「地獄谷東尾根」 神鉄大池駅〜阪神新在家駅 08年12月8日(月)
国土地理院地形図 : 25000分の1 「有馬」、「神戸首部」 参考文献 : 昭文社 山と高原地図 【六甲・摩耶】 ※ 地獄谷東尾根のルートは記載されていません。 今日は昼から曇ってくるようだけど、午前中は晴れの上に空気が澄んで遠くまで見渡せそう。ということで、ここ一番?という時にとっておいた 裏六甲の地獄谷東尾根を初踏破することに決定。これまでに六甲山系は大概のところは歩いている。今回、六甲では久しぶりに全く初めてのルートであった。 地獄谷東尾根は山上と麓にある尾根の始点と終点を以前の山行中に確認、そして尾根の中の見どころをネットから断片的に把握しているという状態である。 あまり人が入っていないマイナールートということで、今の初冬の時期にぶつけたのだがこれが大成功。実に快適で楽しい尾根歩きとなった。 6:47 神鉄大池駅出発 久しぶりの大池駅。降り立つと非常によく冷え込んでいて、霜がびっしりと降りていた。さすが北区は寒さの度合いが違う。 自分は寒さには強いと思っているが、この日ばかりは身を硬くして住宅街を地獄谷方面へ向けて歩いていく。 大池駅で降りたのは2年半ぶりであったが、何も考えなくても勝手に正解のルートを歩いていた。けっこう覚えているもんだなあ。 |
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7:03 地獄谷・石楠花谷分岐 大池の住宅街を抜けて見覚えのある出合に差し掛かる。ここまで順調に歩いてきたが、うっかり右へ行ってしまうところだった。 右へ行くと石楠花谷へ行ってしまう。分岐には兵庫登山会の案内板が設置されているので、確認を怠らなければ間違わないと思う。 何故右へ行きかけたかというと、このすぐ後の分岐では右手の小道へ入るのが正解だったからだろう。 |
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7:06 ここで車道を離れる 石楠花谷へ向かわずに車道沿いを進むとすぐにこの出合に差し掛かる。「地獄谷」、「地獄谷西尾根」を示す標柱があるのですぐに分かる。 但し地獄谷東尾根は記載されていない。道標には記載されていなくとも目の前に見えている尾根が目指す地獄谷東尾根である。 7:13 地獄谷東尾根登山口到着 阪神高速北神戸線を潜るとすぐに地獄谷東尾根の登山口がある。 大池駅から歩いてきて大分体は温まっているが、本格的な登りの前にウォーミングアップをしておく。 |
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7:32 地獄谷東尾根登山口出発 準備万端整えてようやく未踏の地獄谷東尾根へ向かう。この出合は大池駅と地獄谷方面を示す標柱があるだけで、例によって地獄谷東尾根の存在は公的には隠されている。 但し、明瞭なトラックが尾根に向かって伸びているし、分かりやすくマーキング類も設置されているのでそれと分かる。 ここで改めて地形図を見ると、地獄谷東尾根は単純明快な地獄谷西尾根とは対照的に実に複雑な地形を成しており、等高線を追うのも至難の業。 いつもと違って細かく現在位置を確認しながら歩くのは自分にとっては難しいトラックになりそうだった。 その代わりにいつも以上にコンパスによる方向確認を頻繁に行うよう心掛けた。 この出合からは気付いただけで2本の踏み跡が伸びていた。最初、向かって右側を辿っていったが、どうやらこれは尾根を目指すものではなさそう。 そう思ったところで、左手上方へ分岐する踏み跡を見つけてそれを辿っていく。 |
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地獄谷東尾根へのルートは、森の中のごく緩やかな登りから始まった。 今の時期は地面が落葉に覆い尽くされているが、幅広のトラックとささやかな私設の案内板によって、実にスムーズに未踏のルートを歩き始めることが出来た。 しかし穏やかな雰囲気の写真からは分かりようもないが、すぐ近くを通る高速道路の騒音がけっこう響いている。 |
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緩やかな区間はすぐに終わり、目の前には地獄谷東尾根の末端が現れる。 部分的に急なところもあるが、予想以上に歩きやすい印象を持った。山腹道から始まってすぐに細い尾根に乗った。 序盤は不明瞭なところも全く無く、実に快適な尾根歩きとなった。 |
