06年 8月21日(月) 渦森台3丁目バス停〜西山谷〜油コブシ〜六甲ケーブル下駅バス停
Nishiyama-dani 21st. Aug / 06

 今年の春から芦屋地獄谷、石楠花谷、大池地獄谷、そして白石谷と、避暑も兼ねて六甲の谷歩きに親しんできたが、
ここにきて遂に西山谷を歩いてみることにした。噂に違わぬハードな、しかし個性豊かな滝の連続、そして堰堤群・・。
西山谷は六甲で一、二を争うほど素晴らしい谷であると断言出来る。

 結論から言うと、初めての西山谷は中流部での堰堤越えの際に多くある踏み跡に惑わされ、かなりのタイムロスとなってしまった。
更にこの事により、途中までは完璧に数えていた滝と堰堤の数を数えられなくなり、現在位置が分からなくなってしまったままの遡行となる。
どうにかこうにか全線辿ることが出来たものの、決して順調とはいえず次回に課題を残した形となっている。
だからこのレポートは率直に言って役に立たないかもしれないが、別の見方をすれば要注意箇所を洗い出すことにはなると思う。


 ※ 滝番号、及び落差の数値は、昭文社「山と高原地図48 六甲・摩耶」の別冊、そして山と渓谷社「六甲山」を参考にしています。



6:54 JR住吉駅前バス停出発
 神戸市バス38系統渦森台行きに乗り込む。(200円) いつもより少し遅い出発だが、これが始発便なので仕方がない。

7:08 渦森台3丁目バス停到着
 元々空いていたがここまで乗っていたのは自分だけだった。天狗岩南尾根を下った時(06年6月19日)に
西山谷下流を通過したために住宅街をスムーズに辿ることが出来た。渦森台3丁目バス停から少しだけバス道を下って
住宅街に入り、右へ右へと進んでいくだけで西山谷入り口にすぐに到達出来る。

7:12 渦森台の住宅街から西山谷へ

 渦森台3丁目バス停からたった5分程度で住宅街の出口に辿り着いた。
自分の前を地元の有志の方2人が掃除道具を片手に千丈谷の河原へ入っていった。
よくゴミが散らかっているのだろうか。

 この入り口からすぐのところに千丈谷第1堰堤がある。これから嫌というほど見る
堰堤だが、地図で数えてみたら西山谷とその支谷には全部で15、6もの堰堤が
建設されている。そんなにたくさん必要とはどうしても思えないが・・。

 千丈谷の河原の右岸をしばらく進み、奥に第2堰堤が見えてきた頃に飛び石があり、
左岸に渡渉する。そのまま進むと天狗岩南尾根へ向かってしまうが、2ヶ月ほど前に
天狗岩南尾根から下ってきたので間違わなかった。渡渉してすぐに左岸沿いに堰堤に
向かって山腹道を辿る。西山谷は随所でテープ等が設置されている。

 すぐに第2堰堤を越えるが、しばらくそのまま山腹道を進む。道幅は狭くて足元には
注意が必要。第3堰堤を越してから徐々にトラックが沢へ降りていく。


7:40 F1?

 上記のガイド書によると、西山谷最下流の滝は「小滝群」とある。
初めて沢へ降りてきたところで既に滝の上に出ていたので、
滝の上からの写真になった。

 この小滝がF1である確証はないのだが、少し上流に大きなF3が見えていて、
その手前に小滝が連続しているので、おそらくこれがF1ではないかと推察する。
 ガイド書によって滝番号はまちまちなのだが、参考にした上記のものはかなり
小さな滝までも逐一数えているような印象を受ける。これが遡行するには好都合
ではないかと思う。

 このF1のほとりで登山靴から渓流シューズに履き替え、スパッツを装着。
そして水分を充分補給し、いよいよ西山谷遡行を開始する。

 住宅街までとは打って変わって一気に気温が下がったように感じる。
これからの滝と堰堤・・のオンパレードが楽しみでテンションが上がる。



F2

 F1とF2は連続滝となっている。滝身左側の段々で簡単に登れる。
最近あまり雨が降っていないのにも関わらず、なかなかの水量で大喜び!
空模様も曇り空になってきて、かなり暑さがしのげそうである。


