないのだけれど。








まだまだ続く大展望の尾根

 切れ落ち度合いはやや減ったが、本当に尾根の末端直前まで楽しい尾根歩きを満喫することが出来た。
それでもエデンの園が近づいてきたことから、尾根歩きの終点が近いことを察する。








 踏み跡は下方に見える涸れ沢を目指している。
先ほど先へ進んでいただいたご夫婦は既に涸れ沢を歩かれているのが見える。
あそこへ降りるんだなと、自分も後を追って下っていく。
踏み跡は涸れ沢まで明瞭そのものだ。








13:04 涸れ沢へと降り立つ

 上方から見えていた涸れ沢へ降り立った。
大きな石がごろごろしていて非常に歩きづらい。しかも照り返しがきつく、あまり長居したくないところだ。

 痩せ尾根への入口はテープでマーキングされている。
今下ってきたところだから分かるのだけれど、これは登り方向で歩いてきたら見落とさないように細心の注意が必要だ。

 なお、この涸れ沢は逆瀬川の支流の一つのようだ。ここからエデンの園へ辿り着くのがけっこう難しかった。
まず涸れ沢を下っていくとやや大きな堰堤に行き着き、最も容易に思える川床を伝って先へ進む手法は使えない。
なおここで涸れ沢は逆瀬川本流と合流するので、ここからは逆瀬川の右岸(樫ヶ峰側)を途切れがちなマーキングも参考にしつつ歩いていく。
マーキングを辿った区間もあるのだが、見失って自分でルートファインディングした部分もある。
展望の痩せ尾根は楽しいだけで終わることが出来ないルートだったようだ。








13:23 逆瀬川右岸へと降り立つ

 しばらく逆瀬川右岸を付かず離れず歩いていくと、行く手から複数人の話し声が聞こえてきた。
これから痩せ尾根へ向かうのかなと思ったが一向に近づいてこられない。
どうやら川辺に留まっておられる模様だった。どうやら出口は近いようだというところまで来たがまたルートを見失う。
結局最後はヤブを強行突破して、この川辺に出てきた。先ほどから話し声が聞こえていたのは、少し下流の川辺でキャンプを張られていた方々だった。

 周囲を見渡すと対岸(左岸)に車が通れるくらいの砂利道が見えたので、飛び石を通って河を渡ってそちらへ向かう。








 砂利道の行き先は大きな広場になっていた。
最後だけ大変だったけど、本当に楽しい尾根歩きを提供してくれた樫ヶ峰をまた来たいという思いで見送る。
それにしても今日のような迷走状態だと、登り方向で辿るのは難しそうだ。








13:35 阪急バス、エデンの園バス停到着

 駐車場から道なりに車道を下っていくと、まもなくエデンの園バス停に到着。
周辺はエデンの園という介護施設があって、散歩中のお年寄りの方とも挨拶を交わした。
程なく逆瀬川行きのバスが到着。ヤブの突破で付いた埃を払ってから乗り込んだ。




13:44 阪急逆瀬川行き104系統バスに乗車

 この系統は昼間は1時間に2本程度運行されている。
逆瀬川駅まで歩くのは不可能な距離ではないけど、今日はもう疲れたのでここまでとしよう。




 ごろごろ岳から樫ヶ峰に至るまで、本当に色んな意味で充実した山行となりました。
両山域でこれまで欠けていたパズルをぴったり埋めることが出来たという思いです。
もし機会があれば、痩せ尾根を登り方向で歩いてみたいと思います。
但し、エデンの園バス停から痩せ尾根の入口に至るまでの区間がルート不明瞭で少々厄介です。








行程断面図です




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