「摩耶山から再度山へ周回」 JR灘駅〜JR三ノ宮駅 09年6月15日(月)
国土地理院地形図 : 25000分の1 「神戸首部」 : 10000分の1 「摩耶山」 参考文献 : 山と渓谷社 【六甲山】 P.74 「天狗道から摩耶山・青谷道」、P.76 「学校林道から摩耶山・旧摩耶道」、P.90「市ヶ原から再度山」 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】 : 神戸市 「六甲全山縦走マップ」 一応梅雨入りしたことになっているが連日好天が続く。それは良いとしてももうかなり暑いので遠出をするモチヴェーションが上がらない。 涼を求めて沢歩きをしたくても少雨のため水が少ない。どこへ行こうかとまた迷ったが、近場の六甲山系でしばらく行っていないところと、 まだ歩いていないところを組み合わせる行程を考えてみた。登りは摩耶山へのルートの中でもマイナーな神仙寺道。 学校林道を経て六甲縦走路を西へ逆走し久方ぶりの再度山へ。そして二本松道を経て初めて北野町へ下るという、アレンジしまくりのルートである。 6:05 JR灘駅出発 重厚な姿だった灘駅はとうに無く今は工事中だった。早朝で人影まばらな街を山へ向かって歩いていく。 今日の登山口の神仙寺通までは、土地勘が無い自分は事前に地図で確認しておくことが必要だった。 大分前に1回だけ訪れたことがあるが、道筋はもうすっかり忘れていた。 じっくりと地図で見て最も分かりやすいと思ったルートで歩いていく。 灘駅の北口から西へ進んで阪急の高架を潜って、城内歩道橋を北へ渡る。 そこから真っ直ぐ北へ、王子公園の西の縁を通る。もし阪急利用で王子公園駅から歩くなら、公園内を通るほうがいいかもしれない。 自分は公園内は通らなかったが、原田の森ギャラリーや、神戸文学館などが並ぶきれいな街並みを見ながら登っていった。 大分登った頃、松蔭高校を通り過ぎる直前の細い道を西へ。また真っ直ぐ進むと突き当たりを北へ。もし逆に南へ下ると労災病院がある。 ここからは特に急坂。龍谷中・高校が目印。あとは道なりに山側へ進むと春日野1号緑地(小さな公園)へ到着する。 なお、市バスを利用するともっと楽に辿り着けるが、住吉台、渦森台など特に離れていて標高の高いところ以外では利用しないことをマイルールとしている。 |
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6:30 神仙寺道登山口 (140m+) 灘駅から徒歩約30分で到着。ここは六甲山系のアプローチの中でも遠い部類に入る。 そして標高も140mくらいあるので、もう山歩きは既に始まっているようなもの。 もう充分汗だくにはなっているが、ここで改めてストレッチをしてから山道に入っていく。 なお、以前の記憶では道標があったのだが、現状は登山口を示すものは何も無い。 帰宅後古い写真を調べてみたら、やはり以前はきちんと道標があった。 一度来たことがあるから分かったけど、現状は初めての方にはちょっと不親切な状況になっている。 ※ このレポを作成する前に、「摩耶山さん歩」さんの掲示板で勉強出来たことがありますので、それを参考にして修正しつつ記述しています。 以前はこのルートが東山尾根と思っていたのだが、もう一つ西の尾根がそれにあたるようで、ここは神仙寺道にあたると思われる。(ちょっと自信は無い) というのもルートを歩いていて、周囲に無数の枝道とテープを見たから、自分が歩いたのが全てとは思えないからである。 分かっていたが、このルートを歩く人は疎らであり、落ち葉が厚く溜まっているところもあった。 滑りやすい状況のこのルートを下りで歩くのはお勧めできないと思う。 歩き始めは暗い谷道となっており、雰囲気もいまひとつ。この辺りがあまり人を惹きつけない理由かもしれない。 最近全く雨が降っていないせいか、細い谷には水が全く流れていない。まもなく小さな堰堤を一つ越える。 |
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堰堤を越えたところから谷を離れて山腹を登り始める。 ここで初めて公設の案内板を見た。登山口に置いておかなければあまり意味がないのだが。 ルートはあまり歩かれていないが、不明瞭なところはなく容易に辿れる。 4年ほど前、日本で山歩きを始めて間もない頃に1度歩いただけなので、ルートの詳細は全く覚えていない。 殆ど初めて歩く感覚で歩いていった。 |
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初めて尾根に乗った これまで朝日の当たらない西の山腹を登っていたが、ここでようやく明るい尾根に出た。 ここで東側の山腹にもルートを示すテープがあるのに気づいた。春日野1号緑地以外にも周囲に登山口があるのだろうか。 ずっと尾根を辿るのかというとそうでもなく、主に東側の山腹を登っていく。 時折、猪が耕作した後が伺える。食べ物は見つかったのかな。 |
