「剱岳・別山を経て室堂へ」 2016年 7月24日(日)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「剱岳」




 1:35 起床

 今回の行程では昨日の2日目が核心で、今日はちょっと寂しい行程最終日。
でも自分にとっては初めての室堂訪問が控えていること、そして朝イチで登る別山から眺める剱を楽しみに起床する。




 3:48 剱沢キャンプ場(2,520m+)出発

 劔御前や別山の稜線には雲が掛かっているものの、星空も広く見えているので今日も好天を期待したい。
広いキャンプ場の中を別山の方向へ進む。昨日、明るいうちに状況確認をしていなかったので慎重にルートファインディングを行った。








 行程概要 


 4:14 分岐から別山に向かう急登へ進む  

 キャンプ場から一段高い丘陵状の地形にある分岐に差し掛かった。
別山に立ち寄れば行程上は遠回りとなるが、確認済の高原バス発車時刻を考慮すると寄り道する時間の余裕は充分あった。




 カール地形のような剱沢も例外なく、別山のある稜線に向けてせり上がるような地形になっている。
分岐を過ぎるとまもなく急な登りとなって、別山へ向けて一気に標高を稼いでいく。
劔御前小屋へ向かうメインルートは緩やかに付けられているようだが、こちらのほうは稜線に向かって激登りといってもよかった。








剱岳の雄姿を励みに別山へ  

 別山付近の稜線へ突き上げていく辺りで夜が明け始めた。
日の出頃に別山北峰に辿り着くようにと思ったが、昨日までの疲れか出発時刻がやや遅れてしまっていた。
でもペースを上げるのは難しいし、別山付近はどこからでも剱を見られるしで、こうなったら成り行きに任せるしかない。

 それはともかく、昨日はテントからは充分に堪能出来なかった剱岳の全景を眺めて思わず見とれてしまう。








 4:55 別山の西側で稜線に乗る  別山まで緩やかな登りの稜線

 激登りに喘いでようやく別山へ繋がる稜線に乗り上げた!
稜線手前の踏み跡は拡散傾向で、また稜線上に道標は一切無かった。ここから劔沢へ下るのは危ないという配慮だろうか。

 自分にとっては立山連峰を形成する主稜線に初めて辿り着いたということで、3日目も最後まで楽しい行程となりそうだ。
振り返ると劔御前付近の別山尾根にモルゲンロートが見え始めていた!

 稜線に乗った途端、昨日までは吹いていなかったやや強い風にさらされる。
じっとしているとすぐに汗冷えしそうだった。行く手に大きく見えている別山へ直ちに出発する。








 5:05 別山山頂(2,874m)到着  

 だだっ広い別山山頂に到着。
別山は立山三山の一つということで、立山曼陀羅でも大事な場所だったよう。
頂には立派な祠が鎮座している。
かつて立山へ詣でた者はここから地獄の針の山とされていた剱を眺めていたらしい。

 頂上傍には硯ヶ池があるが、半分以上は雪に覆われていた。昨冬は全国的にひどい雪不足だったのがうそのよう。

 別山山頂からでも劔はもちろんよく見えるのだが、とりあえず当初の予定どおりに北峰を目指す。
北峰までは殆ど平坦な広い尾根を快適に歩いていく。








 5:19 別山北峰山頂(2,880m)到着   

 遮るもの無しに剱を間近から眺められる!
あそこをよく歩いたなあと改めて実感させられる剱の険しい姿に魅入ってしまう。

 北峰は別山から始まる幅広の尾根の末端であり、剱の展望所として申し分ないところだ!

 早月尾根から登ってきた自分にとって、初めて見る朝の斜光に照らされた剱は本当に美しく崇高な姿だった。
ここで剱沢のキャンプ場を出発して以来となる、やや長めの休憩を取った。








 5:46 別山北峰山頂出発 立山がほど近くに見える

 ちょうど北峰に辿り着いたグループと入れ替わるように別山北峰を出発。
別山へ引き返してから、室堂への下山を開始する。

 別山北峰へ立ち寄ったのと同様、室堂へも直行で向かってしまうのはもったいない。
今回は新室堂乗越を経由することにした。
時間的には立山を経由するのも難しくはないが、またの機会に取っておくことにした。








別山より眺める剱岳。幾分、重厚感が増したよう。  








新室堂乗越までほぼ下り一辺倒の稜線漫歩  

 別山から大日方面へ続く稜線は、昨日の難路とは違って快適に歩ける区間が続く。
ゆったりした尾根の向こうには劔御前小屋も見えてきた。
通り過ぎてしまうのがもったいなく思える素晴らしい稜線だった。








