06年 4月25日(火) 阪急芦屋川駅〜芦屋地獄谷〜B懸尾根〜風吹岩〜保久良神社〜JR摂津本山駅
Ashiya-Jigokudani to B-Ken Ridge 25th. Apl / 06

 所要 5時間35分。経験者向き  Duration Time : 5 hours 30min. half way. Level : Route

 昨年9月、暑さと大量発生していたオオスズメバチのおかげで踏破を断念したB懸尾根から風吹岩の区間へのリトライである。
今回は暑さもオオスズメバチも関係なく、じっくりとトラックを観察してなんなくこのルートを踏破することに成功した。
しかし繰り返しになるが、芦屋地獄谷の小滝群はよく歩かれているとはいえ、滝の直登はそれなりに危険を伴う。
またB懸尾根に始まる岩尾根は非常に複雑な地形で、初めての人にとってはまるで迷路のよう。
このルートは初めての方は経験者の方と一緒に歩くことをお薦めしたい。また夏季から初秋にかけては、避けたほうが絶対に無難。

6:30 阪急芦屋川駅出発

6:55
 高座の滝からひと登りして、フェンスの切れ間から河原へ降りて芦屋地獄谷へ突入。
土石流感知ロープの向こう、ガレ場が入り口である。左横の斜面に踏み跡がある。



 沢を伝っていくとすぐに2段構成の滝に出会う。
写真では分かりづらいが、足を掛けられる段差がしっかりと付いている。
 次の滝は左の岩壁の切れ目に足をかけて登る。なお殆どの滝に巻き道があるが
急峻であり、かえって疲れそうに見える。



 赤く光り、またコケに彩られた滝。右側の階段状のところを楽に登れる。
濡れたところは滑りやすいので要注意。


 そうこうしているうちに日が昇ってきて、薄暗かった地獄谷を明るく照らし出した。
早起きは辛いが、雰囲気の出る写真を撮るには朝の柔らかい斜光が重要。



 次の滝は柱状節理のような構成。滝ツボに積もっている落ち葉は滑りやすい。
足場の確保は慎重に。この時も実際に滑ってしまった。
 徐々に上流に近づくにつれて、地獄谷が明るくなってくる。
小さい段差も含めれば、滝の数はかなり多い。



 更に登っていくと、廊下状になった谷の奥でこの滝に出会う。
流れの右側にしっかりとした足場があり、なんなく上の段に立てる。
それにしても上方に見える大岩は大きな地震でもあれば落ちてきそうな感じ。


 木々の枝が手前に堆積している滝。最もしぶきが掛かりやすいが、流れの左を
登ればあまり濡らさずに登れる。地獄谷上流では既に明るく日差しが差し込み、
ツツジが眩しく見える。


7:47
 茂み越しに巨大な堰堤が立ちふさがると小便滝に到着。
ここしばらく雨が多かったおかげで、しっかりと流れている。
ここで地獄谷と別れて右のA懸沢(殆ど枯れ沢)を伝っていく。
 なお、前回はオオスズメバチに追われるように、尾根に続く踏み跡へ駆け上がってしまった。
この時期なら景観と岩尾根を楽しむのも良いが、最短距離で楽に進むならA懸沢沿いに
もう少し谷歩きを続けよう。

 A懸沢に入ってしばらく進むと、両側を壁に挟まれたところを通過。
「インディー・ジョーンズ」みたいな秘境ムード満点。
このあと一箇所小さな滝を越えて、小さい広場に出ると左の沢を進む。


8:08 Aケン

 左の沢を進んでいくと谷が途切れ、Aケンに到着。前回は岩尾根を迷走して
この地点に辿り着いた時には疲れ果てていたが、今日はかなり早いペース。疲れも無い。
ここから地図とコンパスをすぐに出せるように携帯して岩尾根歩きに突入する。
 Aケン前からさっそく2方向に登れるが、右側の廊下状を登っていく。

 今日初めての景観!
Aケンから何度かアップダウンを歩くとすぐに岩尾根に出てくる。
前回オオスズメバチを気にしながら迷走したA懸岩(正面のトンガリ)がよく見える。
今日は全然疲れも暑さもハチも居らず、やはり歩くタイミングと経験が大事だと実感する。