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7:45 地獄谷東尾根初めての展望 しばらくそこそこの斜度の尾根を登ると、いきなり西方180度の視界が開けた。 北区の街並みの向こうの朝日に照らされた丹生山系が眩しい。思った通りに空気は澄み切っており、未踏の地獄谷東尾根の登りが更に楽しくなりそう。 南に目を転ずると、向かいの地獄谷西尾根との間に地獄谷の切れ込みが深い。眼下には地獄谷の堰堤も見えた。 以前に遡行したことがある地獄谷を上空から見れるのもまた楽しい。 |
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地獄谷東尾根最下層の尾根 地獄谷東尾根は大きく3つに分割されているように思える。その中でも最下層にあたる今歩いている尾根は、地形図を見ると緩やかではあるが随所に“がけ(岩)”が 書かれていて険しさも垣間見せている。この尾根はやや短くて小規模。向かう先は地獄谷の支流に突き当たっている。 この上方に続く539mピークより始まる大きな尾根からは独立した形をしており、どこかで尾根を乗り換える局面があるはずと、東側を気にしながら歩いていく。 なお撮影時はまだ朝日が当たっておらず暗く写っているが、昼間歩くと低い木が多いのでたいへん明るい雰囲気の尾根だろう。 |
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8:07 尾根を乗り換える いくつかのミニピークを越えて、下りに掛かっていたら急にトラックが東に向きを変えた。 ここが目指していた尾根を乗り換えるところだった。東側にはこれから登っていく次の新しい尾根が見えている。 トラックは部分的には踏み跡が細くなるところもあったが、予想以上に明瞭で全く迷う局面は無かった。 |
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始終向きを変えながらの尾根歩き 2つめの尾根に乗り換えてから、地形の複雑さが際立つようになってきたと思う。 なんとか地形読みをしたかったが、どこを歩いているのか分からなくなってきた。地形図で見るよりもずっと複雑だしミニピークも多数。 でも踏み跡は相変わらず明瞭でルートを大きく外す心配は殆どない。但し、地獄谷東尾根全体にわたっていえることだが、惑わせる踏み跡が無数にある。 コンパスで方向感覚を確認しながら歩くと、紛らわしい分岐があってもある程度正しいルートの見当が付けられる。 |
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そうこうしているうちに眼下に堰堤を見ながら下る局面になった。地形図から予想が付かないくらいに下っていく。 地獄谷東尾根は意外にも険しいアップダウンは少ない印象を持ったが、ここは数少ない難所に含まれるかもしれない。 |
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堰堤に近づくように下った後は、それを取り返すように再び急上昇する。 この後もやや急な登りはあったが、全体的に見てこの区間が最も急だったかと思う。 |
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急坂を経てまた開けた尾根になった。アップダウンを繰り返しているので先程から殆ど高度が上がっていない気がする。 この時点では現在位置が特定出来ていなかったが、後から考えると539m標高点ピーク西の“がけ(岩)”の辺りではなかったかと思う。 ここからは急斜面は一段落して一旦緩やかになり、そしてほどほどの登りとなった。 ここもそうだが地獄谷東尾根の下部はけっこう砂交じりのところが多くて、特に下りだと滑りやすいかもしれない。 但し今日は霜がセメント代わりのようになって、砂がやや固まって歩きやすくなっていた。 |
