「2007KOBE六甲全山縦走大会」 07年11月11日(日)
神戸市生活文化観光局生活文化課発行「六甲全山縦走マップ」、昭文社・山と高原地図「六甲・摩耶」を参照して下さい。 昨年来、何度か全山縦走路をトレーニングしてきたが、今回遂に大会に参加して歩くことになった。 今年の5月に一度一人で宝塚まで13時間30分で完走しているが、大会には初参加でどうなることやら。 団体行動が苦手な自分だが、延々と続く渋滞に驚かされながらも充分に大会の雰囲気は楽しむことが出来た。 5:37 須磨浦公園駅到着 山陽電車の始発で須磨浦公園へ。いつもなら塩屋まで定期が使えるJRを利用するところだが今日ばかりは特別。 大会参加者で満員になるのかなと思ったが、席が全て埋まるくらいで特に混みあわなかった。 なお、スタート地点からすぐに出発できるようにと、今回は電車に乗る前に準備運動を入念に済ませておいた。 駅に到着すると走って改札へ向かう人も見受けられる。でももうスタート地点は既に混んでるだろうと自分はゆっくりと歩いていく。 いつもは静かな須磨浦公園駅前だが、待ち合わせ中と思われる人や、スタート地点へ向かう人で賑わっている。 単独参加の自分はもちろんすぐにスタート地点へ向かう。 山電の線路を跨ぐ敦盛橋を渡ったところから行列待ちとなる。スタート地点での受付待ちのようだ。 事前に参加証を出して、「須磨浦公園」と書かれた半券を千切っておくようにとの案内がされていた。 この大会は各地点におけるボランティアの方々、そして縦走コース沿道の方々の協力なくしては開催出来ない。 スタート地点のボランティアの方々は朝早くから本当にお疲れさまです。 ![]() 5:55 須磨浦公園出発 受付待ちの行列はしばらくかかってスタート地点に辿り着く。チェックを済ませていよいよ全山縦走出発! 行列から開放され、それぞれ思い思いのペースで公園内の坂道を歩いていく。自分の場合、序盤は特にゆっくりと歩くことを心掛ける。 鉢伏山の登りは特に狭いところがないためか、流れはスムーズで渋滞するまではいかないようだ。 登り始めはまだ暗いのでヘッドライトを点灯する。2年ほど前に購入したものだが、夜の餘部鉄橋の撮影時に手元を照らすのに使ったのみで、 なんと山歩きで使用するのは今回が初めて!ドラクエ1の洞窟を照らす呪文“レミーラ”、もしくは“たいまつ”を思い出すなあ。 |
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6:13 鉢伏山山頂手前の展望地通過 大勢が休んでいる展望地に到着。今日は残念ながら展望は霞んでいてさっぱりのようだ。 写真だけ撮ってすぐに人の流れに合流して山上遊園の東山腹道を通過。旗振山へ向かう。 |
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6:22 旗振山山頂通過 地元の方、そして縦走大会参加者で賑わう旗振山山頂に到着。今日は朝早くから茶屋が開いている。 おらが山までは快適な尾根道が続くので、もちろんここでは休まずに先へ進む。 縦走大会だからいろんなペースの方が歩いているが、気になったのは2人パーティーが横に並んで歩いてトラックを塞いでいることが多いこと。 自分の場合、平坦及び下りでは飛ばし気味で歩くので、追い抜くパターンが多かった。複数で歩くなら縦一列が基本だろうと思う。 |
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おらが山北山腹道を東へ 前方におらが茶屋が近づいてきたところで、みんな北斜面の山腹道へ下っていくではないか。 これまで一人で歩いていた時にはおらが茶屋前を通って、あの急な階段を下っていたのだが間違っていたのか。 脚への負担もこちらのほうが押さえられるようだ。 |
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6:44 高倉台大丸ピーコック前通過 高倉台へ突入すると、各所で「静かに」の看板を手にしたボランティアの方々が立たれている。 日曜の朝から騒ぐと近所迷惑になるから、ここでは皆静かに通過したいところ。 団地の谷間には大勢の人が鈴なりになっているあの長い栂尾山の階段が見える。やっぱり混んでいる。 高倉台を抜けて陸橋を渡ったところから一気に流れが悪くなって渋滞が始まった。 数歩進んでは止まるというパターンを繰り返す。ここの渋滞は須磨アルプスを抜けて東山へ達するまで止むことなく続いた。 渋滞は覚悟の上だし、一人ではオーバーペース気味になりがちな区間だと思うのでちょうど良かったのかもしれない。 事実、あの長い階段も息が乱れることなく登り切り、そのまま栂尾山、そして横尾山へと休むことなく歩くことが出来た。 |
