「大師道から鍋蓋山」 JR元町駅発着 10年4月13日(火)


国土地理院地形図
 : 25000分の1 「神戸首部」

参考文献
 : 山と渓谷社 【六甲山】

 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】
 : 神戸市 「六甲全山縦走マップ」




 昨09年度六甲縦走大会以来、遠ざかっていた山歩きにやっと行ってきました。
今更ながらではありますが、今年も宜しくお願いいたします。

 天気は前日までの荒天からまだ回復しきれていませんでしたが、行ける時に
行かないといけません。実は4月上旬に好天の休みに恵まれましたが、
京都での撮影に充てました。山歩き以外にも自分の撮影対象は多くて大変。
今年の春は特に天候が不順で、スキーをはじめとしてかなり影響を受けています。
4月後半に向けて早く天候が安定してほしいものですが・・。



 6:00 JR元町駅出発

 行き先はいつものように迷ったものの、桜の時期は終わったところ。
桜の名所を考慮に入れることなく、ただ単にしばらく歩いていないところを選択しました。
ということで大師道なら雨上がりでも歩きやすいし、4ヵ月半ぶりなので足慣らしにも良いかと。

 早朝で人気の少ない県庁街を通り抜けて、山手大学横の道を登っていく。
山手女子高校を過ぎた辺りから山の空気に変わってきた。
沿道では殆ど葉桜になった桜の木を多数見かける。正に「祭りの後」というような雰囲気で
ちょっと寂しい。今年は京都などで充分に桜の撮影を楽しむことが出来ました。
思えば写真撮影に力を入れだしてから、桜を重要視するようになった気がします。
昨年は山歩きについでに桜の写真を撮っていましたが、今年は気合を入れて主題にしました。
また別の機会にお伝えしたいと思います。








 行程概要 (山中のルートは不正確です)
6:30 大師道の丁石「十九」

 大師道は山手大学の角から始まるという概念が的を得ているよう。
まだ道が街中を通っている区間でも丁石はしっかりと設置されている。
ここはいくつか過ぎたところにある「十九」番目のもの。
完全舗装の区間が長くて風情はもう一つとは思うものの、
やはりこの丁石があるだけで歩くにも張りが出てくるのは間違いない。
沿道は桜に代わって新緑が目に優しい。








 眼下に落差の大きい見事な滝が見えてきた。あんなところに滝があったかなと意外だった。
帰宅してから調べてみたところ、水量の多い時だけ現れる滝だったようで、滝直下へ降りることも出来る模様。
しかしそれを知っていたとしても、この日の水量では何の装備も無く滝に接近することは難しかったと思われる。








6:42 稲荷茶屋を通過

 次第に道幅、谷間とも狭くなってきて、稲荷茶屋を通過。
看板と建物は健在ながらも、一部情報によると既に営業されておられないようだ。
大師道は布引、青谷、高座の滝などと同様に挨拶に忙しいほど、多くの方が歩かれているだけに、
伝統あるお茶屋さんが閉めてしまわれたのは、仕方がないこととは思うけど残念な気がする。




 まもなく公共トイレが完備された出合に差し掛かる。
記憶を辿ると確かどちらへ進んでもよかった筈。とりあえず右へと進む。

 すぐに2つほど出合を通過する。諏訪神社を経由するとここで大師道と合流出来る。
諏訪神社経由で歩くと、最初の急登と引き換えに、高低差が少なくて展望のある道を歩けるが、
フェンスに囲まれて風情はもう一つだったと記憶している。








6:50 諏訪神社からの道と合流

 自分にとって、大師道が最も好ましい雰囲気となるのはこの辺りかなと思う。
すぐ横が川原となっていて、大部分が護岸で固められた再度谷では貴重な空間だ。夏なら水遊びも出来る。
丁石は十四丁。まだ大龍寺まではそこそこある。
 確かこの後は撮影スポットが少なくなる筈。しばらくはウォーキングに集中できるな、などと考えつつ三脚をザックを収納する。








7:13 谷間に桜を見つける

 前述の出合付近を過ぎると、人気はかなり減ってきて、時折すれ違う程度。
しばらく黙々と大師道を登っていくと谷間が広がってくる。とはいっても堰堤で土砂が堆積して出来た空間だと思われる。
何か目的がなければわざわざぬかるんだところを歩く必要はないが、きれいに咲いている桜に誘われて見通しの効くところに踏み出した。

 新緑と桜のコントラストが今の時期ならではだった。
この湿っぽい空気のおかげで瑞々しく、目もかなり癒されたと思う。








7:23 猩々池直下の滝

 また、こんなところに滝があったかなと、意外な光景が目に飛び込んできた。
帰宅後調べてみたら、やはり猩々池の水量が豊富な時にだけ現れる滝だった。
考えてみたら今まで水量の豊富な時に大師道を歩いたことがなかったかもしれない。

 少し得をした気分になって、そして全く疲れないままあっけなく猩々池に到着する。








7:27 猩々池

 今までの自分の印象とは少し違う猩々池だった。
いつもは草がびっしりと生えて、そして水の少ない池だったような気がする。
今日ばかりは猩々池もいつもより立派に見える。ここの桜はまだまだ見頃の木が残っていた。

 ここでザックを下ろして小休止。
ふと気付くと、周囲は雲の中に入っていたというか、空気中の水滴が見えるようだった。
傘を差すほどではないが、居るだけで湿ってしまいそうだ。
ここで山歩きを続行するかどうかちょっと迷ったが、それ程悪い予報でもなかったし、
全く歩き足りなかったので計画通りに大龍寺方面へ向かうことにした。




