06年 9月23日(土) 阪急六甲駅〜長峰山〜杣谷(徳川道)〜阪急六甲駅
Mt. Nagamineyama to Somadani Valley 23rd. Sep / 06

 当初出ていた雨の予報が爽やかな秋晴れに。個人的予報でも台風は関東の手前でUターンするだろうし、週末に天気を崩す要素はないのではと思っていたら案の定。
もう少し週間予報の精度を上げてもらえないと役に立たない。それはともかく、近日中にも山歩きの予定があるし、でもせっかくの好天だからどこへ行こうかと思案の末、
そこそこの距離と時間で歩ける、秋晴れで好展望の楽しめるであろう長峰山に決定。下りで1回歩いたことがあるが登りは初めて。そこそこの気合が必要なトラックだ。

 なお今日の行程は、山と渓谷社「六甲山」のP.84 “伯母野山から長峰山”を完全にトレースしたものである。

6:05 阪急六甲駅出発

 早朝で静まり返っている阪急六甲駅界隈。多少肌寒いくらいの温度で非常に気持ちが良い。
ようやく登山適期に入ってきたと実感できる。駅からしばらくは緩やかな登りの街路。
少し北にある六甲登山口交差点に出るとバス道を西進。道の南にあるガソリンスタンド
(ゼネラル石油)を目印に住宅街への道を北上。あとは道なりに六甲川を渡って登る。


6:14 長峰山登山道の道標のある辻

 道なりに登っていくと長峰山登山口の道標が目に入る。ここからが長峰山へ続く
長い長い急坂の始まりである。ここまで歩いたところでウォーミングアップをして
気合を入れて登っていく。


もうこんなに登ってきた!

 長峰山の山道に入る前に急坂の舗装路でこれだけ登ってしまう。
地形図によるとこの辺りで既に標高約300m。長峰山は中腹まで街路を
登るようなものである。肌寒い早朝だから良かったが、昼間なら山に入るまでに
嫌になってしまう。


6:31 伯母野山住宅街碑前を通過

 もう長峰山が近くに迫ってきている。ここまで来ればあと少しで舗装路から開放される。
住宅街の一角には神戸八景・伯母野山住宅街の碑が立っている。昭和7年には既に
この辺りは宅地になっていたという。それまでは伯母野山という長峰山の前衛峰があった
のであろうか。それとあとの七景がどこなのかが気になる。

 この後少しの登りで山肌に突き当たって舗装路は終わる。突き当たりからはしばらく東に
平坦な小道を進む。一帯は松蔭女子学院大学のグラウンドだったという草地である。
グラウンド跡を抜けたところが、ようやく長峰山登山口となっている。


6:38 長峰山登山口

 既に中腹まで登ってきているのだからあと半分を残すのみ。
ここからしばらくは見通しの利かない森歩きとなる。全体的にやや急なトラックが続く。
殆どのところはよく踏まれて歩きやすい。

 途中の階段で休憩している単独男性ハイカーを追い越す。自分よりも早く登り始める
ということは地元の方だろうか。


7:06 広葉樹が植樹された伐採地へ出てくる。

 約30分くらい急坂を登ると途端に視界が開けてくる。この辺り一帯は伐採されて
広葉樹が植樹されている。樹木が途切れているところが電車の窓からもよく見える。
ここを通るのが楽しみで登山口からノンストップで登ってきた。「森林限界を抜ける
までは休まない」というNZでのマイルールを久しぶりに適用した。(しかしここは
森林限界ではないが・・)


広葉樹の向こうに神戸の街並みを見下ろす

 植樹されてからかなり育ってきたのであろうか。けっこう背が伸びてきた木もある。
いずれはまた深い森に包まれるであろうが、まだ当分は好展望のトラックを
楽しめそうである。木々を痛めないためにもトラックから外れないようにしたい。


長峰山の肩に辿り着く

 広葉樹の植樹地帯が途切れるところが、長峰山の長い峰の始まりである。
ここからしばらくは展望が無くなるので、今一度好展望を楽しんでおく。
それにしてもこの試みをもっと多くのところでやってもらいないものだろうか。


7:15 長峰山の長い峰を西進中

 麓の街から見れば平坦だが意外にアップダウンがある。ただご覧のような快適な
部分もある。これで展望が楽しめればいうことはないのだが。
途中のミニピークでは関電巡視路(と書かれている)の脇道が分岐している。
おそらくハチノス谷から上がってくるトラックではないかと思う。