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栂尾山階段から延々と続く渋滞 全般的には歩きやすい山域といえるが、時折一人ずつしか通れないところがあると途端に渋滞するようだ。 その原理は車と一緒で、「ボトルネック現象」と言われるものであろう。国道2号の須磨浦付近でいつも西行きが混むのと同じだと思う。 田舎の道路はどんどん通すくせに、あそこだけ何十年も改良されないまま放置されているのは不合理と思うのは自分だけだろうか。 時折、道幅が広くなるところがあり、その隙にと走る方も見受けられるが、先々までずっと混んでいるだろうからあまり意味が無いような気がする。 |
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7:37 横尾山山頂通過 須磨アルプスのハイライトの手前のだらだら登りが続くという印象のある栂尾山から横尾山の区間だが、 休み休み歩いたおかげで全く疲れないまま横尾山山頂に到着した。南側のみ窓が開いている山頂だが、霞がひどく下界の街がようやく見える程度。 横尾山山頂を過ぎると、そこからは鎖場もある急坂。やはり流れが悪いままゆっくりと下っていく。 いよいよ縦走序盤最大のハイライト、須磨アルプスに突入する。 |
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須磨アルプス 普段見慣れた須磨アルプスだが、長蛇の列が加わるとより壮観な眺めになるようだ! 混んではいてもここだけは楽しく歩ける。近くに遠方から来られた方々が居て、神戸にもこんなところがあったのかと驚かれていたのが印象的だった。 確かに神戸らしくない山岳風景だなあと思う。それにしても遠方から来訪された方のためにももう少し空気が澄んでいれば言うことはないのだが。 でも週間予報で3日ほど前まで土日共雨の予報が出ていたことを考えると、この天気でも御の字かもしれない。 |
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縦走コースは岩場の鞍部を経て馬の背へ達する。 吹きっさらしのところにはボランティアの方が立たれていた。冷たい風が吹き抜ける尾根上でじっとしているのは寒いと思う。本当にお疲れさまです。 一度ボランティアとしても参加してみたいという気もした。 |
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7:56 須磨アルプス馬の背通過 馬の背を過ぎて東山へ登る区間もずっと混んでいるようで、おかげで馬の背をゆっくりと渡ることができた。 距離はごく短いものだが、やはり何度渡っても高いところが好きな自分にとっては楽しいところだ。 東山へ至るまでに一人ずつしか通れないところ(段差の大きい岩場)があって、そこが渋滞の発生源だったようだ。 東山山頂手前で流れはようやくスムーズになった。 東山山頂から北斜面を横尾住宅街へ下るルートを辿る。けっこう急な階段道で始まるルートであまり好きではない。 それよりも尾根筋を東へ迂回してから下ったほうがより歩きやすいと思うのだが。分岐があるから避けているのだろうか。 横尾住宅街へ抜けると、皆思い思いのペースで妙法寺へ向けて下っていく。 自分の得意な下りが始まり、ここで少しでも時間を稼いでおこうとスピードを上げた。 8:39 妙法寺小学校前交差点通過 大会時だけ臨時に妙法寺小学校内に仮設トイレが設けられていたので立ち寄る。 一息つこうと思ったのだが、タバコを吸っている人が居たので早々に出発することにした。 縦走中にさすがに歩きタバコをしている人は見かけなかったが、休憩時には喫煙している人を時折見かけた。 自分はタバコの煙が大嫌いだから、出来るだけ人の少ないところを選んで休憩するようになった。 |
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8:58 野路山公園で小休止 毎回、高取山に取り付く前に一息入れる野路山公園に辿り着いた。けっこう難所の高取山を前に小休止する最適地だと思うのだが、 意外にここで休んでいる人は殆ど居なかった。もちろん自分はいつもの通りここで息を整えてから高取山へ挑む。 ちなみに今日持参した食料は、カロリーメイト(チョコレート味)、ウィダインゼリー、一口チョコレート10個、そしておにぎり2個。 飲料水は家から1.4L水筒に入れて持ってきたほうじ茶。もちろん水分補給はこれだけでは足りないので後で補充する予定。 高取山の登りは須磨アルプスに比べて流れが良かった。時折、道端で小休止されている方々も目に付き始める。 少し疲れを覚え始めるところだが、大勢に囲まれて何となくつられて登ってしまった。 序盤、渋滞のおかげでペースを抑えられたことで、いつものペース配分からは少しズレが生じたようだ。 一人で歩いた時には菊水山で疲れのピークが来たが、今日はもう少し後へずれ込むのではと思い始めた。 9:20 荒熊神社下を通過 結局、一度も登りで休まないまま高取山山上へ到達。水平道になるのでそのまま歩き続けた。 |
