「遥かなる宝塚」(六甲縦走・序盤) 須磨浦公園〜再度山大龍寺
須磨浦公園駅〜六甲全山縦走路〜再度山大龍寺〜JR元町駅 06年12月19日(火)

 ちょっとは期待した寒波も空振りに終わり、考えておいたプランが六甲縦走体験。殆どの区間は部分的に踏破しているが、縦走はまだ未体験。
3回程度に分けて歩くが、今回はその序盤の区間を歩くことにした。部分的に歩いた時には見えてこなかった、縦走の雰囲気を味わうことが出来る山歩きとなった。
殆どの区間は一度は歩いているので、今回はコースの紹介というよりも、六甲縦走をシミュレーションするというスタンスで記述していく。


6:31 山陽電鉄須磨浦公園駅到着

 いつもの方針に従うなら定期を持っているJRの須磨駅から登山口まで歩くだろうが、駅を降りていきなり鉢伏山へ登るという感覚を味わっておく必要があると考え、
塩屋駅から一駅だけ仕方なく山陽電車に乗ることにした。

6:37 須磨浦公園駅出発

 駅の改札口を出てすぐ西が登山口になる。
ずっと昔に中学の野外活動で須磨アルプスを西向きに歩き、鉢伏山を降りてきたことがある
のだが、おぼろげな記憶しかないので、鉢伏山上までは初めて歩くに等しい区間になる。

 これから六甲縦走をするつもりで、入念にストレッチして歩き始める。


敦盛橋を渡って鉢伏山へ

 歩き始めてすぐに敦盛橋と名付けられた橋を渡って鉢伏山へ。
駅の西外れを跨ぐので、鉄道写真を撮るのにも良いスポットかもしれない。
橋の袂には落葉間近の紅葉が一本だけ残っていた。
将来は、正月頃が紅葉の見ごろになるというが、それはそう遠い未来ではないのかもしれない。

 橋を渡ってすぐに階段道が始まる。緩やかな車道沿いに登っても合流しそうだったが、
階段道を進むことにする。この後延々と頂上にある山上遊園まで舗装された階段道が続く。
まだ体が温まっていない鉢伏山への登りはけっこう疲れるように感じる。間違いなく第一の
難関になりそう。基本通りにいつも以上にゆっくりとしたペースで歩くべきだと思った。


7:03 展望台に辿り着く

 登り始めてから20分くらいでベンチとあずまやのある展望台に辿り着く。
実際に縦走大会の時にはまだ真っ暗だろうが、この時は日の出間近の展望を
楽しむことが出来た。一息つくには良いところだ。


 ちょっと雲が邪魔をしているが、普段なかなか見られないご来光だ。

 きれいだったが和歌山までは見渡せなかった。今日は残念ながら少々霞があるようだ。
前日は弱い寒波が通過した直後の冬晴れだったのに。


7:10 ロープウェイ山上駅

 展望台から少しの登りで山上遊園の敷地内に入る。
早朝の山上駅にはロープウェイは止まっていなかった。眼下には通勤で毎日利用する
JRの線路、そして車窓からいつも見ている海釣り公園がよく見える。

 山上駅に隣接してトイレを見つけた。縦走ではトイレの配置を把握しておくのも大事な
ことだろう。


須磨浦山上遊園

 ロープウェイからすぐに山上遊園の円形の展望塔に辿り着く。
脇を通って北の公園へ。早朝から公園内を清掃されている方がおられた。

 鉢伏山には三角点は無いようなので推測するしかないが、、ジャングルジムの
辺りが最も標高が高いのではないか。(248m)

 公園を通り抜けて北に隣接する旗振山へ向かう。一旦鞍部へ少し下って、
また少しだけ登る。この鞍部で数人の方とすれ違う。地元の方が散歩コースに
されているようだ。
 縦走時に大勢で歩いている光景を想像しながら旗振山へ向かう。
始まったばかりでまだまだ元気だ。


7:23 旗振山山頂(253m)

