「旧摩耶道から大杉さん」 JR三ノ宮駅〜摩耶山〜JR灘駅 09年7月7日(火)
国土地理院地形図 : 25000分の1 「神戸首部」 : 10000分の1 「摩耶山」 参考文献 : 山と渓谷社 【六甲山】 P.76 「学校林道から摩耶山・旧摩耶道」、 P.74 「天狗道から摩耶山、青谷道」 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】 : 神戸市 「六甲全山縦走マップ」 毎年この時期になると、そろそろ山歩きに出掛けるペースが鈍ってくるのだが、今日は曇りで日差しは避けられそう。 ということで、全く沢と関係のない普通の山歩きのプランを組んでみた。 旧摩耶道は約2年ぶり。そして行者茶屋跡から下の青谷道は、当HPでは初登場となる。(山歩きを始めた頃に一度歩いたことがある) そして、これまた初めての大杉さん訪問という、お馴染みの摩耶山なのに意外と新鮮な山行となった。 6:00 JR三ノ宮駅出発 三ノ宮駅から歩き始めるのは久しぶりだった。加納町の交差点では陸橋を渡ろうと思ったら横断歩道が。あれ、前からあったかな。 地下鉄新神戸駅の地下道を通って、新幹線新神戸駅へ。地下鉄の改札付近の蒸し暑さは相変わらず。 山へ入る前からもうここで汗だくになっている。三宮・新神戸間の1区間の運賃をケチらなければ、もっと楽なプロローグとなるのだけれど。 新神戸駅から山側へ入ると雷声寺までひと登り。旧摩耶道の登山口は雷声寺の最奥にある。 標高は170mほどあるので、新神戸駅から登り始めるようなものかもしれない。 雷声寺で暮らしているっぽい多くの猫たちに注視されながら、最奥にある最上段の境内へ向けて登っていく。 |
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6:43 雷声寺出発 三ノ宮駅から30分ほどで到着。ここで10分ほど身支度をしてから、ようやく旧摩耶道へ入っていく。 青谷まで2.4km。摩耶山まで3.2km。旧摩耶道は表から摩耶山へ登るルートの中では距離が長いほう。 しかも行者茶屋跡からは青谷道の累々と連なる階段道が続く。 流れ的には中だるみの後に長い長い階段道が控えているという、メンタル的にもフィジカル的にもけっこうハードな道程になるのではと自分なりには思う。 |
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雷声寺を出発すると、まず255mピークを目指すのだが、2年前には朽ちてザレザレになっていた区間が立派な丸太階段が整備されていた。 ちょっと下りでは歩きにくいところだったが、これなら快適に下山出来ると思う。整備していただいてありがたい。 幸いにも急登の区間は短く、まもなく255mピークから派生する緩やかな尾根に乗る。 尾根に乗れば255mピークはもう目の前だ。 |
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6:58 255mピーク通過 旧摩耶道で通過する唯一のピーク。意外にも一方向に展望があり、苧谷周辺、そして先日歩いた学校林道の尾根を見ることが出来る。 トラックはピークを通過すると、やや東寄りに向きを変えて進んでいく。 |
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308m+ピークを見つつ、尾根道を東へ 自分にとって旧摩耶道で最も好きな区間が、255m+ピーク付近の尾根道になっているところ。 基本的に旧摩耶道は全体的に良い雰囲気なのだが、大半が山腹道であって尾根道は希少。 正面には木々越しに308m+ピークが間近に見えている。10000分の1地形図「摩耶山」では東山の表記があるピークであり、 神仙寺道から学校林道を歩いた時に気になったところだ。名前がどうこうより山姿はけっこう良いと思う。 旧摩耶道は北山腹を通過していてピークは踏まないが、ピークを目指す踏み跡がないか観察しながら歩いてみよう。 その時、オオスズメバチがトラックを塞ぐように地面で羽休め?をしていることに気付く。 数メートル手前からも気付くほどでかい!道は狭いので通過するのは危険だし、どうしようかなとしばらく様子を窺っていると、 幸いなことにどこかへ飛んでいってくれた。ここは本来、人間のものではなく彼らのテリトリー。こういう場合は待つしかない。 NZで何度かあったけど、車を運転している時に、羊の群れと遭遇した時の感覚に似ている。 そういえば、以前ここに来た時にもオオスズメバチを目撃したことを思い出した。(その時は死骸だったが) この付近に巣を作りやすいところがあるのかな。 |