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高取山山上の水平道からは長田の街を広く見渡せるのだが、やはり霞んでさっぱりだ。 時折毎日登山の方とすれ違いながら、茶屋街へ下っていく。 茶屋前ではバナナなどが販売されていて、さながら縁日のような雰囲気だ。自分は基本的に山歩きの最中には お腹が減らないようになっているので何も買わなかった。 茶屋街の一角から丸山住宅街を示す縦走路の道標を見て下山、と思ったら少し先の公衆トイレ横から下っていくのが正解のルートだった。 いつも自分が下っていたルートは二千人が通過するには耐えられなさそうな階段があるので迂回するのだろうか。 下り口は違うもののいつの間にかいつも下っていたルートに合流して丸山住宅街へ。 |
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丸山住宅街は急な下りから始まる。脚への負担を最小限にしようと、出来る範囲でジグザグに下っていく。 妙法寺付近よりも更に集団はまばらになった。菊水山に辿り着くまではそれほど混まないようだ。 9:43 鷹取橋東詰交差点通過 この交差点で一旦下りは終わって登りに転じる。このあたりは閑静な住宅街なので特に静かに通過したいところだ。 縦走大会時だけ道順を示す案内板が各所で設置されており、初めての方でも不安なく歩けるように配慮がなされている。 縦走途中に唯一あるコンビニでは朝から参加者で賑わっていたようで、店頭に置かれているゴミ箱は満タンで周囲にもゴミが溢れている。 やはり山行中のゴミは持ち帰るのが基本だと思うので、あまり見ていて気持ちの良い光景ではなかった。 今日は売り切れを想定して食料は全て持参しているので、コンビニに立ち寄らずに丸山住宅街を歩き続ける。 |
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10:00 鵯大橋で小休止 自分以外の方は全て通過していく鵯大橋で小休止をとる。この後源平町の急坂が控えているので、個人的にここが小休止スポットになっている。 橋からの展望は住宅しか見えないが。 写真で見るよりも西神戸有料道路沿いに登り切るまでに標高差を感じるし、しかもけっこうきつい急坂なので、個人的に要注意区間になっている。 源平町の急坂を登り切ると丸山の街歩きもあと僅か。鵯越駅までは平坦か下りしかないのでほっとする。 |
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10:11 神鉄鵯越駅前通過 通常は静かな鵯越駅界隈だが、今日は店頭販売も行われて大賑わい。改札前の広場では何人かの方が小休止中だ。 鵯越駅を過ぎると久しぶりに土の上を歩くことが出来る。けっこう大木も多く、縦走路中でかなり好きな区間だ。 10:29 山麓バイパス下で小休止 水道施設横を通過して渓流沿いの道に出る。そして山麓バイパスの橋の下の岩に腰掛けて小休止をとる。 自分以外誰もここで休んでいる人は居ないが、ここから先菊水山登山口に至るまでかなり登りが続くので、 個人的には最適な休憩スポットとなっている。 橋の下を過ぎるといきなり舗装路の急坂。ここはジグザグに登って脚への負担を軽減する。 登りきった鈴蘭台下水処理場の前ではけっこう多くの方が休憩中。下水処理場のトイレを開放している模様だ。 休んだ直後だったのでここは通過して菊水山へ向かう。 |
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菊水山が見えてきた 一人で歩いた時には最大の難所に感じた菊水山がまた眼前に大きく迫ってきた。 しかし、今日は序盤の渋滞のおかげでまださほど疲れてはいないし、あの階段は渋滞の名所だから感触は変わってくるかもしれない。 旧菊水山駅横を通過して石井ダム直下に出る。大勢が一度に渡るため普段はびくともしない橋が揺れる!これはびっくりした。 登山口までもけっこう登る。序盤にペースを押さえたためにまだ元気に登れる。5月に初めて全山縦走した時にはここでもバテバテだったが。 |