 短い吊り尾根を経て旗振山山頂。驚くほど頻繁に人々が行き来している。
旗振山山頂は東西南と3差路になっているが、各方面から続々と登ってこられては
別の方向へ歩いていく。毎朝このような光景が繰り広げられているとは思わなかった。


 今日一つ目、そして六甲縦走で出会う最初の三角点。旗振山山頂の三角点は周囲を
コンクリートで保護された珍しい状態になっている。

旗振山山頂から明石海峡の景観

 やはり今日は霞んでいて、さほど遠望は利かないようだ。
東へ歩くにつれて明石大橋は見えなくなりそうだ。

 数分、旗振山山頂で過ごした後、東へ向かって縦走路を歩き始める。
ここからしばらくはほっと一息つける区間だ。あちこちに分岐があるが、
いずれも直進していく。鉄拐山山頂西の三叉路でも直進し、鉄拐山へ登っていく。
短いがなかなかの急坂だ。ここも縦走では登らなくてはならないのだろうか。
山頂北側をショートカットするトラックもあるが・・。


7:40 鉄拐山山頂(234m)

 短い急坂を経て鉄拐山山頂到着。やはり潰れたベンチが変わらず置かれている。
周囲は雑木に囲まれて展望は皆無である。車窓から見る鉄拐山はなかなかの鋭鋒
なのだが、実際の山頂の雰囲気はいまひとつ。

 山頂北側の急な階段を下りて縦走路を東へ。またほぼ平坦な快適な区間が続く。
やがて舗装されたところに出るとおらが茶屋が近い。

 この区間でも次から次へと多くの人とすれ違う。休日に歩いているようだ。


7:56 高倉山の碑

 神戸市により破壊された高倉山の碑までやってきた。おらが茶屋の北隣にある。
碑文は少々磨耗が進んで読みにくくなっているが、当初の計画では高倉山だけでなく、
周辺の山を全て破壊し尽くす計画だったようだ。幸いな事にそれは避けられたが、
高倉山を失ったことはもう取り返しがつかない。自然破壊が20世紀だけの負の遺産で
収まればよかったのだが、最近も空港まで造っていて神戸市の暴走は相変わらずだ。
周囲に他の空港が無ければまだ造る意義もあったろうが、全て横並びに施設を揃えて
どうするというのか。将来の展望よりも利権のほうを優先しているからおかしなことになる。


高倉台へ下っていく

 本来ならば高倉山へと続いていたであろうことを想像しつつ、無機質な階段を
下っていく。なかなかに急な階段だ。この分をまた登り返さなければならないことを
考えると気が重くなるし、街歩きの区間ははっきり言って面白くない。

 高倉台(150m+)をはじめとして、六甲縦走では何回か街歩きを経なければならないが、
ここが最も簡単だ。階段を降りきって陸橋を渡り、あとは曲がらずに道なりに進むだけ。
もう一度長い陸橋を渡って突き当たったら北へ。ほどなく長い長い階段が見えてくる。
さあ、登り返しだ。


8:18 栂尾山への階段を登りきる

 第2の難所、栂尾山への階段を登りきった。丸太階段のほうがずっと楽しい。
とにかく無機質な階段だ。縦走では渋滞が発生するという。
自然に休み休みに登ることになるのだろう。この時は休みなく一気に上まで登ったが、
少しペースを加減したほうがいいかもしれないと後々感じるようになる。


8:25 栂尾山展望台(274m)

 階段を登りきってしばらく進むと、丸太を組んだ展望台が設置されている栂尾山に到着。
段々遠くなってきた鉢伏山、旗振山。そして手前にあったはずの高倉山を想像してみる。
行政は自然は次世代への預かり物だということがわからないのだろうか。
破壊される前の古い写真があればぜひ見てみたいものだ。

 この後横尾山へと進むが、小刻みにアップダウンを繰り返す。今日の目的の一つが
須磨アルプスの写真を撮ることだったので気が急いて少しオーバーペースになった
感があった。実際の大会時にはゆっくりと進むことになるだろうが、今日のことは念頭に
置いておこう。


