06年11月25日(土) 「古道と仙人の足跡を追う」
神鉄有馬口駅〜逢山峡〜シュライン・ロード〜雲ヶ岩〜蛇谷北山〜保久良神社〜JR摂津本山駅

 今日は未踏だったシュライン・ロードで六甲山上へ、その後は六甲山上の見どころに立ち寄りながら、これも未踏だった蛇谷北山を踏破して、
東お多福山、保久良神社経由でJR摂津本山駅まで歩くというロング・トレイルの行程である。今回は翌日が休みということで、スキーのオフトレにも
力を入れようと、ウォーキングも考慮に入れて組んだ計画である。基本的に土日共休みになるのは殆ど無いのだが、友人Kappaさんと歩く計画があって
そのために連休を確保していたのである。しかし多忙によりキャンセルされ、結局いつも通りに休みなら必ずフリーのヒマ人の自分だけの単独行になってしまった。

6:50 神鉄有馬口駅出発

 この駅で降りるのは今日が初めてである。
 ちょうどこの日からポイントの高規格化工事が終わって、全面のホームが利用可能に
なったところだった。年初に脱線事故を起こしていた影響だ。裏六甲唯一の大動脈として
より一層安全運行をお願いしたいところだ。

 改札を通って一旦駅の北側に出る。そして駅の西側の踏切を渡って山へ向かう。
一帯は民家が点在するのどかな田園風景が広がっている。
 しばらく進むと、おしゃもじ地蔵、専念寺の看板がある。そこから東に脇道を入る。
突き当たりを右折。すぐに専念寺に到着する。


7:00 おしゃもじ地蔵(専念寺)

 境内に入る手前にあるこの地蔵がおしゃもじ地蔵と思われる。
一応、境内をくまなく探索したが、これ以外にそれらしいものは見当たらなかった。
ここに看板を置くか、地蔵がしゃもじを持っててくれれば分かりやすいのだが。
 何でも救うということで、おしゃもじ地蔵と呼ばれているとのことである。
どうしようもないこの国も救ってくれないかな。おしゃもじ地蔵でも救いきれないか。



 おしゃもじ地蔵との対面を終え、元の看板のところまで戻って再び山へ向かう。
行く手には高い高い高架の阪神高速北神戸線が周囲の風景とは不釣合いである。
これだけムダに自然破壊して道路を造りまくってて「美しい国」とは聞いて呆れる。


7:27 東山橋

 高速の高架をくぐる辺りから右手に川が迫ってくる。そして二つ目の橋が東山橋。
この橋を渡って、神鉄唐櫃台駅へアクセスすることも出来るという。

 東山橋からは山川草木相迫って来て、一気に渓谷の様相を呈してくる。
何箇所か巨大な堰堤に阻まれているが、要所では谷歩きも可能なようである。
今日は事前調査もしていないし、何より渓流シューズを持ってきていないので、
無難に舗装林道で遡ることにする。途中数箇所で滝の気配を感じたが・・。


7:47 猪ノ鼻滝付近

 緩やかに登っていくと、右手遥か下になかなか立派な滝が見える。
猪ノ鼻滝

 名前とは裏腹にとても優美な滝である。何とかもっと近づきたいと思って、川辺に
降りれそうな道はないかと周囲を探したが、辺りは絶壁でとても無理そうだった。
もっと下流から遡行しなければならないのか、もしくは上流側から近づくのか、
ネットで調べておこう。


猪ノ鼻滝を背後より見下ろす

 林道は猪ノ鼻滝の背後で右岸から左岸へと渡る。この橋の袂から滝へ降りれそうだ。
滝の落ち口へは比較的簡単に到達できそうだが、滝の探訪は沢歩きの時に置いておく。


8:00 シュライン・ロード、仏谷分岐
 しばらく登ると林道が二手に分かれる。よく周囲を見渡すと小さな看板が設置されて
いる。シュライン・ロードへは直進。左手に降りていくとこれまた未踏のところばかりだが、
またの機会に置いておく。


