「雲ノ平/読売新道縦走1日目・新穂高から双六小屋」 2015年 9月19日(土)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「笠ヶ岳」、「三俣蓮華岳」



山と高原地図 
 : 「槍ヶ岳・穂高岳 上高地 北アルプス」





 〜 はじめに 〜

 最長で5日間の行程が実現出来るシルバーウィークがやってきました。「山の日」と同じく毎年設定してほしいです。
連休全日好天見込みという滅多にない条件が整い、殆ど迷わず「雲ノ平/読売新道縦走」という大掛かりな行程に決定しました。
2日目に訪れる初めての雲ノ平。そして12時間以上の長丁場となる読売新道における勝負の3日目が控えています。







 金曜夜の仕事がうっとおしいことに定時で終わらず、遅めの夕食を摂った後で22時頃ようやく神戸を出発。
懸念していた阪神高速神戸線での渋滞も無く、順調に名神・東海北陸道をひた走って午前3時前に新穂高温泉に到着しました。

 最も便利な無料駐車場は当然満車になってると予想して、今回はいきなり鍋平に直行します。
しかし登山口から離れるために不便なはずの鍋平もシルバーウィーク効果で既に満車に近い状態。
でもどうにか造成されて間もない未舗装の駐車場がいくらか空いており、無事に駐車することが出来ました。
毎回、毎回、連休の度に駐車場確保は頭の痛い問題になりつつあります。




 初日の行程は2013年「双六・笠周回」の3日間でも歩いた小池新道を再び双六小屋まで登っていきます。
1日目は完全にその時と同じ行程になるので、初日の山行記録だけは簡潔にまとめたく思います。








 行程概要 


 3:35 鍋平・登山者用駐車場(1,190m+)を自転車にて出発!

 一睡もせず前日の仕事疲れも抱えた状態で、双六小屋まで登り切らなければならない。
でも今回はこれまでの経験から用意していた自転車を出動させる。
これで新穂高温泉までの時間と労力をかなり軽減出来るはずだ。
駐車スペースを求めて登ってくる車と次々にすれ違いながら鍋平高原からダウンヒルしていく。








 3:51 鍋平高原入口の三叉路付近(1,010m+)に自転車をデポして歩き始める

 10分程度でトンネル入り口まで降りてくる。近くの道路脇に邪魔にならないように自転車をデポ。
ここからいよいよ黒部ダムへ向けての長旅が始まる!

 トンネルの途中では無料駐車場を見下ろすことが出来るが、自分の予想どおりに既に満車のため入口は封鎖されていた。
後で聞いた話では金曜夕方には満車になったらしい。結局、普通に金曜まで仕事を抱えている人が連休前に
ここに駐車することは実質的にもう不可能というわけだ。
初めて新穂高に来た時、「双六・笠周回」の1回だけここに駐車出来たのは本当に幸運だったと今更ながらつくづく思う。








 4:16 新穂高センター(1,090m+)着。予め用意の登山届を提出して小休止。

 トンネル入り口から30分掛からずに新穂高センターに到着。登山届を忘れずにポストに投函しておく。
連休初日だがまだ他の登山者はちらほら程度。

 新穂高センターからはすぐに蒲田川右岸に渡り、温泉街から離れて山中へと入っていく。




 4:29 左俣林道ゲート

 駐禁取締中と思しきパトカーが巡回しているのを目にしながらゲートを通過。




 5:21 笠新道登山口(1,360m+)

 だいぶ薄明るくなってきた頃に笠新道登山口を通過。
笠新道はとにかくしんどかったと改めて振り返る。








 5:35 わさび平小屋(1,402m)到着  キュウリはあまり好きではないが、トマトのほうは美味しそう・・。

 出発前の登山者で賑わうわさび平小屋に到着!
4泊5日分の食料を背負うのはやはり大変で、ここで体をしっかりとほぐしておく。
なお軽量化のため、水は2L入るハイドレーションシステムに1Lしか入れていない。
小池新道は途中で水場があるのでこの作戦は有効のはずだ。