8:38 横尾山山頂(312.1m)

 今日2つ目の三角点が出迎えてくれる横尾山山頂に到着。展望は無いと思っていたが、
南側の一角の雑木が切り払われて麓を見下ろすことが出来る。


 横尾山を過ぎるといよいよトラックが岩がちになってくる。
今日最初のハイライトの須磨アルプスの始まりだ。この辺りは滑りやすくて足場が悪く、
鎖を頼りにすると楽に下れる。大勢で歩くと間違いなく渋滞しそうな箇所だと思う。
ここで息を整えるようにするとよいのだろうか。


8:53 須磨アルプスの核心部が見えてくる

 短いが迫力ある岩稜が眼下に迫ってきた。ここからしばらくバシバシ撮影しながら
進んだので、通過時間は20分ほど掛かっていると思われる。


 階段が整備されて、楽々岩稜の鞍部へと下っていける。


 道標が設置されている上、よく歩かれているので辿りやすい。
短いが最高に楽しい区間だと改めて思う。


馬の背(220m+)

 一番のハイライト。痩せ尾根の「馬の背」を渡っていく。中学の時に初めてここを歩いたが、
先生が何人かで馬の背を渡る生徒のサポートをしていたことを思い出す。
這いつくばって進んでいた子もいたような気がする。

 すぐ北の山麓には街が広がっており、体育の授業の声とかが明瞭に聞こえてくるので
よく思い出したのだろうか。いずれにしてもすぐ街の側にあるとは写真を見ただけでは
想像しにくい。


馬の背から横尾山方面を振り返って

 じっくり観察すると、改めてなかなか迫力ある景観だと思う。
実際の大会時には黙々と歩くだけになるだろうから、今日は大いに楽しんでおこう。
馬の背の上で何枚か自分撮りをしたが、同じところを往復するハイカーを、麓の街から
見れば不思議な光景だったに違いない。


須磨アルプス全景

 馬の背を過ぎると楽しかった岩稜歩きもあっという間に終わってしまう。
しばらく登ったところから横尾山東斜面に広がる岩稜の全景を眺めることが出来る。
あとはもう少しきれいに晴れてくれればよかったのだが。



9:27 東山山頂(253m+)

 しばらく登ると好展望の東山山頂。谷を隔てて須磨アルプスがよく見える。
よく見ると歩いてきた岩稜だけではなく、山裾全体が岩の斜面になっている。
どの岩稜も面白そうだが、他に歩けるところがなさそうなのが残念。


高取山を眺める

 東山山頂からは東隣の高取山が程近いところによく見える。その向こうにはまだ遠い
菊水山、鍋蓋山まで見渡せる。直線距離では近いがこれから街中を遠回りしなくては
ならない。東山山頂を過ぎると、しばらくは緩やかな下りが続く。途中で南へ下る分岐が
あったはずだが、何故か見落としてしまっていた。


9:42 横尾、妙法寺の住宅街へ(170m+)

 東山を下りきると第2の街歩きの区間が始まる。その前に注意すべきところが一つあった。
街へ下りきる前に山腹道と斜めに交差しているが、そこには道標が無い。それに惑わされず
直進するのが正解だった。ちなみにこの区間、1年半ほど前に「高取登山?さん」にガイドして
いただいて歩いたことがあるのだが、その時の記憶がおぼろげになってしまっていた。
あちこちの山を歩いているから忘れやすいのだろうか。

 高倉台よりは複雑になるが、要所要所に全山縦走路の案内板があるので順調に辿って
いける。しかし、縦走地図があるとより完璧だろう。大会時には何の問題も無いとは思うが。


10:11 高取山へ取り付く(90m+)

 30分近く掛かってようやく高取山への登りが始まる。
妙法寺小学校前交差点を過ぎてから、どこで南へ曲がるのか、というのが分かりにくいと
思ったが、やはりそこにも縦走路の案内板があった。大きな木があることと、車1台が
通れるくらいの狭い道に入っていくのが正解。駐車場が左に見えると左折して、しばらく
ゴミだらけの緩やかな未舗装路を登るとここへ辿り着く。