 このような細いところも通過する。この岩尾根を快適に歩くなら、手袋装着をお薦めする。
ザラザラでもろい花崗岩で素手だと手が荒れる。
 起伏、そして変化に富み、この岩尾根を歩くのは非常に楽しい。
須磨アルプスと似た雰囲気があるが、距離はこちらのほうが遥かに長い。
万物相を望む

 前回辿り着けなかった万物相を見据える。コンパスと地図で現在位置で確認するが、
前回歩いたところで合っていたようだ。近日中に友人Kappaさんをガイドする心積もりであった
ために、今日のトランピングは下見をも兼ねている。

 常に岩尾根を歩くというわけでもない。小刻みにアップダウンを繰り返しつつ、
尾根の中腹を巻く形で、茂みの中を歩く箇所もある。ちなみに踏み跡は無数にあり
惑わされやすい。繰り返すがこのトラックは道標が殆ど皆無。常に岩尾根のトップを
辿ろうとすると絶壁で行き止まりになることもある。谷に降りすぎず、岩尾根を離れすぎない
ように歩きやすそうな踏み跡を辿っていく。
8:40 Bケン跡

 震災でガレ場になってしまったBケン跡に到着。前回はBケンの頂上に登ってしまい、
怖い思いをしたことを鮮明に思い出す。途中で断念した前回も、8割方踏破できていたことが
分かった。その時は分からずに北の中央稜のトラックへ強行突破した。

 正解はこのBケン跡を右手に見ながら、左下の谷方向へ降りていく踏み跡を辿る。
前回も予想した方角は合っていたのだが、谷に下りてしまうのではないかと心配してしまった。
 
Bケン跡

 一旦枯れ沢の源頭部のようなところを横切るが、すぐに急な登りになって
すぐに周囲を見渡せる岩尾根に出てきた。この時点で今回踏破出来ることを確信。
前回頂上まで登ってしまったBケン跡を感慨深く眺める。
 ここからは踏み跡も明確になり、遂に今日のハイライトの部分へ到達する。
8:50 万物相へ到着

 Bケン頂上や風吹岩などから間近に眺めつつもなかなか到達できなかった万物相に到着。
風化した痩せ尾根が迎えてくれる。人っ子一人居らず、静寂に包まれている。

 
 万物相の痩せ尾根を味わいつつ歩く。

 朝日に照らされて白く眩しい!非常に印象深い光景で六甲山系のトラックの中でも
一、二を争うほどの景観に違いない。それだけに上空を遮る送電線が非常にうっとおしい。
ここに掛けるしかなかったのか。気にしだしたらキリがないが、まさに景観を損ねている
以外の何者でもない。実にもったいない。実に惜しい。

 誰もいない万物相を散策中

 それほど広いわけではないが、起伏に富んだ地形で見る角度により色々な景観を見せてくれる。
どこもよく歩かれている。地獄谷の方向に向かって降りられる斜面になっていて(相当に
歩きづらく滑りやすいので注意)、有名なピラーロックの下に立つことも出来た。

 
ピラーロック

 「長い間多くの人々に愛されたこの岩も、大地震の為崩壊しました。
今はお礼と冥福を祈るのみ  兵庫登山会」、と書かれた看板がある。

 今残っているのは一部。かつてはどのような威容を見せてくれていたのだろうか。
 正に奇岩が立ち並ぶ、六甲のカッパドキアと言ってよいところだろう。

 奇岩を構成している花崗岩は、触ればぽろぽろと砂糖菓子みたいに崩れてしまう。
風雨で風化するのは仕方がないが、出来るだけダメージを与えないようにしたい。
 
B懸尾根全景

 万物相からはB懸尾根がかなり近くに眺められる。その向こうには大阪平野。
周囲の景観も申し分無し。この時期はツツジや山桜がより彩を添えてくれている。


 自然の造形は素晴らしい。




風吹岩を見上げる

 背後には有名な風吹岩がすぐ近くに見える。肉眼では休憩しているハイカーまで見える。
目障りだが鉄塔が風吹岩の目印になっている。思えば、中央稜のトラックを登ってきて、
風吹岩から万物相を見て歩きたくなったのがきっかけであった。

 一時間ほど万物相に滞在して、充分に奇岩の景観を堪能。
そろそろ重い腰を上げて出発することにする。



9:50

万物相のすぐ背後からブッシュの中に続くトラックへ入る。
ツツジのトンネルが素晴らしい。トラックは明瞭で、よく歩かれており迷うことはない。
ほんの数分で中央稜の一般トラックと合流。合流地点に道標は無い。おそらく地獄谷を下る
ことは危険だからという配慮だろうか。
合流地点からひと登りしてすぐに風吹岩に到着する。