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10:48 菊水山登山口通過 「菊水山 あと900m」で有名な登山口に辿り着くと、既に渋滞はここから始まっていた。 手前の休憩スポットで休んでいる方々も居られるが、渋滞に巻き込まれている間に休めると思ってそのまま渋滞の最後尾に並んだ。 いつもハイペースで登ってしまうからバテてしまうのがよく分かった。しばらく登っては休憩。山頂までこれの繰り返し。意外に楽だ。 自分の前後のグループのお喋りを聞いている間にどんどん高度を上げていく。霞んでいるが景観が広がってくると周囲から歓声も聞こえてくる。 時間はいつもより掛かっていると思うが、山頂に辿り着くのが何故か早く感じた。 |
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11:20 菊水山山頂チェックポイント通過 大勢の人でごった返している菊水山チェックポイントを通過。半券を千切って渡し、参加証にハンコを押してもらう。 ここが第2のチェックポイントで、次は摩耶山掬星台だ。 山頂で水分補給をと思ったが、各所からタバコの煙が流れてくるのですぐに出発することにした。 どこで小休止しようかなと思っている間に、再び団体行軍になってつられて下りきってしまった。 天王吊橋への下りはけっこう険しく、人によってかなりペースの違いが見られる。 |
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11:48 天王吊橋通過 いつもよりかなり時間が掛かった感触で天王吊橋を通過。橋を渡ったところで水分補給をして小休止。鍋蓋山の登りに備える。 菊水山に比べると道幅が広いところが多いためか流れはスムーズだ。 そしてこの辺りから人によって見た目の疲労度の違いが顕著に見られるようになってくる。 自分の場合は吊橋を渡ったところで一息入れたおかげか、途中で休むことなく鍋蓋山山頂へ到達することが出来た。 ここで思ったことは団体で歩いていると、無意識に乗せられて歩いてしまうこと。もしかしたら一人で歩く全山縦走のほうがよっぽどしんどいかもしれない。 |
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12:14 鍋蓋山山頂通過 大勢の人で賑わっている鍋蓋山山頂を通過。自分のペース配分ではここよりもやはり市ヶ原で休みたい。 立ち止まることなく再度山への尾根道を歩き続ける。時折やってくる急坂で流れが悪くなる他はいたって順調に歩ける。 行く手からハイカーがやってきて挨拶を交わす。縦走大会の日に縦走路を逆向きに歩いたら挨拶に忙しいだろうなあ。 |
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12:36 再度山大龍寺通過 かなり多くの方で賑わっている再度山大龍寺山門前を通過。露店がいくつか出ていて普段は静かな山門も今日はお祭りの雰囲気だ。 ここでも立ち止まらずに再度山ドライブウェイを横切って、再度東谷の舗装路を下っていく。落葉が溜まっているところを通って少しでも脚への負担を軽減する。 |
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市ヶ原 あちこちから飯盒炊爨の煙が上がってまるで幕営地のような市ヶ原を通過。 とりあえずトイレに行きたかったので、この川原ではなく櫻茶屋前まで歩いて小休止を取ることにする。 12:46 市ヶ原にて小休止 ベンチの一角に座って軽めの昼食を摂る。この後で全縦走路中最難関となる摩耶山への登りが控えているため、 ここでは足をほぐしたりしてしっかりと休憩する。やはりここまで来ると疲れをはっきりと感じ取ることが出来る。 今日の疲れのピークは間違いなく摩耶山への登りとなることを覚悟した。 13:00 市ヶ原出発 タイムを取りやすくすることを考えて13時ちょうどに出発。摩耶山掬星台到着予定時刻を14時30分と想定する。 稲妻坂・天狗道出合までずっと登りとなるが、ウッドチップが撒かれて足に優しいトラックがしばらく続くことに癒される。 この市ヶ原付近の縦走路の状況は常に前後にハイカーが歩いているが、渋滞とまではいかない。縦走中盤といえるこの局面になってようやくばらけてきたようだ。 稲妻坂・天狗道出合でいつものように立ち止まって今一度小休止をとる。 出合からはまず410m+ピークへの断続的な登り。途中で1回立ち止まって小休止をとった。 410m+ピークに達するとそこでも3分程度木にもたれかかって小休止。 410m+ピークからは緩やかな登りとなって、まもなくハーブ園出合を通過。 芋谷から登ってくる踏み跡が合流するコルで再び小休止。さっきから休んでばかりだが、今回は本当に市ヶ原から摩耶山までが一番ハードな時間だった。 度々休んだおかげか稲妻坂は1回小休止を入れただけで学校林道出合に到達。 13:46 学校林道出合(555mピーク)通過 混み合っている学校林道出合はすぐに通過。摩耶山への登りもいつの間にか後半の天狗道に入る。 ここからは同じ急坂でも楽しい岩登りが含まれる。何とか気が紛れている間に登れてしまうことから、自分は稲妻坂よりも天狗道のほうが楽に感じる。 |