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8:30 539mピーク到着 まもなくはっきりここがピークと分かる539mピークに到着。同じくこの時点では確証がなかったが、後から考えてみて539mピークだったのではと思う。 ピークは一面雑木林に覆われてはいるが、北東隅だけ窓が開いていて唐櫃方面が見えている。 地獄谷東尾根を登り始めてからちょうど1時間。ここで初めてザックを下ろして小休止をとる。 地形図を見ると、ここが539mピークとするとまだまだ先は長い。ダイヤモンド・ポイントより派生する地獄谷西尾根に比べると、地獄谷東尾根はかなり長いことに改めて気付いた。 この後、僅かに下ってしばらく平坦な尾根で一息ついた後、約90mの急坂が待っている模様。いよいよ地獄谷東尾根のハイライトに迫りつつあると感じてわくわくする。 そうこうしているうちに東から初めて朝日が照ってきた。やはり日を浴びると一気に暖かくなる。 8:39 539mピーク出発 ピークの南東隅からは明瞭なトラックが下り始めている。念のためにコンパスで確かめてから歩き始める。 地形図通りに下りはすぐに終わって520m+コル。ここで初めてお馴染みの笹を見かけた。 まだ背の低い可愛らしい状態で地面は丸見え。これから笹深くなるのかなと思ったら、コルを過ぎたらすぐに消えた。 |
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束の間のほぼ平坦な区間が終わるといよいよ急坂が始まる。 この辺りは尾根道というよりも、急な山腹を直登するような感じ。 地形図で地獄谷東尾根を辿っていくと、意外にもこの90mの急坂以上の難所は無い。 ここだけはたいへんでも後は楽そうということで、急坂をじっくり味わって登ることにしよう。 |
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急坂が一段落すると再び緩やかになった。暖かい日差しにも照らされるし、歩いていて本当に気持ちよかった。 ところでこの辺りで、これまでより東寄りに方角を変えるが、紛らわしい踏み跡が分岐していたので要注意。 ある程度目星は付いていたが、試しに逸れそうなほうへ入ってみると、しばらく進むと地獄谷へ下りそうになったので引き返した。 事前のネット調査によって、地獄谷東尾根には兵庫登山会の山名板が設置されたピークがあることを確認している。 地形図では地獄谷東尾根の中盤には等高線の閉じたピークが3つある。このいずれかがそれに当たるのであろうと予想した。 平坦な区間が過ぎると約50mの程ほどの登りとなる。そしてその登りが終わると・・ |
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9:17 トラック沿いに小さなピークを発見 約50m登り終えた頃、左手に小さなピークがあるのに気付く。見たところピークへ向かう踏み跡もないし、 登ったとしても木々に覆われて展望は無さそうだが、一応確認しておこうと寄り道することにした。 |
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693m高地(670m+ピーク)到着 念のために確かめてみて大正解だった!ここがネットで確認していた693mピークだった。 地形図では等高線が本当に小さく閉じたピークが描かれている。但し、等高線を数えてみると、670m+のようだ。 何度数えてみても693mとするには等高線の数が足りない。現在位置を見誤っている可能性も考えたが、周囲の他のピークを見てもいずれも670m止まり。 693mという表示は疑問符が付くように思えるが、とりあえずそれは後回しにするとして670m+ピークからの展望を楽しもう。 ピークの北西隅に大きな松の木があるが、そこが展望台になりそうだ。 松の木の幹を上手く使って、向こう側の太い枝に立つことが出来た。但し、木の下は急斜面になっていて、けっこう高度感があった。 |
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670m+ピークからの大観 広く枝を広げた松越しに裏六甲の景観を見渡すことが出来る。改めて思ったのが裏六甲の懐の深さ。 実に多くのピークを揃って眺めることが出来た。表六甲で同じようなシチュエーションを思い起こしてみると、荒地山の横にあるなかみ山が近いかも。 しかし、山深さはこちらのほうが勝っているように思う。 近いところにあって多少名前負けしている感のあるダイヤモンド・ポイントよりも、初めてのこのピークからの眺めは本当に感動的だった! これはレンズ交換もして手間を惜しまずに撮影しておかなければ、ということでバランスの悪い松の枝の上で踏ん張って撮りまくった。 |
