「裏銀座縦走3日目・三俣蓮華、双六岳、西鎌尾根を経て槍ヶ岳へ」 2015年 8月10日(月) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「三俣蓮華岳」、「槍ヶ岳」 |
山と高原地図 : 「槍ヶ岳・穂高岳 上高地 北アルプス」 |
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0:45 起床 6時間の睡眠時間はあっという間に過ぎる。でも昼頃に槍に着くために今日も早起きしなくてはならない。 |
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2:27 三俣蓮華岳キャンプ場(2,550m+)出発 昨日の夕方のうちに確認しておいた三俣蓮華岳を目指す登山道へ。 テン場の中に黒部五郎と三俣蓮華へ向かう登山道の分岐がある。 たいへん居心地の良いテン場なのでこのまま出発してしまうのが名残惜しい気持ちだった。またぜひ再訪したい。 登り始めはテントが林立しているすぐ傍を登っていく。 登山道はハイマツ帯や灌木帯の中を縫うように登っていく。昨日の三ツ岳へ登る稜線歩きとは雰囲気が全く違うが不安なく歩ける安定した登山道だ。 しばらく登ったところで不意に前方の草むらでガサガサと音がする!! これはクマかと思って咄嗟に声を上げた。 でも前から出てきたのは男性の登山者だった。熊鈴も聞こえずヘッドライトの灯りにも直前まで気付かなかった。 昨日に続いて夜中に歩く人と遭遇したことになるが、無駄に驚かないように他に誰も歩いていないとは思わないほうがよいかもしれない。 |
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3:19 三俣峠(2,750m+) テン場からそこそこの登りが続いたが、次第に斜度が緩くなって広い草原状のような地形に出てくる。するとまもなく三俣峠に到着。 ここで双六小屋へ直行する巻道と、三俣蓮華岳へ向かう登山道が分岐する。 自分はここでもちろん三俣蓮華を目指して右折するが、 巻道で双六小屋を目指すとしても、結局三俣蓮華直下まで登ってこなければいけないことを体感した。 三俣峠からは一転して急登の連続。 ルートを見失わないよう念入りに周囲の状況を確認しつつ、喘ぎながらぐんぐん高度を上げていく。 立ち止まって周囲を見回すと漆黒の闇ではなく、鷲羽岳や周りの山々の輪郭はよく見えている。 その鷲羽のほうにもヘッドライトと思われる灯りがチラチラと見える。 烏帽子方面か或いは読売新道へ向かわれるのだろうか。 向こうからも自分のヘッドライトの灯りは見えているだろう。 |
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3:42 三俣蓮華岳山頂(2,841m)到着 出発してから1時間超掛かってようやく三俣蓮華岳山頂に到着! だだっ広い山頂を見回して指道標や三角点を探し出す。 まだまだ日の出には間がある時間帯で景色を楽しめないのが残念だが、 とりあえず小休止がてら三俣蓮華岳の山頂で過ごしていこう。 とはいうものの、山頂ではやや強い風が吹き抜けてすぐに汗冷えしてしまう。 身体が冷え切る前に出発しなくてはならない。 |
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3:54 三俣蓮華岳山頂出発 三俣蓮華岳への明るい時間帯での再訪を期して出発する。 南側には丸山、双六岳へと続く稜線が何となく見えているが、今日の行程序盤だけでもかなりの距離感があるのに驚いてしまう。 これまで地図を観て思い描いていたよりも、やはり北アルプスはそれだけ広大だったということだろう。 まだ暗い時間帯なので、丸山までのアップダウンは特に慎重さが必要だった。 南北に長くてだだっ広い丸山(2,854m)を通過。 意外にも三俣蓮華岳よりも少しだけ標高が高くて、しかも広い山頂。 でもあまりに広くて山頂らしくないのが災いしているのか、山頂を示す指道標は全く見られなかった。 夜明けが近づいてやや薄ら明るくなってきたが、もしかしたら自分が指道標を見落とした可能性はあるかもしれない。 丸山を過ぎると次の双六岳へ向けてのアップダウンが始まるが、約100mというやや大きな下りとなる。 この後は同程度の標高差を双六岳に向けて登り返すことになるが、山頂直下を除いて急登ではなさそうなのが救い。 このアップダウンの途中でヘッドライトは不要になるくらいに明るくなってきた。 |
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4:48 中道分岐(2,760m) 真っ暗な中を三俣蓮華岳を出発してから1時間弱。日の出直前ということで、もう普通に写真撮影が出来る明るさになった。 双六岳を通らない中道との分岐に差し掛かったところで、今日初めての自分撮りを行った。 三俣蓮華岳から意外に遠くに見えていた双六岳がもうかなり近づいてきている。 今日の行程では山頂を通らずに巻き道を辿ることは考えられないが、悪天候の場合には利用したい。 双六岳へ続く稜線はなだらかで気持ちよく歩けるが、頂上手前だけ標高差50mほど等高線が混んでいる。 出来れば双六岳山頂でご来光を迎えたいところだったが、山頂北側の稜線を登っている時に日が昇ってきた! |