 逢山峡の林道は緩やかだがとにかく長く感じる。しかし、今なら紅葉を愛でながら
だから退屈はしない。あとはこれだけ奥地まで舗装してくれなくてもいいのだが・・。

 逢山峡の林道は地元の方々のウォーキングコースになっているようで、多くの方と
すれ違う。このような自然の中を毎日歩けるとはうらやましい環境である。


 ようやく舗装が途切れるころから登りは一段落して殆ど平坦になる。
この辺りから紅葉がより一層美しさを増す。先日の有馬周辺も素晴らしかったが、
この逢山峡も紅葉の名所といって遜色ないと思う。


 ふと足を止めて撮影したくなる紅葉が目白押しで、いつになくペースが遅い。


 見事なもみじの大木だ。瑞宝寺公園にもこれほどの大木はなかったと思う。



 黄色と赤の絶妙なグラデーションで楽しませてくれる。


8:28 古寺山登山口

 紅葉に魅了されながら歩いていると、古寺山へ登っていく細いトラックを発見。
ここもまだ未踏でもちろん惹かれたが、今日は天気は下り坂の傾向にある。
とにかく少しでも晴れている間にシュライン・ロードを歩いておきたい。
ここもまたの機会に置いておく。


8:33 いよいよシュライン・ロード、スタート

 有馬口駅から約1時間40分近くもかかってようやくシュライン・ロードのスタート地点
に到着した。地図を見ると有馬口駅よりも、シュライン・ロード終点の前ヶ辻のほうが近い。
ここは三叉路になっていて、直進すると神鉄六甲駅(3.2km)へ至るようだ。
写真では荒れた印象になっているが、実に幅広の快適なトラックが奥へ続いている。


8:38 鳥居をくぐる

 緩やかに登っていくとすぐに鳥居が現れる。シュライン・ロードの名称の起源に
なっている鳥居なのであろうか。とにかくシュライン・ロードが始まったという高揚感に
包まれる。とても絵になる光景だ。しかし、鳥居をくぐると・・・


 ご覧のように無粋なドライブウェイでシュライン・ロードは無残に分断されてしまっている。
由緒ある古道を分断させてまで通す必要のある道路だったのであろうか。

 おまけに道路沿いということもあってか、鳥居周辺はゴミが散乱していてまことに遺憾。
これではシュライン・ロードのシンボルが台無しだということで、ここで回収作業を開始。
5分程度で目に付くゴミは一掃された。気持ちよくなったところで、いよいよ道路を横切り
向かいの階段を登る。

 この道路建設の際に移設された九体仏というのが、200mほど道路沿いに下ったところ
にあるらしい。しかし、今日は天気が下り坂ということで先を急いでいた。九体仏はまたの
機会に置いておく。


 よく整備された丸太階段を登っていくと、すぐに最初の祠が現れた。
これから終点の前ヶ辻へ至るまで祠が点在するトラックが続く。他のトラックには
無い雰囲気で、これぞシュライン・ロードの醍醐味といえる。

 ただ、正確にはこれが最初の祠ではない。道路を横断するまでに2体、そして
道路沿いに九体仏、併せて11の祠を既に見逃していることになる。その代わり、
ここから後は一つも見逃すことなく全て目にすることが出来た。

 十二分にこのトラックを楽しむためにも、シュライン・ロードのパンフレットを事前に
入手されておくことをぜひお薦めしたい。記念碑台にある六甲山自然保護センター
(冬季休館)で入手できる。(無料)


 祠が一つ現れれば、また次が現れるといった感じで楽しい登りである。
部分的には急な登りもあるが、整備は完璧で非常に歩きやすい。




 当初はシュライン・ロードの祠全てを掲載しようと思っていたが、全部で37体も
あるためやめておくことにした。一応見逃さなかった分は全て撮影してあるのだが。

 ちなみにこの写真の祠は十五番目のもの。カープの黒田を連想させてくれて
ちょっとうれしい。


 落ち着いた雰囲気のシュライン・ロード。落葉が足に優しい。


 全ての祠がトラックのすぐ脇にあるわけではない。少し奥まったところにある場合も。
トラックの左右をいつも観察し、踏み跡を見逃さないように注意すれば見つけられる。

 どの祠もきれいに清掃されていて、とてもすがすがしい思いがする。
毎年8月20日頃、地蔵盆の前に唐櫃の女性の方々が清掃されているらしい。


 六甲山の紅葉はまさに今見どころを迎えているが、シュライン・ロード沿いでは
黄葉が特に見事だ。この時期まで未踏のまま残しておいて報われた思いがする。



9:25 2本のテープと、踏み跡を発見

 このシュライン・ロード沿いには一つ三角点があるという情報を事前に得ていた。
トラック中盤にある行者堂までもう少しというところである。左手に笹薮に覆われた
小高い丘があり、確信を持って登っていった。