 5:45 わさび平小屋出発








わさび平・ブナの森

 わさび平小屋の周辺は美しい森に覆われていて、小屋の横にはテン場もあるので一度テントを張ってみたいところだ。
林道歩きは退屈ではあるが、目に優しい光景が続く。でも紅葉にはまだ早いな。








 6:08 小池新道・奥丸山登山口(1,470m+)  ここから双六小屋まで5時間50分・・。小池新道は歩きやすいがけっこう長くて侮れない。 

 後続の登山者に次々と追い抜かれつつ小池新道・奥丸山登山口に到着。
ここでようやく林道から解放されて山道へと入っていく。
ここで赤い自転車がデポされていたが、自分と同様の作戦で登っている方が居られるようだ。
でも左俣林道を登ってこられている点において、上には上が居るなと感心してしまう。








秩父沢が近づいてくる

 いつも後ろから人が来ないタイミングを見計らって撮影しているが、実際にはこの頃は次々に後続の方に道を譲りながら登っている状態だ。
前回も小池新道の登りではバテているので、意識してゆっくりめにペース配分している。








 7:06 秩父沢(1,720m+)到着  鏡平まで2時間30分。今回は池に映る槍が見えるかどうか。

 秩父沢は休憩に適している。涼も取れるし、ここで水も補給出来る。
この辺りから晴れ間が目立つようになってきて、日焼け止めやサングラスを取り出す。




 7:22 秩父沢出発








 7:37 チボ岩(1,800m+)

 巨岩が積み重なるチボ岩を通過。余談だが三脚を設置するのが難しいところだった。
今回は裏銀座縦走で壊れた三脚に代わって、まだ同型の新品状態のものを使用している。








 8:00 イタドリヶ原(1,900m+)  イタドリヶ原。 双六・笠の稜線はガスの向こうに・・。

 10月に登った前回に比べてまだ緑の濃いイタドリヶ原を通過。
天候は晴れ・曇り・ガスと目まぐるしく変わって忙しい。今日は回復傾向のはずで雨の心配はないようだが・・。








 8:40 シシウドヶ原(2,090m+)到着  到着してまもなくガスが取れた! 

 雨も降ってきた前回より、更に何も見えない状態でシシウドヶ原に到着。

 しかしザックを下ろして休憩していたら見る間にガスが取れて明るくなった!
シシウドヶ原本来の素晴らしい光景が広がる!稜線近くはだいぶ紅葉が進んでいるようだ。

 でも一旦は晴れたのだがすぐに再びガスに覆われる。今日は本当に目まぐるしく天候が変わっていく。








 8:50 シシウドヶ原出発








シシウドヶ原から山腹を回り込んでいく。

 この調子だと今回も鏡平はガスっている可能性が高いなと思わざるを得なかった。
でもこの辺りの紅葉はきれいだった。








 9:22 熊のおどり場(2,180m+)

 再び青空が戻ってきて、初めて見る瑞々しい光景の熊のおどり場。
この分なら初めて鏡平から槍が見えるかもと、心の中で小おどりしてしまった。








 9:50 鏡池(2,280m+)到着

 しかし鏡平に着いたら再びガス。「人間万事塞翁が馬」の言葉を思い出した。
でも実は一瞬だけガスが取れて槍が見えた。でもカメラを用意している間にシャッターチャンスを逃してしまった。
長居は出来ないまでも諦めが早くてはいけない。








鏡平山荘にて。本来なら見えるはずの槍穂の展望を絵で確認する。

 まだ昼まで間がある時間帯だが、食事をオーダーする登山者で大賑わいの鏡平山荘だった。
この後からがしんどいことは分かっているので、トイレやストレッチなどを行いつつあまり体が冷えない程度に休憩しておく。