 ちなみに今日は長い道のりなので、休憩で腰を下ろしたところしかゴミを回収していない。
もちろん道すがらゴミを目にしたのは一度や二度ではないが・・。実に恥ずべき現状であり、
NZ人にはあまり見せたくないメイン・トラックだと思った。


10:37 荒熊神社境内より

 荒熊神社に辿り着くまで、全般的になかなか登り応えのあるトラックが続く。
ここはもっとゆっくりと登りきるべきだったか。荒熊神社へ辿り着いて正直ほっとした。
数人が憩っている境内からは、朝から歩いてきた山々が一望出来る。けっこう歩いてきた
と思うが、縦走大会ではまだまだほんの一部にしか過ぎない距離だ。


三等三角点「高取山」 (312.8m)

 境内の一角には2006年10月1日に設置されたばかりの三角点があった。
しかし山と高原地図「六甲・摩耶」に既に三角点の表記があり、しかも319.9mと
表示されている。測量、そして設置をしなおしたのだろうか。昨年、「高取登山?さん」と
登ってきたが、今ほど三角点にこだわっていなかったので、その時の状況はもちろん
よく分からない。

 それはともかく、三角点からは長田の街の展望が素晴らしい。
車窓からもいつも高取山を見ているが、山姿も展望も素晴らしい山だと思う。

 荒熊神社を過ぎると高取山山頂のある高取神社まではほっとする平坦なトラックが
続く。アップダウンの激しい縦走序盤では、つかの間の快適な区間だ。


10:56 高取山山頂へ

 縦走大会時には素通りするだろうが、今日は景観を楽しんでいこう。


高取山山頂の碑(328m)

 高取山山頂には何故か三角点は無い。その代わりにこの石碑が建っている。
ちなみに周囲は祠と雑木に囲まれてほぼ展望は無い。

 この辺りから朝からの疲れを徐々に感じるようになってきた。縦走のペースから
すると速すぎたのか。各所で撮影をしながらなので時間は掛かっているが、歩く
ペース自体はちょっとオーバー気味だったと思った。


 山頂からの展望は皆無だが、一段境内に下ってくると180度の大展望が広がる。
神社の境内ということもあって、より空気に清浄さが増すように感じる。

 しばらく高取山からの展望を楽しんで、行程を進めることにする。
鳥居まで降りたらそのまま直進するような形で再び縦走路を辿る。
すぐに藪っぽいトラックとの分岐があったが、それは滝見のトラックだそうだ。
人工的で小さい滝のようだが、いずれ立ち寄ってみよう。


11:14 丸山市街地へ向けて

 茶屋街の中を進むと、丸山を指し示す全山縦走路の道標がある分岐に辿り着く。
前回登った時は直進して南へ下ったので、ここからは未踏の区間だ。

 きれいな石畳の続く茶屋街は高取山の風情を最もよく表しているところだと思う。
登山会の記帳所のようなところもあった。どこも整然とされていて、さすが毎日登山が
盛んな山だと感心する。


 分岐から丸山の市街地に出るまではそれほど長くはなかった。その中でも
部分的に紅葉が最盛期を迎えているところもあって、見とれるほどきれいだった。

 第3の街歩きである丸山から鵯越にかけては、初めての自分にとって非常に複雑な
迷路のような区間だ。地図が無ければ迷ってしまうことは必定だ。神戸市発行の
縦走マップには丸山市街地の詳細な見取り図があって非常に有用だ。

 しかし、丸山市街地は隠れた難所だと言っても過言ではないと思う。
かなりの区間が登りになっている。神鉄の高架下をくぐる前後は特に急坂だ。
ここを地図を片手に登っている時に、地元のおじいちゃんに「頑張ってや、兄ちゃん!」
と声を掛けられたことは嬉しかった。有難かった。何だかマラソン選手になった気分だった。