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自分にとって未踏のピークが揃い踏みの裏六甲の景観 有馬三山の湯槽谷山、そして六甲最高峰を除くと、裏六甲はまだまだ歩いていない山々が多い。 手付かずの山を眺めていると歩きたくなるのは自然な心理状況かもしれない。 今冬は残念ながら暖冬の可能性が高いようだ。ということは反比例して山歩きの機会が増えるだろうから、次の裏六甲の行程も考えてみよう。 |
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670m+ピーク南面よりの景観 ピークの南側からは、地獄谷を挟んで水晶山とダイヤモンド・ポイントが程近いところに見える。 写真では分かりにくいが、肉眼ではダイヤモンド・ポイントの更地まで見えた。 そして水晶山が東から見ると丸っこい山容をしていることも初めて知った。 少しだけ南へ進んだところからは、多少木々に隠され気味だが、裏六甲の西側の景観も見ることが出来た。 谷間に沿うように北区の街並みが伸びているのが印象的だった。 来るまでは、展望はいまひとつというイメージを持っていた地獄谷東尾根だがそれは間違っていた。 見通しの良い日に初めて来ることが出来たことは幸運だった。 そして、ひとしきり撮影した後は、オカリナを楽しんだ。近所迷惑を考えずに思いっきり吹けるのは山の良いところだろうなあ。 |
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10:05 670m+ピーク出発 約45分の滞在時間をもって、素晴らしい670m+ピークを出発する。 思いっきり裏六甲の景観を楽しんで、けっこうお腹いっぱいという感じだが、地獄谷東尾根の全行程中でまだ半分を消化したに過ぎない。 |
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地獄谷東尾根の核心部 670m+ピークではじまる地獄谷東尾根の中央部は、10〜20m程度の小刻みなアップダウンを繰り返しつつ、 同じ標高の670m+ピークU、Vを通過していく。この間は前述のような展望はお預けとなるが、とにかく静かで落ち着いた山歩きを楽しめる。 特に今の時期は落ち葉を踏みしめる音と感触がとても良い。 |
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調子よく歩いていたら、部分的に笹が現れたり、両側が切れ落ちた痩せ尾根も通過したりする。 とにかく色んな局面のある尾根だなあと思った。ごく一部だけだが、腰まで迫る笹を漕ぐ場面もあった。 しかし予想よりも藪といえるところは少なかった。地獄谷東尾根の厳しさを味わうには夏に来るべきかもしれない。 |
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再び尾根を乗り換える (640m+) 539mピークからスタートして、道なりに一塊の尾根を歩いてきた形になるが、ここで再び尾根を乗り換える局面が現れた。 東に見えている次なる尾根はシュライン・ロードが通る主尾根から派生するもので、裏六甲道路の料金所付近へ伸びている。 これからの行程は、この尾根に途中から乗っかる形で進行していくことになる。 |
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10:34 六甲アルプス出合 尾根を乗り換えてから約20m登ると、既視感のある出合に到着。ここは、以前にKASSHIさんとhase_kyou_1978さんにご教示いただいた出合だった。 出合の写真をあらかじめ見ていたことで、差し掛かるとすぐ気付きました。改めてこの場をお借りしてお礼申し上げます。m(__)m 地獄谷東尾根の最大の見どころ?と位置付けられる六甲アルプスを見逃したらたいへん。ということで、その入口となる出合を意識しながら歩いていた。 実はここに辿り着くまでにも数々の紛らわしい出合があった。踏み跡がすぐ消えるところや、なんと料金所へ下山出来るというルートが分岐するところまで。 この写真の出合には私設の案内やマーキングが豊富にあるし、明瞭なトラックが分岐することから、全く意識していなくとも見落とす確立は低いと思う。 六甲アルプスは地獄谷東尾根から派生する尾根にある、ということでしばし寄り道する形になるが、以前から楽しみにしていたスポットということでじっくり時間をとって散策してみたい。 出合から目指す六甲アルプスはほんの僅かの距離にある。痩せ尾根の上を歩くのでルートを外す心配もない。 |