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308m+ピークを背にして、東山本体への登りへ (272m+コル) やはり北山腹には特に目立った踏み跡は見受けられなかった。 でもその後308m+ピーク東の272m+コルを通過するので、季節を選べばここから無理なくピークへ登れそうだ。 ここから学校林道との出合まで、再びやや暗い北斜面を通って黙々と登っていく。 まだ早朝で下界では通勤ラッシュの時間帯。しかも出発からさほど歩いていないのに、本当に蒸し暑くてまいった。 |
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7:23 旧摩耶道・学校林道出合(352m+) 蒸し暑くてバテてきた頃にようやく旧摩耶道・学校林道出合に到着。 一旦ザックを下ろして小休止をしていこう。 7:28 出発 5分程度の小休止で出発。ここからは旧摩耶道で最も快適?な水平道の区間になる。 でも考えてみたら、この水平の区間を東向きに歩くのは今回が初めてだった。(これまではずっと西向き) 向きを変えると、やはり見え方が変わるものだなぁ。 |
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水平の旧摩耶道 行者茶屋跡へ向けて東向きに歩くと、全般的にやや下りになるようだ。 そうはいっても、先程の出合と行者茶屋跡との標高差は2、30mしかないけど。 延々と見通しの利かない森歩きとなるが、とても落ち着いた良い雰囲気に包まれて歩くことが出来る。 途中で青谷へ下るルートと分岐する。 このルートを活用出来るよう、また行程を考えてみよう。 |
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旧摩耶道から摩耶山を見上げる 殆ど視界の利かない旧摩耶道だが、途中で摩耶山を見上げることが出来る。 こうして見るとまだまだ高いことを実感する。山頂付近はちょっと雲が掛かっているようだ。 |
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行者茶屋跡までしばらく続く、水平の旧摩耶道 所々、道が傾斜しているところもあるが、やはりこの落ち着いた雰囲気は摩耶山中で随一かなと思う。 片やこの後歩く青谷道はあまり数多く歩いていない。やはり無意識にでも好みのトラックを選んでいるのだなと思う。 やがて、青谷の支谷を通過すると、もう行者茶屋跡は目の前だ。 小さな沢を渡る周辺はルートを付け替えている形跡が見られる。 湿っぽいから山腹が崩れやすいのだろうか。 |
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8:00 行者茶屋跡 雷声寺を出発して約1時間40分で行者茶屋跡へ到着。 とはいっても摩耶山への道はまだ半ばであり、本格的な登りはここから始まるのだけど。その前にベンチに腰掛けて一息ついていこう。 なお、今日の行程はここから摩耶山まではピストンする形になる。 舗装区間が長いということだけでこれまで後回しになってきたが、今日は青谷道を踏破して下山するプランである。 8:10 行者茶屋跡出発 ここからは元々天上寺への参詣道だったという青谷道に入る。 延々と階段道が続くという、自分にとってちょっと苦手と思われるシチュエーション。 本当に蒸し暑くてたいへんだけど、気合を入れ直すしかない。 |
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長い長い階段道 上野道に合流するまで、ずっと長い階段が続く青谷道。ここを今まで登りに使ったことはなかった。 下りで歩いた時に受けた印象で無意識に避けていたかもしれない。更に蒸し暑さも加わってペースが上がらない。 ただ心情的には長いけど、上野道との出合までの標高差は約200m。時間的にさほど長くはかからない。そう言い聞かせた。 これで強い日差しがあればもっとたいへんだろうなと思いつつ登っていく。 |
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8:35 上野道・青谷道出合 蒸し暑さの中での行者茶屋跡からここまでの階段道は殊の外ハードだった。 やはり気候が体に及ぼす影響って、けっこうばかにならないと思った。 とりあえずベンチで水分補給をして一息付いた。摩耶山まであと200m近くの標高差を残している。 もうひと頑張りしないといけない。 |
