「緑濃い長峰山」 08年6月16日(月)

国土地理院地形図:「神戸首部」25000分の1を参照して下さい。

 前回の比良遠征から不覚にも半月以上も山歩きを空けてしまった。今日は梅雨の中休みのようで、今日行かねばいつ行くというような日和。
ただ前日は夜遅くまで京都での撮影会。更に今日は朝に三宮でヤボ用もあって、万全の条件は揃えられなかった。
いつもよりは短めの行程で、六甲の中でも近場で、更に好天の元で好展望を得られるルート、しかもしばらく歩いていないところを・・
ということで長峰山に決定した。それでも標高差は約700mあるから、半月ぶりの足慣らしには充分だろうと思う。

 ※ 2年ほど前に全く同じ行程で歩いていることもあって、レポの記述はやや簡略します。




9:35 JR六甲道駅出発

 自分にしては非常に遅い出発時刻。出発時から既に日は高くしかも暑い。前日の撮影疲れからペースももう一つ上がらないのを感じる。
山歩きよりは撮影会で使う体力は少ないとは思うが、それでも一日撮影していたら相応には疲れる。趣味が多いのもけっこうたいへんだ。

 少しでも暑さを避けようと商店街を、そして出来るだけ建物の日陰を伝って歩く。
阪急六甲駅横を通過して、六甲登山口交差点から少し西へ。六甲川沿いに住宅街を山に向かって歩いていく。








9:56 六甲川沿いから長峰山を見上げる

 六甲川沿いは水音もあって多少涼感がある。行く手に高く長峰山がそびえている。
一つ目の橋で西岸へ渡ってそのまま急な坂道を登っていく。
本当の登山口はまだまだ先だが、長峰山は住宅街の登りが行程の半ばを占めていると考えてペース配分をする。








 ここからが本格的な登りになる。やはり何度見ても急な坂。他のルートにしても良かったかと正直なところ少し思った。
でも世界にはもっと急な坂があると思い直して、少しでも日陰のある右側を通って登っていく。
ちなみにギネス認定されている世界一急な坂はニュージーランド南島のダニーデン郊外にあるボールドウィン・ストリート。本当にしんどい坂だった。




 学校の横を通る辺りが最も急に感じる。暑さと昨日の疲れが相まってやはりペースが上がらない。
もう快適に山歩きが出来る時期は終わったと身をもって実感した。
実は今日の当初の行程は長峰山に登った後、未踏のルートを辿って裏六甲の大池に降りるつもりだったが、
このペースでは無理だし翌日に堪えると判断して行程を縮小。またの機会においておくことにした。








10:16 伯母野山住宅碑前を通過

 まだ山に入ってもいないのに、すっかりバテバテで立ち止まって小休止までしてしまった。
でももうここまで来ると、距離的にはずっと駅よりも山のほうが近い。やはり長峰山は山に入るまでが長い。

 舗装路は一直線に山へ向かい、突き当たったら舗装路からも傾斜からも開放される水平道になって少し東へ。




10:26 長峰山登山口到着

 自分としては本格的な山道に入るところが登山口と考えているので、便宜上ここを実質的に登山口としている。
登り始める前に長かった住宅街の登りの疲れを癒すために小休止をする。








10:35 長峰山登山口出発

 一息入れてから出発する。長峰山では現在堰堤工事が行われているようで、時折上空をゴンドラが通過していてけっこう音が聞こえる。
登山口にはゴンドラ通過時の注意を促す看板が設置されていた。また堰堤が一つ増えるのだろうか。

 山道の序盤は谷筋を目指し、地形図にも記載されている堰堤を一箇所巻いてから尾根を目指していく。
しばらく歩いていないうちにまとわり付いてくる虫が増えた。前夜の雨でぬかるんでいるところもあった。天も地も湿気が充満している・・。








10:54 送電線下を通過

 おそらく長峰山の上から見て2本目の送電線下を通過したと思われる。
等高線を数えるとまだまだ登るなぁ。もう暑いのと疲れを感じて、いつも以上に登りが長く感じる。
やはり暑がりの自分には、早朝出発は特に夏には必須だと思った。