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離れてゆく三俣周辺を振り返る 午後から下り坂という予報が出ているにも関わらず、今朝も美しいご来光となった。 昨日の行程終盤に通過した鷲羽岳がかなり遠くでシルエットとなって見送ってくれている。 一方、三俣蓮華岳と丸山はほとんど重なって見えている。 三俣周辺の光景を振り返った後で、いよいよ双六岳山頂へ到達する。 |
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5:15 双六岳山頂(2,860m)到着 | 大展望の双六岳。朝日に照らされる黒部五郎が美しい。 |
短めの急坂を登り終えると待望の双六岳山頂到着! 山頂はご来光を楽しんでおられる方々で賑わっていた。 これまでに双六小屋までは来たことがあるが、その時は悪天のためにここへの登頂は断念した経緯がある。 ということで、近くまでは来ていた双六岳山頂だ。目指す槍はまだまだ遠いが、出来るだけここで過ごしていきたい。 遠くから見ると双六岳はなだらかな山姿ではあるが、山頂自体は三俣蓮華岳のほうが広い。 |
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双六岳山頂の三角点「中俣岳」 | 普通に立ち寄れそうな双六南峰。後方の笠が端正な姿で美しい。 |
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5:26 双六岳山頂出発 山頂滞在約10分で出発! 稜線を貫く登山道は双六岳山頂で大きく東寄りに向きを変える。 昨日の朝から見え続けている槍を遂に正面に見据えることとなるが、まだまだ道のりは遥か彼方。 双六岳山頂から少し高度を下げると、そこは双六の象徴?ともいうべき大平原が広がっている! |
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槍に向かって爽やかな大草原を進んでいく 双六岳山頂から2,811m標高点に至るまでの等高線が広く間延びした大平原。 今回の裏銀座縦走はもとより、アルプス山中においてなかなか無いシチュエーションだった。 この広い大草原を歩いている時は最高の気分だった! このような道がずっと続いていくと楽なのだけど、今日の行程でも束の間の一時。 惜しいと思いつつ通り過ぎていった。 |
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大草原はあっという間に終わって、まもなく激下りへ。 | 大草原の南東端、2,811m辺り。双六岳山頂から眺めた時には隠れていた三俣山荘が見えていた。 |
5:49 平原の稜線から激下りへ せっかく2,800mを越える高所に居るが、この後双六のコル(双六小屋)へ向かって激下りが始まる。 |
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双六岳中道分岐まで続く激下り 草原を抜けてから標高差100mくらいは本当に激下りとなった。 滑りやすいか崩れやすそうな場所がしばらく続き、安全に降りられるよう十分に足元に注意しないといけない。 この激下りでもすれ違うタイミングが難しいほどに登り中の方々とすれ違う。 |
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6:09 中道分岐(2,680m+) 慎重深く激下りを終えて再び中道と合流。 実際に下ってみて分かったけど、双六岳への登りは比較的短いとはいえ激登り。 また悪天で視界不良の際は双六岳の大草原は迷いやすいのは容易に想像出来る。 そして中道でも丸山と三俣蓮華岳へは登頂出来るので、この中道ルートのおかげで臨機応変に対処出来そうだ。 |
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6:12 三俣山荘巻道(2,660m) 少しだけ緩やかに下っていくと、三俣山荘へ直接向かう巻道と再合流。 三俣蓮華岳直下へ向けては登り基調にはなるが、稜線を辿るよりはだいぶ時間と体力を節約出来ると実感した。 巻道を辿ると双六小屋から三俣山荘まで2時間ほどで行き来出来る。 地形図では中道分岐と巻道分岐との間から双六池へ向けて破線道が降りているが、 現在は県境に沿って双六小屋まで真っ直ぐ降りていくルートが使われている。 今は廃道となっているが、双六池へ向かって下りる登山道が生きていた頃のエピソードも「黒部の山賊」で扱われている。 この分岐周辺でも双六小屋から登ってこられたばかりの多くの登山者が一息入れられていた。 |
