「六甲逆縦走(摩耶山まで)」 10年 9月26日(日)


国土地理院地形図
 : 25000分の1 「宝塚」、「神戸首部」

参考文献
 : 山と渓谷社 【六甲山】

 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】
 : 神戸市 「六甲全山縦走マップ」




 今夏の酷暑により、山行を休み過ぎたため、自分に喝!を入れることにしました。
ということで、今回初めて六甲縦走路を逆向きに歩いてみます。
まだ完全に脚力が戻っていないと思うので、途中の三宮辺りを終点と設定しました。
この行程の山場となる、東六甲縦走路の登りの感触が楽しみです。

 今回のルート自体は、ほぼ完全に六甲縦走路であり、特に目新しいところは
ありません。ルートの詳細については簡略して記します。
また、特に東六甲縦走路において寄り道しまくっていますので、
所要時間もあまり参考になりません。









 行程概要 (山中のルートは不正確です)

湯本台広場(宝塚ゴール)

 縦走大会当日は、完走したハイカー並びにスタッフの皆さんで賑わう湯本台広場だが、
普段の早朝は静けさに包まれている。

 まずは今まで未確認だった、ここの三角点の確認を忘れず行う。
ゴール受付の広場より一段高いところに隠れていた。
あまり重みがない新しい造りの三角点ではあるが、地形図上では同じである。
標高50mは神戸に比べるとちょっと高いことに気付く。




 6:53 湯本台広場出発

 三角点を確認、そして準備運動を済ませてから出発。
逆向きだと六甲最高峰に辿り着くまで、アップダウンはあるものの一貫して登りが続く。
特に塩尾寺に着くまで先が思いやられるが、それを承知で来たのだから気合を入れ直す。








 7:20 塩尾寺下の展望地

 ここに来るまできつい登りだった・・。やはり順路で駆け下るほうが断然良い区間だ。
朝日を浴びる宝塚の街並みを見て、早くも達成感が沸いてくる。
もう充分、ここから降りたいという気が全く無かったと言えば嘘になる。
山道に入れば楽しい筈、と自分に言い聞かせて塩尾寺へ向かう。








 7:38 塩尾寺

 湯本台広場から約50分で到着。下りのほぼ倍はかかっている。
ここまでの登りは本当にハード。逆向き縦走においては、ハイライトといっても過言ではないかも。
数分息を整えてから、やっと本題の東六甲縦走路へと入っていく。








 砂山権現に辿り着くまでのザレた区間は、登りのほうがある意味楽だった。
ここは下りだと本当に滑りやすく、大会当日は数珠繋ぎの渋滞になっている。
段差の大きいところではサーチライトも照らしてくれるが、気を遣うことには変わりない。

 それにしても登りで歩くと、余計に深く掘れていることが目立って見えるような気がした。








 7:54 砂山権現

 縦走大会当日(夜間)は素通りしてしまう砂山権現に立ち寄っていく。
ここまで登ってくると、傾斜は緩やかになって、ちょっと一息つける。
これ以降はまとまった登りはなく、短い距離のアップダウンが連続することになる。








 8:03 岩倉山山頂(488m)

 同じく、縦走大会当日(夜間)には通過してしまう岩倉山山頂にも寄っていく。
縦走路から少し登るだけなので、ここに立ち寄ることは容易だ。

 この辺りでは縦走路は水平道に近く、情緒ある山道になっているのだが、
大会当日は数珠繋ぎで歩くために、ゆっくりと楽しめないのが残念だ。








 8:09 岩倉山付近の展望地

 展望の無い岩倉山山頂に代わって、大展望を提供してくれるところだ。
写真では草の中に埋もれているように見えるが、展望を得るための踏み跡が付いている。








 8:37 岩原山山頂(573m)

 岩倉山に寄ったので、岩原山にも余勢を駆ってピークを踏むことにした。
でもこちらのほうは立ち寄るにはちょっと気合が必要となる。
ここは宝塚市の最高峰にもなっている。残念ながら三角点は設置されていないし展望も皆無。








岩原山南斜面付近の東六甲縦走路

 東六甲縦走路はけっこう水平区間が長い。登り方向で歩いても、快適な区間は比較的多いように感じた。








 9:02 大谷乗越(500m+)