9:27 725.9m 四等三角点

 笹を掻き分け掻き分け、すぐに四等三角点のあるちょっとしたピークに到着。
周囲は雑木と笹薮に囲まれて、落ち着けるところではない。2、3人ほどが座れば
いっぱいになってしまうような狭いスペースである。三脚を設置するのもけっこう
たいへんだった。とにかく無事に三角点を発見出来て満足してトラックへ戻る。


 四等三角点を過ぎると東側に大展望が広がる区間に出た。雲ヶ岩方面の視界が
大きく開ける。しかし、天気は早くも曇りがちになってきて、展望は冴えないものに
なってしまった。最近の山歩きはなかなかすっきりと晴れてくれない気がする。


9:38 行者堂

 ほどほどの登りを経て行者堂に到着。シュライン・ロードもはや半ばである。
この祠は1804年に唐櫃村の庄屋、鍋屋多右衛門によって建立された。
中には役小角、前鬼、後鬼、不動明王が祭られている。八百万の神々の
集会所といった感じだ。それにしてもこの行者堂の手前にある波板の小屋は
何か意味があるのだろうか。せっかくの良い雰囲気に水をさしてしまっている。


 行者堂を過ぎるとトラックは殆ど平坦になる。六甲山上へ続くトラックは数多くあるが、
シュライン・ロードが最も楽に登れるトラックのような気がする。(その代わりにトラックに
入るまでにけっこう登っていたりするのだが)
 とにかくここからは快適な散歩道だ。


西裏六甲の展望

 急に右手の視界が開けた。角度は限られてはいるが、遮るものがないために
なかなかの展望だ。ダイヤモンド・ポイントよりもむしろこちらのほうが勝ると思う。
曇りがちなのが残念だが、空気が澄んでいたらもっと良かっただろう。


二十八番の祠

 この祠には最近供えられたと思われる花が。今でも人々の信仰を集めている
ことが肌で感じられる。



9:58 別荘地へ出た

 なおも歩いていると、別荘地が点在するようになってきた。相変わらず祠は
点在しているが、急に雰囲気が垢抜けてしまって少々残念だ。


地獄谷東尾根への分岐

 06年6月12日に大池地獄谷を歩いた際、登山口を見つけた地獄谷東尾根への
上からの入り口を発見。笹薮の中を踏み跡が西へと続いている。これはぜひとも
近いうちに踏破しなければならないだろう。夏ならば踏み込みたくない雰囲気の
トラックだが、今からの時期ならばうってつけだ。

 地獄谷東尾根への思いを断ち切って、シュライン・ロードを南へ歩き続ける。
ほどなくノース・ロードへの分岐へ差し掛かり、これを直進。天気が良ければ
ダイヤモンド・ポイントへ立ち寄るつもりだったのだが。
 既にトラックは舗装路になっていて、たまに車も通る。もう終点の前ヶ辻が近い。


三十三番。シュライン・ロード最後の祠

 もう前ヶ辻にほど近いところにある、シュライン・ロード最後の祠。
全部で37体と前述したが、これは西国三十三箇所になぞらえて設置されたものに
加えて、4体の番外編があるからである。自分は宗教には明るくないが、もし詳しい
方ならより楽しい道中になること間違いなしと思われる。



10:30 前ヶ辻

 シュライン・ロードのスタート地点に立ってから2時間で踏破。有馬口駅からは
3時間40分かかった。初めての逢山峡、シュライン・ロードは大満足のうちに終了。
先日、天気とバッテリー残量不足のためにシュライン・ロード踏破を延期したが、
あの時の判断は本当に正しかったとつくづく思う。予想以上に魅力的な被写体が
多かったのだ。

