「三度、摩耶山へ」 / 上野道〜黒岩尾根 07年9月20日(木)

国土地理院地形図:25000分の1「神戸首部」を参照してください。

 ラニーニャ現象の影響か、真夏と言ってもよい暑さが続いている昨今。今日も最高気温が32度の予報が出ていた。
正直、今日は山へ登るのは止めておこうかと思ったが、勤務シフトの都合で今日歩いておかなければ間が空いてしまいそうだった。
 11月に六甲縦走を控えているおかげで実現したのが今日の山行である。
摩耶山は殆どの区間が木陰がたっぷり。しかもそこそこ標高が高くて、家から最も近いほうにある。お手軽なトレーニングの舞台として最適だ。
 当然、前回、前々回に歩いたトラックを外して、しかもある程度の距離とアップダウンのある行程を選んでみた。





6:00 JR灘駅出発

 以前、モダンな昭和初期頃の駅舎だった灘駅だが、建替えの最中で仮設の駅舎になっている。餘部のこともあるが、どんどん古いものが失われていくのは残念で仕方がない。
 今日登りで使う上野道は神戸高校の真裏が登山口。最寄は阪急王子公園駅だが、通勤定期が使えるJRを利用した。

 王子公園の南東隅の遊歩道を通って、神戸高校まで一直線に登っていく通り(赤坂通か)を歩いていく。土地勘の無い自分には街路歩きも難関になることがあるが、
上野道のアクセス路は実にシンプルで分かりやすい。








6:18 神戸高校前交差点通過

 上野道はこの高校の裏手から始まる。前回までの杣谷登山口への登りに比べたら、上野道のアクセスはさほどの急坂も無くて非常に楽に感じる。








神戸高校のモダンな校舎

 上野道への取り付き直前で校舎前を通過。コンクリート打ちっぱなしの殺風景だった自分の母校とは一味違う。
こんなきれいな校舎だったら、自分ももっと勉強を頑張っただろうか。いやそんなことはない。








6:27 上野道登山口

 ここでストレッチなど登山準備をしていたら、わんさかと蚊がやってきた。しまった。もっと街のほうで準備をしておくべきだった。
携帯ノーマットをザックにぶら下げているが、あんまり効き目がないような気がする。

 ここからすぐに山の中へと言いたいのだが、まずは堰堤越え。そして森の中に造られた公園の中を通過していく。
地図にはもちろん載っていない脇道がそこかしこにあって、他所者の自分には難解な区間となっている。
いくつかの分岐をやり過ごした後、正解の登りが始まるのだが一旦見送ってしまい、もう少しで摩耶ケーブル下駅のほうへ下りそうになった。
 それでもすぐに気付いて引き返して分岐から登っていくと、見覚えのある山道を跨ぐ丸太の橋が見えてくる。








6:45 展望台で早朝の灘の町を眺める

 麓の公園でさっそく迷いかけて一汗かいたため、とりあえずここで一息ついていくことに。
まだ日は低いのだが、この時間でも直射日光を浴びると既に暑い・・。
正直、家で寝てたほうが良かったのではと思ったが、せっかくここまで来たのだから気を奮い立たせて摩耶山へ登ることにする。








6:50 休憩を早めに切り上げて出発

 展望台のベンチで座っていると暑いので早々に出発することにした。
上野道は最初から希望通りに木陰たっぷりの山道で、歩いているほうが涼しい気がした。








趣のある上野道

 多少、最近補修された形跡はあるものの、苔むした岩場が上野道が刻んできた長い歴史を感じさせる。
上野道は摩耶山へ通じる山道の中ではかなり古いほうに入るようだ。
天上寺への参詣道、そして中世には摩耶山城(虹の駅付近に山城があった模様)への登路として使われていたようである。

 そして上野道は最も最短距離で摩耶山へ登れるトラックでもある。すっかり忘れていたが、山歩きを始めて間もない頃に
上野道は1回登りで歩いていた。今日は2回目だ。下りでは昨年に一度歩いているが、記憶は既におぼろげでかなり新鮮な気持ちで登ることができた。








7:03 上野道途中の展望スポット

 不意に森が途切れて、かなり広く見渡すことの出来るポイントに出てきた。
上空を広く送電線に覆われているのが残念だが、一つ西の尾根の稜線を眺めることが出来る。
地形図を見てみたら、この尾根は虹の駅の西から南西に派生する支尾根で、青谷川が街へ出る辺りまで伸びている。
地形図ではこの尾根上に破線が記されているが、上野道と青谷道の間には現在公式のトラックは無いはずで、かつては使われていたものがあったのだろうか。