F3 (落差10m)

 F2のすぐ上流にはF3。幅が広くて、しかも水量が多いこともあってなかなかの迫力。
滝から少し離れていてもすごい水しぶき!これが火照った体にはたいへん気持ち良く、
沢歩きはやはり夏が最も楽しめると思う。

 F3の滝身右側に簡単に登れる巻き道がある。滝の上には金具が打ち付けてあった。
ザイルを使ってのシャワークライムも面白そう。


7:57 F4

 続いてのF4はこじんまりとした小滝。芦屋地獄谷でよく見られる大きさである。
滝身すぐ横を簡単に登れる。


 F4を過ぎると左岸にはコケがびっしりと生えていて、水が滴り落ちていた。
NZでモス・ガーデンと名付けられた同じようなのを見たことがあるが、
こちらのも見ているだけで涼しげな気分になれる。
8:05 F5 ふるさとの滝 (落差15m)

 「モス・ガーデン」からしばらく沢を辿ると、F5・ふるさとの滝に到着。
ガイド書によると、全ての人間の“ふるさと”である女性の■■■(←自主規制)に
滝身が似ているということで、昭和20年代に命名されたという。なるほど納得。(#^.^#)

 意味深な名前のこともあるが、両岸に迫る岩壁と端整な姿がたいへん印象的であり、
西山谷の数多くの滝の中でも白眉といえるのではないだろうか。

 ところで滝の中にある倒木(のように見えた)が気になり、撤去しようとしたら
びくともしなかった。ここから生えているのか、もしくは岩の間に挟まっているのかは、
体が押し戻されそうなほどの凄まじい水しぶきの圧力で確認出来なかった。

 ※ 自分の撮影方針 → 撮影の際に邪魔になりそうな倒木や流木は可能ならば
撤去する。しかしもちろん生えている木は大切にする。



 F5・ふるさとの滝でしばらく小休止、水分補給をして、再び遡行開始。
滝の右岸手前からやや急峻な巻き道がある。急だが登るのは易しい。
滝の落ち口の横を通過する際は斜めになった一枚岩を通る。
補助ロープが設置されているほどだから、一応難所ということだろうか。
もし足を滑らせたら、ふるさとの滝へ落ちてしまう。
くれぐれもスリップに気をつけて慎重に通過する必要がある。

水場
 「この水場は登山者の財産です。大切にしましょう」兵庫登山会

 ふるさとの滝から少し上流に進むと水場を発見。しかしとてもではないが
飲む気にはなれなかった。水質検査をしているとも思えないし・・。
後で分かることだが、西山谷上流からの生活排水がやはり流れ込んでいるとのこと。
顔を洗うまでに留めておいたほうがいいと思う。山では何があってもオウンリスク
(自己責任)なのだから。


8:20 千丈谷第5堰堤越え

 水場からすぐのところに堰堤が立ち塞がる。下流の第1、2、3千丈谷堰堤は
巻き道で回避してきたから、この第5堰堤が初めて遡行中断を強いる堰堤になる。

 ここは西山谷最大の難所といわれている。かつてここで団体遡行中に落石による
死亡事故が発生してしまったところらしい。堰堤に向かって左側(右岸)の急峻な
斜面を這い登り、途中からは鎖などを頼りに三点確保でよじ登る。単独遡行だから
上からの落石はまずないであろうが、かなりの高所なので落ちれば即遭難になる。

 写真はようやく鎖に辿り着いた時に撮影したもの。体を安定させたつもりだったが、
やはり体勢が微妙だったのかブレてしまった。しかし殆ど垂直に近い難所の雰囲気
は伝わるのではないかと思う。NZならば間違いなく階段道を設置するところだろう。