 最初のミニピークを過ぎるとアップダウンは穏やかなものになる。
頂上が近いことを感じてウキウキしてくる。という時に車のアクセルを吹かす音が
聞こえてくる。そういえば表六甲ドライブウェイが近いのだった。
自分も運転はするが峠でスカッとするタイプではない。もう少し静かに走って
もらえればありがたいのだが・・。


7:26 長峰山山頂(天狗塚)到着 標高687.8m

 登山口から1時間もかからないうちに山頂に到着!今日は土曜だが早朝のため
だろう誰も居ない。ここはそれ程広くないので、もし団体でも居れば満員になってしまう。


天狗塚(長峰山山頂)にて

 遠方は多少霞んではいるものの、まずまず空気が澄んでいる。
三脚が倒れるのではと心配するくらいの強風が時折吹き付ける。
ややもすれば寒いくらいの風で、急坂を登ってきて掻いた汗が一気にひいた。


まさに大展望!

 神戸の街はもちろん、紀淡海峡まで何とか見える。
 長峰山はぜひ空気の澄んだ天気の良い日に歩いていただきたい。
しかし天狗塚は直射日光を遮るものが何も無いので、夏は避けたほうが無難。


摩耶山を間近に望む

 深い深い杣谷を挟んで西側にはほぼ同じ標高の摩耶山が。
観光地化された摩耶山、掬星台よりもこちらのほうが山歩きの風情がある。

六甲最高峰方面を遠望

 東には六甲山上の街が。少し前に歩いた油コブシや天狗岩南尾根も見える。
しかし眼下には表六甲ドライブウェイが山肌を縫うように走っている。
そういえば以前友人より六甲のヘアピンはすごいと聞いたことがある。
自分はまだ運転したことのない道である。


四等三角点

 天狗塚の岩に埋もれるようにして四等三角点が設置されている。


 涼風に吹かれて良い気分!

 天狗塚は六甲山系の中でも一、二を競うほどの景勝地と言って間違いないと思う。


杣谷峠方面を望む

 杣谷峠までは急なアップダウンを乗り越えなければならない。
長峰山は山頂に着いたからといって気を抜いてはいけない山である。

 ひとしきり写真を撮り終えたところで先ほどの単独男性の方が登ってこられた。
しばらく談笑した後、立ち去りがたいが重い腰を上げて杣谷峠へ向かう。


8:21 長峰山山頂(天狗塚)出発

 1時間近く天狗塚で過ごしてようやく出発。山頂からはいきなり急降下。
延々と丸太階段が続く。どこまで下るのかという勢いで下っていく。


 鞍部に降りたら今度は急上昇。丸太階段が歩きやすいが急坂には変わりない。
辛いが尾根を吹き抜ける涼風がありがたい。


長峰山山頂(天狗塚)

 急登が一段落した頃に南の木立が切れて天狗塚が望める。
北から見るとなかなか端整な山容である。

 山頂北の急なアップダウンを過ぎると、多少緩くはなるが小刻みなアップダウンは
終始続く。


8:43 杣谷峠到着

 天狗塚から約20分で、今日の折り返し地点である杣谷峠に到着。
ここは摩耶山へ通じる車道沿いにあるので、車で乗りつけることが出来る。

 まあまあ設備の整ったトイレ、あずまや、そしてベンチがあり一息入れることが出来る。


 5分くらい小休止した後、杣谷へ向かう。少しだけ登った後、延々続く下りの
階段道が始まる。


杣谷道(徳川道)を急降下中

 杣谷道は峠の直下は石の階段道が延々と続き、谷道というわけではない。
しかしやはり階段道は歩きやすくてありがたい。
 ところで朝方は涼しかったが、日が高くなってくるにつれて木漏れ日が暑く
感じるようになってきた。自分にとってまだ残暑がそこそこ厳しい。

 なおこの道は幕末の頃に第二の「生麦事件」を起こさぬようにと、神戸の外国人
居留地を迂回するために山中に設けられた街道。実際にはその後すぐに幕府が
倒れたので実際に使われることはなかった。「徳川道」は明治後期の命名らしい。

 それにしてもこの山道を行き来するかもしれなかった大名行列を見てみたい気もする。


9:02 第一の渡渉地点

 杣谷峠から下ってくると、ここで初めて杣谷川の流れと出合う。残念ながら
最近雨が降っていないので水量はちょろちょろ程度。
 渓流シューズなら問題ないが、トランピングブーツでは滑りやすいところである。
足元に注意して沢を横切る。この杣谷道は沢歩きをするわけではないので、
今日は渓流シューズは持ってきていない。