 空いっぱいの送電線を見上げた後、再び登りを再開。
上野道は相変わらず雰囲気の良い切通しの区間が続く。摩耶山へ通じるトラックは多いが、このような雰囲気を味わえるのは上野道だけではないだろうか。








 上野道の殆どの区間は尾根上ではなく、尾根の西山腹をジグザグに登っていく。
その殆どの区間がきつくも緩くもない歩きやすいトラックだ。更に強い日差しから完全に守られているのも、自分にとっては魅力的な利点だった。

 しばらく同じようなところをどんどん登っていく。








7:29 虹の駅付近の分岐

 そして虹の駅を過ぎたところに出てきた。しまった!と思った。そういえば、上野道は上部で虹の駅を経由する方としない方に分岐しているのだった。
ここに到達する少し前に分岐があったのを思い出した。(自分が何気に登ってきたほうが道標で指し示されていた)
 いつもならば別に虹の駅に寄らなくてもよいのだが、今日は【摩耶山さん歩】のてるみさんから情報提供をいただいた
花屋さん跡「摩耶花壇」を確認しなければならないので、虹の駅方面へといったん下ることにした。








摩耶花壇

 探していた摩耶花壇跡は幸いにも上記の分岐から数歩下っただけのところにあった!
かつては天上寺へ登る人々がここで花を買っていったのか・・と時の流れを感じさせられる。既に閉店からかなりの時が流れているようで、
遠からず自然に還っていきそうな状態になっている。
 ところで以前にこの建物は見た記憶がある。特に気にも留めなかったのと、元花屋さんだったのを知らなかったので注目していなかったのである。
やはり歴史を知ることは、色んな意味で大事なことだと思う。





 そういえば、福田内閣に代わっただけで、支持率が上がったという。前回のレポで「じゃりン子チエ」のオジィに例えたが、いつものことながら何遍騙されたら目が覚めるのだろう。
看板を掛けかえただけで中身は同じだというのに。そもそもこの国が戦後半世紀を経てこれだけ傾いたのも、ひとえに自民党に政権を任せっぱなしにしてきた結果に他ならない。
政権は長く持続するほど腐敗するのは古今東西を問わず道理だ。少しでも政治を洗練させる可能性を高めるには、政策競争をさせて成果を挙げたほうに政権を任せる流れを作るべき。
現に政権交代は先進国では別に珍しくないことであって、今の日本の状態のほうが異常なのだ。

 しかし歴史は「人は同じ過ちを犯す」という教訓も伝えてくれていると思う。「民主主義」とは国民が実に重大な責任を負っていることに他ならず、
常に政治に注視し続けなければならないのは我々の義務でもある。かつて日本が戦争へ傾倒していったのは、流されやすい国民性の影響も少なからずあったのではと思っている。



 廃墟と化した摩耶花壇は色々なことを想起させ、また時代の変化を存分に感じることが出来た。
この摩耶花壇の存在と歴史を教えてくださった、てるみさんにはたいへん感謝いたしております。m(__)m








 予想外にあっさりと摩耶花壇を発見した後、すぐに上記の分岐に戻って再び上野道を登り始める。
この時に一旦トラックは平坦になるが、この時にすぐ南にある500mピークから虹の駅辺りまでの長い緩やかな尾根に前述の摩耶山城があったようである。
冬枯れの時期が城跡探索の最適期なのだが、次の冬は厳冬が予想されているので、スキーに没頭して山歩きは冬季休戦する可能性が高い。








 平坦な区間はあっという間に終わって、天上寺跡まで続く標高差120mほどの登りが始まる。
この登りが始まって間もない辺りに、打ち捨てられた状態の灯篭石がある。灯篭本体は周囲に無いし、もっと上から落ちてきたのだろうか。








7:45 青谷道・旧摩耶道出合

 登り始めてまもなく、先日通過したばかりの分岐に差し掛かる。ここまで上野道登山口から約1時間15分。思った以上に早かったような気がする。
旧摩耶道で新神戸から歩いたら、おそらくこの倍はかかるだろう。