 ようやくの思いで堰堤の上に達した。堰堤の上にこんな看板が設置されている。

立入禁止 千丈谷第五堰堤 高さ20m長さ34m 昭和60年8月

このダムの近くであそぶことはきけんですから近よらないようにしましょう

国土交通省 六甲砂防工事々務所 пi851−0535)


 堰堤が無ければ普通に沢を歩けて、崖を登る必要もなく、落石事故も
起こらなかったはず。こんな堰堤なんか設置するから逆に危ないんやんか!
とツッコミを入れておく。また六甲に無数にある堰堤にどれだけの税金を使っているのだろうか。

 堰堤を越えると沢へ降りるのだが、これまたロープに頼るほどの急斜面で危険。
慎重に慎重にルートと足場を見極めて降りていった。


8:38 F6

 難所である千丈谷第五堰堤を突破すると再び遡行を再開。崖登り、崖下りで大汗を
かいたが、沢へ降りると一気にクールダウン出来る。堰堤はこの後も次々に現れるが、
とりあえずその間の沢歩きは楽しめる。

 この前後に滝と呼べそうなものはないので、これがF6ではないかと思う。
ここまで来ると上流方向に大きな滝が見えてきて胸が躍る。西山谷最大のハイライト、
F7・西山大滝に辿り着く。





8:40 F7 西山大滝 (落差20m)

 西山谷最大の滝。豪快な滝姿に見とれてしまう。この滝を見るだけでも西山谷を
遡行する価値はあると思う。また世俗化された六甲の中で、今なお難所を経て
歩いてこなければ辿り着けない滝であるだけに余計に感慨もひとしおなのだろう。

 よく見ると滝の落ち口右手に兵庫登山会による「西山大滝」の案内板がある。
よくあんなところに設置出来たな〜と感心する。

 ガイド書によると昭和13年に出現した滝となっている。確かこの年は阪神
大水害があったが、その時の豪雨が関係しているのだろうか。



 滝の間近に立ってみた。西山大滝の豪快さが伝わるのではないかと思う。
既にもう水しぶきで全身びしょびしょに濡れている。夏だから気持ち良くて
いいが、他の季節なら風邪をひいてしまいかねない。沢歩きはやはり夏がベスト。

 西山大滝を見ながらしばらく小休止。

 山と渓谷社「六甲山」では滝身左側(右岸)の岩場を摺りあがる、とあるが、
上部でオーバーハングした危険箇所がある。ここでもかつて滑落負傷事故が
あったという。この岩場は避けて、少し下流に下ったところの右岸にある巻き道を
登っていく。なかなか急だが危険はないと思う。


 06年11月27日追記:
 06年11月26日、この西山大滝横で滑落事故が発生。
女性1人が死亡しました。謹んでご冥福をお祈りします。
滝身に近い岩場を摺り上がるのは危険と隣り合わせ。
同じ右岸ですぐ下流にある巻き道を利用するのが無難です。
急峻ながら岩登りではないため遥かに安全です。



 巻き道で西山大滝を越えて、再び沢へ戻ってくる。
柔らかな木漏れ日が谷に差込み、西山大滝とは打って変わって穏やかな雰囲気。



9:03 F8

 F8はこじんまりとした小滝。滝身左側を簡単に越えていける。

 このまま順調に遡行を続けていければいいのだが、この上流でまた堰堤が・・。
(未確認だがおそらく千丈谷第四堰堤)
堰堤左岸に巻き道を発見して乗り越える。すぐに沢へ降りて再び遡行を再開。
いくつ堰堤を造れば気が済むのかと言いたくなる。初めは必要なものでも、
つい造りすぎてしまう。空港が好例で、公共工事とはそういうものだと思っている。


9:18 F9

 F9も小滝。広い砂地の滝壺が印象的だった。写真では滝身右側の感触を確かめて
いるがどうも足場が悪く、結局反対側の左側から登った。渓流シューズのおかげで
滑ることはなかったが、コケが生えているところはスリップに気をつけなければ。


9:23 F10 二条の滝

 名前の通り二筋の流れが目立つ小滝。流れの間から簡単に登れる。
西山大滝を過ぎれば、しばらく大きな滝も無く黙々と静かな沢歩きとなる。



9:26 F11 (落差5m)