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双六小屋へ向けて一気に高度を下げていく! 巻道分岐を通過してからまもなく、再び標高差100m程度の激下りとなる。 眼下には懐かしい双六小屋が近づいてくる! ハイマツの中を登山道が真っ直ぐ下っているが、朝日を正面から浴びる上に風が通らずかなり暑くなってきた。 この時間帯は登り下りとも多くの登山者が通っており、慎重にタイミングを合せて撮影した。 |
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6:26 双六小屋(2,540m+)到着! 東側には西鎌尾根への取付きにあたる樅沢岳の急登が行く手に立ちはだかる。 | 北アルプス南部において双六小屋は交通の要衝。場合によってはここから新穂高へ半日で下山出来る。 |
奇しくも双六岳山頂からちょうど1時間。2年ぶりの双六小屋に到着! 下り切った分は今度は眼前にそびえる樅沢岳への急登で取り返さないといけないが、それはひとまず措いて双六小屋で所用を済ませよう。 トイレをお借りしてから行動食を摂って、そして大事な大事な水の補給。まだまだハイドレーションの残量は多いけど、この先は槍まで水場が無いので満タンにする。 双六小屋は三俣山荘と同じく水が豊富で無料なのが有難い。補給ついでに飲んだら冷えていてすごく美味しい♪ 短い時間で手早く西鎌尾根を縦走する体制を整える。 出発前には北側に見える鷲羽岳を眺めつつ、ストレッチをして急登に備える。 ここから鷲羽岳を眺めるのは2回目。実際に歩いてきた山を眺めるのはまた気分が違うし、地形を立体的に把握することが出来る。 6:45 双六小屋を出発、西鎌尾根縦走開始。 2年前に往復した笠や新穂高へ向かうルートを横目にしながら、いよいよ今日の行程のハイライトといえる西鎌尾根へ突入する! 手始めに樅沢岳へは200m超の登り。先が長いので焦らずゆっくり足を運ぶ。 |
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樅沢岳への登りの途中に双六のコルを見下ろす。 | かなり遠くなった鷲羽岳と三俣山荘。 |
最初の標高差70mほどを登ると、急登は一段落して稜線上を辿るようになって気分も楽になる。 西鎌尾根の取付きにあたる樅沢岳だが、双六小屋正面の真東の斜面が特に急登。 向かいの斜面にはついさっき双六岳から下ってきた登山道が見えるが、あちらとほぼ同じ程度の急坂だった。 それでもこちらのほうがジグザグに高度を上げるので幾分かは楽かもしれない。 |
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7:27 樅沢岳山頂(2,755m)到着 双六小屋から45分ほどで樅沢岳山頂に到着。 ここもけっこう広い山頂で、最初に乗り上げたところでは北と西の展望が素晴らしい! だいぶ遠くに離れた三俣周辺の景観が最高だった。今日の出発地である三俣山荘の建物もよく見えている。 この時先行されていたご夫婦の後を追うように、広い山頂を東へ進んでいく。 するとすぐにほぼ全方位の大展望が開けてきた! |
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西鎌尾根で屈指の展望台となっている樅沢岳 | 西鎌尾根の全貌がいきなり行く手に見えてきた! |
地形図上で2,755m標高点のある辺りからの展望が本当に素晴らしい。 ほぼ全方位を見渡すことが出来るが、中でもここで初めて正面に見えてくる西鎌尾根のダイナミックな光景に心奪われる。 長城のように波打って延々と続く西鎌尾根。そしてその向こうにはまだ遠いが双六岳の時よりは確実に近づいている槍まで。 既に縦走3日目でけっこうしんどいはずなのに、この光景は「よし、やってやろう!」と改めて意欲を沸き立たせてくれる。 2013年の双六・笠周回の際、双六のコルでテントを張った後で、双六岳を諦めた場合はより近い樅沢岳まで軽装で登ろうと考えていた。 あの時は午後から風雨強く荒れ模様だったので、結局樅沢岳に足を伸ばすのも危険と判断した。 でも結果的には裏銀座縦走までとっておいて良かったのではないだろうか。 7:43 樅沢岳山頂出発 見飽きない大展望ではあるが、まだ西鎌尾根縦走は始まったばかり。 小休止にしてはやや長めの15分ほど滞在した樅沢岳山頂を出発することにする。 樅沢岳からは一転して短いが足元注意の激下りとなる。 この辺りで今日は初めてとなる数人の対向者とすれ違う。 槍から歩いた場合はいくらかは当然楽になるだろうけど、この樅沢岳手前の登り返しはかなりきついと想像出来る。 樅沢岳から隣に見えていた2,720m+ピークは南山腹を巻いていく。 山腹道は砂交じりで幅が狭くて滑落注意。難所ではない何でもないようなところが実は要注意だと最近になって悟った。 巻道は水平にはほど遠くて見た目以上に地味にしんどいアップダウンがある。 |