 ところで、自分としては成立を期待していた「サマータイム」制度がまた先送りされたという。
これは4月から10月の日の長い時期は1時間時計を早くするというもので、NZなどではとっくに行われている。
今の時期、もう4時くらいから明るいのに、自分としてはもっと有効に時間を使いたい。
実際にNZでサマータイムを経験したが、夏時間に切り替えた初日だけは1時間早起きしなければならないが、
他には特に不便な点は無い上に、長い夕方を有効に使うことが出来ることで、省エネにもつながり温暖化対策にもなる。
自分としてはこんなに気の利いた制度はないと思うのだが・・。
 日本は何でも決めるのに時間がかかりすぎる。








11:07 再び送電線下を通過

 目視出来た送電線では2本目を通過。地形図の通りに山頂へ至るまでに見た送電線はこれが最後だった。
まだ登りは続くが、この後は少し等高線の幅は広がっているので、やや緩くなるだろうと言い聞かせて登っていく。








11:19 森が途切れる

 最後の送電線からもしばらくは森歩きが続くが、10分程度でようやく長峰山のハイライトである、長い峰の東の肩に辿り着いた。
約2年ぶりだったが、下草が伸びている以外は殆ど変わらないように見える。








 しばらく歩くと更に空が大きく広がってくる。空を流れる雲も段々夏を感じさせるようになってきた。
直接日差しを受けるとやはり暑い。








 まばらな木々によってやや視界が遮られるが、やはり登っていて楽しい区間だ。
その中でも特に東の打越山方面の展望は良い。ただ遠くはやや霞んでいて、期待よりは遠望は利かないかもしれない。
好天でも6月ならやはりこんなものかも。








長い峰を西進中

 今日のやや疲れが溜まった状態も手伝ってか、展望の肩に乗ってからもけっこう長い道のりに感じる。
展望の無いところではあるが、程近いところからは車の音が聞こえてくる。こんなところから六甲に帰ってきたと実感する。

 もう少し進んだところで、部分的にトラックが付け替えられているところがあった。








11:39 640m+ピーク(等高線は閉じていない)

 長い峰を歩いていて最初のミニピークである640m+ピークに到着。
工事中ということで閉鎖されてはいるが、ピークから南へ下っていく踏み跡がある。地形図でこの尾根を目で追っていくと、登ってきた登山口近くにまで達する。
この時点では分からなかったが、このルートはハチノス谷とは無関係のようである。








11:47 660m+ピーク(等高線は閉じていない)

 アップダウンを経て660m+ピークに差し掛かる。ここでも南へ降りていく踏み跡がある。
ここでは「工事場所案内図」が掲示されている。この地図のおかげで堰堤の工事現場、及び周辺のトラックの接続状況が全て分かった。
ここから南へ下っていく踏み跡は、最近「摩耶山さん歩」のてるみさんが登られたハチノス谷東尾根道だった。踏み跡は笹が深い。
出来れば探索したいけど、ここはもっと良い季節の楽しみにとっておこう。




 正確にハチノス谷周辺を把握できたことで、もしかしたらハチノス谷からの脱出口があるのかなと
山頂方面に向かって歩きながら左手の斜面に目を凝らすが、見た範囲内ではそれらしきものは見当たらなかった。
メインルートに達するまでに東か西の尾根に合流するのだろうか。








11:54 山頂手前の最後の分岐

 山頂まであと数十メートルというところで尾根は若干北寄りに向きを変えるが、ここでも分岐があって
ハチノス谷西尾根道が下へ伸びている。このトラックは杣谷の徳川道下部から分岐していることは確認している。

 今回は何だかハチノス谷、ハチノス谷東尾根、西尾根の予告編になったような気がする。

 なおハチノス谷を示す公式の案内板はどこの分岐にもなく、安易に進入出来るレベルではないようだ。
少なくとも暑い今の時期は止めておいたほうがよさそうだ。

 全ての分岐を見届けた上で、いよいよ山頂へ向かう。








11:55 長峰山山頂 687.8m (天狗塚)

 突如、尾根道の正面に現れるような感じの天狗塚。六甲道駅から2時間20分もかかった。
ちなみに前回は阪急六甲から歩いて1時間20分で到達している。今日はペースが上がらなかったとはいえ遅すぎる。
尾根道を快適に歩ける時期は既に過ぎたことを身をもって実感した道のりだった。

 暑いけど天狗塚に登らないと展望を得られないので、日光浴の時間といこう。








長峰山山頂(687.8m)