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14:02 天狗道ハイライトの岩場を通過 やはりこの岩場の一番高いところにはどうしても立ってしまう。下方で写っているハイカーは逆向きに下っているパーティ。 天狗道の眺望をしばし楽しんで、適当な岩場を選んで小休止をとる。この小休止を最後にして何とか摩耶山へ到達できそうだ。 14:23 摩耶山到着、掬星台チェックポイントにて小休止 見込みよりも7分早く摩耶山へ到着!やはり摩耶山へ到着出来たことは何度目でも嬉しい。 とにかく掬星台でチェックを済ませて小休止をとろう。 |
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菊水山以来のチェックポイントとなる摩耶山掬星台 多くのハイカーが憩って賑わう掬星台。いつも静かな掬星台を見慣れている自分にはまるで違うところのようだ。 そして、摩耶山を守ろう会の方々よりホットレモンを頂いた。本当に「腹に染み渡る」とはこのこと。正に生き返る思いがする。 それからほんの僅かではあるが、いつも通る山道の整備のために寄付をさせて頂いた。摩耶山を守ろう会の名前入りのビニール袋をもらった。もったいなくて使えない。記念に置いておこう。 ホットレモンをご馳走になった後、登って来られていると思われる【摩耶山さん歩】のてるみさんを見回して探してみたが残念ながらお会いすることは出来なかった。 この日は淡路へ行かれていたということで、今回は実現出来なかったが、いずれどこかでオフ会いする機会があるでしょう。 なお、この写真はザックに入れていたデジイチで撮ったもの。なんとコンデジの電池の残量がいつの間にかピンチになっていた! けっこう冷たい風が吹いているのが影響したのか。電池をズボンのポケットで温めて復活を試みることにした。 ということで、この後コンデジで撮影した写真は細かい露出や構図を気にする余裕も無くシャッターを押していることを予めお断りしておきます。 デジイチはクライマックスで使用することにして再びザックに片付ける。 出発前に靴下を履きかえる。上着の替えも持ってきているが、この後サウスロードでもう一汗かくだろうと思い、ここでは靴下だけに留める。 14:50 摩耶山掬星台出発 約30分の滞在でいよいよ掬星台を出発。縦走前の足慣らしでは摩耶山までしか歩いていない。ここからは5月以来約半年ぶりの区間になる。 右手に見える長峰山に見送られて、オテルド摩耶、天上寺、そしてアゴニー坂を下っていく。荒れた下りは膝に堪える。 アゴニー坂を下りきると車道を横切って歩道を東へ進む。やはり平坦な区間は最高だ。自然にペースが上がる。 |
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15:17 サウスロード入り口通過 快適だった平坦の区間はここで一旦終わりを告げる。摩耶山以東で自分が最も嫌いなサウスロードの始まりだ。 三国岩まで一山登るつもりでじっくりと階段道に挑む。そのペース配分のおかげかもしくはホットレモンのおかげか、順調に登りきって三国池下の東屋に出る。 |
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15:32 三国池手前から車道沿いを東へ進む 東屋からもうひと登りで三国岩、と思ったら皆車道沿いを東へ進んでいく。なんだ、三国岩まで登らなくてもよかったのか。 一人で縦走した5月は律儀に三国岩側を通過しているのだが。排気ガスが玉に瑕だが、やはりこちらのほうが楽だ。 ところで東屋から丁字ヶ辻までは自分にとって全く未踏の区間。未だに車で六甲山に訪れたことがないのが大きな理由だろう。 |
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その未踏だった区間では思わぬ絶景が歩道横から広がっていたので思わずシャッターを切った。 いつの間にか日が西に傾いてきて、縦走も佳境が近づいてきたのを感じさせられる。 そして掬星台で下界を眺めなかったことも手伝って、須磨から歩いてきたことを思い起こして達成感も感じることが出来た。 終始、平坦か緩やかな登りが続く快適な区間をしばらく歩いていると、見覚えのある交差点に到着。丁字ヶ辻だ。 そこからしばらく歩くとシュライン・ロードと合流する前ヶ辻。六甲山上はなだらかな地形が続くのでペースが上がる。 |