剱沢越しの剱岳もまた素晴らしい  別山乗越に位置する劔御前小屋まであと少し 

 今日は先を急がない上に、剱を心ゆくまで眺められるのは劔御前小屋まで。
しばしば足を止めては剱の光景を目に焼き付けておいた。
今度来る時は別山尾根を登りでも歩きたいので室堂発となるだろう。

 2,780m+ピークまで来ると、劔御前小屋がすぐ下に見える。
劔御前小屋も初めてなので、しばらく小休止を入れていこう。




 6:34 劔御前小屋(2,750m+)到着








 6:50 劔御前小屋出発  

 劔御前小屋からは雷鳥坂を通るのが最短ではあるが、引き続いて稜線を歩いていく。
但し視界不良の時などは、稜線を通るより雷鳥坂を通過するほうが得策だろう。








日が高くなって室堂周辺の全貌がよく見えてくる 稜線ルートは百花繚乱のお花畑が続く 

 劔御前小屋からは室堂周辺の様子が手に取るように見えた。
まず思ったのはまだけっこう距離と標高差があるということ。今なお活動中の地獄谷の奇観。
そして雷鳥沢から室堂への登り返しが地味にしんどそう・・。

 いずれにしても自分にとって初めての室堂なので、昨年の黒部ダムの時と同じく最後は観光気分で締められるだろう。




 大日岳方面へ向かう稜線ルートは劔御前小屋正面のトイレ棟脇から始まっている。
出発直後から登り下りの双方向で多くの登山者が行き交っていた。
 ほぼずっとチングルマのお花畑を楽しみながらの素晴らしい下りが始まった。








稜線ルートは尾根直上を外しながらジグザグに高度を下げていく   

 眼前にどっしりして落ち着いた奥大日岳を見るようになると、やや急な下りとなっていく。
登ってこられる方々は一様に辛そう。また下りの方の中にはザックに神社のお札を付けた方が居られたのも立山ならではだった。
自分が立山を巡るのはまだ先の話になると思う。

 この先雷鳥沢に下り着くまでが今日最も要注意区間と考え、気を弛めないように丁寧に下っていく。
とにかく登山は下る場面が危険と肝に銘じておく。








立山を彩るチングルマの大群落  高山植物に詳しくなくても頻繁に足を止めてしまう 

 稜線ルートを下るにつれて広がってくるお花畑が圧巻だった。
花期に合わせて登られる方が居られるのも納得出来る光景だった。
ごく一部には綿毛になりかけたものもあったが、まさしく見ごろのチングルマを目の当たりにして満足の下りとなった。

 昨年、同時期に笠ヶ岳の杓子平でも感動の光景を見たが、立山もまた素晴らしいところだと実感した。








崩壊地付近では一部で尾根直上を通る。正面の奥大日岳が登高欲をそそられる。  

 下方の草原が広がった辺りが新室堂乗越かなと見ていたら、ルートは一部で尾根直上に戻った。
正面の奥大日岳が見事なピラミッド型に見えてきて、続けてあそこまで歩きたいなという思いが湧いてくる。
剱を観ながらの快適な稜線歩きとなりそうだけど、大日方面はテン場が無いのが自分にとっては残念な点だ。

 それにしても奥大日岳周辺では早くも小さな雲が湧き始めていた。
今日は3日間の行程の中で最も早くガスが湧いてくる見込みだったが、やはり予報は当たっているようだ。
ここ数日頑張ってくれていたオホーツク海高気圧だったが、そろそろ日本から離れつつあるらしい。








 7:58 新室堂乗越(2,380m+)到着  新室堂乗越を過ぎると雷鳥沢周辺が大きく見えてくる

 等高線が広がった草原の中を歩いていると、三叉路となっている新室堂乗越に降り立つ。
奥大日岳方面はまたの機会に置いておくとして、今日はこれから雷鳥沢へと降りていく。

 劔御前小屋から新室堂乗越まで1時間超下ってきたので、分岐を過ぎて広がったところで10分ほど小休止を入れていくことにする。
新室堂乗越から雷鳥沢までの標高差は約150m。そのうち50mは比較的等高線が混んでいる。
この辺りでは登山道にも火山活動によって形成された岩石(スコリア?)などが見られるようになる。