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しばらく登った頃に再び尾根に乗るが、この周囲の尾根には削平地が見受けられた。 砲台跡はもう少し上のはずなのだが、ここはここで何かの施設があったのだろうか。 |
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基本的に展望皆無の尾根だが、僅かに開いた窓から神戸の街並みを覗くことができる。 今日も日向では暑くなりそうだ。この周辺から東西に隣接する尾根を認識することが出来た。 電車の車窓から見ると、この山域は熊手のように小さな尾根が並んでいるが、そのうちまだ一つしか歩いていない。 また涼しくなったらぜひ歩いてみよう。 |
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尾根道といっても殆ど尾根を辿ることはなく、山腹を歩いている時のほうが長いような気がする。 あまり歩かれてはいないけど、純然な里山のような雰囲気でもあり、自分としてはなかなか良かった。 |
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7:25 旧摩耶道・学校林道出合 (350m+) ゆっくりしたペースでおなじみの旧摩耶道・学校林道の出合に到着。 あれ、そういえば高射砲の陣地はどこにあったのだろう? 途中に石積みの擁壁があったが、あの辺りだろうか。砲台跡を示す案内板も無かったように思うし、 結局砲台跡と認識できるようなところは無いまま通り過ぎてしまった。 また涼しい時期にじっくりとこの周辺を散策しつつ探してみよう。 なお、ここでこの周辺の主峰となる「東山」のピークについて整理しておきたい。資料によってピークの位置が異なっていて多少混乱がみられる。 1.山と高原地図「六甲・摩耶」では東山の表記自体が無い。(自分が持っているのは2005年発行。5年を目処に新版を買ってもいいかもしれない) 2.国土地理院地形図1:25,000「神戸首部」でも東山の表記自体が無い。 3.国土地理院地形図1:10,000「摩耶山」では、ここより少し西の308m+ピークを東山としている。旧摩耶道はその北山腹を通過していると思う。 なおこの出合南の最寄のピークは368mピークの表記がある。 4.六甲全山縦走マップ・神戸市発行では、この出合最寄のピークを東山としている。 5.山と渓谷社「六甲山」に記載されている地図でも、この出合最寄のピークを東山としている。 ピークを重要視する概念は、西洋の影響を受けた近代登山が始まってから。それ以前からある地名とすれば、ピークのみではなくおおらかに山全体を指している場合もある。 それらの時代の変遷を考えると、さして重要な問題でもないような気がするけど、行程を組む上では混乱が生じることはあまり好ましいことではない。 総合的に考えると、この周辺で最も標高の高い、この出合最寄の368mピーク(1:10,000地形図の表記を参考)を東山として差し支えないと思う。 出合で5分程度小休止をとってから、直進して学校林道へ入る。 学校林道も久しぶり。崩壊地の工事も一段落しているだろうか。 |
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旧摩耶道と交差するとまずは送電線鉄塔が林立する451mピークを目指す。 等高線は幅が広くなっており、程好い登りで気持ちよく歩ける。 途中からは頭上に送電線が見えてきて、ピークが近いことを感じさせられる。 |
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7:48 451mピーク まもなく街から見てもよく目立つ451mピークに到着。 送電線鉄塔に占領されてあまり情緒はないが、はっきりと現在位置を認識出来る好ポイントだ。 今日の行程は大部分が歩いたことがあるルートだが、基本的に毎回地形図はずっとマップケースに入れてすぐ見られるようにしている。 地図を見る難しさは先日、比良の地蔵峠付近で再認識したところだ。なかなか難しいが、それでも地図を見ながら歩くのは楽しいと思う。 451mピークまで登ると、全山縦走路の走る555mピークまでの標高差はあと100mくらい。 但しこの後420m+コルを通過するので、学校林道での登りはあと130mほど。 なぜいつも標高差を確認するのかというと、どのくらい登り降りしたかを体感的に分かるようになれればというのが狙いなのだけれど・・。 451mピークを過ぎてからは時折、東に摩耶山を木々越しに見ながら緩やかに登っていく。 神仙寺尾根と比べると旧摩耶道以北の学校林道は本当に歩きやすい。JRでいえば地方交通線から幹線に入るような感じだろうか。 |