 そして分岐のすぐ上で山門を通過。ここから旧天上寺境内となる。
昔の人はここまで登ってきてお参りしていたことを考えると、その信心深さには感服するばかり。
今でこそ「登山」というスポーツの概念で登っているが、かつては山に登ることは苦行、もしくは修行でしかなかったと聞いている。

 それにしても裏側から見ると、確かに屋根の傷みが目立つ。このまま放置していたら、屋根の木材が腐食してしまうだろうと懸念する。








 上野道にしろ、他のトラックにしろ、登ってきてこの境内に達することで、下りで通過する時とは違う感覚を覚える。
平易に表現すると、登りの労苦が報われるというか、天上寺のありがたみが増すというか。

 現在、摩耶山上に移転した天上寺ももちろん素晴らしいが、長い年月を歩んできたこの地の重みは放置するにはあまりにもったいないと感じる。








 石畳の次は急な階段が立ちはだかる。といっても段差は小さく、中央には手すりまで付いていて至れり尽くせり。
木陰もたっぷりで実に歩きよいように思う。
 そして階段を上まで登り詰めると、今日初めて強烈な日差しが降り注ぐことに・・。








8:00 天上寺跡

 まだ8時なのに日差しの下ではもう非常に暑い!これでは日中は熱中症に気をつけなければならないほどの気温になるだろう。
とりあえずまだ日陰になっている本堂跡でザックを下ろして休憩する。今日はここでオカリナを楽しむことに。
天上寺跡が舞台になったかのよう。もちろん音色は反響しないが。




8:15 天上寺跡出発

 北に程近くに見えている摩耶山へ向けて登り始める。今日は久々に三角点周辺を経由してみようと思い、天上寺跡から突き当たって左へ進路を取る。
随分前に一度歩いたことがあるだけなのですっかり忘れていたが、東の掬星台側へ登るルートよりもより純朴な山道らしさが残っていた。








8:26 奥之院跡

 天上跡から登り詰めてなだらかな摩耶山頂に出てくる。
そこは小広い広場になっており、その中心だけ草薮になっている。ここにはかつて奥の院が建っていたという。




     奥之院跡

 本堂の背後約330mのこの地にあった奥之院は、法道仙人によって建立されたと伝えられ、行者堂ともよばれる修験道者の行場の一つであった。
 内部には、不動明王と弘法大師像とが安置されていた。
 なお、この奥之院を囲んで山中に石造の八十八ヶ所の小堂、仏が設置されたのは、明治38年のことであった。




 この奥之院の上辺りのこんもりと盛り上がったところが、おそらく地形図で702m標高点が記されている場所のようだ。
摩耶山で最も高いところということになるが、周囲はうっそうとした森に覆われて展望は皆無。








 奥之院跡からは背の高い笹薮の間のトラックを緩やかに登る。もし高い木が無ければ東お多福山の雰囲気に近いと感じた。
すぐに天狗岩大神の祀られている祠に辿り着くが、その前に祠の東隣にある三角点に寄っていくことにする。








摩耶山三等三角点 (698m)

 山歩きを始めて間もない頃に一度だけ来たことがあるが、その時はもっと雑木に囲まれて狭いスペースだったような記憶がある。
とにかく三角点の周囲は下草も無く、とてもすっきりとした印象になっている。それは良いのだが摩耶山の知名度に比例するように
けっこうたくさんの登頂記念プレートが立ち木に放置されているのが残念だ。残して良いものは足跡だけ、取っても良いものは写真だけ、というのが自分の考えである。

 それと何故か三角点標石の上に薄い石板が載せられている。これまでけっこうたくさんの三角点標石を見てきたが、このような状態になっているのは初めて見た。








天狗岩大神

 三角点の後はすぐ側にある天狗岩大神へ。祠周辺はきれいに掃き清められており、今なお人々の信仰の対象として健在であることが伺える。
摩耶山は掬星台のような近代的で垢抜けたスポットと、清浄な雰囲気の修験の場とを抱える2つの顔を併せ持つ山であると実感した。

 摩耶山山頂の散策を済ませた後は休憩するために掬星台へ向かう。




8:45 掬星台到着

 日が高くなってきてかなり暑いが、木陰のあるベンチを選んで休憩。下りで黒岩尾根を歩く英気を蓄える。
黒岩尾根はアップダウンが小刻みに連続する尾根で、全体としてはもちろん下るのだが、登る箇所も多いので気を抜くわけにはいかない。