木道を歩いて雷鳥沢へ   

 下りが落ち着いてくると、再び広大なお花畑の中を下っていく。
木道は雲ノ平で見たのと同じ造りのようだった。この木道はしばらく続いていく。

 新室堂乗越から下っていくと、団体さんも含めて多くの登山者が行き交うようになる。
立山の人気ぶりが伺えるが、撮影には瞬時のタイミングを見計らうことが必須となる。








称名川沿いを遡っていく  雷鳥沢キャンプ場へは高度感ある木の橋を渡っていく 

 下りきったところは称名川の右岸で、しばらく上流の立山へ向かっていくようになる。
雷鳥沢キャンプ場は左岸の一段高いところのようだ。

 水面よりけっこう高い橋を渡ってキャンプ場へ僅かに登り返す。








 8:38 雷鳥沢キャンプ場(2,277m)到着   

 多くのテントが張られていて、平らで居心地良さそうな雷鳥沢キャンプ場に到着。
周辺を立山連峰に囲まれた素晴らしいキャンプ場だ。いずれぜひここでもテントを張ってみたい。



 この後に比較的大きな登り返しがあるので、キャンプ場の一角でザックを下ろして小休止を入れる。
ふと見上げればいつの間にか秋のような上層の雲が広がってきていた。








室堂へ向けて登り返しが始まる  

 雷鳥沢キャンプ場は2,277m。室堂ターミナルは2,430m。
最終目的地の室堂へは登って終わりとなることは念頭に置いておくべきだろう。
標高差は200mに満たないが、疲れた脚で最後の最後に登り返しとなるのは楽ではない。

 しかも雷鳥沢キャンプ場を過ぎると、この完全舗装の石畳の道になってしまうがこれがまた疲労感を高めるものだった。
観光客が履くようなウォーキングシューズならいいけど、登山靴では歩くだけで疲れてしまう。
六甲の登山では山を下りて駅まで歩く間が最も疲れるのと理屈は同じ。

 しかし登り返さないと室堂に着かないので頑張るしかない。
まずは雷鳥荘まで100m超の登りとなるが、ゆっくりめに階段を越えていく。
途中では追いついてきた団体さんに合流する形をとって一緒に登っていった。







地獄谷の展望地(2,350m辺り)   

 やや等高線の混んだ区間が終わった頃に地獄谷を見下ろす展望地に差し掛かった。
一緒に登ってきた団体さんから離れて小休止をとる。
写真で匂いをお伝えできないのが残念だが、もう濃厚な火山性ガスが流れてきている。
あの臭いを嗅ぐと、なぜか温泉たまごを食べたくなってくる。

 地獄谷には遊歩道が見えるが、現在は立ち入り禁止となっている。

 そして奥大日岳方面にはもう大きな雲が被ってきていた!
もう視界が無くなるまでにそう時間は掛からないだろう。
やはり山は早発早着が大事だと改めて思った。








 9:09 雷鳥荘付近(2,380m+)   

 地獄谷の展望地からしばらく緩やかな階段道を我慢すると、雷鳥荘を過ぎてベンチのある展望地に辿り着く。
息を整えながら劔御前小屋と雷鳥沢を振り返って、これまでこなしてきた標高差を実感する。
早月尾根よりは断然標高差は小さくても、こちらはこちらで楽な道のりではないと納得した。








立山を仰ぎ見ながら、なおも続くアップダウンを越えていく  これが血の池

 雷鳥沢から始まる最も大きな登り返しは終わったものの、室堂まではまだ地味にしんどい区間が続く。
この石畳の道は見た目以上に疲れるので、室堂までは焦らずにもう一山登るつもりで歩いたほうが良いと思う。

 雷鳥荘から始まるアップダウンを歩く頃には双方向に多くの登山者、そして観光客が行き交って段々と観光地に入ってきたことを感じるようになる。
普段着の観光客を見ると下界が近づいてきているのを感じ、ほっとするのが半分、山行が終わる寂しさが半分といった複雑な気持ち。



 再度登り返したところには血の池という池塘群が見えてきた。
立山曼陀羅の地獄巡りでも外せないスポットだったのだろうか。
今日では遊歩道脇で記念写真を撮り合う観光客で混みあっている。