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8:07 学校林道の展望地到着 前方の視界が開けて、遂に今日最大の見どころに到着。 前回来たときには工事用フェンスに囲まれていたが既に撤去されている。 崩壊していた西山腹にも緑が蘇って、段々と自然の景観が復活してきていた。 このまま山腹が安定してくれればと願ってやまない。 ただ、かなり下方ではまだ工事が行われていて、苧谷での全工程が終わるのはまだまだ先のようだ。 とりあえずザックを下ろして、じっくりと景観を楽しんでいきたいと思う。 この日は梅雨時期にしては幸いにもなかなか空気が澄んでいた。 |
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西六甲の山々が勢揃い 摩耶山山頂付近からも西六甲が見渡せるが、ここからのほうがより近くに見通せる。 六甲縦走で歩いた山々を見渡すと、今更ながら縦走の達成感が沸いてくるし、また歩いてみたいという気にさせられる。 今秋の六甲縦走は出来れば参加してみたいと思っているが、まだ実際に可能かどうかは不透明な状況だ。 近くにはまだ行ったことがない布引ハーブ園の建物が見える。 まあ男一人で行くところではないと思うので、山行中に行くとしたら単なる通過点になるだろう。 今日はこの後再度山まで向かう。写真では分かりにくいが、鍋蓋山の手前に被るように見えている。 南山麓の大龍寺が良い目印になっている。 |
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神戸の街並みを見下ろす 神戸は海と山に囲まれたきれいな街だなと改めて思う。パンをブランチとして食べながら景観を楽しんだ。 8:38 展望地を出発 大観に見送られて出発。展望地から555mピークはもうさほど離れていない。 学校林道のトラックも緩やかで、軽やかに登っていける。 |
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8:45 555mピーク(六甲全山縦走路・学校林道出合) 思ったよりも早くに555mピークに到着。ここへ来るのは縦走の時以来かな。 とりあえずこれで今日序盤の登りの区間は終わり。ここからは摩耶山へ向かわずに、西の稲妻坂へ下っていく。 5分程度の小休止を経て出発。ここからは390m+コルまで160mくらいの下り。 六甲縦走では本当にしんどい区間だったが、今日は軽やかに下っていく。 さすが六甲縦走路はしっかりと踏まれていて、本当に歩きやすい。 稲妻坂というすごい名前でも充分整備されている点では少し肩透かしかもしれない。 |
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9:04 390m+コル 苧谷(未踏)からの出口にもなっていた390m+コルに降り立つ。すると以前の記憶とは違って大々的に工事中だ。 工事用の索道が頭上を通っている。以前はもう少し東側にあったような気がするけど、記憶違いだろうか。 看板を見るとこの工事が終わるのは4年後。 |
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9:09 425mピークそばの出合1 390m+コルから少し登り返して、布引ハーブ園への出合に差し掛かる。 地形図を見て、そういえば425mピークの三角点が未確認だったことを思い出し探索開始。 縦走路のすぐ南にあるとみて、布引ハーブ園へのトラックへと入っていく。 するとすぐに北側へ登る脇道を見つけて登っていく。これが425mピークだった。 |
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425mピーク 425mピークには意外なほどしっかりとしたトラックが通っていて、今まで気づかなかったことが不思議なくらい。 ピークからは意外にも東側に展望が広がっていて、先程登ってきた学校林道の稜線が見えている。 更に少し北へ進むと、あっけなく三角点を見つけた。 縦走路から少しだけ外れたところだが、こんな分かりやすいところにあったのかと拍子抜けした。 |
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425mピーク 425mピークは東西に長く伸びていて広い。六甲全山縦走路はそのピークのすぐ北を東西に走っている。 位置関係が分かってすっきりした。思いっきり日当たり良好で暑いので早々に出発する。 |