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10:40 六甲アルプス 不意に視界が開けて、目指す六甲アルプスに到着!いかにも脆そうな花崗岩の痩せ尾根が眼前にある。 本当に簡単に岩が崩れるので、通過には最大限の注意が必要だった! 立っている足場が崩れるといえば、今の麻生の心境を追体験出来るところといえるかもしれない。 脆い立場に固執せずに早く解散して、思い切った政策を実行出来るようにしてもらわないと。 多くの国民には末期的な自公政権の延命策に付き合っているヒマなどないのだ。 それはともかく、尾根上にずっと岩場が続くのかと思ってたけど、一定の間隔をおいて緑も生い茂っている。 両側が切れ落ちた尾根なので、後方を除いて270度位の景観を広く見渡すことが出来る。もっとも岩尾根を歩いている最中は周囲を見渡す余裕は無いけど。 地形図では、この六甲アルプスのある尾根はほぼ真北を向き、真下には六甲山トンネルが貫通していて、ちょうどその“六甲”とトンネル名が書かれている辺りに今居ることになる。 尾根の正面はすぐ前の木立までしか見えておらず、先の状況は分からないが、660m+の高さを維持したまま尾根はしばらく続きそうだ。 足場や手を掛けるところに最大限の注意を払いながら、もう少し先へと進んでみることにする。 |
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六甲アルプス核心部 どうにかこうにかマーキングにも導かれてルートを辿り、最初に眼前に見えた木立のところまでやってきた。 するとまた新たな展望が広がった。木々の向こうには次なる奇岩群が見えていて、それを境に尾根はやや西寄りに曲がりながら下降を始めている。 どうやら岩尾根が続くのは今見えている部分までではないだろうかととりあえず眼前の岩場のピークを踏んでおこうと思い、更に先へ進むことにする。 写真だけを見ればどこを歩くのかという感じだが、緑濃い鞍部へアップダウンするルートが巧みに付けられている。 |
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実に巧みに付けられた六甲アルプス中のルート 険しく痩せた岩尾根を時には岩の上を通り、時には岩の裾をトラバースしたりして、六甲アルプスのルートは本当に変化に富んでいる。 写真では両側に奇岩が立っていて、まるでゴルジュのようだった。 この後、左手の巨岩に取り付くが、ほぼ垂直の岩場をロープを頼りに登ることになる。 前述の通り岩は脆いので、足場の選択は非常に重要。気をつけていたにもかかわらず、急に足場が崩れて膝を打ってしまった。 出来ればサポーターやヘルメットを装備した上で、歩くのが無難かもしれない。 |
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11:02 六甲アルプスのミニピークから振り返って 自分撮りも不可能なほど険しい場面を乗り切り、どうにかこうにか西側から見えていたミニピークに辿り着いた。 振り返ると、木々の間に散在する六甲アルプスの岩場と、地獄谷東尾根を横から見ることが出来る。 噂どおりの険しいスポットだった六甲アルプス。でもとにかく目に見える範囲内の岩場は全て歩いた。 実はこのミニピークから北に下るトラックが伸びているのを確認した。地形図を再確認するとこの先は標高差120m余の下りが続いて、裏六甲道路に到達しそう。 惰性でこれ以上下ると、登り返すのがたいへんそうだし、今日は初めての地獄谷東尾根の完全踏破がテーマだ。 とりあえず六甲アルプスの主要区間は踏破出来たことで、今日はここで引き返すのが妥当だろうと判断した。 |