血の池付近の展望所からは剱が垣間見えた!  室堂ターミナルまでほぼ標高差が無くなったように見えたが・・ 

 血の池を過ぎると2度目の登り返しは一段落。
展望所からは剱がちらっと再び見えていて嬉しくなる。

 展望所からは室堂ターミナルが同じ高さで見えていて、もう大きなアップダウンは無いなと思ったが・・。








 9:38 ミクリガ池 まるで一幅の絵のような光景のミクリガ池

 みくりが池温泉の辺りから再度下りになり、ミクリガ池畔にやってきた。
写真は周囲の邪魔にならないように撮っているので、結果的には他に誰も写っていない。
でも実際は多くの観光客(登山者より多かった)で周囲は大賑わい。
ミクリガ池自体は立山を象徴する素晴らしい光景には違いないが、
山中で出会える絶景と感動の度合いが変わるように感じてしまうのは何故だろうか。

 水面に近い展望所からは再び地味で短い登りが始まる。
しばらくの間、遊歩道はミクリガ池西岸沿いに進むので、いつでも池の光景は楽しめる。
再び日差しが降り注ぐと、池の水面は鮮やかな濃い青色に染まっていた。
やはりここは室堂散策では外せない見どころであることを納得した。



 ミクリガ池南岸にはベンチもあって、バスまでの時間調整を兼ねた小休止に良さそうだったので寄ってみた。
自分が到着した時には誰もいなかったが、まもなく団体ツアーの方々に囲まれることに。
トレッキングポールをザックに収容したり、やることをやって早々に室堂ターミナルへ向かうことにした。







10:08 室堂ターミナル(2,432m)到着 記念写真スポット?立山の石碑にて。自分が室堂ターミナルに着くのを待っててくれたかのように雲が本格的に湧きだす。

 ミクリガ池からはすぐに大勢の人で大賑わいの室堂ターミナルに到着!
室堂散策に向かう観光客、そしてこれから登り始める登山者、そして自分と同じく下山する登山者まで入り乱れた状態だった。
馬場島から始まる山旅の終着点にしては、ちょっと騒々しくて情緒に欠ける気がするが、とりあえず2泊3日の剱を越える行程はこれにて無事に終了した!




 ところで剱の山頂から眺めて以降、室堂平で最もよく目立っていた建物はアルペンルートの駅ではなくてホテルだった。
駅の建物はホテルの隣、立山の石碑の真向いに建っている。室堂の地上階から地下へ続くような階段を下りきったところが高原バスの乗り場になっていた。








アルペンルート 美女平行き、高原バス乗り場  美女平行き高原バス 室堂→(バス)→美女平→(ケーブル)→立山、片道通し券で2,430円。荷物券は廃止になったそうです。 

 予定していたバスの発車時刻まで30分弱という絶妙なタイミングだった。
先に乗車券だけ購入しておき、今一度階段を登って初めての室堂の光景を眺めたり写真を撮ったりして時間調整する。




10:40 室堂発、美女平行きの高原バスに乗車

 バスはほぼ定刻どおりに発車。午前中に山を下りる便だからか空いていた。








立山道路を美女平まで下っていく。弥陀ヶ原へ延々と続く光景に見とれる。  北の大日岳の稜線は完全にガスに覆われていた。山の天気は本当に水物と思う。 

 バスに乗るとすぐに眠くなってしまうが、車窓を観ないともったいないということで頑張って起きていた。
途中、巨大な立山杉や称名滝が見えるところではバスはゆっくりと走ってくれる。
立山道路沿いも散策道が張り巡らされ、ちらほらとハイキング中の方が見られる。




 室堂から美女平まで所要約50分。








11:20頃 定刻より少し早くに美女平に到着 立山ケーブル、美女平駅展望台より。写真下方にはケーブルカーの線路も見える。 

 美女平の標高は1,000m弱で、下界よりはマシだけど今まで居た室堂よりはだいぶ暑くなってきた。

 ケーブルカーの発車時刻までやや時間があったので、展望台から麓の光景を眺めたりした。
西を向いている展望台からは立山山麓スキー場が横から見えた。








11:40 美女平駅発、立山駅行きケーブルカーに乗車  大勢の乗客でひしめき合う立山ケーブル美女平駅

 バスに比べて乗客が集中したのか、それなりの混み具合。
でもケーブルカーの乗車時間は短いから立ち乗りでも問題はない。
日本一の急こう配という立山ケーブルカーも楽しかった。








11:47 立山駅到着  12:10 立山発、立山線・富山行き列車に乗り換え。 立山〜上市間の運賃は1,110円。

 立山駅ではもう既に下界の暑さでまいってしまった。
それはともかく、高原バス+ケーブルカーのアルペンルートの旅を満喫出来た。
昨年は黒部ダム〜扇沢のトロリーバスに乗ったので、あとは室堂〜黒部ダムが中抜けになっているがいずれ利用する時があるだろう。