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旧天上寺仁王門 数分座っていたらけっこう元気になってすぐに出発。ランナーズハイを越えたのかもしれない。 出合からまもなく旧天上寺仁王門を通過。「摩耶山さん歩」のてるみさんもご指摘されていたけど、本当に屋根の痛みが見ていて悲しい。 いまや旧天上寺の唯一の現存建造物なだけに、末永くこの姿を見られるように願うばかりだ。 |
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8:48 大杉さんへ 旧天上寺への長い階段の途中で、分かりやすく標識が設置されていた。 これは今日初めて見たので、しばらくここに来ていなかったことに気付かされた。 標識によるとここから大杉さんまで50m足らず。この標識が設置されるまでは、大杉さんは知る人ぞ知るという存在だったのだろうか。 もちろん自分は大杉さんの存在を知らなかった。 標識からは分かりやすいルートが西へと続いている。 なお、反対側にあった旧天上寺関連の古い建物が壊されて、瓦礫の山になっていた。 今まで見られなかった下界が瓦礫越しに見えていて、何だか複雑な気分だ。 放置しておいたら危険だったのだろうか。 |
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8:53 摩耶の大杉さん 少し奥へ進むと、明らかに他の木々とは格が違う大木が立っていた。 初めて自分の視界に入ってきた途端、その姿からは本当に偉大さというか、神々しさを感じた。これは本当に「大杉さん」だ! 手前にある解説版で概要を知ることが出来る。
枯死しているといわれても、自分の目には死んでいるようには見えない。周囲の木々と同様に普通に立っているようにしか見えない。 平安時代の頃から歴史の変遷を見続けてきたことを考えると、本当に自然は偉大だということに加えて、人の存在は小さなものに思えてくる。 (旧天上寺の火災の原因は放火の可能性が高いという) 今更ながら旧天上寺の火事が非常に残念でならない。 六甲山系は禿山から生まれ変わってまだ百年ほどしか経っていない。数百年後には多くの新たな大杉さんが見られるようになるのだろう。 9:00 大杉さん出発 しばしの間、悠久の時を感じて大杉さんを出発。これからは旧天上寺に来るたびに立ち寄るであろうお気に入りスポットになった。 |
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9:06 旧天上寺跡 大杉さんからひと登りで史跡公園になっている旧天上寺跡に到着。 大杉さんからは本当に近い。大杉さんは火事の時に火の粉を被ったことが枯死の原因だそうだから、 出火当時は北風が吹いていたということになる。火事は本当に怖いなと何一つ建物が残っていない境内を見て改めて思う。 余談だが最近、防火管理者講習を受けたことで、タイムリーな現場視察になってしまった。 山には基本的に火の気は無いから、大部分の出火原因は人為的なものに限られる。 自分は非喫煙者だし、面倒くさがりなので食事でコンロも使わないので、まず機会がないと思うけど、もし火を扱う時には気をつけよう。 旧天上寺跡からは約100mの登りを残すのみ。 今日は山頂付近の三角点に寄っていこうと思うので、西側のルートを選ぶ。 |
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旧天上寺跡を過ぎると、道端には涼しげな色合いのアジサイが点在して咲いていた。 蒸し暑いときに見ると、本当に涼しげでいいなあと思う。 ところで西側の山頂を目指すルートは純朴な山道という雰囲気で、登りの仕上げにはおあつらえ向きだと思う。 |
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「円心入道赤松公」と記銘されている 登っていると今まで気付かなかった塚?に目が留まった。 赤松円心則村は足利尊氏の下で室町幕府を開くのに尽力し、赤松家の始祖となった名将だ。 摩耶山合戦を指揮し、天上寺に寄進するなどの縁があったと聞いている。 今でもここで遺徳が称えられているとは知らなかった。 自分の頭の中では、今も歴史の転換点になりうると考えている。 既に戦後半世紀以上、権力にあぐらをかいてきた自民長期政権に任せ続けていては早晩行き詰る。 もう新たな方向性を考える時が来ているだろう。 先日の東京都議選も民主党の圧勝に終わり、自分が望む政権交代が近づいてきたとは思うが、 実際はそれに喜んでいる暇もなく対処しなければならない問題は山積みだ。 日本史はもちろん、世界史でもそうだが、そもそも歴史は変化の連続。でもこの数十年ほど大きく時代が変わったことは少ないだろう。 だからこそ、有権者の厳しい審判を受けた政権による舵取りが絶対に必要なのである。 そう考えると、漫然と解散を後回しにし続け、空しく月日を過ごした現政権の罪は重い。 |