10:00 風吹岩に到着

 おなじみの風吹岩。鉄塔と送電線をなるべく入れないように撮影したいがなかなか難しい。
芦屋地獄谷〜万物相、そして中央稜のトラックへ合流するまでは誰一人会うことはなかったが、
風吹岩ではハイカーが入れ替わり立ち代わり行き交っている。この時期が秋と並んで、1年で
最も山歩きに適した時期というのも関係しているだろうか。ちなみに自分の山歩きシーズンは
春は6月まで。夏は暑いので夏季休暇。秋は9月から再開予定である。
 
 風吹岩にて休憩中

 大規模な黄砂が予想されていたが幸運にも外れたようで、なかなか見通しが良い。
いつもながら素晴らしい景観だ。送電線が無ければいうことはないのだが・・。

10:15 一息ついたところで出発。金鳥山方面へ向けて魚屋道を進む。


 風吹岩以南の魚屋道は起伏が少なく、実に快適なトラックでお気に入りである。
しかもツツジのトンネルで目も楽しませてくれる。



 山桜が満開を迎えていた。しばし見とれる。
10:27 

 金鳥山方面へはここから分岐する。蛙岩へ通じる魚屋道は直進するが、
昨年12月に歩いているので、今日は金鳥山、保久良神社を目指す。

 
 引き続いて起伏が少なく、よく歩かれた幅広の快適なトラックが続く。

 この付近で道標に手書きで書かれていたことから、右手の斜面を上がったところに
424.5m三角点があることを知り、立ち寄ってみることにする。
10:40 金鳥山?山頂

 地形図上では424.5m三角点としか書かれておらず、更に南にある334mの標高点に
金鳥山の山名が記されている。しかしこのピークにも金鳥山の山名を紹介するプレートが
ある。どちらも近所なので、少々情報があいまいになっているのであろうか、もしくはより
広範囲の山域を金鳥山と呼んでいたのであろうか。

 いずれにせよ全開とまではいかないが、木々の間からなかなか良い景観が得られる。

 424.5mの三角点を過ぎて、トラックは相対的には緩やかに下っていく。
一つ東の尾根を通る魚屋道よりも、こちらのほうがよく歩かれている印象を受ける。
 
10:54 水平道との分岐

 ところどころで山桜を楽しみながら歩いていると、水平道との分岐に到着。
今日は保久良神社を目指しているので直進する。水平道は近日中に歩く予定である。


11:06 金鳥山?山頂

 水平道との分岐を過ぎてすぐのトラック脇にベンチとイスが完備された休憩所があり、
その奥の茂みの中が地形図上の金鳥山山頂である。ご覧のような状況で景観も無し。
前述の424.5m三角点が金鳥山山頂のほうがしっくりくるかもしれない。
 金鳥山を過ぎると、ところどころにベンチが設けられており、よく整備された階段道になる。
満開は過ぎたが、まだまだ桜がいっぱい咲いていた。今年は甲山、芦屋川で満開の桜を
楽しんだが、来年は保久良神社周辺で花見をすることにしよう。


11:34 保久良神社

 まだまだ満開の桜に出迎えられて保久良神社に到着。自分は宗教には興味は無いが、
この神社は清楚で神さびた雰囲気で非常に落ち着く。
 なお、神社の西隣には梅林があるが、既に時期は終わっているので寄っていない。

 保久良神社の桜



灘の一つ火

 保久良神社は古くから海上交通の守り神として崇められていたそうで、「灘の一つ火」と
呼ばれる、鳥居前の灯篭で絶やすことなく火を灯し続けていたそうである。
今でこそ1000万ドルの夜景と言われているが、かつてはこれ以外は周囲に街灯が
無かったのであろうか。最古の灯台といってもよい存在である。

 鳥居前からジグザクに付けられた急坂の舗装路を下っていく。道端にはたくさんの桜の木が
あり、花見には絶好のロケーションのようである。

12:05 JR摂津本山駅到着

 今日の行程のうち、前半の芦屋地獄谷〜万物相までは経験者向き、後半の風吹岩から保久良神社までは一般向きである。
滝登り、岩尾根、奇岩群、森歩きと、短いがまさに変化に富んだプランと言えるでしょう。

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