 アルペンルートの次は富山地鉄に乗り換え。
ケーブル立山駅建物内に鉄道駅へ下りる通路があるので、一度も屋外に出ることなく乗り換えが出来る。

 富山地鉄の立山駅は発車時刻が近くなるまでは改札を閉じている。
改札の目の前には元西武鉄道のレッドアロー号が停まっているが、別途に特急料金が必要な列車だった。
自分が乗ったのは奥側に停まっていた普通列車だ。

 自分と同じく山帰りの乗客もちらほらと見受けられたが、車内はずっと空いていて席は選び放題だった。
自分は列車の旅が大好きだからか、眠気を感じることなく富山平野へ下っていく車窓を楽しむことが出来た。








12:54 寺田にて乗り換え 12:57 本線、宇奈月方面・電鉄黒部行きに乗車

 目的地の上市へは寺田で乗り換えが必要となる。
乗り換え時分は3分でたいへん接続しやすかった。

 寺田駅から山側を見ると連なる雲に遮られて、剱・立山の稜線は全く見えていなかった。
下界と山上では空模様が全然違う。

 乗り換えた黒部行き列車もたいへん空いていた。








13:07 上市着。駅前よりタクシーに乗車して馬場島へ   

 寺田からは車窓を楽しむ間もなく約10分で上市に到着。
自分の列車の旅はここまでだが、乗っていた列車はここで進行方向を変える。
写真には写っていないが、撮影している自分の横には車止めがある。
周辺は山中でもないのに、まるでスイッチバックのようで興味深かった。




 駅から出たところにはタクシーの運転手さんが待機していて、自分の格好を一目見てすぐにお客さんと認識されたよう。
上市から馬場島間は公共の交通機関が無いので、タクシーが唯一の移動手段となる。
運転手さんとは剱・立山の山の話をはじめ、地域の情報など教えていただきながらの有意義な乗車時間だった。

 自分が利用したのは上市に拠点のある旭タクシーで、上市駅〜馬場島間は所要約30分。
そしてタクシー料金は9,000円(金額は参考程度に。タクシー料金は頻繁に変動する)と安くはないが、
苦労して休みを確保して得た機会を十二分に生かすための必要経費と捉える。








13:45 馬場島着  

 バスで室堂を出発してから3時間の旅を経て、ようやく懐かしい馬場島へ到着。
車はここより少し下方の馬場島荘前の駐車場に置いているが、明るい時間に改めて再訪しておきたいと考えて登山口前までタクシーに乗せてもらった。

 周辺は居心地の良さそうなキャンプ場になっていて、登山の前後にここでテントを張れたら最高だろう。

 2日前に登っていった早月尾根が途中で雲に覆われているのがよく見える。
今回の山行は本当に天候を味方に付けることが出来たと改めて思う。








試練を越えて、そして憧れの剱に立てたことを、改めて石碑を見て余韻に浸る  

 山頂までの標高差は2,200m超あるが、それでも早月尾根は本当に良い尾根道だった。
またいずれここを登ることを楽しみにしたい。

 登山口周辺の様子を確かめてから、緩く下って馬場島荘前の駐車場へ向かう。








14:06 馬場島荘・公共駐車場(740m)到着  

 車に到着後、装備を解いてから馬場島荘にて汗を流した。
ここは沸かし湯であって温泉ではないものの、下山後すぐにリフレッシュ出来るので便利と思う。

 馬場島荘でスッキリしてから、慎重に運転して馬場島から山道を下って帰途に就く。
家までの所要時間は長野県の時よりはやや短くて約6時間だった。








 〜 終わりに 〜

 行動時間中は殆ど好天に恵まれ、最高の登山日和で剱・立山の縦走を実現することが出来ました!
出発直前まで迷いに迷った遠征でしたが、天候判断が当たって本当に良かったです。
昨年来、温めていた行程でしたが、最良のコンディションで踏破となりました。

 早月尾根と別山尾根、そして立山と目まぐるしく雰囲気が変わっていき、縦走ならではの半端ではない達成感と満足感を得られました。
但し早月尾根には三角点探索の課題を残し、また別山尾根は登り方向でも歩いてみたいという思いも湧きました。
剱にはまたぜひいずれ再訪したいです。

 今夏は剱、そして白峰三山縦走リトライという2つの行程を最有力候補として、早い段階から考えていました。
剱から2週間後、次は自分にとって因縁の地である南アルプスへ向かうこととなります。




 今回も完成まで時間の掛かった3日間のレポをご覧いただきましてありがとうございました。








行程断面図です




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