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奥之院跡 円心公の碑からひと登りで、久々の奥之院跡に到着。 この周辺には将来大杉さんになりそうな木々が揃っている。時が止まっている感のある、この空間がなんとも好ましい雰囲気だ。 加えて、雲の通り道になったようで、森には霧が掛かってきた。この日の摩耶山山頂は神秘的でさえあった。
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ミスティーな摩耶山山頂周辺 空気がひんやりしてきて、先程までの蒸し暑さは少し解消されてきた。 生き返ったようになって、元気よく久しぶりの三角点広場へと急ぐ。 |
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9:40 摩耶山山頂三角点広場 以前、来た時には無かった立派な看板が立っている三角点広場に到着。 なお厳密にいえば、摩耶山山頂はここより少し西の702mの地点。まあその差は4mほどしかないから特に問題はない。 そちらにも立ち寄るつもりだったけれど、なぜかこの時には三角点に気をとられて忘れてしまっていた。 初めて、旧摩耶道、青谷道を経由して登ってきたが、三ノ宮駅からの道程を考えると、けっこう長いと感じる。 実際、ここまで3時間30分ほどかかっている。 それだけに何度となく登ってきた摩耶山でも達成感を感じることが出来た。 10:00 三角点広場出発 しばし三角点の側で過ごした後、せっかくだから掬星台にも寄っていこうと出発。 舗装路になっている六甲縦走路に出て東へ向かう。 |
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アジサイに彩られた摩耶山山上 掬星台に向かうまでの縦走路沿いには、色とりどりのアジサイが満開だった! 蒸し暑くてたいへんだったけど、この時期の摩耶山も素晴らしいなあと気付かされた瞬間だった。 特に桜谷に下りていく入口のところは、まるでアジサイ庭園そのものだった。 |
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10:08 掬星台到着 掬星台に付いたら、小学低学年くらいの子供たちの歓声が響いていた。みんな画板を持っていたから、写生でもしていたのかも。 予想外に賑やかな掬星台で大休止をとっていくことにしよう。 10:42 掬星台出発 30分くらい掬星台で過ごして、いよいよ下りにかかる。 下山は行者茶屋跡までは来た道を辿り、そこからは青谷道を通しで歩いて街に出る道程だ。 |
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摩耶山上のアジサイに見送られて、階段道を下っていく 予想外だったが、道はけっこう濡れていて、石の階段は滑りそうで気を遣った。 昨晩雨が降ったのだろうか。 11:20 行者茶屋跡通過 掬星台から約40分で行者茶屋跡まで降りてきた。やっぱり下りは早い。 ここからは、うろ覚えの記憶しか残っていない、青谷道下部に入っていく。 感覚的には殆ど初めて歩くに等しかった。 |
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青谷道下部を下る 青谷道は、高座の滝、保久良神社、布引などと並んで六甲の中でも毎日登山が盛んなところと感じる。 それだけに平日昼間でもけっこう多くの方が歩いておられた。 舗装路が長いことに関しては、色んな見方があると思うけど、歩きやすいことは間違いないと思う。 途中にはお社などが点在していて、地域に密着している道なのだなと親しみやすさも感じる。 |
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けっこう涼しげな青谷道 青谷道下部は常に流れに沿って通っているために、けっこう空気が涼しく思えた。 この前歩いた八幡谷と同様、けっこう深い谷だ。 こちらにはきちんと水流があって、八幡谷と違って川が生きていると実感出来る。 この辺りが青谷道の中でも、特にけっこういいなと思った区間だった。 |