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六甲アルプスからの景観 神鉄六甲から有馬口にかけての街並み。そしてその向こうには丹生山系が東西に伸びている。 そして、ミニピークにへばりつくように生えている松が、長年風雪に耐えてきたことを物語っているようだった。 六甲アルプスの「復路」も難路だった。難所は下るで通過することで更に難易度を増すことをここで改めて実感する。上記のミニピークから下る時は後ろ向きになって慎重に下った。 後は元来たルートを地獄谷東尾根へ向けて戻っていく。地形図で六甲アルプスは、“岩”はあるものの660m+の平らな尾根としか目には写らない。 実際に歩いてみてやはり難所だったことを身を持って実感した。でも楽しいところであることには違いないと思う。 |
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六甲アルプスの岩場を縫って地獄谷東尾根へ戻っていく。 好天の元で六甲アルプスを満喫出来て、膝は打ったけど本当に楽しかった!いずれは六甲アルプスの尾根を踏破してみたいと思う。 六甲山系で“アルプス”の名が付くところといえば、六甲縦走路でもある須磨アルプスが有名だけど、こちらはひっそりとしたマイナー感が良いのかもしれない。 但し、昭和8年発行の竹中靖一著「六甲」という古書でも紹介されているようだから、古くから知られたところではあったようだ。 11:32 六甲アルプスの出合に戻ってくる ちょうど1時間で地獄谷東尾根の六甲アルプス出合に戻ってきた。冷や汗を掻く場面もあって疲れたけど充実感溢れるオプショナルツアー?となった。 出合で水分補給をして一息つきながら、地形図でこの後の尾根の状況を再確認。概ね南東に向かって約60mの標高差を緩やかに登り、シュライン・ロードに合流する模様だ。 |
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地獄谷東尾根上部は静かな尾根歩き スペクタキュラーな六甲アルプスの場面とは打って変わって、深い森の中をひたすら緩やかに登っていく。 この辺りまで来ると、尾根は笹に覆われてはいるが背丈は低く、ずっとこのような明瞭なトラックが伸びている。 踏み跡が細いだけで、他の主要なトラックと差異は無い雰囲気だ。但し、草深くなる時期は難易度が増すであろうことは想像出来る。 |
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地獄谷東尾根上部にも時折巨岩が点在していて、目にも楽しく飽きさせない。 正午近くの日を正面に受けながら、気持ち良く残り少なくなった尾根道を登っていった。 |
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緩やかな尾根を調子よく登っていくと、左手にはシュライン・ロードの尾根が間近に見えてきた。 向かいの尾根とほぼ同じ高さでもあるし、合流点までもうそう遠くないようだ。 |
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そろそろ終わりかなと思いつつ歩いていくと、不意に行く手が開けて広い道?が交差した。 木に付けられている白いパネルには“D−5”と記載されていて、どうやら地獄谷東尾根を歩く自分にとっては無関係のようだ。 向かいには続きのトラックが伸びているので、広い道を横切ってそちらへ進む。何のための広い道かは結局分からないままだ。 |
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12:00 広場に出た 謎の広い道からまもなく広場に出てきた。周囲は一面笹に覆われているが、広場だけは整備されているのか見事に地面が見えている。 但し、切り株のベンチは苔が生えていて、忘れられた空間のようでもある。ふと左手上方を見ると、木立の向こうに別荘と思われる建物が見えていて、 それに向かって階段道が敷かれているのを確認。一方、ベンチの前からはこれまでと同じ雰囲気のトラックが笹の間に伸びているのも見つけた。 合流点の様子を知っているので、こちらのほうが正しいのではと見当を付ける。 ふと丸く木立が切れた上空を見ると、いつの間にか大きな雲が空を覆い始めていた。 「晴れ、昼から曇り」というこの日の天気予報は完璧に当たっているようだ。 ベンチで数分小休止をとった後で出発する。 |
