06年 9月27日(水) JR三ノ宮駅〜旧摩耶道〜学校林道〜天狗道〜摩耶山〜上野道〜JR灘駅
Moto-Mayamichi, Gakko-Rindo, Tengumichi, Mt. Mayasan to Uenomichi 27th. Sep / 06

 山歩きを始めてから摩耶山へは何度か登っている。摩耶山へは実に多くのトラックが縦横に走っているが、まだ一方の向きでしか歩いていないトラックが多い。
その中から今日は旧摩耶道(もとまやみちと読む)を初めて登り、下りはこれまた初めて上野道で下る。実は黒岩尾根で下る行程を考えていたのだが、
諸事情により摩耶山上で気が変わった。前回から中3日で休み無しなので無理せず半日プランで留めておこう。


5:55 JR三ノ宮駅出発
 新神戸駅へ向けて街路を歩く。残暑の厳しい9月も末になって、朝は全く汗を掻かないようになった。
新神戸駅南のローソン前の階段を下って地下鉄新神戸駅の改札前を通り過ぎ地下道を進む。
新幹線新神戸駅2F南から外に出て、しばらく駅沿いに東進。2つ目の陸橋で新幹線線路の上を北へ渡る。
登りで歩くのは初めてでも、北側に鳥居が見えているのですぐに分かった。
神社の境内を通り過ぎて住宅街の急坂と階段を登りついたところが雷声寺。旧摩耶道の登山口にあたる。
このあたりで標高100mくらいのようだ。

6:24 雷声寺

 雷声寺の境内は奥に広い。長い階段が数度に分けて続く。
そして驚いたのがやたら境内にネコが多いこと。首輪をしていないので、
捨て猫が野生化したのだろうか。本当に多かった。


6:30 境内最奥からやっと山道へ

 三ノ宮駅から約30分でようやく山へ入る。写真は東向き。
この不動明王の右脇から旧摩耶道がスタートする。
以前に一度下りで歩いているが、登りは初めてなので
なかなか新鮮な気分。


 旧摩耶道は摩耶山天上寺への参詣道の一つとして古い歴史を持つ。
いわば山道自体に歴史的価値があると思う。ただしせっかくの歴史的遺産を
現在のところ十全に活用し切れていないような気がする。

 雷声寺を発つといきなり丸太階段の急登になる。所々崩れている箇所があるが、
なかなか歩きやすい。幸いなことにここの急坂はすぐに終わる。


6:43 ミニピークを通過

 早朝で薄暗い急坂を10分程度登ると尾根道になる。
そしてすぐにこのミニピークを通過。ここからしばらくは高低差の殆どない
快適な尾根道が続く。旧摩耶道に好感を持ったのはこの区間の存在が大きい。


 朝の穏やかな日差しの中で平坦で快適な尾根道を歩く。
木立の間からは神戸の街が垣間見えるが基本的に見通しは利かない。
でも歩いていてとても気持ちの良い区間だと思う。


 残念ながら快適な尾根道はすぐに終わってしまい、そこそこの登りの山腹道になる。
北斜面を通過するので薄暗いが、よく踏まれた道でとても歩きやすい。
周囲に生えている木々もなかなかの大木が多い。


7:06 学校林道、旧摩耶道出合

 山腹道は最後にやや急になってこの出合に辿り着く。
ここからは四方へトラックが分散しているが今日は学校林道へ。
というのも当初のプランでは、下りでアドベンチャールート経由で
黒岩尾根を通る予定だったから。


学校林道を北上中

 林道ではない学校林道を緩やかに登っていく。いつもこの名前の由来が気になる。
トラックに沿って草はきれいに刈られていた。神戸市によるのか有志の方の手による
のか分からないが歩きやすくてありがたい。

ここは秘密基地か

 学校林道をしばらく登ると鉄塔が林立する平坦地に出る。
この鉄塔群はとても目立っていて麓からもよく見える。何だかなぁ。
基本的に山の中に人工物は極力設置するべきではないと思う。
まして六甲山は国立公園なのだから。

 このまま天狗道へ出られるといいのだが、鉄塔群を過ぎると一旦鞍部へ下る。
そして後は天狗道に合流するまで緩やかに登るのだが、ここで劇的に様子が
変化しているのを見て驚くことに・・。


ハーブ園、市章山方面の景観

 なんと山崩れでもあったのか、山腹保全工事中の箇所に出てきた。
昨年初めて登った時には無かったはずだが・・。最近崩れたのだろうか。
トラックは丸太階段の回り道が敷設されている。
写真は工事現場のフェンスの上から撮ったもの。ワイヤーが思いっきり
邪魔になっているが現場の状況から仕方がなかった。