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あけぼの茶屋 まもなくあけぼの茶屋を通過。周囲にはつくばね登山会、そして卓球場などいくつかの建物が寄り添っている。 いつも参考にしている山と渓谷社「六甲山」では、このあけぼの茶屋が紹介されている。とりあえず今日は営業していないようだ。 それはともかく、ここは山行中に唐突に現れるノスタルジックな空間でとても落ち着ける。 |
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茶室静香亭と観光茶園 あけぼの茶屋からまもなく観光茶園に到着。神戸で唯一の茶畑が広がっている。
後程、灘区在住の知人からこちらのお茶のことを聞いて飲みたくなり、後日改めて訪れることになった。 この日は前を通っただけで、一路灘駅へ向かう。 まもなく、青谷右岸から初めて左岸へ渡る。沿道には気付いただけでも3箇所、大規模な堰堤があった。 でも青谷自体は、意外に見事な渓谷美を見せてくれるところもあった。かつては、沢床を歩いて行者堂付近まで遡行することが出来たのだろうか。 |
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11:50 青谷道出口付近到着 まもなく涼しげな青谷から飛び出し、青谷道も終わりとなる。 出口手前では、灘の町を見渡すことが出来る。ここで一息ついてから灘駅へ向かうことにした。 12:00 青谷道下部の展望地出発 ベンチのところから下ってすぐに町に出てきた。西郷川(山中では青谷川だったが)の右岸側を下って、 途中からは王子公園内を通っていく。木陰は少なく涼しくはなかったけど、車道沿いを歩くよりはいいと思う。 |
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王子公園から振り返って摩耶山を見ると、山頂付近はすっかり雲の中に隠れていた。 自分が居た時よりも、雲の厚みが増したようだ。 12:24 JR灘駅到着 あとで地図を見ると、結果的には遠回りをした街歩きだったようだ。 阪急王子公園への最短ルートは、西郷川左岸沿いを、JR灘駅へは右岸側に渡った後、道なりに真っ直ぐ下ればいいみたい。 でも動物園の観覧車越しに広く摩耶山を見上げる景観はなかなか良かった。 |
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今日の行程の断面図です![]() |
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「青谷散策」 JR灘駅発着 09年7月13日(月) | ||
先週の山行で通り掛った、青谷道の静香亭のお茶を賞味しにいくことを主目的とした、ウォーキング程度のプランを立てた。 本来ならばもっと歩き応えのある行程を組みたかったが、梅雨明けしたも同然の夏空でモチヴェーションは上がらなかった。 元々は、週末に雨の予報が出ていたので、雨上がりの沢歩きを想定していたのだが、全く雨が降らず計画倒れになった。 前日の都議選のニュースを見終わってから出掛けたので、自分にしては遅い時間に歩き始めている。 9:30 JR灘駅出発 山行を通じて、何度か歩いているうちに灘の街路を覚えてきた。 この時間の街歩きはもう非常に暑いけど、これもお茶を美味しく飲むためと頑張って大汗をかいて登っていく。 9:52 青谷道登山口 20分程度で街歩きは終了。青谷道を登っていくのは今回が初めてとなる。 |
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涼しい青谷道 青谷道に入ると、一気に涼しくなった。日当たりの悪い谷筋で、川が流れていることから、おそらく街中よりは何度か温度が低いと体感出来る。 そのためか平日のこの時間でも、本当に人通りが絶えることはないと表現出来るほどだった。 自分のような重装備の人もいるけど、どちらかというと毎日登山中の地元の方のほうが多いようだ。 自分も灘に住んでいれば、頻繁に歩きに来るだろうと思う。この道ならば夏場でもどうにか歩けそうだ。 この青谷でもアジサイが多く咲いていて、まだまだ楽しませてくれる。 |
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10:13 静香亭と観光茶園 まもなく今日の目的地の静香亭に差し掛かった。このまま立ち寄ってはまだ早いと思ったので、 とりあえず後回しにして青谷道を登り続ける。 |