 東六甲縦走路の要衝の一つ、大谷乗越を通過。
ここからちょっと気合が必要な区間に入る。








大谷乗越の急階段

 登ったのは初めてだったが、やはりけっこうハード。でも距離が短いのが救いだった。
大会当日はサーチライトで煌々と照らされた中を下っていくことが出来る。

 階段を登りきったところで小休止をとった。








大平山の舗装路

 この舗装路に辿り着くまでは、だらだらとした登りが続く。
舗装路自体は面白みに欠けるが、これまでの道程を考えると比較的楽に感じる区間だった。

 これまで可能な限りピークに寄ってきたので、大平山も踏んでおこうと思った。
でも以前の記憶が曖昧で、鉄塔の袂まで登ってしまった。
遅れて思い出したのだが、六甲最高峰へ向かう入口の逆側にピークへ繋がる踏み跡がある。
でもヤブっぽかったので踏み込むのは止めた。今の時期はハチの巣があったら怖い。




 9:35 大平山にて小休止

 ここまでで東六甲縦走路のほぼ中間にあたる。やはり六甲最高峰に着くのは昼頃になりそうだ。








 9:47 大平山出発

 息を整えてから縦走再開。
この日は自分と同じプランで歩かれている方がけっこう居られた。
塩尾寺手前から抜きつ抜かれつという感じの方も。
今、イノシシで問題になっている風吹岩を避けている方が多いのかもしれない。








10:06 船坂峠(660m+)

 船坂峠までは比較的標高差の少ない快適な区間だったといえる。
しかし、東六甲縦走路で大変なのはこの後だと、改めて気合を入れなおす。








 船坂峠以西はアップダウンがきつくなる。
しかも逆向きに歩くとやはり登りが目立つ。
縦走大会時には一人ずつしか通れず、渋滞の発生源になるところもあるが、
登りだと滑ることもなく、ロープに頼ることもなく、無難に歩くことが出来た。

 それにしてもやはり、明るい昼間とヘッドライトが頼りの夜間とでは、全然雰囲気が違う。
夜は夜でけっこう幻想的で好きなのだが、大会時には断続的に渋滞するので覚悟が必要だ。








 六甲最高峰が近づくにつれて尾根道っぽくなってくる。
東六甲縦走路は基本的に同一の尾根を辿っているのだが、痩せ尾根の区間は殆どない。
きついアップダウンの間にも、このように水平道は度々現れるので、ペースを調整しやすいと感じた。








10:37 カエル岩

 順路で歩いている時には見落としやすいと思われるカエル岩。
想像力が乏しいかもしれないが、どのように見たらカエルになるのだろうか分からなかった。
それにしても、岩に直接カエル岩と書いてあるのは、ちょっと違和感を覚えてしまう。








 朝から続く断続的な登りに、そろそろ足に疲労が溜まってきたのを自覚し始める。
考えてみたら、これだけ長い登りの区間が続くのは、六甲に限っていえばそれほどないかもしれない。








 しかし、それでも六甲最高峰には着実に近づいてきている。
順路で5,6回は歩いている東六甲縦走路なので、かなりの場面を記憶出来ているようだ。








11:02 東六甲縦走路 西起点

 湯本台広場を出発してから約4時間かかって、遂に六甲山上に出た。
寄り道しなければ3時間台で歩けることが分かった。
東六甲縦走路を逆向きに歩くと、その達成感はかなりのものだった。








11:16 石宝殿

 より達成感を得るために、石の宝殿からの東側の景観を見に立ち寄る。
といっても木々に隠されがちなのだが・・。それでも甲山が低く遠くに見えることによって、
これまでの道程の長さを実感することが出来た。








11:21 東六甲分岐点チェックポイント

 石の宝殿の入口横、トンネルの東側に、東六甲分岐点のチェックポイントが設置される。
縦走大会当日、暗くなってから到着すると、そこだけ明るくて屋台に立ち寄る感じだった。