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12:10 地獄谷東尾根シュライン・ロード側出合 広場から笹の間のトラックを進むと、すぐに見覚えのあるシュライン・ロードに合流。 初めての地獄谷東尾根は、地獄谷下部の取り付きを出発してから踏破するまで4時間40分を要した。 とにかく見どころが多く、しかも午前中は最高の好天にも恵まれたので、取材?にも自然に熱が入った。 初めてのところで、しかも地獄谷東尾根は期待以上に楽しく、本当に充実感溢れる尾根歩きとなった。歩き終えて淋しささえ感じてしまう。 今度は下り方向で歩いてみたいと、早くも次回のプランを練ってみたい気になる。 見どころ満載だった地獄谷東尾根を歩き終え、そのうえ空模様も悪くなってきたので、この後は消化試合みたいな感になってしまったが、下山という行程が残っている。 実はこの日は夕刻に梅田に出る用事があり時間的に制約があった。もう少し地獄谷東尾根の所要時間が短く、しかも晴天が続いていたなら、 同じく未踏のアイス・ロードか寒天山道を下るプランであったのだが、何度も歩いていて安全に早く下山出来る油コブシを経由することに変更した。 出合で小休止した後、達成感に包まれてシュライン・ロードを前ヶ辻へ。 そして六甲縦走でも歩いた車道沿いを記念碑台へ向かう。ここで大池住宅街以来、久しぶりに他の人とすれ違った。 ある程度予想はしていたけど、平日の地獄谷東尾根は本当に他のハイカーと出会うことは稀で、本当に静かな山歩きとなった。 |
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12:32 記念碑台到着 すっかり曇り空になって、吹く風も寒い記念碑台に到着。ハイライトの地獄谷東尾根では終始好天だったのが、本当に幸運だったと思う。 公園内にはビジターセンターがあるが、既にシーズンオフで開いていない。ちょっと肌寒いけどベンチの一つに腰掛けて昼食とする。 |
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記念碑台の象徴であるグルームさんの銅像と、記念碑台三角点 そういえば、地獄谷東尾根は三角点が全く無い。あれだけ長大な尾根なのに少々意外な気がする。 12:56 記念碑台出発 20分ほどの滞在をもって出発。舗装路を下って六甲ケーブル山上駅方面へ向かう。 六甲ケーブルはかつて中学の時に、六甲山上でオリエンテーリング大会で訪れた時に乗ったことがある。 13:07 六甲ケーブル山上駅前を通過 もちろんケーブルには乗らずに油コブシ方面へ。自分にとっては慣れたトラックであって重宝している。 |
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13:30 油コブシ山頂到着 岩の一つに腰掛けて小休止。何か雰囲気が変わっていると思ったら、兵庫登山会の山名板が無くなっていることに気付いた。 13:40 油コブシ山頂出発 3本の送電線鉄塔をくぐる辺りでは、まだけっこうきれいな紅葉が残っていた。 登山道から車道に降りて老人ホーム前を下っていると、散歩中のお年寄りの団体とすれ違う。 曇りの割には暖かいですね。と挨拶を交わした。 14:12 六甲ケーブル下駅 予定では16時に梅田に着けばよいことになっていた。そして地形図を改めて見てみて、バスに乗らずとも余裕で歩いて降りていけそうということに気付き、 道筋を確認して車道沿いを下ることにした。六甲登山口交差点、その後は阪急六甲、JR六甲道を通過して阪神新在家駅まで道なりに下ればよい。 仮に夏ならば市バスに乗るところだが、今の時期ならばずっと下りだし全く苦にならない。 14:54 阪神新在家駅到着 六甲ケーブル下駅から約40分で到着。山歩き後の心地良いウォーキングだった。 これで早過ぎることなく、狙い通りにちょうど良い時間に梅田に行けそうだ。 この日は夏に受けたレーシック手術の3ヶ月検診を予約していました。全く目に異常は無く、視力は両目1.2でした。 これで万全の状態で、初めてのコンタクトフリーのスキーシーズンを迎えられます。 但し、当分積雪は諦め気味なので、年内にもう一度山歩きに行けるかもしれません。 |
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今日の行程の断面図です![]() |