 日が差し込んで暑いので、つい自分撮りの手間を惜しんでしまった。
写真では分かりにくいが滝身右側に足場が豊富にあり、簡単に登っていける。

 このF11を過ぎるとまたまた堰堤!(千丈谷第6堰堤)
堰堤左側の巻き道を登っていくが、ここで初めて失敗をしてしまう。
堰堤は順調に越えたが、その後沢から離れてしまったのである。というのも、
第6堰堤上流の西側に支沢があり、それに沿って踏み跡が伸びていたのである。
支沢にすぐに堰堤が現れ、そこで踏み跡が途切れたのでそこから引き返した。

 踏み跡を逆戻りしていくと支沢を越えて北側に続くルートを見出す。(正解)
ガイド書ではしばらくそのルートを沢へ降りずに辿り、かなり上流にある
第7堰堤に辿り着くとなっているのだが、普通にルートを辿っていると、しばらく
歩いたところで自然に沢へ降りてしまった。

 おそらくこの間にF12 (落差6m、丸岩の段状) を見落としたものと思われる。
ガイド書の通りに辿れなかったことで、これまできちんと把握していたと思っていた
現在位置が分からなくなってしまった。


 それでも黙々と沢を遡行していくと、再び堰堤に阻まれ巻き道を見出す。
第7堰堤までしばらく山道を辿るということが頭にあったので、途中に現れた
分岐(上記写真)をやり過ごし山腹道を辿っていく。どんどん登っていく。
 しかし登り過ぎた。普通に辿っていたら尾根のようなところまで登ってしまった。
トラックの両側は笹がびっしりと生えている。西にある油コブシへ向かうのなら
まだ良かったのだが、何故か今度は南へ向けて道が下りだした。
 このまま進んでいったらどこへ向かうか分からないので、かなり登ってしまった
が、再び逆に戻って、西山谷の沢が見えてきたところで強引に沢へ下った。
ここでかなりの時間と体力を消耗してしまった。

 西山谷へは戻れたが、依然として現在位置は掴めず仕方無しに遡行を継続。
目印になるような滝らしい滝も無く黙々と遡行する。


堰堤番号不明

 またまたまた堰堤・・。気を取り直して沢の両岸を観察し、巻き道を見出す。
おそらく第7堰堤の下流にある堰堤だと思われる。かなり上流に進んできて
いるのは間違いないと思ったので、何とか西山谷を全線踏破しようと、
トラックを誤って注意力散漫になりがちだったが気を落ち着かせる。




 堰堤の間にも上流の様相を見せてきた西山谷に心癒される。
現在位置ははっきりとは掴めていないが、全線を通じてテープ等の印を
辿れているので心強い。また時折落ちているゴミにも同じ気持ちを抱いたのは
少々複雑な気分である。
 沢を遡行していくもまたまたまたまた堰堤が奥に見える・・。(ーー;)
 
 また苦労をして堰堤を越えたのだが、この写真の後、次に撮影するまでかなり
の時間がある。また登り過ぎたのである。西山谷は滝そのものを越えるよりも、
堰堤をやり過ごすことに苦労することを身を持って実感した。

 それでもどうにかこうにか遡行を続けていくと、沢が2方向に分岐し、
両方に堰堤が見えるところまで来た。後で分かったことだがF13も見落とした
と思われる。そしてこの分岐は東側の沢を辿ると天狗岩南尾根へ、西側が
正解の西山谷上流で、この時はコンパスで判断して西側へ進んだ。
巻き道で堰堤を越えたところで、ネットで見たことのある滝が見えてきた!
久しぶりに今自分がどこにいるのかはっきり分かった瞬間だった。


10:36 F15 そうめん滝 (落差6m)

 西山谷上流部のハイライトの始まりである。大きな一枚岩にそうめんのような流れ。
そうめん滝の流れで顔を洗い、心身共一気にリフレッシュする!中流部で迷走した
疲れが吹き飛んだ心地がする。