 眼下には急斜面の上に段々状に斜面を形成しつつあるところだった。
なかなかの景観だが今日はちょっと霞んでいて残念。


 06年11月27日追記
 山崩れは麓からもよく見える。列車の中から確認。



 工事現場を過ぎると再び木立の中の静かな学校林道を緩やかに登る。
摩耶山から天狗道経由で下山する場合、稲妻坂よりも学校林道と旧摩耶道を
通るほうが歩きやすいのではないだろうか。ただ労災病院へ下る東山尾根は
やや荒れていて、麓のほうは薄暗い谷を通過するので雰囲気はあまり良くないし、
逆に登るとしても登山口がやや分かりにくい印象を受ける。


7:44 天狗道学校林道出合

 全山縦走路に出てきた。ここでしばらく小休止。
木立を吹き抜ける風は肌寒いくらいで気持ちがいい。


 出合からしばらくは快適なトラックだが、このあたりで前方に摩耶山を見ながら
急降下する。下りきってしばらく登ると天狗道のハイライトの岩登り区間へ。


天狗道での岩登り

 個人的にこの区間は非常に楽しい。急なことは急だが、岩登りに快感を覚える。
同じ急坂でも岩場だと楽しく感じるのは不思議な気がする。
 しかし残念ながら岩登りはすぐに終わってしまう。


天狗道、学校林道出合のあるピークを見る

 岩登りをひとしきり終えた頃西側の視界が開けて絶景が・・、
と言いたいところだが今日は霞んでいて遠景は全然ダメ。
これでは黒岩尾根を歩いても楽しさ半減だと思い、当初のプランを
変更する気になってきた。しかもこの付近で3、4匹のスズメバチに遭遇!
おそらく哨戒中、もしくはエサを探していたのであろうが、トラックを塞ぐ形で
飛んでいたので、そのまま通過するのは危険と判断。しばらく岩場の一角で
身を小さくして待機を強いられる。5分程度待った後に警戒して進んでみると
幸いなことにいずこかへ飛び去った後だった。このウェアの色はちょっと濃い
かもしれない。次回はもう少し淡い色のウェアを着てこよう。

 最近、身の回りでアシナガバチに刺された人が居て、それはそれは激痛だった
とのこと。スズメバチに刺されたらどんな痛みだろうか。興味はあるが体験したくない。
ちなみに自分は今までハチに刺されたことがない。


8:28 天狗道、アドベンチャールート出合

 岩場を通り過ぎても小刻みにアップダウンがある。
そして摩耶山直下まで来たところでこの分岐に辿り着く。
当初のプランではここからアドベンチャールート(未踏)を経由して
黒岩尾根へ進むつもりだった。しばし考え込む。
でも今日の霞んだ景観と、さっきのスズメバチとの遭遇で
アドベンチャーする気が萎えてしまった。まあ、またの機会に置いておこう。

 (ここから下は食事中の方は飛ばして下さい)

 
それと、ここに辿り着くまで切り株状の丸太の置いてあるちょっとした
展望地があるのだが、なんと何者かが残した大便が!?(ーー;)
しかもまだ新しい上に拭いたティッシュまですぐ横に!止むを得ない面も
あるが、もう少し場所に気を配っても良いのではないだろうか。
しかも匂いに釣られてかスズメバチも見受けられるし通過せざるを得なかった。
喝!だこりゃ!



摩耶山・掬星台へ向けてゴロゴロ坂を登る

やっと考えがまとまって掬星台へ向かうことに。上記の分岐からは摩耶山まで
あと少し。歩きやすい階段道で到達出来る。


8:42 摩耶山上へ

 一旦考えがまとまったのだが、電波塔北にある黒岩尾根への分岐を見て
また迷いだす。地図を見て検討するが結局は掬星台へ向かうことにした。
9:00 摩耶山・掬星台到着

 人の気配が無い掬星台に到着。風は冷たく感じられるが日差しが強くなってきた。
視界が良くないがせっかく来たことだしテラスで休んでいこう。


掬星台東端のテラスで休息中

 前からこんなに落書きが多かったかなぁ。
「なつへ いつか結婚しよナ」 いや落書きでそう言われてもナ。

※ 落書きは器物損壊の罪になります。でもどう啓発しても、
飲酒運転にしても落書きにしても結局は本人の自覚の問題。


長峰山遠望

 4日前に歩いた長峰山を眺める。なかなか堂々とした山容に見惚れてしまう。
西側から見ると天狗塚北の難所のアップダウンが目立つ。
やはり展望台として魅力的なのは掬星台より天狗塚のほうかな。



9:22 下山開始
 20分ほど掬星台でまったり過ごした後に下山を開始。
まだ下りで通ったことのない上野道を歩くことにする。

 公設の案内板にラミネートされた「スズメバチ注意」の看板が目を引く。
でももう既に遭遇したのだが。(^_^;) 大事なことと考えて全文を掲載する。

スズメバチに要注意!
摩耶山に発生!!