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六甲山郵便局前に差し掛かると、今回は甘酒は無しという案内が張り出されていた。昨年まではここで甘酒が飲めたのか。 自分は酒は呑めないが甘酒は大丈夫。民営化の影響かもしれないが残念だ。 16:00 記念碑台にて小休止。 記念碑台下のガイドハウス前で小休止をとった。ここで植え込みを前にして須磨から着ていて汗臭い上着を着替える。男はこういう時は便利だ。 そして此処から先のふきっさらしの区間に備えてジャケットを着込む。長丁場の縦走ではあらゆる温度に対応出来る備えが必要だ。 10分程度の滞在で記念碑台を出発。まだしばらくほぼ平坦で快適な区間が続く。 ゴルフ場ではまだラウンド中のゴルファーも見受けられた。 そういえばゴルフ接待数百回のニュースが昨今の話題だが、何の意味も無くおっさんをゴルフに誘うわけがないではないか。 癒着と利権の無い省庁があるとしたら教えてほしいものだ。従来、政治家の存在理由は「口利き」がまず一番に挙げられる。 これまで数十年同じやり方でやってきたものをすぐに変えられないものが人間だと思う。だから政権交代で緊張感を生じさせるのが大事だと考えている。 ちなみに自分はクラブにゴルフボールをなかなか当てられないことを打ちっぱなしで実証している。コースに出たら一日で18ホールを廻れない可能性が高い。 ファミコンのゴルフなら得意なのだが。 |
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16:26 みよし観音通過 快調にゴルフ場を通過してみよし観音に到着。出来ればここでしばらく滞在していきたいが、 この後のガーデンテラスで小休止する予定なので今回は先を急ぐことにする。 みよし観音を過ぎると久しぶりに階段道が現れる。先日歩いたばかりの石切道の出合を過ぎて、まもなくガーデンテラスへ登り詰める。 |
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16:32 六甲ガーデンテラスにて小休止 すっかりクリスマスモードに包まれてデートスポットになっているガーデンテラスに到着。 こうやって2人の時間を楽しんでいる人も居れば、須磨から宝塚まで汗を流して歩いている人も居る。まさに人生いろいろだ。うらやましい半分、面倒くさい半分か。 それはともかくガーデンテラスのトイレに立ち寄って、庭園を通って縦走に復帰。とりあえず今は宝塚まで歩くことに専念しよう。 |
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ガーデンテラスより夕刻の表六甲を見下ろす 休止中のロープウェイ線の下をくぐってそのまま東へ歩こうとしたが、夕景に誘われてバルコニーへ寄り道した。 そこからは普段なかなか見ることのない、夕闇迫る絶景を楽しむことが出来た。多少霞んではいても、やはり夕景は美しい。 ガーデンテラスからは五助尾根出合、そして少しアップダウンを経て極楽茶屋跡へ。ここから東六甲縦走路の起点まで長い車道歩きが始まる。 かなり暗くなってきたが、まだヘッドライトを出すまでには至らない。ずっと車道の海側を歩いていく。 自分の歩いてる少し先に1グループが歩いていて、自然に団体を構成した。自分は8人パーティーの最後尾に付いて歩いていった。 皆ほぼ同じペースだから、この自然発生的なパーティーは一軒茶屋で解散するまで続いた。何だか不思議な感覚だ。 ちなみに車道に交差するように山道も走っているのだが、誰もそちらを歩いていない。まあそれはそうだろう。けっこう登り下りが激しい区間だから。 |
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六甲最高峰のアンテナが見えてくる! 長い車道歩きを経て遂に六甲最高峰が近づいてきた。やはり須磨からの長い縦走を経てきたおかげで、いつもより達成感が一際大きい。 既にかなり暗くなってきて写真も手ブレしているが、電池がなくなりそうなのでとにかくゆっくり構えていられない。その中でも雰囲気だけは出せたのではないかと思う。 なおこの車道歩きの区間は危険と隣り合わせといえるが、ドライバーに見えるように各所にハイカーに対して注意を促す看板が立てられていた。(普段は無い) また、縦走参加者に配布されている蛍光リボンが事故防止に役立つだろう。大会時に限らず、一人で縦走する時にも蛍光グッズは身につけておくべきだと思った。 |