 シュライン・ロードはここで終点となるが、前ヶ辻を挟んで向かいからは、これまた
未踏のアイス・ロードが始まっている。しかし今日は連休ということで、このまま下山
してしまうのはあまりにもったいないということで、アイス・ロードはまたの機会に
とっておく。

 前ヶ辻から記念碑台までしばらく車道沿いを緩やかに登っていく。
車の交通量は多く、はっきり言って街中を歩いているのと雰囲気は変わらない。


10:47〜11:02 記念碑台

 ここでベンチに腰掛けて休憩する。日差しが無いので少々肌寒い。
展望はというと、和歌山方面までうっすらと見える。晴れればもう少しきれいに
見えるだろうに残念。ここで地図を見て、これからの行程を再確認する。

 最近、六甲山系を歩く際は2つの地図を併用している。一つは、

1.昭文社発行、山と高原地図「六甲・摩耶」、もう一つは

2.神戸市生活文化観光局生活文化課(なぜ役所の部署名は長いのか・・)発行、
「六甲全山縦走マップ(六甲山系ハイキング)」

の2つ。前者のほうはおおよその所要時間が、後者のほうが地形をより詳述している。


 ここから東方にある蛇谷北山へ向かうが、それまでに雲ヶ岩周辺を巡りながら
行くことにする。間の全山縦走路は特に見どころはないが、ウォーキングに集中出来る。


11:08 全山縦走路と一旦別れる

 記念碑台前の交差点を南へ渡り、六甲山小学校への脇道へ入る。
そしてこの三叉路で左へ向かう。全山縦走路とは一旦離れる。
この後もしばらくは舗装路が続くが、途中からは山道になる。山道になって
からは下り一方の快適なトラックだ。


11:18 ホール・オブ・ホールズ六甲の駐車場へ抜ける

 すぐにホール・オブ・ホールズ六甲の駐車場へ出る。ホール・オブ・ホールズ六甲は
オルゴール博物館で六甲山上の観光スポットの一つとなっている。
しかし、自分一人でオルゴールを聴いててもしょうがないのでここは素通り。雲ヶ岩
方面へ歩き続ける。駐車場から出て、車道を渡ってすぐ西に舗装路の脇道がある
ので入っていく。そこにちょうどゴミステーションがあった。シュライン・ロードで
回収したゴミをここに出しておく。拾ったなかでウィスキーのビンが重かったのだ。


やはり青空の元だと紅葉も映える

 この日で最もきれいに晴れた瞬間だった。

 舗装路は別荘地へと続く。途中2箇所の分岐があるが、いずれも道なりに直進。
ほどなくして再び山道になる。そしてすぐに雲ヶ岩への分岐が現れるがここも直進。
雲ヶ岩は後回しにして、その前に未踏の見どころを目指す。


11:37 仙人窟への分岐へ

 山道は幅広の未舗装林道となり、カーブを繰り返して仙人窟の分岐へ辿り着く。
兵庫登山会の小さめの看板が少し奥まったところにあるだけなので、うっかりすると
通り過ぎてしまうので要注意。

 写真では笹薮っぽく見えるが、よく踏まれて実に明瞭なトラックが奥へと続いている。
最もよく茂ったところでも膝丈くらいまでで藪漕ぎにはならない。そして約10分後・・・


11:47 仙人窟跡

 予想以上に簡単に辿り着いた。分岐からは多少幅が狭くなるところがあったが、
特に難しいところはない。マーキングも豊富だった。地図で書かれているよりは、
もう少し雲ヶ岩方向に近いような気がする。それほど下っていないのだ。

 阪神大震災で崩壊する前は、岩の間に入れたのであろうか。今では身を小さく
すればやっと入れるくらいのスペースしかない。それでも一度訪れてみたかった
ところだったので大満足。あとはこの「仙人窟」の謂れ、そしてこの岩場が本当に
仙人窟なのかどうかが気になるところだ。既に多くの方がされているだろうが、
一応一通り岩を観察してみたが、碑文など歴史的価値のあるものを見出すこと
は出来なかった。周辺には雲ヶ岩や心経岩などの行場があるのは確かなので、
それと関連付けられていると考えるのが自然だろう。昔は実際にここが修行の場に
なっていたのかもしれない。