9:08 掬星台出発

 再び摩耶山山頂方面へと引き返し、黒岩尾根入り口へと向かう。








9:12 黒岩尾根入り口

 黒岩尾根はこれまで登りで2回歩いたことがあるが下りは初めて。前回歩いた時から約1年経っている。
黒岩尾根は登りと下りで全く雰囲気が異なるということをこれから身をもって体験することになる。

 入り口から入ってすぐのところではなにやら工事中だった。西側を広く眺められるところがあるのだが、工事現場になっていたため
先を急いで脇を通って公園へ出る。








 公園のベンチにしばし腰を掛けて天上寺や六甲山上の高原の眺めを楽しむ。天上寺がここから見ると意外に遠く感じる。
そういえば旧天上寺と違って、今の場所は車道が通じているため非常に便利なのだった。

 公園の北端から黒岩尾根のトラックが始まっている。その付近にある道標には「黒岩尾根(悪路)を経て市ヶ原 4.5km」 とある。
この時点では悪路というほどでもないのではと思ったが、この後実際に下りで歩いてみて実感することになるとは思わなかった。










 黒岩尾根の上部はなだらかな摩耶山山頂周辺から派生する、これまた緩やかな尾根で幅が広くアップダウンも無い。
この辺りは黒岩尾根の中でも数少ないのどかな区間だろう。
 それはよいのだが、歩き始めてすぐに思いっきり顔でクモの巣を破ってしまった・・。
この後黒岩尾根を下りきるまでに無数のクモの巣を払いながらの行軍となる。黒岩尾根はしばらく誰も歩いていなかったのだろうか。
それにしても、クモの巣を顔で受け止めてしまうとブルーになる。昔流行った嘉門達夫の「鼻から牛乳」の感覚が近いかもしれない。

 なだらかで幅広の尾根はほどなく終わって約20m下るとアドヴェンチャールート出合となる。








9:27 アドヴェンチャールート出合通過

 アドヴェンチャールートは前から気にはなっているが、未だに未踏のルートだ。同じく未踏の地蔵谷と組み合わせていずれは歩きたいと思っているが、
渇水の今は候補に入れることは出来ない。アドヴェンチャーは避けて計画通りに黒岩尾根を下っていく。








 アドヴェンチャールート出合を過ぎると再び10m弱の登り。前方には659mピークが意外に大きく見えてくるが、
トラックは西へ折れて659mピークは回避する形をとる。この辺りから約60mの下りとなる。
下りきったところは地蔵谷の水源地の一つと思われる、比較的水気の多い薄暗く広いコル(580m+コル)を通過する。
正直言ってこの辺りの雰囲気は薄気味悪くてあまり好きではない。








 580m+コルを通過すると今度は約30m登り返す。この登りを終えると黒岩尾根でハイライトといえる610m弱の稜線歩きとなる。








日当たりそこそこ、景観もそこそこの広い610m+ピークを通過

 地形図ではちょうど黒岩尾根の名前が記されている辺りの広大なピークを通過中。
この辺りは左手に摩耶山山頂付近が見え隠れする。それはよいがけっこう日当たりが良くて暑い。
でもすぐにトラックは北山腹に移って、日差しは遮られてほっと一息付ける。そして黒岩尾根唯一の大展望スポットに到着する。








9:55 黒岩尾根の砂稜からの大展望

 北に丹生山系、北区の町並みを挟んで西六甲から須磨アルプスまでを見渡すことが出来る。今日はやや霞んではいるが、
ここの景観は伸びやかでとても好感が持てる。送電線が視界に入らないのもポイントが高い。
掬星台などからの表六甲の景観とはまた違った魅力で楽しませてくれる。

 ただ柔らかい砂地のうえに、けっこう傾斜はきつくて、足場はあまり良くない。

 よく見ると写真でも写っているが、トンボがたくさん飛び交っていた。まだまだ暑いが秋を感じさせる一コマでもあった。








 この大展望は束の間ではあるが数十メートルは続く。そして目前に606mピークが見えてくると急な下りになる。
再び黒岩尾根名物のアップダウンが始まる。まず約40mの下り。地面は砂交じりで非常に滑りやすくなっている。
最近、雨が全く降っていないので大地は乾ききっていることから、より摩擦係数は低くなっているだろう。要注意だ。