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9:22 425mピーク付近の出合2 三角点から少し北へ進むと、見覚えのある縦走路へ合流。 これでようやく分かったけど、布引ハーブ園への分岐はラウンドアバウトになっていたのだった。 結果的に縦走路から見ると、布引ハーブ園へは2箇所から向かうことが出来るが、西側のこの分岐から歩くと道なりに425mピークを通過できる。 425mピークを把握できたところで、ベンチに座って小休止をとる。 ここで市ヶ原方面から登ってきた単独男性の方とすれ違う。 これ以降大龍寺周辺まで比較的多くの方が歩かれていた。新神戸から摩耶山かトゥエンティークロスを歩くのも良いプランだと思う。 |
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9:46 市ヶ原 駆け下るように市ヶ原までやってきた。やはり少雨の影響で市ヶ原でも水の流れは細くなっていた。 市ヶ原の川原で休もうかと思ったけど暑いので先へ進む。 市ヶ原から再度山へは、今日の行程では登り返しの区間になる。 しばらくは再度東谷の味気ない舗装路歩きが続く。六甲縦走では一息つける下りになるが、登りだとちょっと気分的にしんどい。 しかも意外に日当たりが良いので今日はもう暑い!舗装路の照り返しは強烈だった。 もうすっかり夏の気配で、あとこれでセミの声が聞こえてきたら完璧に真夏だった。 暑がりの自分の場合基本的に真夏は自然に夏季休戦となる。 |
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10:00 再度山大龍寺山門 長く感じる舗装路を登って、ようやく大龍寺の山門に辿り着いた。 時折、再度ドライブウェイを車が通る他は静けさに包まれている。 六甲縦走大会では、ここはさながら野戦病院の雰囲気だったことを昨日のことのように思い出す。 縦走は参加したいけどしんどい。でも参加したいと少々複雑な気持ちだ。 ここからもまだ参道の急坂が続くが、木陰に入るのでほっと一息つける。 |
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再度山 久しぶりに平らな山頂の再度山とご対面。ここから再度山へは2方向から登れるが、まずは縦走路を西へ向かい、 西側山麓から登ることにしよう。 |
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10:15 再度越 縦走では下りの区間となる再度山山麓を登ってきて、再度越にやってきた。 一応峠道っぽいが両側を擁壁で固められていて情緒はいまひとつ。少し北へ進むと修法ヶ原池へ出るが、 水が少ないだろうから今日はパス。まっすぐに再度山山頂へ向かう。 再度越では再度山へのトラックを示す道標は無く、うっすらと見える踏み跡とテープが目印となる。 場所さえ分かってしまえばなんてことはないが、以前はここを探し出すのにちょっと苦労した。 |
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再度越から再度山山頂へ 入口が分かりにくいことだけで、ややマイナールートになっている感があるが、 入ってしまえばあとは意外なほど明瞭なトラックが山頂まで導いてくれる。 やはり再度山山頂へは再度越から西山腹を経て登るのが一番楽で安全と思う。 |
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10:25 再度山山頂(469.3m) 再度越から約10分で3年ぶりの再度山山頂へ到着。 地形図では470mの広い等高線が描かれているが、実際には2つのピークに分かれているように見える。 なおこの平らになっている原因はここに山城(多々部城)があったからである。 そのおかげで「神戸富士」という異名を持つことにもなったのだが、展望皆無なことがあまり人を惹きつけない理由だろうか。 城として機能していた頃はもちろん周囲を見渡せていただろうから、それを考えると隔世の感がある。 展望皆無でも静かな良い山頂だと思う。久しぶりなのでとりあえずゆっくりしていこう。 暑い中で市ヶ原からの登り返しはけっこうきつかった。 |
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再度山山頂にはあってもよさそうな三角点が無いが、その代わりに神戸市道路公社の設置した基準点がある。 この朽ちかけた山名標は健在だった。 10:41 再度山山頂出発 15分くらいの滞在で再度山山頂を後にする。再度山山頂へは前述の西山腹以外に南山麓の大龍寺へ下るルートもある。 但しこちらはけっこう急坂であって、部分的には梯子まであったりする。出来れば登りで通過するほうがいいかと思ったが、 境内のどこから入るのかはっきり覚えていなかったので下りで歩くことにした。 |
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南山腹のルートは、途中から祠が並ぶ行場となる。 苔むした祠はなかなか良い雰囲気だ。途中からは階段道になって境内へ至る。 |