 仙人窟を堪能し、再び来た道を戻る。ここでも紅葉が最盛期を迎えていた。


仙人窟周辺の紅葉

 山歩きをしていて、最も好きな時期がまさに今。こうして間近にきれいな黄葉を観察
出来て大満足。今の時期の仙人窟は一粒で二度美味しいといった感じである。
12:11 雲ヶ岩への分岐

 仙人窟から林道を経由して、再びこの雲ヶ岩への分岐まで戻ってくる。
ここから雲ヶ岩までは短いが非常に急坂である。今日の行程で隠れた難所である。


心経岩

 雲ヶ岩への分岐からすぐのところに鎮座している。ここに来るのは2回目だが、
何度見ても圧巻だ。

 「昔、法道仙人の時に心経を掘り刻まれ、現在あるのは大正五年頃の再建とか」

 ということは、それ以前は心経岩は失われていたのだろうか。歴史上も何度か
あった大地震か、もしくは山崩れで流出したか、全く不明だが初代の心経岩が現存
していないのが残念だ。


12:19 六甲比女大神

 心経岩からなおも急坂を登ったところにある。狭い岩棚の上にあり、
ここから上下に伸びる階段は非常に急でスリリングである。
右の巨岩がご神体となっているようだ。でもそれよりも頭上の紅葉が見事だった。


12:20 雲ヶ岩

 六甲山上でもかなりのお気に入りスポット。六甲比女大神のすぐ上にある。

 「法道仙人がこの地で修行中、紫の雲に乗った毘沙門天がこの岩の上に現れた
という岩です。」

 この岩を見ると、三国志の故事の一つ、「十字紋石」を思い出す。


シュライン・ロード遠望

 ちょうどお昼時だし、雲ヶ岩の上に座って昼食を摂る。
正面には午前中に歩いてきたシュライン・ロードの尾根の全貌が眺められる。
こういうところで食べると何でも美味しく感じられる。




12:43 雲ヶ岩出発

 20分ほど食事と休憩をして雲ヶ岩を出発する。


12:48 カンツリーハウス側の入り口

 雲ヶ岩からほどなくして、保養所や別荘が立ち並ぶ一角に出てくる。
カンツリーハウス側から来ると、ここが入り口になる。

 ここからはしばらく舗装路歩き。広い車道に出たら東へ。
カンツリーハウス前を通り過ぎて六甲ガーデンテラスへ向かう。
途中木々の間から造雪中の人工スキー場のゲレンデが垣間見えた。
人工雪が小山のようになっていて、雪造りは順調のようだ。人工スキー場は
緩くて短い。今なら退屈だろうが、初めてスキーを履いた時の恐怖感を
はっきりと覚えているという複雑な思いのあるスキー場でもある。


12:59 六甲ガーデンテラス

 休日で多くの人で賑わうガーデンテラスに到着。園内はすっかりクリスマスモード。
日本はキリスト教国でもないのに、世界で一番早くからクリスマスの準備を始める国と
いうことで微苦笑ものである。

 展望台に立ち寄るが、曇りがちな上に風も冷たく寒いので、休憩もそこそこに東へ
向かう。ジンギスカンパレスの前を歩くととても良い匂いがしてきて食欲をそそられる。
しかし、雲ヶ岩でおにぎりセットを食べたところなので素通りすることにする。

 次の目的地は六甲最高峰。極楽茶屋跡からはアップダウンと道路横断を
交互に繰り返す、情緒には乏しい全山縦走路を辿る。この区間は撮影をせずに
ウォーキングに集中する。なお、全山縦走大会ではアップダウンを避けて車道を
歩くことも出来るという。今日は56km歩くわけではないので、しっかりとアップダウン
のある山道を辿る。とにかくスキーのためにも脚力を強化したい。


13:44 六甲最高峰 (931m)