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8:02 西鎌尾根前半の峰々が近づいてくる 2,720m+ピークを大きく巻いて東側に出る。これから先しばらくは大きなアップダウンはないようだ。 次の2,640m+ピークは北側を巻いていく登山道が見える。この西鎌尾根においても地形図の破線道はかなり現状に即している。 2,640m+ピークの先で尾根は南寄りに曲がるので、この先の地形が手に取るように掴める。 2,640m+ピークの北側には硫黄尾根も見えてきて、これから間近で眺められると思うと楽しみだ。 引き続いて槍から双六方面へ向かう登山者多し。考えたら西鎌は西向きに歩くのも順光だし良いかもしれない。 |
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硫黄乗越に接近 2,640m+ピーク北側を巻いていくが、先ほどの2,720m+ピークより地形は緩やかで花畑もあって楽しく歩ける。 今度は地形図にも地名表記されている硫黄乗越が見えてくる。 若干ややこしい地形に見えるが、一応ここも二重山稜というか船窪地形になっているようだ。 硫黄尾根はだいぶ近くに見えてきたが、まだ少し距離がある眼下のコルがどうして「硫黄乗越」なのかがちょっと疑問に思った。 |
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8:17 硫黄乗越(2,600m+)到着 | 硫黄乗越から槍まで4時間 |
硫黄乗越に降り立って疑問はすぐに解消された。 山行記録では臭いをお伝えできないのが残念だが、本当に温泉地のように硫黄の臭いが濃く漂っている。 風向きの影響なのか地形の影響なのか、硫黄乗越という名が付いたのは納得出来た。 それにしてもここから槍まで4時間。まだ双六小屋へ引き返すほうが早い。西鎌もまだまだ先が長い。 ちょっと臭うけど、ここで10分近く時間をとって小休止がてら三脚の補修に取り掛かった。 早朝に朝露に濡れたハイマツ帯の中を歩いたことで、三脚に巻きつけているビニールテープが弱っていた。 三脚は使用の度にザックを下ろす必要がないように、ザック側面に付けているベルトにその脚の一本を引っかけた状態で歩いている。 巻きつけているビニールテープの吸着力が弱ると、壊れている脚がそのまま落ちてしまうのだった。 もちろん落とせば音で気付くが、そろそろ新しいビニールテープで巻き直す必要があった。 この裏銀座縦走は三脚のケアに明け暮れたという思い出?も残るだろう。 8:28 硫黄乗越出発 |
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登山道はしばらく硫黄尾根側を通っていく 硫黄乗越を過ぎても地味にアップダウンはあるものの、比較的歩きやすい区間が続く。 この辺りに限っては西鎌尾根も名前負けしている、極楽尾根と呼びたい状態が続く。 途中にはビバーク出来そうな窪地があって、ほっとする花畑が広がっている。 花畑の向こう側には双六小屋からの登りが辛かった樅沢岳、山腹道が険しい2,720m+ピークが仲良く並んで見える。 少し先には硫黄尾根が派生する2,680m+ピーク(硫黄ノ頭)を確認。 でも登山道は飛騨側を巻いていくのが見える。これも地形図どおりだ。 |
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硫黄尾根に接近 昨日の行程中にもずっと見えていた硫黄尾根の間近を通過。 でも風向きの関係なのか、硫黄の臭いはここでは全くない。 アルプスの中でも他ではなかなか見られない奇観中の奇観の尾根だと思った。 ここを歩いた登山者が居るのかと思って後日に調べてみたら雪山登山ルートだという。 無雪期には岩がたいへん脆くて、そしてたいへん熱い(暑い?)という。 雪山登山を始めない限りは眺めるだけにしといたほうが良さそうだ。 |
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8:59 2,680m+ピーク(硫黄ノ頭)、飛騨側を巻く 硫黄尾根の奇観を楽しんだ後は2,680m+ピークを少し登って飛騨側に出る。 すると今度はしばらくの間西鎌の稜線に隠れていた笠周辺の絶景の出番となる。 ここから見ても先日登った笠新道の標高差を改めて実感出来る。 樅沢岳辺りからの光景と比べると、段々と笠の稜線を横から眺めるアングルになってきた。 こんな些細なことでも行程の進み具合を実感出来て嬉しくなる。 笠の稜線の一段下には赤い屋根の鏡平山荘が小さく見えている。 あそこから槍をまだ眺めることが出来ていないこともあって再訪したいところの一つだ。但しテン場が無いのが残念。 明日昼には眼下に見える左俣谷の下流にある新穂高温泉へ下山予定。 下山地が見え隠れするようになって少し寂しさも覚えてくる。 |