10:12 ナイフリッジになっている560m+コルを通過

 両側は本当に急傾斜になっている痩せ尾根を通過する。もし滑り落ちたら死ぬことはないと思うが、ケガは免れないし這い上がるのはたいへんそうだ。

 このナイフリッジに差し掛かる直前の下りで見事に足が滑って尻餅をついてしまった。リカバリーする間もなくあっという間の出来事だった。
気をつけてはいても滑る時は滑る。油断は大敵だと改めて思う。








 ナイフリッジから少し登り返すと、606mピークから北へ派生する緩やかな尾根に乗る。
この穏やかな区間も黒岩尾根の中では好きな区間である。








10:26 606mピーク

 幾度か小刻みにアップダウンを繰り返して606mピークに到着。この付近のアップダウンは10mにも満たないものであって、
606mピークから北の等高線はけっこう広く開いている。

 606mピークは雑木に囲まれて全く展望は無いが、その代わりに旧神戸市界標石が立っている。
でも標石に彫られている文字は磨耗のために殆ど読めないが。

 僅かな木陰で小休止をとる。これまでアップダウンを続けてきたが、この606mピーク以西は殆どが下りとなる。
そしてこの区間は下りで歩くと、登りとは全く違った感覚があった。








市ヶ原へ向けて長い下りが始まる

 606mピーク以西も等高線が広く空いているところがあって僅かにアップダウンがある。
そして550mの等高線を横切る辺りからは、いよいよ長くてやや急な下りの始まりだ。

 やはり滑りやすく気を抜くわけにはいかなかったが、でも足元だけに気を取られていると再び顔でクモの巣を受けとめてしまった・・。
それで途中から苦肉の策で、三脚を伸ばした状態で前上方に突き出して歩くことにした。
これなら足元に集中できるし、クモの巣があっても三脚で勝手に受け止めてくれるということで効果抜群だった。








 途中で僅かな平坦地を挟みつつ、延々と下っていくと前方にはほぼ同じ標高で、高雄山、再度山が見えてくる。
黒岩尾根は290m辺りが終点なので、まだまだ先は長い。そして終盤の下りが最も急な等高線が混む区間となっている。
疲れてきた足には殊の外たいへんな区間となった。

 そして元々砂交じりで滑りやすい下り坂だったが、更に落葉までが目立ってきて、もっと滑りやすくなった。
そんな時に再び滑った。今度は転倒しなかったが、予想外の緊張感に包まれた下りとなった。








10:55 工事用索道を通過

 例の芋谷の山腹保全工事用と思われる工事用索道を通過。今日も索道は動いていなかった。自分は今まで動いているのを見たことがない。
いつ工事をしているのだろうか。工期はいつまでだろうか。そして肝心なことは芋谷の山腹の崩壊は止められるのだろうか。

 遥か眼下にはトゥエンティークロスを歩くと通過する索道の基点が見えている。もう一息だ。








 一方反対側の南を見てみると、工事用索道は深い地蔵谷を挟んで稲妻坂の途中に伸びている。
稲妻坂といえば、もう少し涼しくなったら縦走の練習で歩いてみたい。もちろん須磨から歩き始めたうえで。

 工事用索道を通過してもまだまだ急な下りは続く。






11:06 黒岩尾根出合

 ようやくトゥエンティークロスのトラックに降りてきた。摩耶山山頂の黒岩尾根入り口から下り始めて予想外に約2時間もかかった。
入り口の道標に書いてあった“悪路”という表記はあながち間違いではなかった気がする。
もちろん登るほうが体力を使うが、下りでもけっこう疲れるのが黒岩尾根の黒岩尾根たる所以だった。

 これからトゥエンティークロスを北上するハイカーと時折すれ違いながら、一路三ノ宮駅を目指す。
日が当たるともうめちゃくちゃ暑い。昼間はまだ真夏と変わらない暑さでイヤになる。





11:20 市ヶ原

 トイレ前の丸太のベンチで一休み。前回より微妙に市ヶ原に着く時刻が早く、これなら12:22の下り新快速に楽に乗れるように三ノ宮駅に着くだろう。




12:15 JR三ノ宮駅到着

 新快速がやってくるまで微妙に待ち時間が長かった。ホームで待っているだけでも暑かった。
やっとやってきた新快速の冷房の効いた車内でリフレッシュ!いつまで暑いのだろうか。




 9月はあと1回山へ出かけられそうだ。少しでも涼しくなるといいのだが。








今日の行程の断面図です。





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