 休日で多くの人が行き交っている六甲最高峰へ到着。
ふきっさらしな所なのでとにかく風が強い。数分小休止をしただけで出発する。

 ここからは七曲、風吹岩と魚屋道を南下するのがこれまでパターンだったが、
今日は未踏の蛇谷北山を歩くことにする。一軒茶屋から石の宝殿までは再び
車道と付かず離れずの山歩きとなる。
14:05 石の宝殿にある白山姫観音

 赤鳥居を見て車道から離れると、かなり広い広場に出るが、その中にぽつんと
あるのがこの白山姫観音。まだ新しそうで古い仏像にある重厚さには欠けるが、
とても洗練された印象を受ける。


蛇谷北山へ

 白山姫観音前から蛇谷北山へ向けて細いトラックが始まっている。
小さな小さな道標がある。ここから未踏のトラックになるのでワクワクする。
 出だしからかなりの急坂である。蛇谷北山を登り方向に歩くとなかなか大変そうだ。
でも想像していたよりはずっと歩きやすいトラックが続いている。五助山のような笹の
ブッシュを予想していたが、常に土が見える明瞭なトラックだ。正面には入り口と同じ
くらいの高さで常に蛇谷北山が木々の向こうに見えている。


 急坂が一段落すると、意外なほど快適な尾根道歩きとなる。
もう少し行ったところが鞍部で、この後蛇谷北山山頂へ向けて短いながらも
かなりの急坂が待っていた。

 急坂が一段落すると、トラックの右手上方にこんもりとした笹薮が見えてきた。
あそこが山頂に違いない。そこを目指すように、トラックを離れる踏み跡が。
追っていくと難なく辿り着けた。


14:25 蛇谷北山山頂 (840m)

 芦屋市最高峰。山名標柱には836mと書かれているが、地形図は840mと
なっている。ここには三角点は無い。5、6人が座れるくらいの広場になっている。
 周囲を雑木に囲まれているが南に小さな窓が開いており、一応展望は得られる。

 ここでは先客の方が一人、バーナーでコーヒータイムをされていた。
バーナーはけっこう高価で、そのうえ自分は面倒くさがりなので、今まで購入を
考えたことはなかったが、寒い日に暖かい飲み物を山頂で飲むというのは
なかなか粋なことだと思った。購入を検討してみようかな。

 ちなみにその方の話によると、蛇谷北山は基本的に展望が皆無で、ハイカーが
あまり入ってこず、山岳部のトレーニングによく使われるという。


 10分程度の滞在で山頂を後にする。もう少しゆっくりしたかったが、
天気もちょっと心配だし、保久良神社まで降りるにはまだ時間が掛かると
いうことで先を急いだ。

 蛇谷北山山頂からはかなりの急坂が続く。駆け下るように下っていく。
普段は地味な雰囲気であろうが、随所で紅葉が楽しませてくれる。


14:45 大展望!

 山頂からしばらく下ったところで、トラックは二手に分かれる。
左へ曲がるほうにのみ、土樋割峠へ至ると道標が指し示している。正面には
展望の良いトラックが続くがこちらのほうには道標が無い。
 山と渓谷社「六甲山」には尾根筋が崩壊して、迂回路がある、と書かれているが、
ここのことかもしれない。とりあえず、せっかくの展望だから楽しんでいこう。


六甲最高峰、東お多福山、打越山などが一望の元

 展望地は切り立った断崖になっており、何物にも遮られること無く大展望を
楽しむことが出来る。蛇谷北山随一(唯一?)の展望地だ。今日は曇りがちだが、
天気に恵まれれば最高だっただろう。

 数分展望を楽しんだ後、先ほどの分岐まで戻って迂回路を下っていく。
よくこんなところにトラックを敷設したなと思うほどの激急坂だった。
立ち木につかまりながらといった感じ。幸いなことに急坂はすぐに終わる。
そしてしばらく下ったところが再び分岐で尾根筋のトラックと合流する。
そこからもそこそこの急坂が延々と土樋割峠まで続く。降りていくと、
単独ハイカーとすれ違う。今日蛇谷北山で出会ったハイカーは2人だった。
七曲を下っていたら、おそらく挨拶に忙しかったに違いない。