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左俣岳越しに槍がまた大きくなる 2,680m+ピーク(硫黄ノ頭)を巻いて越すと、今度は正面に左俣岳が整った姿で見えてくる。 西鎌尾根上では唯一となる三角点ピークであるが、ここも飛騨側を巻いていく登山道が見える。 なおこの時は通過した2,680m+ピークに三角点があると勘違いをしていた。ボタンの掛け違いのように地形図を見誤ったかもしれない。 周辺で休憩中の方に三角点の有無を尋ねてようやく気付いた。 左俣岳の左奥にはまた一段と大きく見えるようになった槍に元気付けられる。 ただ穂高の向こうから白い雲が広がり始めてきたのが気に懸かってきた。 今日は昨日、一昨日と違って天気は下り坂の見込み。槍に到達するまで視界があることを祈るのみだ。 なおこの辺りから一部かなり尾根が痩せたところを通過するので特に慎重に。 地形図でも崩壊地の表記がある。 |
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9:12 左俣岳(2,674m)の飛騨側を巻く 左俣岳を巻いていくと、前方には遂に西鎌尾根後半のほぼ全貌が見えてくる! 壮大な絶景に感動の連続だが、まず前方最寄りのコルへ大きく下るように見える標高差に驚いた。 よく地形図を見ると混んだ等高線で60mくらいなのだが、やはり標高差が強調されて見えたのか疲れていたのか。 次第に槍が近づいてきてその迫力ある姿に圧倒されるが、最後に残る大登りの標高差も同時に体感することになる。 それにしても、表銀座の東鎌と比べると西鎌からの槍の姿のほうがかなり雄大に感じることは間違いないと思う。 左俣岳からは崩れやすく滑りやすい足場の悪い激下りとなる。 疲れを感じている今こそ下りでは集中して足を運んでいかなくてはならない。 |
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9:23 左俣乗越(2,590m+)到着 槍方面から向かってきた若いグループとほぼ同じタイミングで左俣乗越に到着。 期せずして一緒に小休止をとらせてもらった。 槍からここまでの所要時間を尋ねたら2時間くらいとのことだった。 双六小屋を出発してもうすぐ3時間になる頃合で、既にかなりの距離を歩いてきている。 左俣乗越の指道標によると槍まで更にあと3時間・・。最後に大登りを残しているから当然といえば当然なのだが。 小休止をとって少し元気になってから、グループの皆さんと挨拶を交わして出発。 左俣乗越からしばらくは緩いながらも登りが当分続く。 |
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2,648mピークへ続く爽快な稜線歩き 比較的広い稜線が続いてきた西鎌尾根の中では、かなり端正な姿と感じる稜線に差し掛かった。 傾斜もあまりなくて気持ち良く稜線を辿ることが出来た。 但し空には雲が目立つようになってきて、この頃には既に笠の稜線は隠れていた。 天候の行方は気にはなるが、ペースを上げるのは不可能。荒れない限りは成り行きに身を任せるしかない。 この辺りの最寄りのエスケープルートは、前方飛騨側に見えてきた中崎尾根経由で飛騨沢、そして槍平へ下るケースが考えられる。 |
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9:52 2,648mピークの手前で千丈沢側に出る 登山道は地形図のとおりに千丈沢側に乗越し、2,648mピークも例外なく巻いていく。 すると少し前方には比較的穏やかだったこれまでの光景とは一転。やや険しそうな岩稜が見えてくる。 いよいよ西鎌の核心部が近づいてきたかと気が引き締まる。 でもこの時はその岩稜に近づいていく地味な登りでも疲れがすぐに出てくるようになっていた。 この辺りで後続の方々のほうがペースが早くて道を譲ることが2、3度あった。 |
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10:11 2,660m+付近 千丈沢側から岩稜の上まで再び出てきたところで待望?の小休止をとる。 この手前辺りで鎖付きの滑りやすい砂地の登りがあったように思う。 安全を考えて撮影はしなかったが、後から考えてみれば本当の核心部であったかもしれない。 先に休憩されていた方と少しお話して、この先は安全を考えてトレッキングポールは片手だけで臨むことにした。 岩稜に差し掛かった辺りから空には雲が広がり始め、薄曇りといってもよい空模様になってきた。 日差しが遮られて快適な小休止とはなったが、やはりビジュアル的には晴れのほうが有難いのだけど。 |
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10:29 今回の縦走で最後かもと思い、改めて裏銀座の山々を振り返って小休止 岩稜をしばらく辿っていると再び安定した場所に出てくる。 この西鎌自体も遠からずガスに覆われそうな気配になってきた。視界が無くなる前に改めてこれまでの道程を振り返っておく。 ありがとう裏銀座。ここまでずっと好天でもってくれたのだから、もう十分に御の字といえると率直に思った。 |