 途中にはコンビニがあって、そこで昼食を購入することが出来た。縦走大会の時には
ゆっくりと買い物をすることは難しいのではと推察するが、普段ならばたいへん重宝する
だろうと思う。


12:02 神鉄鵯越駅(130m+)

 やっとの思いで長かった丸山市街地の街歩きは終わった。鵯越駅に近づく直前、
どうやら道を間違えたようだ。縦走マップの見取り図では神鉄の線路を跨がずに、
駅の東側から降りてくるような感じで書かれている。
ともあれ、ここからは歩いたことのある区間でほっとする。

 ちょうど、列車が来そうだったので、それに合わせてシャッターが下りるように、
タイミングを合わせたつもりだったが、予想よりも列車の進入が遅れて写真に
入らなくなってしまった。神鉄の運行速度は自分が思ったよりももっと遅いのかも
しれない。次に通り掛るまで待つ気にはなれず、踏切を渡って菊水山へ向かう。


12:28 菊水山が大きく見えてくる

 旧菊水山駅の周辺は大きく様変わりしていた。石井ダムが完成したとかで、本来の
ルートに戻ったようである。神鉄の高架をくぐると見上げるような巨大なダムが見えてくる。
自分には莫大な税金の札束で積み上げた、コンクリートの塊にしか見えない。

 菊水山登山口に辿り着くまでにもけっこう登る。鵯越駅を基点にして歩いた時とは
感覚が比べ物にならないと実感した。須磨浦公園からの疲れがそろそろ本格的に感じる
ようになっていた。後から考えると、この辺りで一息入れるべきだっただろう。


13:04 菊水山への急登の途中で須磨方面を振り返る

 縦走路を歩いてきた足には間違いなく、この菊水山への登りは序盤最大の難関だと思う。
頂上で休みたいといういつもの感覚で登り始めたために途中で息が切れてしまった。
プラ階段の段差がとてつもなく高く感じてしまう。結局途中で3度ほど休みながら登った。
 縦走では登り始める前に腰を下ろして少し休憩したほうがいいかもしれない。

 振り返ると今日朝から歩いてきた山々が一望の元だが、春霞のようにぼんやりとしている
ために心理的にもモチベーションが下がってしまった。それだけ澄んでいる時の菊水山の
景観との落差が大きかったのだ。


13:09 菊水山山頂(458.8m)

 やっとの思いで、今日最大の難関を乗り切って菊水山山頂に辿り着いた。
ここも次から次へとハイカーが行き来してなかなかの賑わいだ。
皆さん、口々に霞んでいるのを残念がられていた。とりあえずベンチの一つに腰掛けて
昼食といこう。丸山市街地のコンビニで買ったおにぎり3個をほおばる。
風は少々冷たいが、日差しはたっぷりでお腹が膨れると眠くなってきた。
まだもう一つ難関が残っているので、もう一度モチベーションを上げておく。
ここで縦走体験を打ち切ったら、神鉄の鈴蘭台駅を使うしかない。極力JRを使いたい
ので、鍋蓋山までは歩かなければならない。今日は時間的に摩耶山は難しいだろうが、
鍋蓋山への登りまでは体験しておかなければ。


展望テラスから須磨方面遠望

 けっこう風はあるのだが、このぼんやりとした景観は本当に残念だ。
次回、続きの縦走体験をしたいと思っているが、視界が良ければ鵯越駅から始めて
みてもいいかもしれない。


13:36 菊水山山頂出発

 約30分の休憩でかなり元気になった。楽々鍋蓋山まで行けそうだ。

13:52 城ヶ越の急坂を下っていく

 前方に鍋蓋山を見ながら、どんどん下っていく。菊水山への登りよりは楽だと思うが、
下った分は登り返さなくてはいけない。鍋蓋山がすごく高く見えてくるのは心理的なものか。
急な部分もあるので足元に注意して下る。


14:03 天王吊橋(260m+)