 滝の落ち口に大量の流木が溜まり、なかなか良好な撮影ポイントを見出すのが
難しかった。撤去するにはあまりに多いので断念。
 滝身左端のそうめん滝の看板の下から登れそうな気がしたが、安全第一で滝身
右側(左岸)にある巻き道をよじ登る。急峻だが滝よりは安全だと思う。
 すぐにそうめん滝の上に出る。

 なお兵庫登山会設置の案内板とは滝番号、落差が違うが、ガイド書により番号が
食い違っているので、それはあまり気にしないでもらいたい。おそらく小滝の中で
数に入れていないものがあり、それにより違ってくるのだと解釈している。


10:49 F16 (落差8m)
 
 そうめん滝のすぐ上流にはF16。無名だがなかなか立派な滝姿である。
ガイド書にも書かれているが、そうめん滝から上流は個性豊かな滝が
連続しており、この区間は堰堤に阻まれることも無く、非常に楽しく遡行出来る。

 F16も滝身右側の急峻な巻き道を登る。この区間は巻き道もなかなか険しい。
山と渓谷社「六甲山」ではことさら難所のように書かれている。険しいとは思うが、
それほどでもないのではないかというのが個人的な感想である。

 巻き道を辿るとすぐにF17に着く。本当に滝が連続して現れる。
頑張って全線踏破を目指して、本当に報われた気持ちがする。
10:54 F17 愛情の滝 (落差7m)

愛情の滝 (注)あなた一筋に・・・・・ 兵庫登山会 

 山が恋人だと思っている自分にとって、何だか嬉しくなる。(^^♪
西山谷の滝群に名前を付けた方はなかなかのセンスだと思った。

 西山谷に突入してから約4時間。疲れもあったが、愛情の滝のしぶきを浴びていると
いろんな意味で癒されたような気がする。


愛情の滝の一筋の流れ

 樋状に岩が削られているが、どれほどの長い年月の間、水に洗われて
いたのだろうか。自然の造形は素晴らしい。

 ここでまた顔を洗いリフレッシュ。余談だが沢歩きにはタオルを余分に持って
くるほうがいいだろう。また沢歩きに限らず、夏山は虫除けスプレー必携だが、
すぐに汗と水で流れてしまうので、何度も吹き付けなければならない。
虫が気になっては落ち着いて観暴出来ない。

 山と渓谷社「六甲山」では愛情の滝は風化して登れないと書かれている。
確かに足場も無さそうで、ここは迷わずに滝身右側の巻き道を登る。
しかしこの巻き道はガレと砂地の急峻な谷を登る。ここが西山谷最後の難所
ではないかと思う。途中でロープに頼り摺りあがる。巻き道はなおも上へ続いて
いるが、このまま辿ると西山谷最後の滝F18を見落としてしまうので沢へ降りる。


11:10 F18 (落差5m)

 狭い廊下状のところに2段連続で小滝があるが、奥のほうがF18なのだろうか。
いずれにしてもこの滝が西山谷最上流の滝である。F1から始まって長い長い遡行だった。
直登も不可能ではなさそうだが、上流にまた堰堤があるようだし、先ほどの巻き道の
続きを歩いたほうがよいと判断し、しばらく観暴した後少し下流に下って巻き道に戻る。

 ここからトラックは笹藪の中を曲がりくねりながら進んでいく。笹が覆いかぶさっている
ところもあるが、意外なほど踏み跡は明確だった。歩いていると上から車の音が聞こえて
きた。自分の気配を察したのか犬が吠えだしたのも聞こえてきた。しかし、なかなか出口
に辿り着かない。情報ではF18付近からまっすぐに笹薮の道が続いている印象を持って
いたが、実際には曲がりくねりながら徐々に登っていく。逸る気持ちを抑えて踏み跡を
辿っていくと10分余りで道路脇に飛び出した!遂に西山谷を全線踏破した。