 2年ぶりの天狗塚。やはり何度来ても良い山頂だ。遠くは霞んでいて紀泉の山々はうっすらと見える程度だが、梅雨のこの時期には上出来の展望だろう。
でもやっぱり暑いけど。








長峰山山頂から東の景観

 天狗塚は六甲山系の雄大さを感じ取ることが出来る特等席だと思う。








長峰山山頂から杣谷峠方面

 ここから杣谷峠へはもう一汗かかなければいけない。歩いてきた道を引き返すのが最も楽だが、
それでは余りにも面白くない。行程を縮小したことで何度も歩いた杣谷を下ることになったが、ピストンよりはマシだろう。




 展望を楽しんでいると、中高年のご夫婦が登ってこられた。
記念写真のシャッターを押してさしあげた後は、同じく六甲をあちこち歩いているということから、どこどこが良かったなどのお話になる。
自分は天狗塚の上で昼食を採ったが、ご夫婦は暑いので一段下がった木陰で休まれた。








   四等三角点 点名 : 天狗塚


 なんと天狗塚の三角点がご覧のような状態になっていた!
確か以前は岩の間にしっかりと埋もれていたのだが・・。ちょっと持ってみたら持ち運ぶのは不可能な重さなので無くなることはないだろうけど、
出来るだけ早期に元の状態に復旧されることを望みたい。1ヶ月ほど前にここに登られた、てるみさんのお写真をよく見ると、
三角点はまだ立ってはいるけど同じように基部がもうむき出しになっている。上部だけが覗いていた時からどのような紆余曲折を経てこうなったのだろうか。




12:36 長峰山山頂出発

 三角点の無事を願いつつ、ご夫婦に別れを告げて出発する。
杣谷峠まではアップダウンが続くので、もうひと頑張りしないといけない。








12:45 長峰山山頂を振り返って

 長峰山山頂からは60mほど下って40mほど登る。
このアップダウンを筆頭にして、杣谷峠までは始終忙しく登ったり下ったり。
ここは北側から長峰山山頂を見ることが出来る、ほぼ唯一の窓となっている。








12:55 屈曲送電線下を通過

 地形図では長峰山山頂以北の破線道は杣谷峠ではなく、少年自然の家へ伸びている。
前回は気付かなかったが、途中で尾根を乗り換える形になっていることを、この屈曲した送電線を見て悟った。
基本的には山上には人工物が少ないほうが良いとは思うけど、送電線のような目立つものは現在位置確認の手助けになることもまた事実。








13:03 杣谷峠到着

 送電線を見てまもなく杣谷峠に到着。
ここからは延々と杣谷を下ることになるが、その前に一息入れていこう。
杣谷峠のきれいなトイレを見て、そういえば昨年の秋には工事をしていたことを思い出した。




13:10 杣谷峠出発

 ここからはもう殆ど下り一辺倒だ。自分は疲れてはいても下るのは得意で、途端に元気になる。








13:33 杣谷随一の滝

 杣谷を黙々と下っていると、なかなかの水量の滝が見えてきた。
せっかくなのでここで小休止を入れていこう。
ところでこの滝には何も固有名が付いていないのだろうか。規模的によく似たものとしては、裏六甲の地獄谷の滝「地獄大滝」を思い出す。
杣谷ではこれ以上に大きな滝が見当たらないので(別名カスケード・ヴァレーの名が泣くくらい滝の数自体少ないが)、
杣谷大滝の名前をあげても良いような気がする。

 滝で少し涼んだ後、下山を再開する。




14:09 杣谷登山口

 4本のパイプで有名な杣谷登山口に降りてくる。このまま道なりに舗装路を下って、住宅街を六甲道駅へ。市街地に出ると更に暑い。




14:33 JR六甲道駅到着

 約5時間で出発地点に戻ってきた。いつものように早朝出発なら、昼前に着くペースだ。
今回は少し短めの行程だが、次回は万全の状態で挑みたい。
もう尾根道は暑いので、どこを歩こうか思案のしどころだ。というかそれ以前の問題として当分ずっと雨が続くようだけど・・。
夏季休戦期に入るまであと何回山へ行けるだろうか。








今日の行程の断面図です。



短めの行程ではあるが、それでも10kmには達していた。



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