 菊水山から下りきったら天王吊橋を渡る。先ほど菊水山の急坂でバテたことから、
鍋蓋山に取り付く前に吊橋の上で軽食(クッキー)を食べながら休憩することにする。
吊橋の上は高度感があって、自分にはたいへん居心地が良いのだが、とにかく下を
通る有馬街道は交通量が非常に多い。すごい騒音だった。道路の横には天王谷川が
流れているが、よく見ると水はかなり汚れているようだった。上流に鈴蘭台の街があるから
仕方がないのだろうか。

 5分程度小休止した後、今日最後の難関である鍋蓋山へ挑む。菊水山よりは短いと
思うが、それでも急坂であることには変わりない。しかも薄暗い森の中を登っていくので、
少々陰鬱な気分にもなる。


14:22 鍋蓋山の肩に辿り着く

 岩場に出てくると急坂が一段落して、西に菊水山を望めるようになる。
近い菊水山でも少々霞んで見える。
ここから先はやや緩やかになるが、ここで少しだけ休憩していこう。
この付近で栄養ドリンクのビンが捨ててあったので見過ごせず回収する。

 鍋蓋山へ向かって緩やかな尾根道を歩いていたら、北の鈴蘭台からだろうか、
灯油販売の車から流れる「♪ゆきやこんこ」が聞こえてくる。今、この歌を聞くと相当空しい。
現実は歌詞とは裏腹に、やっと降ったらすぐに止んで殆ど積もっていない。既にもう解けた。
山歩きは楽しいが、雪不足のことを考えると頭が痛い。


14:36 鍋蓋山山頂到着(486.1m)

 緩やかな尾根道を登っていくと、広い鍋蓋山山頂に到着。
今日の行程ではもう長い登りは無い。とにかくベンチに腰掛けて休憩しよう。
西の菊水山山頂は賑わっていたが、こちらは自分以外誰も居らず静寂そのものだった。

 いつも思うのだが、鍋蓋山山頂は山城があったのではないだろうか。
2段の削平地によって構成されているように見える。自然に出来た地形では
ないような気がしてならない。東の再度山山頂は山城跡ということが判明している。
こちらは調査されているのだろうか。


鍋蓋山山頂から西の景観

 低いほうの削平地からは180度の景観を得られるが、とにかく今日は霞んでいるのが
残念だ。それでも朝から歩いてきた山々を一望でき、かなりの達成感に浸ることが出来た。
軽食を摂りながら、地図を広げて下山ルートを再確認する。
出来れば、このまま縦走中最大の難関になると思われる摩耶山への登りを体験して
おきたかったが、冬至前の今は途中で日が暮れそうなので断念するしかなかった。
鍋蓋山から最短距離で下山するとしたら、七三峠経由で防火道を利用することが考え
られるが、あそこは今日の疲れた足ではハードすぎる。結局、当初から決めていた少し
遠回りだがお気に入りの下山ルートを辿ることに決める。


14:55 鍋蓋山山頂出発

 引き続き全山縦走路を東へ歩く。途中、七三峠、鍋蓋北尾根への分岐をやり過ごす。
そういえば、鍋蓋北尾根への分岐から再度山西麓の分岐の間は未踏だった。
この区間、思ったよりも距離が長く感じる。高度差はさほどではないが、一旦鞍部へ
下るようだった。


15:11 再度山大龍寺前で全山縦走を中断

 縦走では引き続き、市ヶ原へと下っていくが、自分にとっては市ヶ原〜新神戸へ至る
道を下山ルートに使うのはあまり好きではない。布引周辺の舗装の急坂がイヤなのだ。
 それよりも多少のアップダウンはあるが、二本松道を経由して錨山、というルートが
好展望なのでお気に入りである。

 水分補給をして小休止をしてから、朝から辿ってきた縦走路に別れを告げて、
二本松道を南下する。このまま摩耶山への登りを体験できれば更に有意義だった
であろうが・・、
「よっしゃ、今日はこのくらいにしといたろ」