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引き続いて西鎌尾根核心部が続く ここからは自身と機材の安全を考えて、しばらくは手持ちで撮影することにした。 先行の登山者の方々が写っているので、臨場感はある程度伝わると思う。 飛騨側の山腹を横切る滑りやすそうな石屑の山腹道が続く。一歩一歩集中して通過した。 10:40 西鎌尾根核心部を越え、登山道は再び千丈沢側へ移る 気を抜けない山腹道は稜線を千丈沢側に乗越して一段落した。 西鎌の核心部は地形図上では「西鎌尾根」の「尾根」と表記されている間辺り。 東鎌にもあるような長いハシゴも無く、大キレットのように三点指示しまくりの岩場も少ない。 西鎌尾根核心部は技術的には難しいところはないように感じる。 但し足場が悪くて滑りやすいところが多いのでとにかく慎重に通過することが大事と思う。 ここは槍に向かって歩くほうがやはりやや安全ではないだろうか。 |
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遂に千丈乗越が見えてきた! 千丈沢側に乗越すと、同じ山腹道でもある程度ゆとりを感じられる安定した登山道となる。 この山腹道が稜線上に乗り上げるとやっと千丈乗越だ。もうここから休憩中の登山者が見えていた。 まだまだ槍までの標高差は大きいが、長い西鎌尾根、そして今日の行程も遂に終盤となってきた。 でも核心部を通過してかなり疲れてきていたので、千丈乗越ではしっかりと休憩をとって身体を休ませることにする。 |
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10:49 千丈乗越<千丈沢乗越>(2,720m+)到着 ようやく千丈乗越に辿り着いた! 既に多くの登山者が長い急登を前にして休憩中。自分も空いている岩に腰を下ろす。 とにかく行動食をとって、最後に残された大登りに備えたい。 千丈乗越では完全に曇り空となってしまったが、おかげで涼しく休憩をとることが出来た。 ガスが上がってきているのは明らかだったが、槍穂の主稜線以外はまだ視界が広がっていた。 南側には明日下山予定の飛騨沢コースのジグザグも見える。 まだこの時点では情報を得ていなかったが、明日の天気はどうなのだろうかとやや気懸りだった。 雨量が増すような事態になると、下流で渡渉を繰り返す飛騨沢コースを下る行程は変更を余儀なくされる可能性がある。 なお地形図では「千丈沢乗越」と表記されているが、ここでは指道標に従って千丈乗越で統一しました。 10:58 千丈乗越出発 だいぶ息を整えられたので、あまり休み過ぎて身体が冷えないうちに出発する。 同じタイミングで休憩されていた方々と前後入れ替わりながらの西鎌最後の激登りが始まった。 |
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ガスに覆われていく西鎌尾根 山と高原地図によると、千丈乗越から槍の肩まで登りで1時間30分。(下りは50分。) 地形図をよく見ると、稜線上を辿る途中までは比較的等高線が開いている。 よって正確にいえば急登は後半の山腹道になってからと考えても良いのだが、もうそんなことは無関係に足取りはかなり重い。 でもそれは周囲の方々も同様で、思い思いのタイミングと場所を選んでは小休止を挟みつつ登っていく。 そして次第に周囲はガスってきて、これは槍の肩に着いても真っ白かなと覚悟せざるを得なかった。 一方、歩いてきた方向を振り返ると、既に西鎌にはガスが掛かっていて何も見えない。 つい先ほどまで殆ど視界有りの状態で西鎌の大部分を縦走出来たのは幸運だったといってよいだろう。 2時30分に三俣を出発した甲斐は充分あった。 この写真を撮影してから、次に下記の写真を撮影するまでに39分もの間が空いていた。 大登りでめちゃくちゃ疲れていて撮影する余裕がなかったこともあるが、完全に周囲がガスに覆われていたことがより大きい。 下り中の数人の方々からも励まされつつ、黙々と高度を稼いでいく。 アルプスは楽には登れないとは分かっていても、長大な縦走3日目でやってくるこの登りは相当きつい!! いろいろと物事を考えながら山を歩いているけど、中でも仕事上で腹の立つこととかを考えると何故か力が出るような気がする。 でもこの山の大きさに比べたら、本当に大概のことはつまらない些細なことと思えてしまう。 |
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11:56 この頃よりトラバース気味の急登になる 途中までの稜線部分だけでも非常に苦しい登りだった。もう数分毎に立ち止まっては息を整えつつ激登りに耐える状態が続く。 ふと気づくとこの頃より周囲はガスが段々と消えてきて、空には時折青空も覗くようになってきた! 目指す主稜線上はガスガスかと予想していたが、これはもしかしたら天候はそんなに悪くないかもしれない!と希望を持った。 |