 というわけで、殆どが山道の杣谷道だが渡渉箇所はなかなか多い。
トゥエンティー・クロス(渡渉回数はたった5箇所)よりずっと多い。
 渡渉箇所の前後で沢と親しむことは充分可能である。
しかし水量が少ないせいかあまり水はきれいには見えなかった。
ここでは顔を洗うのもはばかられる。
 
 この辺りから登りのハイカーと時々出会うようになってきた。
下り切るまでに数え切れないハイカーとすれ違うようになる。
改めて今日が休日だったということと、杣谷道の人気の高さを感じる。
自分は休みが不定休なので、基本的に曜日の感覚が無いのである。


小滝を発見

 登山道に沿っていくつかの小滝を見つけることが出来る。
しかし水量が少ないので、あまり見栄えが良くないのが残念・・。


急な階段を通過

 杣谷道は時々急坂の通過を強いられる。というのも、六甲の他の谷と同様に
無数の堰堤によって渓流が細切れにされているからである。
今回、下りながら堰堤の数を数えてみた。途中で確信が持てなくなったが、
おそらく10はあると思う。かつて居留外国人達に「カスケード・ヴァレー」と
呼ばれて親しまれていた谷も、現在では残念ながらその魅力を保っているとは
言い難いのが実情である。沢を遡行しようにも10ほどの堰堤に阻まれるし、
杣谷道も堰堤を回避するためにしばしば谷より離れるからである。


9:37 前方に長峰霊園が見えてくる

 殆ど見通しの利かない杣谷道だが、下流が近づいてくる頃に堰堤を高く回避
するために木々の間から下界を眺めることが出来る。
 杣谷の入り口付近にある墓地が見えてくるようになると終点が近い。
 なお、この付近はなかなかの急坂で、滑りやすいところもあり通過には慎重を要する。


堰堤前を通過

 高く回避してきた後に堰堤前を渡渉する。堰堤直下の水を見ると汚い。
国立公園の名に恥じぬよう、将来水質が改善されることを期待したい。




9:53 広い河原へ降りてくる

 ここで山道は一段落。それにしても暑い・・。
あちこちにバーベキューの跡が見受けられてここはあまり好きではない。


下流部に僅かに残るカスケード・ヴァレーの名残

 丸い滝壺を持つ小滝が河原の脇にある。滑らないように注意して滝壺の脇に
立ってみた。石楠花谷で似たような滝を見たが、あれの小型版のような感じ。
初めて杣谷道を歩いた時はなかなか感銘したが、その後あちこちで谷歩きを
経験して色んな沢を見てくると、杣谷にあまり魅力を感じなくなってしまった。


長峰山を見上げる

 20人ほどの団体、男女2人ずつの韓国人パーティーをはじめとして
数多くのハイカーとすれ違った。これは登山口に降りるまで続いた。
休日の杣谷道はなかなか盛況で何だか嬉しくなってくる。

 そのうち何人かの方に、自分のザックに三脚が括り付けてあるのを見て
今の時期に何の花が咲いているの?と聞かれた。実際には花を撮るために
三脚を持っているわけではないのだが。(^_^;) 当然今の時期に何の花が
咲いているのか知っているわけがない。
自分の写真には花が無いなぁ。


10:11 長峰橋到着

 杣谷道、山寺尾根の登山口にあたる長峰橋に到着。
続々とハイカーが登ってこられて、一帯は登山基地のような雰囲気になっている。
ここに登ってくるまでにも舗装路の急坂を経なければいけないのでたいへん。
このあたりの標高は約200m。最寄の阪急六甲駅までけっこう遠い。

 暑い中ゆっくりと下って、今朝方出発した阪急六甲駅へ向かう。
長峰山へのルートは、今朝通った伯母野山経由と、この長峰橋経由の2つが
考えられるが、どちらを登りにあてるのが楽なのだろうか・・。どっちもどっちかな。

 10分程度下ると護国神社へ辿り着く。今朝のバス道沿いにある。


10:40 阪急六甲駅到着


 長峰山山頂での大展望と、変化のある尾根歩き。なかなか充実した半日プランで大満足。そろそろスズメバチを警戒しなければならない季節だが、
昨年に比べると少ない印象を受ける。この日も目撃回数は2回。しかしいないわけではないので黒色を避けるなど服装選びには注意が必要である。

 あともう少し涼しくなればなぁ。



BACK

inserted by FC2 system