スズメバチ
は、9〜10月がもっとも危険です。
香水や黒い服は控え、帽子等で頭も守りましょう。
毒が目の中に入った場合は、すぐに水ですすぎ、
病院で治療を受けて下さい。

応急処置 : 傷口を流水ですすぎ、毒液を吸い出し、
冷やしながら出来るだけ早く病院へ
行きましょう。

まやビューライン 駅長


摩耶山史跡公園 (旧天上寺跡)

 10分程度下ると公園になっている旧天上寺跡に到着。この寺は昭和51年1月30日に
発生した火事により焼失してしまった。現在は摩耶別山付近に移転されている。
焼失した後ここで再建されなかったのは、車道が接続していない不便なところだったから
ではないかと想像する。もしそうだとしたらこのような交通不便な山上の地にも関わらず、
建立した昔の人の信仰心はすごいものがある。信仰心が全くない自分だから余計に。

 それにしても暑い!やはり日が高くなるとまだまだ暑い。


 旧天上寺へ続く急な石階段を下っていく。
ここで今日初めて単独の男性ハイカー1人とすれ違う。



 長い階段の後山門を抜ける。寺が無くなって放置されている状態だが
建物自体は大丈夫そうだ。ただ屋根の部分が傷んできているのが気になる。
このまま自然に還してしまうのだろうか。歴史的価値はあると思うが。


9:46 旧摩耶道、上野道出合

 山門のすぐ下で分岐に差し掛かる。直進すると今朝歩いた雷声寺方面か、
舗装路が続いて面白くない青谷道へ向かってしまう。
 上野道はここから南下。この道も旧天上寺へ続く参詣道として使われていた
歴史ある山道である。なお摩耶山への最短距離トラックということらしい。


 元々参詣道ということだろうか石段が延々と続いている。
トラックを覆う木々もなかなかの大木が多い。明治後期から始まる緑化事業によって
現在の緑豊かな六甲山系になったが、この木々はそれ以前から生えているのだろうか。
もしくは100年でここまで育つのか興味があるところ。

 ちらほらと登りのハイカーとすれ違うようになってきた。
上野道もなかなかの人気トラックのようだ。


10:00 摩耶ケーブル虹の駅

 上野道は途中でロープウェイ駅とケーブル駅に接続できる。
昨年掬星台に夜景を見に行った時、下山で利用したことがある。
最近まで整備で運休されていたようだが、今は普通に運行されている。
トラックは虹の駅に向かって右脇から下へ続いている。


 上野道下部はご覧のような切通しのトラックになる。
昔の人によって歩きやすいように手を加えられてきたのだろうか。

 なおこの付近に摩耶山城が存在したというが、この切通しはその遺構でもあるのだろうか。
城の歴史は古く、南北朝の頃に赤松円心則村の築城と伝えられている。
きちんと発掘調査はされているのだろうか。歴史好きなのでこういうことは気になる。


東山方面を望む

 写真は西向き。下る途中で南と西の視界が大きく開けた。
ススキが秋を感じさせるが、まだまだ日差しは強い。
それにしてもどこから見ても送電線が上空を覆うのは残念。


 まだまだ続く切通しの道。これは麓の展望公園手前まで続く。
上野道は摩耶山へ最短距離で登れる上に、なかなか歩きやすい。
下りでも脚への負担が少ないトラックだと思った。


10:30 展望台通過

 暑いし空気も霞んでいるので素通りする。ここから公園に入るが、
所々で枝道が四方へ伸びている。以前に一度登りで通ったので、
記憶を頼りにして歩いたが、慣れないとちょっと戸惑うかもしれない。


10:38
 
 神戸高校の上に出てきた。後は道なりに南下するだけ。


11:02 JR灘駅到着

 今日のもう一つの目的は、解体が決まったこの灘駅の駅舎を撮影しておくこと。
南北の分離を解消するための工事により姿を消すことになってしまったらしい。
駅舎は太正から昭和初期にかけての建造物だそう。NZで多くの古い近代建築を
大事にしているのを見てきた身には「もったいない」としか考えられない。
これで灘駅もどこにでもある無味乾燥な姿になってしまうのか。
陸の孤島というわけでもないし、別にちょっとくらい遠回りになってもいいやんと思うのだが。


太正浪漫を感じさせるアーチ型の窓が特徴

 NZでは教会だったが、日本で街の真ん中にあるのは駅。
どこの街も同じ顔に見えるのが日本の現状であり、経済効率だけを
優先するのはどうかということがTVで問題提起されていたことがある。
もう解体が決まっているとのことで残念だ。戦災と震災を生き残ってきた建造物なのに
もう少し敬意を払ってもよいのではないだろうか。
 震災直後西からJRを乗ってきたら、ここが一時的に終着駅になっていたことを
昨日のことのように思い出す。

 これで古い駅舎が残っているのは、阪神間ではJR摂津本山駅だけになるという。
近いうちにここを使う山歩きのプランを考えてみよう。


 登りも下りも歩きやすいトラックでたいへんお薦め。旧摩耶道にこだわるのなら、学校林道へ曲がらずに直進しましょう。
現天上寺は摩耶山掬星台から北へ車道沿いを進みます。さほど遠くないので立ち寄ってみてはどうでしょう。
空気の澄んだ日には西に大展望が広がります。
 それとスズメバチをちらほらと見るようになってきたので、刺されないように対策を取りましょう。


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