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最後の最後にひたすら苦しい急登に耐えなければならない西鎌尾根最上部。遥か眼下に硫黄尾根がかろうじて見える。 登山道の周囲は岩が積み重なった殺風景な斜面が続く。 ガスの切れ間からは昨日歩いた裏銀座の稜線までもが遥か彼方にちらっと見えていた。 ここまで激登りに耐えてきたことで、既に充分に達成感を得られる光景だった。 果てしないと思わせるジグザグがしばらく続いたが、頭上の岩壁をトラバースして小さなコル状のようなところを横切った。 すると大きな槍の穂先が目の前にドーンと現れて思わず歓声を上げてしまう! |
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12:10 突如、槍が眼前に現れて感激する! 主稜線を覆っていた雲が偶然切れたことで不意に槍が現れるというあまりに劇的なタイミングだった! 本当に感動のあまりに涙が出てきた。 自分はもう槍自体はだいぶ見慣れてはきていたのだが、今回は出発前から大変だった長大な裏銀座縦走の3日目、 そして最後の苦しい激登りを経てやっと辿り着いたことで達成感はこれまでの比ではなかった! ほぼ同じタイミングで激登りに耐えてきた方と達成感を分かち合いつつ、多くの行き交う人々が見える槍の肩へゆっくりと登っていく。 |
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12:14 槍ヶ岳の肩(3,080m+)到着 やっと着いた〜!!これほど苦しく感じた激登りは今までにあっただろうか。 西鎌尾根、そして裏銀座縦走をなんとか踏破。最高の達成感に包まれて槍の肩へ。 穂先を見上げれば今日も相変わらず大賑わいで渋滞が発生している。 自分にとって槍に到達したのは表銀座縦走時に次いで2回目となる。 穂先は渋滞もあるうえに午後の雲行きは万全とはいえないだろう。あっさりと今日中の槍への登頂は控えることとした。 今は穂先よりもまずはテント設営が先だ。しかし槍ヶ岳山荘の玄関には薄々予想していたとおりに「テント場は満室・・」の案内が。 後で聞いた話では11時30分頃にテン場は全て埋まったという。 元々槍ヶ岳山荘のテン場は設営数が少ないうえに、自分の場合は三俣からの長丁場を歩いてきたのでまあ仕方ないだろう。 表銀座縦走時はヒュッテ西岳から東鎌尾根を登るだけという短めの行程のおかげでここに張れたといえる。 |
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12:25 槍ヶ岳山荘出発 ということで行程を少し延長することになるが、最寄りのテン場である殺生ヒュッテに初めて向かうことにする。 明日は飛騨沢コースを下るのでまた槍の肩まで登り返してこなくてはいけないが、またそれも達成感の上積みとなるだろうとここは前向きに考えたい。 それにしても一旦はガスガスで何も見えないだろうと思っていた槍の肩だったが、晴れの穂先を見ることが出来たことで大満足だった。 裏銀座縦走のご褒美として本当に嬉しかった。 大賑わいの槍ヶ岳山荘前から下り始めて最初の分岐で、表銀座縦走で登ってきた東鎌尾根からの登山道を見送る。 ここからは自分にとって初めてとなる槍沢最上部をジグザグに下っていく。 |
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広大な槍沢を下る 槍沢コースが初めての自分にとって、殺生ヒュッテまでの下りは退屈しない道のりだった。 槍沢越しに常念から蝶への稜線が見えたことも嬉しかったし、間近には表銀座で登った東鎌の稜線も眺められる。 そして槍沢コースを登ってこられる登山者は西鎌の時とは桁が違うほど大勢だった。 やはり上高地発で登ってこられる方々が多いことが頷ける。 少し前の自分みたいに死にそうになっている方や、余裕たっぷりで挨拶をされる方、そして外国人まで様々だ。 時折立ち休憩を挟むついでに、既に見えている殺生ヒュッテのテン場の状況を観察する。 昼までで満室になってしまう上のテン場に比べるとやはり広いし、まだまだ選ぶ余地はあるようで安心した。 ここでもやはり少しでも静かで落ち着けそうなところ、そして槍を見上げられるようにテントを張りたい。 |
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12:58 殺生ヒュッテ(2,860m+)到着 槍沢を下る本流の登山道から離れて指道標に従って初めてとなる殺生ヒュッテへ。 既にテントを張ってゆったり過ごされている方々と挨拶を交わしつつ、今日の行程の延長戦をようやく終えた。 山小屋は城砦のような石垣に囲まれ、中は落ち着いた雰囲気ですごく居心地良さそう。 なお殺生ヒュッテは表銀座縦走で歩く喜作新道を拓いた小林喜作さんが開業した山小屋だ。 表銀座の大天井岳の手前には喜作さんのレリーフがあって、北アルプスの登山史において著名な方である。 ちょっと物騒な山小屋の名前の由来は、猟師をしていた喜作さんがここで獲物の動物を仕留めていたことからきている。 とりあえずはテン泊の受付を済ませて、山小屋の上方に広がるテン場へ向かう。 岩が積み重なった光景が広がるが、合間合間にテントを張りやすそうな地面が点在している。 |