10:10 鏡平山荘(2,280m+)出発








2年前の再現が繰り広げられた弓折中段までの登り

 鏡平を離れると途端に雲の上に槍が見えてくる。天空に浮かぶ槍という感じで素晴らしい光景だ。
周囲の登山者の方々も一斉にカメラを向けていた。

 2年前も鏡平では見えなかった槍がこの辺りから見え始めた。
自分はどうやら鏡平とはあまり相性が良くないようだ。3度目の正直で今度こそは逆さ槍を観られるだろうか。








素晴らしい紅葉に彩られた登り

 北アで一足先に紅葉狩りを楽しめた。この日はこの辺りで紅葉が最も見頃だったように思う。








10:44 弓折中段(2,420m+)

 森林限界を抜ける頃に弓折中段に差し掛かる。
爽快な光景が広がるが、この後斜上していく登りが意外に疲れる・・。
この日は左俣、右俣ともに雲が盛んに湧きだし、槍も見えたり隠れたりととにかく落ち着かなかった。








11:18 弓折乗越(2,550m+)到着

 多くの人に道を譲ったり、度々休みながらようやく主稜線上に到達。弓折乗越に突き上げる。
既に周囲には多くの登山者が休憩中だったが、ちょうど開いていたベンチに腰を下ろして大休憩を取る。
小池新道は毎回自分にとって、決して楽ではない登りだ。
仕事疲れ・寝不足も重なって疲れやすくなっているのだろうと推測されるが、急登でも比較的短時間で登れるブナ立尾根のほうが楽に感じたのは確かだった。








11:32 弓折乗越出発

 これ以上ベンチに座っていると、かえって後で疲れると判断して出発する。








弓折乗越・双六小屋はほぼ同じ標高ながら、この間の稜線歩きは既に疲れた脚には楽な道のりではない。








裏銀座縦走の感動が蘇る山々が見えてくる。2年前には気付かなかったが、双六越しに水晶岳まで見えていて驚いた。水晶岳は遂に明後日に越える予定だ。








昼を過ぎて稜線にもガスが上がってくる

 雨こそ降っていないが、何だか前回と同じような空模様になってきた。








12:34 双六小屋が見えてくる

 ちょうどこの頃にガスが取れてきて、きれいに双六のコルを見渡すことが出来るようになった。
白く輝く鷲羽が相変わらずカッコいい姿で出迎えてくれる。
小屋の手前に広がるテン場もまだまだ場所を選ぶことが出来る状態だ。




12:49 双六小屋・キャンプ指定地(2,530m+)到着!!

 双六池に最も近いところ、殆ど前回と同じ場所にテントを張る。今回は雨にも風にも妨げられずにのんびりと設営する。








ガスに覆われる双六小屋・キャンプ指定地

 テントを張っている間にもどんどんガスが流れてくる。
鏡平と同じくどうも自分は双六のテン場との相性も悪いようだ。

 でもおかげでテント内でも涼しくて過ごしやすい。
すぐにでも昼寝をしたいが、その前にとりあえず小屋に行ってテン泊受付や水の補給などの用事を済ませておこう。








双六小屋(2,540m+) 続々到着する登山者で賑わう 

 たいへんな強風だった前回とは違って、今回は穏やかな空気が流れる双六小屋だった。








鷲羽岳遠望

 双六以北では青空が広がっていて意外に好天のようだった。
裏銀座縦走で越えた鷲羽の山容は観ていて本当に飽きない。
鷲羽のおかげかちょっと眠かったはずなのにすっかり目が覚めた!








次第にテントで埋まっていく双六小屋・キャンプ指定地

 早めに寝たいしおやつと夕食を一緒に準備しよう。








就寝前に再度小屋へ訪れると、夕景の鷲羽の美しさに再び魅了される








夕方遅くの双六小屋・キャンプ指定地

 ほぼ全面がテントで埋まった状態に圧倒される!

 明日は3時の出発に備えて1時に起床することとして、この後18時には就寝。
金曜夜は全く寝ていなかったこともあって、まだまだ明るくて周囲は賑やかでもすんなり眠れた。
明日はいよいよ初めての雲ノ平到達となるので楽しみだ。









 「雲ノ平/読売新道縦走2日目・双六小屋から雲ノ平」へと続きます。

行程断面図です




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