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再度山大龍寺 境内は本当に静寂に包まれており、不信心者の自分でも何だか心が洗われるよう。 特に寺社巡り好きというわけではないけれど、山行中にふらりと立ち寄るにはとても良いところだと思う。 |
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大龍寺仁王門 仁王門を通して見る緑はまた一段と鮮やかだった。 そういえば、ここには紅葉の時期にはまだ来たことがなかった。次は秋に来てみよう。 大龍寺を通って南山麓へ下る。ここで実は下山路で少し迷った。暑いのでけっこう疲れを感じていたのだ。 再度谷の大師道を下るのが最も涼しいし楽なのは分かっていた。でもやや単調なので盛り上がりに欠ける終盤になってしまう。 やっぱり当初の計画通りに二本松道へ向かうことにした。 |
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11:03 善助茶屋跡到着 大龍寺から二本松道へ向かうとすぐに善助茶屋跡に到着。 跡地では変わらず花がきれいに咲いている。茶屋の建物は1977年頃に取り壊されてしまい、今はその碑だけが往時を物語っている。 ここが毎日登山発祥の地ということで、大正から昭和初期にかけて早朝は大いに賑わっていたという。 その後の戦争でぶち壊しになってしまったが、その善助茶屋の賑わいぶりは見てみたかった気がする。 家の近くに山があれば毎日登山してみたいが、仕事前に歩けるかどうかは自信がない。 再度山山頂ではゆっくりしていなかった分、善助茶屋跡のベンチに腰を下ろして小休止をとる。 花がいっぱいの小広い広場の周囲は木陰がたっぷりで、茶屋が無くなった今でも一息つくには最適なところだ。 少し早いがお昼のパンを食べた。最近の暑さでもう食欲が減退気味で、今の自分にはパンがちょうど良い。 休憩中にも時折ハイカーが茶屋跡を行き交っておられた。そういえばこの時期の山行は避暑にもなると思う。 コンクリに覆われた市街に比べると山中はずっと涼しい。 11:19 善助茶屋跡出発 15分くらい座っていてすっかり元気になったので、意気揚々と二本松道へ向かう。 |
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二本松道 適度にアップダウンを挟みつつ、全般的には下っていく。 標高差は少ないイメージの二本松道だが、再度山に向かって歩くとけっこう登る区間だ。 一部の区間では再度ドライブウェイと併走するため、車の走行音が少々気になるが、 自然林が多い山域なので意外と好きなところだ。 この後一旦車道へ降りて、二本松バス停を通過。城山へ向けて再び山道へ入る。 そういえば、今でもまだ車で六甲山系に登ったことがないなあ。 自分にとって車は生活に不必要なうえに維持費が非常に負担になっていてぜひ手放したいものの筆頭。 ところがスキーには不可欠ということでやむを得ず維持しているという存在だ。 たまに山行に利用することもあるが、無ければ無いで公共の交通機関を利用するほうが車の維持費よりもずっと安上がりだ。 そういうわけで環境には優しくともエコカーを導入するモチヴェーションが上がらないというか、 減税されようとも買い換える余裕はない状況だ。基本的に車に対するこだわりがないともいえる。 最近は車に興味がない若年層が増えたようだが、自分もその中に入るかもしれない。 それよりも、最近「エコ」という言葉が少々乱用気味に思えるのは自分だけだろうか。 エコポイント制度の景気への効果は限定的ということで、エコはエコでも「えこ」ひいきだという考え方があるが自分もそう思う。 最近の政府の政策は中身が無く、これで実績と政権担当能力を誇られてもなあと嫌気がさしている。 結局のところ消費を促されても無い袖は振れない。それよりもまず仕事を増やしてほしい気がする。 |
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11:45 城山西の出合 城山へは以前行ったことがあるが、ここから北野町へ下るのは今日が初めてとなる。 山と高原地図では「天神谷東尾根」と書かれており、どんなルートなのか楽しみだ。 少し進んだところからは丸太階段の続く急坂となっていた。 思った以上に歩く人は多いようで、ルートは明瞭そのものだ。 |
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丸太階段はすぐに終わって、僅かに登り返す区間となった。おそらく320m+ピークと思われる。 ピークを挟んでしばらくは緩い尾根が続く模様。この辺りで単独男性(しかも外国人)とすれ違う。 でもとっさのことで英語が口から出なかった。英会話は日頃からイメトレしておかなければいけないと痛感。 ちなみに英会話は流暢からは程遠く、ゆっくりと意思疎通が出来る程度。 |