11:22 サンライズドライブウェイ、天狗橋のすぐ東に飛び出す

 ガイド書どおりに天狗橋の少し東で脱出出来た。出口には赤テープの印があるが、
西山谷を示す案内板は無い。間違っても西山谷を下らないようにとの配慮だろうか。
歩いてみて分かったが、下りには絶対通るべきではない。非常に危険である。

 とにかく無事に遡行できたことで、達成感は抜群だった。たまたま有馬へ向かって
歩いてきたおじさんとしばし談笑する。西山谷経験者の方でいろいろとお話を聞かせて
いただきながら、スパッツを脱ぎ、靴下と上着を換えて、登山靴に履き代える。
お話していた間に足が完全に乾いていた。(^_^;)

11:50

 おじさんに別れを告げて油コブシへ向けて歩き出す。緩やかな登り下りを繰り返し
ながらのしばしの車道歩き。曇っていたおかげで暑さはかなりしのぐことが出来た。


12:07 油コブシへ

 油コブシは以前登りで1回通ったことがある。このまま道なりに進むと天覧台と
六甲ケーブル山上駅があるが、今日は霞んでいて視界が悪いのでパス。


 ここから油コブシへ下る。写真左端に写っている山が油コブシ。
しばらくは別荘地の間の道だが、すぐに純然とした山道になる。
 別荘地の間の階段を下ると、このような穏やかなトラックが続く。
先ほどまで曇っていたが晴れてきた。木漏れ日だがやはり暑い!
沢と尾根とではやはり温度がまるで違う。立ち止まって耳を澄ますと、
東側の遥か足下から西山谷のものと思われる水の音が聞こえてくる。
沢歩きの余韻を感じつつ下っていく。


12:23 油コブシ・寒天山道分岐

 直進(寒天山道)すると今朝のスタート地点である渦森台へ戻る。寒天山道は
まだ歩いたことがないのでここでしばし迷ったが、またの機会に置いておくことに
して、歩いたことのある油コブシを足早に下山することにした。とにかく暑いのである。


12:29 油コブシ山頂

 分岐からすぐに展望の無い油コブシ山頂。暑いがとりあえず三角点にタッチしておこう。
いつも気になるのだが、油コブシの山名の由来は何なのだろうか。


 油コブシ山頂のすぐ下には広場がある。中高年男性2人が暑い中登ってこられて
いたところだった。これから六甲ケーブル山上駅へ登るという。
 日を遮るものがないので非常に暑く、水分補給だけして早々に下山を再開。
油コブシから下る道は高羽道とも呼ばれ、整備も完璧で非常に歩きやすい。
西山谷を歩いた後だから余計にそう感じる。

点在する道標は石造りの立派なものである。目的地の鶴甲まで1300m。

なお、急な道、緩い道と分岐を繰り返すがどちらを辿っても大差はない。


13:06 老人ホーム前に降り立つ

 油コブシ山頂から約30分で山道は途切れた。ここから老人ホームの間の舗装路を
しばらく下っていく。この間が最も暑かった。でも下りだからマシか。老人ホームの
駐車場では夏祭りのためのものと思われる櫓が組まれていた。暑い中お疲れさまです。


13:15 六甲ケーブル下駅バス停出発
 神戸市バス16系統阪神御影行きのバスにちょうど出発寸前で飛び乗った。(200円) 始発駅だからか、平日の昼間だからかバスは空いていた。
冷房の噴出し口を調節して、冷房を顔に直撃させる。正に天国! 残った2Lペットボトルのお茶を飲みきった。今日の行程でちょうど良い量だった。

 15分くらいでJR六甲道駅に到着。家路に着く。



初めての西山谷のまとめ

 なんとか全線踏破は出来たが、中流部での迷走もあり、次回へ大きな課題を残した。今のままではガイドできるほどではない。
西山谷はまたぜひ歩いてみたい。

 今回感じたポイント

 最も要注意なことは堰堤越え。この時巻き道を辿り過ぎない。登り過ぎないこと。極力谷から離れないこと。
次回、中流部をもう少し慎重に辿ってみようと思う。



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