11:37 六甲最高峰(931m)到着

 縦走大会時には素通りするが、今日は久しぶりの六甲最高峰に立ち寄る。
多くの方が憩われているが、日なたではちょっとまだ暑かった。

 三角点が以前より地面から顔を出している部分が多くなったような気がする。








秋の雰囲気に包まれた六甲最高峰

 日差しは暑くても、すっかり秋の景色の最高峰だった。
ススキを眺めながら昼食をとった。








11:58 六甲最高峰出発

 ここからは頑張って、階段道を忠実に歩いてみた。
やはりこの区間はけっこう体力を消耗する。後々の疲労度を考えると、車道を歩いたほうが賢明だったかもしれない。








12:36 六甲ガーデンテラス到着

 階段道で疲れた状態で六甲ガーデンテラスに到着。
何だか普段より賑やかになっていたが、六甲ミーツ・アート「芸術散歩2010」という催しが行われていた。
展望台のメガホンやお土産屋さんの屋根の上のソフトクリーム?など、見ていて楽しい催し物だった。

 そのおかげか、駐車しようとする車が渋滞の列を成していた。
これだけ混んでいるガーデンテラスは初めてだったのでちょっと驚いた。
もし今日ここに車で来ていたら、ちょっと大変だったかもしれない。
でも実際には歩きでしか来たことがないのだけれど。




12:59 六甲ガーデンテラス出発

 展望台で息を整えてから出発。ここからはアゴニー坂までずっと緩い下りになる。




13:20 記念碑台通過

 楽な区間ということもあって、自然にペースが上がってしまった。
後で考えると舗装路歩きで足が疲れたのだろうか。




13:41 三国池南よりサウスロードへ

 この辺りで急に足に非常に疲れを覚えるようになった。
下りでもペースがあまり上がらなくなった。




13:52 サウスロードを抜ける

 サウスロードの段差の大きい階段道は下りでも足に堪えた。
この調子では、逆縦走で須磨まで歩くのは絶対に無理だ。
まだまだ修行が足りないと思い至った。








14:04 アゴニー坂へ

 もうけっこう足が疲れてきていたが、とりあえずここだけは登らなくてはいけない。
記憶が正しければ、アゴニー坂を登ったのはおそらく初めてではないかと思う。
距離も傾斜も、他にいくらでもハードなところはありそうに思えたが、
今日の疲れた足ではアゴニー坂でも充分難所になった。








14:31 摩耶山掬星台到着

 かなりの疲労感を覚えつつも、どうにか掬星台に到着。
秋の澄んだ空気に包まれて、掬星台はとても爽やかだった。
これだけよく見えるのは、1年の中でも上位に入りそうだ。

 ベンチの一つに腰掛けて休憩する傍ら、今後のルートを再検討する。
当初の予定では市ヶ原、布引を経由するつもりだったのだが、
この後は上野道を通って下山することにした。
今日の行程は喝を入れるには充分なものだった。








15:06 摩耶山掬星台出発

 ロープウェイが出発したのを見送って掬星台出発。
存続の岐路に立たされているらしいロープウェイで下山したかったのだが、
ボンビーな自分は利用するにはけっこうな思い切りが必要となる。








摩耶古道 上野道

 上野道は、古くから天上寺への参詣道として利用され、仁王門から天上寺へは
参詣道らしい石段の道になります。
 尾根を歩くコースのため、展望台が数多く設置され神戸の町や大阪湾を望むことができます。
 上野道は「町石道」とも呼ばれ、摩耶ケーブル駅にある町石をはじめ数奇の町石が残っています。
 ビューライン虹の駅近くには高尾明神社という祠があり、摩耶合戦(太平記)の赤松円心ゆかりの
「幡掛の松」があります。

 摩耶山を守ろう会(創立35周年記念)・灘区役所
15:56 上野道(町石道)東登山口

 「摩耶山さん歩」のてるみさんにアドバイスをいただいた、東側のルートを辿って初めての登山口に降りつく。
最近設置されたらしい、上野道に関する新しい案内板がある。
 案内板に書かれている高尾明神社は知らなかった。また今度確認しに行くことにしよう。




16:30 JR灘駅到着




 逆縦走の一端を経験することが出来ました。序盤の東六甲縦走路までで出来るだけ疲労を溜めないこと。
六甲山上の舗装路は少しペースを押さえること。などがポイントかなと思いました。
それにしても後半に摩耶山から鉢伏山までのアップダウンが来ることを考えると、
須磨までの行程がとてつもなく長いものに感じます・・。








行程断面図です




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