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殺生ヒュッテ・キャンプ指定地(2,870m+) | 午後遅い時間帯、稜線上は完全にガスガスで一時雨も。昼までなんとか天候がもってくれたことは幸運だった! |
厳密にいえば完全に水平ではないが、熟睡するには充分な平地を見出した。 本来なら雨が降る前にすぐにテントを張るところだが、腰を下ろして槍を見上げながらちょっと一休み。 3日間でブナ立からここまで裏銀座を踏破してきて、やはり溜まっていた疲労は相当なものだったと感じる。 裏銀座は表銀座より格段に強靭な体力が要求されることを身をもって体感した。自分も鍛え方がまだまだ足りないと悟った。 念のために携帯を開いてみたが、やはりここは窪地状の地形のために圏外だ。 そのために受取設定しているヤマテンの予報メールはこの日は受け取れずじまい。 明日の天気傾向は山小屋で聞いてみよう。 テントを張り終えて荷物の整理が終わった時点で14時頃。 気になっていた天候はというと、自分が槍の肩から降りてきたのを待ってくれていたかのように雲は厚みを増し穂先も槍の肩も見えなくなった。 これでは上でテントを張れていたとしても、ガスガスで何も見えないという状態だったということだ。 散策して楽しい天候ではないし疲れもあるので、自分としては珍しくテント内で昼寝をした。曇りのおかげでテント内は快適だった。 大体1時間近くは熟睡していたと思う。よほど体が休養を欲していた状態だったのだろうと振り返る。 テントでも脱水症状や足の攣りを避けるために水分補給は意識してしっかりと行った。 夕方近くなって時々ポツポツと小雨が降ってくる。風は無いので寒くはなかった。 しっかりと昼寝をして落ち着いたら、今度はお腹が減ってきた。 今日は用意していた3日目の食料(ドライフード)ではなく、最終日の行程に備えてしっかりとした夕食を摂りたかった。 ということで、殺生ヒュッテに行って買物や水の補給ついでに夕食を注文した。 明日の天気はというと、今日と同じかやや悪そうな傾向にあるという。 数日後のお盆に向けてこれまで頑張ってくれていた太平洋高気圧が弱まる傾向で、湿った空気が入り込みやすくなってきていた。 夕食までまだ時間があったので、一旦テントに戻った。槍はもう完全にガスの向こうに隠れていた。 気温が下がってきたので、暖かい紅茶を入れてのんびりする。 指定された17時からの夕食に合わせて再々度、殺生ヒュッテに向かう。 |
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殺生ヒュッテにて夕食 山小屋での食事は初めてのアルプス山行だった白馬三山縦走以来3年ぶりだった。 3日ぶりにしっかりと食べた夕食は本当に美味しくて感動してしまう。 下界ではこんな感覚になることはまずないと思うが、全ての食べ物が腹に染みわたるようだった! ご飯とみそ汁もおかわりをいただいてもう大満足。生き返ったようだった。これで最終日の大下りも大丈夫だろうという心持ちとなった。 テーブルに居合わせた方々としばし山談義をして、山小屋での時間を久しぶりに楽しんだ。 夕食を摂っている最中に外はどしゃ降りとなってきた。食堂は受付の横にあって、自分の席は窓際だったので外の様子がよく見えた。 遅い時間帯に到着された方々が数人、山小屋に駆け込んでこられるがレインウェアを着ていてもずぶ濡れの状態。 自分はテントと山小屋との往復にも背負っているアタックザックに折り畳み傘を入れている。 でもテントに戻る時は折り畳み傘を差していても、ズボンの裾やアタックザックはけっこう濡れてしまうくらい雨が降っていた。 3日目もあとは寝るだけとなったが、その前に明日の行程を考えておかなければいけなかった。 飛騨沢コースで新穂高へ下る予定だが、途中には増水時は危険となる沢が数か所ある。 2014年の悪天の夏には数名の方が渡渉を試みて流されて亡くなられている。 ということで明日にかけて天候が思わしくなければ、ここから槍沢を下って上高地へ下りる行程に変更することを念頭に置いておく。 槍沢を下ることになる場合は悪天なので、槍の頂上へ向かうのももちろん中止となる。 逆に天候に問題なさそうであれば、槍の肩への登り返しから最終日の行程を始める。 その場合でも穂先を登るかどうかは空模様次第とした。 いずれの場合にも対応出来るように明日は1時起床とした。ここまで計画を考えてからようやく寝床に就く。 最終日、何とか槍沢コースを下らなくて済むように祈るばかりだった。※ ※ 殺生ヒュッテ〜横尾はまだ未踏で歩きたいところではあるが、横尾〜上高地間を雨の中歩くのは自分にとって奥穂ピストンという苦い思い出がある。 「裏銀座縦走最終日・槍ヶ岳から新穂高へ下山」へ続きます。 |
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行程断面図です![]() |