 日が傾くのが早いので、何度か歩いている二本松道から錨山までの区間は
撮影せずに歩き続ける。時折、西側の視界が開けて須磨まで見渡せるが、
北側を見渡すところは見つけられなかった。初夏に歩いた時に比べて、葉を落として
いる分、今のほうが見通しが良かったが、菊水山、鍋蓋山と並んでいる景観は撮影
出来なかった。


15:48 市章山

 夕焼けに染まる神戸の街もなかなか風情があった。
この後、もう一つ夕景を楽しめそうなスポットを経由することにする。


「あつ!あつ!あつ!」

16:04 ヴィーナス・ブリッジ

 もう少し遅い時間ならカップルで賑わうだろうが、まだ少し早かったようで
人出はまばらだった。とりあえず、この愛のモニュメントで元気を分けてもらおう。
来年初めに錠前を全て撤去して、新たなモニュメントを造るそうだ。
未来永劫ここに付けておけるわけではないのか。


 テラスで一息入れた後、ぐるっと廻って降りていく。



 霞んでいるのが残念だが、やはり夕景はとても絵になる。
意外に須磨まで近く感じるのは気のせいだろうか。
16:17 金星台
 
 ヴィーナス・ブリッジからは諏訪神社、もしくはこの金星台へ降りてくることが出来る。
今回初めて金星台に立ち寄ってみた。元鳥居だった石碑がある他はごく普通の公園だった。

金星観測記念碑
Venus Observation Memorial


 明治7年12月、太陽と金星・地球が一直線に並ぶ「金星の太陽面通過」という
現象を、フランス人天文学者ジャンセン氏らがこの地で観測したことを記念して
建てられました。
 ここ金星台やここから10分ほど上に登った所にあるビーナスブリッジの名前
の由来となっています。(ビーナスとは金星のこと)
 金星台は上空から見ると、星の形をした高台となっています。

豆知識@ 金星の太陽面通過を表す図が石碑に刻まれている。

豆知識A この碑に用いられている円柱形の石材は、安政(江戸時代)の大地震
のときに破損した生田神社の「折れ鳥居」を再利用したものです。


 1874年(明治7年)12月9日、金星の太陽面通過という現象がおこり、
長崎、神戸、横浜などで欧米各国の観測隊により観測されました。
神戸ではフランスの別働隊(本体は長崎に駐留)がここ諏訪山で金星の観測を
しました。その時のフランス別働隊の観測風景といわれる写真です。※

 ※ 観測当時の写真が掲載されている。

 当時、フランス別働隊が金星観測のために使用したといわれている「子午儀」の
写真です。※ 実物は明石市立天文科学館に展示されています。

 ※ 子午儀の写真が掲載されている。


 ヴィーナスブリッジの名前の由来になっている場所がすぐ側にあるとは知らなかった。

 天体観測をしたことが由来の地名といえば、NZ北島、コロマンデル半島にある
マーキュリー・ベイを思い出す。あちらはキャプテン・クックが水星を観測した湾ということで
名付けられたものだった。
 今では天体観測をするには神戸は明る過ぎるところになってしまった。
自分も天体望遠鏡を持っているが、邪魔な灯り、建物などの障害物の無い田舎へ遠征
しなければならない。


16:28 市街地へ降りてくる

 金星台からしばらく舗装階段を下りてきて、遂に市街地に降り立った。
ここからはまっすぐ道なりに南に向かうとJR元町駅へ辿り着くことができる。
新神戸に降りるよりも、こちらのほうがやや街歩きの距離が短いように感じる。
これもお気に入りとなるルートの条件として大事なことだ。



16:45 JR元町駅到着

 六甲縦走の5分の2くらいの歩行距離だが、たいへん歩き応えがあった。

 近いうちに今度は六甲縦走の中盤を歩くことにしよう。雪が積もらなければ。



今回の行程の断面図です。

グラフにしてみるといかに六甲縦走の序盤が、アップダウンの連続に終始するかが改めて実感させられる。

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