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美しい森が続くトラック 大都会のすぐ背後にあるとは思えないほどだ。植林が全く無いのもたいへん良い。 両脇の草が伸びているが、踏み跡はしっかりしている。北野町辺りに住んでいたら、毎日登山にも使えそうだ。 そういえば、この後北野町の異人館街に下ることになるが、自分にとって異人館街は近過ぎてなかなか行かない観光地。 前に行ったのはなんと小学高学年の頃まで遡らなければならない。当然、記憶はおぼろげで細かいところは覚えていない。 ということで、どんなところなのか楽しみだ。駅まで歩くついでに異人館街を少し散策してみようと思っていた。 |
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12:02 天神谷東尾根出合 しばらく緩やかに降りたところで、トラックは2方向に分かれていた。 山と高原地図でトラックは一本道と把握していたので、出合は予想外の光景だった。 帰宅後、六甲全山縦走マップを見ると(携帯していなかった)、これには2方向に分岐するトラックが書かれていた。 それは山と高原地図にも書かれている「天神谷東尾根」と、これから実際に辿る東側へ下るトラックである。 道標は東側の北野町へ下るほうしか書かれておらず、自然にそちらへ足が向いていた。 但し、天神谷東尾根のトラックも至極明瞭であり、今度はこちらも歩いてみたいと思う。 なお、これから下るトラックは天神谷東尾根から一つ東の尾根になっている。 間に北野谷があるから、「北野谷東尾根」ということになるのだろうか。 現地にはトラック名を示す道標は無かった。 |
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予想外の展望 分岐後も明瞭なトラックは続いた。そしてしばらく下ると、ぽっかりと下界に向けて窓が開いていた。 眼下には北野町が箱庭のように見えている。というかけっこうまだ標高が高い。 この辺りで200〜250mくらいだろうか。 |
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整備された階段道を下る 今辿っている尾根は比較的等高線が混んでいるが、階段道があったり山腹道でトラバースしたり巧みに整備されていて、 特に難所と感じるところはなかった。おまけにずっと自然林だし、街から離れるとすぐに山道になるし、 これはここから登り始めても気持ち良さそうだ。今度ここへ来る時は北野町から登ってみよう。 |
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背山散策路へ合流 まもなく新神戸と北野町を結ぶ背山散策路に降り立つ。 フェンスの向こう側にはもう街が広がっているようだ。 北野町へ向けて右手に曲がると、まもなく今日最後の展望地に到着した。 |
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12:20 北野町見晴台 異人館街を裏手から間近に見られる展望台だった。 木々に遮られがちだが、うろこの家が間近に見える。こういうところだったかな。 うん十年ぶりに見る異人館街は実に新鮮な感覚だった。 ここで小休止をしてから街へと向かう。 |
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12:33 背山散策路入口 展望台からまもなく登山口に到着。ここには背山散策路を示す石標があるだけで、城山や再度山を示す案内板は無い。 周囲にはもうここから北野町のきれいな街並みが広がっていて、観光地に入ったことがすぐに分かった。 北野町の坂を三ノ宮駅へ向かって下りつつ、ついでに道すがら見えてくる異人館を見学(外から)していった。 でも山から街へ入ると本当に暑かった。それに異人館街の散策には山装備が重く感じる。 しかもここは男が一人で来るところではないな、とすぐに感じた。機会があればいずれ涼しい時を選んで探訪してみたいけど、いつになることやら。 北野町での街歩きは必要最低限にして、最短距離で三ノ宮駅へ向かった。 12:57 JR三ノ宮駅到着 自分には場違いと思われた異人館街の散策は別として、山までのアプローチは比較的良く、また六甲山系のお気に入りのスポットを一つ見つけたようです。 もうこの時期はかなり暑く、山歩きには熱中症対策が必要です。充分な飲料水を携帯して山を楽しみましょう。 |
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今日の行程の断面図です![]() |