7:40 猩々池出発

 ここからしばらくは車道歩きなので完全に風情は失われる。
一応は弘法大師所縁の歴史ある道なのだが、この適当な扱いは
観光的、歴史的価値を大いに下げてしまっている感は否めない。








僅かな山道の区間

 車道歩きはすぐに終わり、これまたすぐに終わるが山道の区間に突入。
大師道では本当に貴重なシーンだ。やはり山道を歩くのが最も良いと思う。








7:53 善助茶屋跡

 すぐに二本松方面からの山道と合流し、善助茶屋跡へ到着。
ここの桜も大雨の影響だろうか、かなり散ってしまっている。
今春は見頃の時に京都での撮影に充てたので仕方ないが。

 だんだんと雲の中に入ってきたようだ。霧がかった善助茶屋を後にして鍋蓋山方面へ向かう。

 善助茶屋からすぐに大龍寺山門前に出るが、なんと再度山が全く見えなかった。
珍しい光景を見ながら、全山縦走路を西向きに進む。
4ヶ月程前駆け下った道を逆に登っていく。

 見通しが利かないといえば、今の政情かなぁと思う。
前政権が与党慣れし過ぎていたのとは逆に、現政権は野党から抜け切れていないような。
予算は限られているし、戦後貯めてきた問題は山積だから、すぐに好転するとは思っていなかったが、
どうしても稚拙な面が目立って見える。基地の問題にしても将来どうするのかというような根本的な問題よりも、
ただ「5月末」という自ら設定した期限を守ることが目的になっているような。
でも問題はそれだけではないし、とりあえず4年間はじっくりと見定めていくことが肝要とも思う。








 霧に包まれた再度山は、いつにも増して崇高な雰囲気が漂っていた。
しばし立ち止まって静寂の空気に浸ってみた。
4ヶ月ぶりだから特に強く思うけど、やっぱり山の空気は良い。
スキーでも味わっていると思うけど、やはり緑のある木々に包まれるのとは違う。








六甲全山縦走路を西進

 前回、縦走大会で喧騒の中歩いた縦走路を逆向きに進む。
コバノミツバツツジがいつもなら退屈な縦走路をきれいに飾っている。
やはりこの静けさが本来の山道であって、六甲縦走大会は楽しいけれども
純粋には山歩きとはいえないような気がする。自分は昨年度までに通算3度まで
完走したので一応満足。今年は参加しないと思う。








8:36 鍋蓋山山頂 (486m)

 より一層濃い霧に包まれた鍋蓋山山頂に到着。
縦走大会の時とは全く対照的に静まり返っている。
せっかくここまで来たのだから、とりあえずベンチで休んでいこうと
思って南側へ降りてみると、ヤマザクラが見頃となっていた。








鍋蓋山山頂のヤマザクラ

 今日のルートでもけっこう散っている木が多かったがここが一番きれいだった。




8:50 鍋蓋山山頂出発

 15分程度の滞在で出発。次の目的地の七三峠へ向かう。








丸太で完全整備された鍋蓋山周辺

 鍋蓋山山頂すぐ東にある分岐から七三峠へ下っていく。
確か以前はもう少し荒れた印象があったが、七三峠まで殆ど完璧に丸太によって整備されていた。
ややマイナールートだと思っていたけど、六甲縦走路と同じ扱いになっていてちょっと驚いた。
でも濡れていて丸太が滑りやすくなっており、あまり調子良く下っていくとちょっと危ない。








完璧に整備されたトラックで七三峠へ








9:03 七三峠到着 (350m+)

 随分久しぶりの七三峠に到着。鍋蓋山山頂からは130mほど下った筈だが、相変わらず霧は濃い。
峠の地面にはびっしりと桜の花びらが落ちていた。夕べの雨のせいでもあるけど、ちょっと遅かったようだ。

 ところで六甲山中の数多くの峠の中で、この七三峠は自分にとってかなり好きな峠である。
上手く言えないけど、他にはない雰囲気があるような。今日はあいにくだが、好天であれば居心地の良い休憩スポットになると思う。

 実は当初の予定では更に南下し、久しぶりに防火道を歩くつもりだった。
しかし、予報に反して天候は回復する気配は無いし、地面の状態が悪いのを見越して今回は断念。
面白みには欠けるけど、ここより林道歩き+大師道往復で下ることにした。

 ちなみにこの七三峠から東へ向かうとすぐ林道に出る。
風情はもう一つだが林道歩きは安全確実だ。




9:10 七三峠出発

 林道沿いのヤマザクラも殆ど散っていた。
林道は曲がりくねりながら東へ向かう。なおこの林道は一般車道は入れない。




9:24 猩々池

 約2時間で再び猩々池にやってきた。
今日のルートのアレンジはもう一つだったけど、あいにくの天気での足慣らしにはちょうどいいかも。

 猩々池からは殆ど完全舗装の大師道を駆け下る。
途中、きれいに咲いていたヤマザクラの写真を撮った以外はノンストップだった。




10:10 JR元町駅到着

 猩々池から約40分で元町駅に到着。




 10kmの行程でも殆ど疲れを感じませんでした。4ヶ月ぶりの山歩きだったが好感触でした。
今年は本当に多忙で、昨年のペースで山歩きを続けることは難しいかもしれません。
近い将来、かなり生活環境も変わりそうです。
でも可能な限りは山へ出掛け、そしてレポとしてまとめていきたいと思います。








行程断面図です




BACK

inserted by FC2 system