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青谷道では巨大な堰堤を数箇所で越していくのだが、このようにジグザグで無理なく越していく。 谷の風情を考えると堰堤はあまり有難い存在ではないけど、灘の町を守るためには必要であろうからある程度は仕方がない。 それにしてもコンクリートの道で直射日光を浴びると余計に暑い気がする。 |
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10:38 行者茶屋跡到着 麓からここまで登ってくると、程好い運動量で良い汗を流したという感触だ。 ちなみにここの標高は328mくらいだから、似たような高さの山といえば甲山、高御位山が思い当たる。 毎日歩くにはこのくらいがちょうど良さそうだ。地元の方に毎日登山コースとして親しまれていることが理解出来た気がする。 行者茶屋跡には容赦なく強い日差しが照りつけて非常に暑い。 隣の行者堂で一休みさせてもらった。 このあと、静香亭まで真っ直ぐ向かってもいいのだけど、先日気になった旧摩耶道から青谷に向かうルートを試してみよう。 10:46 行者茶屋跡出発 先日、歩いたばかりの旧摩耶道に入っていく。三ノ宮方向へ歩くと、しばらくは登りが多い。 |
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11:04 再び青谷道へ 平坦になった旧摩耶道をしばらく歩いていると、青谷へ下るルートが分岐する。 旧摩耶道から見る印象は少し荒れていそうな感じだ。どこへ下りつくのかを楽しみにして下山を開始する。 |
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サブルートの割にはかなり明瞭だった。周囲は急斜面ではあるのだが、 絶えずジグザグに道が付けられており、殊の外歩きやすい。 多少朽ちてはいるが、一部には階段道として整備された跡も窺える。 |
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しばらく下っていくと、自然の巨岩を上手く利用した祠を見つけた。 この道は単なるバイパスではなく、昔から利用されてきた古道であることが分かった。 この祠を見て既視感があったのだが、すぐに思い当たった。仙人窟と似た雰囲気がある。 勝手な推測だがもしかしたら仙人窟もこのような用途で使われていたのだろうか。 |
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11:19 青谷道に合流 旧摩耶道から分かれて、約15分で青谷道に降り立った。普通に歩くと10分とかからないと思われる。 降りたところは立派な石組みの階段だった。ここから静香亭までは少し下るだけ。 このバイパスルートは、たまたま今日の行程にぴったりの役割を果たしてくれた。 もうたっぷりと汗を流したので、それではお待ちかねのティータイムにしましょう! |
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11:26 茶室 静香亭 このHPには珍しいシーンとなりましたが、このテラス席で茶畑と青谷の自然に囲まれて、お茶とまんじゅうを頂きました。 まんじゅうはもちろん、お茶(冷茶を選択)は本当に美味しかったです。 軽めとはいえ、猛暑の元で2時間余りウォーキングした後で、最高のお茶でした。 美味しいお茶の煎れ方も教わりました。美味しかったので親にも飲ませてあげようと思い、パックをお土産として購入しました。 青谷道に静香亭ありと、自分にとってまた一つお気に入りスポットが増えました。 ちょっと贅沢な時間を過ごして、心身ともにリフレッシュ出来ました。 12:10 茶室 静香亭出発 すっかり元気になって出発。一路、灘駅を目指す。 12:45 JR灘駅到着 下界に降りると青谷道とは打って変わって、強烈な日差しでまいりました・・。 もう梅雨明けしそうで、実質的に真夏といえる気温になりました。 桜の時期に仁川から夙川まで歩いた日が遠い昔のようです。どうやら自分の春夏の山行シーズンは終わったようです。 気が向いたらたまに山へ入ることもあるかと思いますが、この夏は他にすべきこともありますので、山行は基本的に夏休みとさせて頂きます。 いつも拙レポにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 また、秋以降に再開したいと思いますので、その節はよろしくお願いします。 |
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今日の行程の断面図です 今回は短距離なので、断面図はありません。 |