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![]() 17:20 一軒茶屋通過 ほぼ日も暮れかけた頃に一軒茶屋に到着。茶屋で食事を摂っているハイカーも居られるようだ。 ここではトイレ休憩の後、いよいよ夜道歩きのためにヘッドライトを帽子の上に装着する。ほぼ初めての体験のナイトハイクの始まりに期待が膨らむ。 ![]() 17:29 東六甲縦走路分起点チェックポイント通過 一軒茶屋から東へ進んでいる間に完全に日が暮れた。後鉢巻山を貫くトンネルを抜けたところ、石の宝殿への入り口の向かい側の路肩に 東六甲縦走路分起点チェックポイントが設置されている。暗闇の中にぽつんと一軒の屋台、といった雰囲気だ。 ここは縦走路道中最後のチェックポイントだ。これまでに何回か半券を千切って小さくなった参加証をポケットに戻して縦走再開。東六甲縦走路の入り口はもう少し先だ。 ![]() ![]() 17:34 東六甲縦走路入り口 チェックポイントからすぐ東六甲縦走路の起点に辿り着く。ここからが六甲縦走最後のセクションとなる東六甲縦走路。個人的にも好きなトラックで明るい時間には何度も歩いている。 入り口からはいきなり急坂で始まるが、自家発電によって煌々と照らされている。ここだけではなく、東六甲縦走路の難所にはもれなく照明が灯されていて非常に心強いというか驚いた。 でも自家発電による照明はすぐに届かなくなり、ヘッドライトだけが頼りのナイトハイクになる。夜の山道を歩くのはこの時が全く初めてだった。 月明かりもない今夜は本当に真っ暗の東六甲縦走路。ヘッドライトが無いと歩けるものではない。足元から数歩先までを交互に見ながら歩いていく。 東六甲縦走路は大部分が狭い山道であり、夜道で足元がおぼつかないなかで追い越すのは難しい状況。 それぞれ違うペースの大勢のハイカーが歩いているので、自然とパーティーが構成されていく。 ということで、東六甲縦走路の大半の部分は常に前後にハイカーが居る状態で歩いていく。複数のヘッドライトでまあまあ明るく感じる。 大体は順調に歩けるが、時折鎖場やロープのある急坂で渋滞が発生。昼間でも滑りやすくて緊張する区間も含まれているので、暗い中での通過はけっこうスリルがあった。 特に船坂峠手前の急坂は一人ずつしか通れない箇所があるため、その手前で大渋滞が発生。通過には10分程度要しただろうか。 ストックを使用している方も多いが、これらの急坂では両手を開けておくほうが安全だし、体力的にも楽だと感じた。 ちなみに自分もストック(1本だけ持ってきた)を用意しているが、塩尾寺を過ぎてからの長い下りのみで使うことを想定。ここに至るまでザックに刺しっぱなしである。 ![]() 18:49 大平山通過 行く手が明るくなっていると思ったら大平山に到着。チェックポイントではないが照明が灯されて、大勢のスタッフの方が居られた。 そしてZARDの“♪負けないで”が流れていて、ZARDファンの自分はとても勇気付けられたというか、坂井泉水のことを思い出してちょっと寂しくなる。 明るい照明の下で大勢のハイカーが小休止しているが、ここから先は殆ど平坦か下りしかないので惰性で歩けそうと判断して休まず舗装路を下っていく。 少し舗装路を下ったところでは木々が途切れて仁川辺りの夜景が眺められる。東六甲縦走路では初めて目にする夜景で、その美しさに目を奪われる。 舗装路から再び山道へ入るところでは、大きな矢印の書かれた看板で舗装路を塞いで道を間違えないように配慮されている。 大平山東の山道は石がやや目立って多少荒れた印象がある。こういった石を見落とさないようにヘッドライトで照らされる地面を注意深く見ながら歩いていく。 しばらく緩やかに下っていくと段々流れが悪くなって再び渋滞が始まった。 読み通り、大谷乗越の急坂によって発生している渋滞だ。でもここでも自家発電によってライトアップがなされていて、難なく段差の大きい急坂も下ることが出来た。 ここでも両手を開けておいて非常に楽に感じた。 ![]() 19:10 大谷乗越通過 写真は車道を渡って東側の広場から西へ向いて撮影したもの。縦に連なる照明は前述した大谷乗越の急坂を照らす照明。 ゆっくり撮影出来る状況ではなかったので、急坂での撮影は断念したが普段味わうことの出来ない雰囲気だった。 このスタッフテントの横で水分補給だけをして再び歩き始める。 少しだけ登った後は延々と平坦な山腹道が続く。しばらくは快調に歩けたが、岩原山の南山腹を通る辺りになって再び数珠繋ぎになって流れが悪くなった。 といっても歩みが止まるほどでもなく、自分としてはゆっくり歩くといったペースが続く。時折左右に目をやって夜の森を見るが、神秘的というかなんともいえない雰囲気だ。 しばらく南山腹道を歩いていくと暗闇ながらも何となく見覚えがあり、振り返ると岩原山山頂を記した案内板をヘッドライトが照らした。ここからは北山腹道だ。 ゆっくりながらも着実にゴールの宝塚は近づいてきていて、俄然元気付けられる。 