14:58 土樋割峠

 工事中、そして舗装路が横切って風情のあまりない土樋割峠に到着。
ここから東お多福山登山口バス停まではさほど遠くない。いっそここで山歩きを
終えようかなとも思ったが、何とか天気と時間が許してくれるだろうと思い、
やはり保久良神社まで歩くことにする。

 ここでハプニング発生!
 なんと三脚が壊れてしまったのだ。小学生の頃に親に買ってもらって長年
使い続けてきたのだが遂に寿命が来たようだ。上の写真は実は失敗作。
自分撮りをしたのだが、ザックしか写っていない・・。(左端)
撮り直しをすることは出来ず、これが長年使ってきた三脚で撮った最後の
写真になってしまった。

 気を取り直して東お多福山へ向かう。ここからはウォーキングに専念する。


15:10 東お多福山山頂へ (697m)

 東お多福山といえば草原のイメージが強いが、北斜面はありふれた雑木林。
土樋割峠からはわずか10分程度の登りで東お多福山に到着。

 広い山頂は多くのハイカーで賑わっていた。ここからは草原を緩やかに下る。
05年12月9日以来の東お多福山。やっぱりいつ来ても良い山だと思う。

 
東お多福山の波打つ草原

 ゆっくりと楽しみたいところだが先を急ぐ。とにかく今の時期は夕暮れが早い。


15:20 四等三角点、点名「雨ヶ峠」

 こんなところにも三角点があった。今まで気付かず通り過ぎていたのだった。
東お多福山の笹原が途切れるところにある。ここまで来れば雨ヶ峠まですぐ。
なぜ東お多福山の山頂にはないのに、こんなところに三角点があるのだろうか。


15:50 風吹岩

 雨ヶ峠からペースを速めて歩く。30分で風吹岩到着。
この時間だからか誰もいない。2、3分の小休止で歩き出す。とにかくここも風が強い。


 風吹岩からは高座の滝、魚屋道(蛙岩経由)、そして保久良神社へ下る3通りの
下山ルートが考えられるが、やはり自分の好きなのは保久良神社へ下るルート。
 高座の滝へ下るロックガーデンの尾根道は急だし、魚屋道は蛙岩までは良いが、
沢沿いに下るところの雰囲気は良くない。保久良神社へ下るルートはとにかく足に
優しいのである。


16:09 保久良神社上の展望地

 風吹岩から約20分で到達。有馬口駅からのロング・トレイルの疲れはあるが、
とにかく日没時刻が近づいており、どうしても気が焦ってしまう。何度となく歩いて
いるトラックなのだが。今度からはヘッドランプも持ってこよう。

 ちなみにこの写真は後方にあるベンチにカメラを置いて撮影したものである。


16:16 保久良神社

 ここまで来れば一安心だ。

 この時間でも下から続々と参詣客?が登ってきては神社にお参りしている。


保久良神社境内の黄葉

 何だかまだら模様になっているが、なかなか見事だ。

 灘の一つ火は点灯していなかった。
ここから岡本の街に降り立つまでは、最後の難関となる舗装路の急坂。
疲れた足には堪える。
 降りきったところの四辻には百円均一の自販機がある。
ちょうど飲み物がなくなったので、ここで購入して計画通りの完歩を一人で祝う。


16:37 JR摂津本山駅

 夕闇迫る中、JR摂津本山駅に到着。灘駅と共に風情のある駅舎だ。
JRだと通勤定期と接続できるので、自分にとって最も便利だ。
 阪急岡本駅が最寄なのだが、さほど所要時間は大きく変わらない。

 神鉄有馬口駅から約10時間。今日は達成感が一際大きい。
乗車した普通電車が、六甲道辺りで新快速に抜かされたので、
結局明石まで普通に乗ったまま帰った。






 今日の行程は自分の都合に応じてアレンジしたもので、あまり参考にはならないかもしれない。
シュライン・ロード〜アイス・ロードとつないで歩くのが最も一般的でお薦めのルートと思われる。

 次回の山歩きまでに新しい三脚を買わなければ・・。



今回の行程の断面図です。


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