まもなく赤子谷右俣出合、譲葉山出合、赤子谷左俣出合、岩倉山西口、東口・・・と見覚えのあるポイントを次々と通過。 そしてそれまでゆっくりでも順調に歩けていたペースが極端に遅くなった。塩尾寺に向けての深く掘れた荒れた下りが始まったようだ。 須磨から歩いてきた足にはこの滑りやすくて段差の大きくて、V字に掘れた下りはとても難所に感じる。流れが悪いこともあってとにかく慎重に下る。 長く感じた荒れた急坂を経て、前方が明るくなると遂に塩尾寺に到着!全山縦走路の山道はここまでで、後は舗装路の下りが延々と続く。 塩尾寺の入り口は封鎖されていて、境内には入れないように配慮されている。少し下ったところで最後の水分補給をして、ずっとザックに刺さったままだったストックを取り出す。 塩尾寺から始まる下りはけっこう急で、自分の場合無理にゆっくりと歩くとかえって膝への負担が大きく感じるので、自然に小走りになって下っていく。 そして待望の夜景スポットである最初のヘアピンカーブへ辿り着く。初めて見る宝塚の夜景に感動する一時となった。 ![]() 20:20 塩尾寺下のヘアピンカーブの展望地にて 普段なら何気ないと感じるであろう宝塚の夜景で感動するのは六甲を縦走してきたからだろうと思う。 5月に一人で縦走した時はまだ明るかったので、ここで夜景を見るのは今回が初めてとなる。 ここからの夜景を撮影するためだけに、ザックを少し重くしてでもデジイチを持ってきたと言っても過言ではない。 三脚はさすがに持ってこなかったので少々工夫が必要となった。ISO感度を1600まで上げて、木で体とカメラを安定させることによって手ブレせずに撮影に成功した。 自分以外の何人かのハイカーも足を止めてこの夜景に魅入っていた。 一しきり夜景を楽しんだ後、デジイチはザックに収納して下りを再開。膝は充分元気だったので、階段道でショートカットを図った。 小走りのまま宝塚の街へ駆け下っていく。甲子園大学、川沿いの道、月見橋。半年ぶりの宝塚だ。 ![]() 20:37 宝塚ゴール到着 夜景スポットのヘアピンカーブから17分で宝塚ゴールの公園下へ到着。そのままの勢いで駆け込むつもりだったが、 ゴール手前からは最後の渋滞が始まっていた。まあご愛嬌といえるだろう。ゆっくりと公園へと上がる階段を登って今度こそゴールだ。 ![]() ![]() 宝塚ゴール ゴールのチェックを済ませて記念品を受け取り、初めての六甲縦走大会は終了!渋滞もあったが全体としてはけっこう楽しめたと思う。 受付を済ませた後でゴールの写真を撮って、運動後のストレッチをして足をほぐしておく。数日はどうせ疲れは取れないだろうけど、何もしないよりはマシかもしれない。 なんともいえない達成感と満足感に浸りながら、宝塚ゴールの公園を後にして駅へ向かう。 ![]() 武庫川と宝塚大劇場 少し油断をしてしまいブレてしまっていた。 それはともかく縦走の余韻に浸りながら、この景色を見るのは最高だと思う。 ![]() このきれいな照明は六甲縦走のエピローグにぴったり。ゆっくりとした足取りで宝塚駅へ向かう。 ![]() 阪急宝塚駅 駅前では宝塚市民の有志の方々による足湯、甘酒、お茶のサービスが行われていた。このうち甘酒、お茶を有難く頂いた。足湯も魅力的だったが靴を脱ぐ手間を惜しんでしまった。 なかでも縦走の後に頂く甘酒は最高に美味しかった。と同時にこのような催しを企画された方々に感謝いたします。 駅の一般利用者の中にも興味を持たれる方が居て、その中の一人のおばちゃんに何時から歩いていたのかを聞かれた。 須磨から14時間30分掛かったことを伝えると非常に驚かれていた。山歩きをしていなかった数年前なら、思いも寄らなかった体験だろう。 駅前のイベントを楽しませて頂いて、今度こそ家路に着く。 21:20 阪急宝塚駅出発 ホームへ上がるとちょうど出発するところだった今津線普通に乗り込む。満席だったら次の列車まで待つつもりだったが、日曜夜だからだろうかけっこう空いていた。 やはり縦走後の列車の揺れほど心地良いものはない。 三宮でJRに乗り換えるが、この日もまた新快速が遅れていたことを付記しておきたい。最近、毎回何かオチがあるような気がする。 |
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宝塚ゴールでもらった認定証と記念品 話のタネにと、渋滞を承知で試しに参加してみたが、殊の外けっこう楽しめたと思う。各チェックポイントでは本当にお祭りの雰囲気で面白い。 まあ、毎年歩きたいとまではいかないが、数年後に気が向いたらまた参加することもあるかもしれない。
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今日の行程の断面図です。![]() |