「御座山・栗生コースピストン」 2017年12月 3日(日)

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 ここしばらく多忙で山からしばらく離れており、半日の行程で登れる御座山を選びました。
周囲の八ヶ岳や奥秩父に比べるとやや地味な印象ではありましたが、
その名の由来と思われる山頂では感動的な絶景が待っていました。

 「日本百名山」の深田久弥氏も別の紀行文で御座山に登ったことを綴っており、
いつも同書で行先を選んでいる自分としても気になっていた山でした。








 約2時間の運転で栗生登山口に到着。
登山口へ通じる林道は途中から未舗装になるので運転は慎重に。
林道終点は10台くらいが駐車出来そうなスペースがある。
登山届ポストやトイレは無い。








 行程概要  GPSデータをカシミールに取り込んでいます。



 6:45 栗生登山口(1,410m)出発   

 ちょうど薄明るくなった頃、登山準備を整えて出発!
1ヶ月ぶりの山はやはり良いが、朝の冷え込みは相当強かった。
来る時の道路標示でマイナス5度だったので、山ではもっと低かっただろう。








唐沢右岸に沿って登山道が付けられている  距離は短いが登山口からの標高差は700mある

 御座山を目指す主要な登山道はいくつかあるようだが、栗生コースは短距離ながら急登が続いて中身が濃い。
比較的短い時間でがっつり登れるということで、半日で行程を終えたい時には好都合だ。
但し不動の滝までは比較的緩やかな登りも多かったように感じる。

 ちなみに同時間帯には自分の他にもうお二人の単独男性、そしてご夫婦の方々が前後に歩かれていた。
紅葉などの時期ならもう少し多いようだが、御座山は週末でも比較的静かな山行が楽しめる山かも。








 7:32 不動の滝(1,700m)   

 登り始めてから1時間も掛からずに不動の滝に到着。
滝とはいっても岩壁からしたたり落ちるくらいの水量だったが、その水がそのまま下側で凍り付いていた。

 登山道は不動の滝で初めて左岸へ渡っていく。
山頂までの標高差でいえば既に半分弱登っているが、不動の滝を過ぎると本格的な急登となりそうだ。
まだ日が当たらなくて寒々しい不動の滝前で小休止をとった。








急登でもジグザグで登りやすかった  御座山の接近を感じさせるような岩壁が見えてきた

 佐久きっての名山ということで、やはりよく歩かれていると感じる登山道が続く。
しかし落ち葉によって石ころが隠されていることもあって、下りは特に気を付けたほうが良さそうだ。
このジグザグを登っている間にやっと日が当たってきて、ポカポカと心地良いというか段々暑くなってきた。








 8:15 クサリ場   

 岩壁を回り込んだところからクサリも掛かる激登りとなる。
特に難しいところもなく気持ちよく登れるが、ここもやはり下りは慎重に下りなければいけないだろう。








 8:20 奥秩父方面の展望が広がる(1,910m)   

 おそらく前述の岩壁の直上に出たと思われたところで、南側の奥秩父方面の展望が広がった!
岩頭の集合体の瑞牆山、そして五丈石が目印の金峰山がすぐに分かる。
ある程度距離を置いて見ると近そうだが、ほぼ1ヶ月前に日帰りであの二峰を巡ってかなり歩き応えがあったのを身をもって体験している。








 8:26 2,050mピーク   

 奥秩父方面を眺めてからまもなく2,050mピークに到着。
ピークは木々に覆われて展望は得られないが、ここはもう御座山の南側の前衛峰にあたる。
 北側の木々の向こうには岩壁の目立つ御座山が何となくだが透けて見える。
小さな祠の前で5分程度小休止をとった。








御座山本峰へ向けてアップダウン   8:38 2,020mコル 

 御座山へはもう遠くないが、最後のアップダウンはけっこう急坂なので気を抜けない。
ロープも掛かる下りのところからは、迫力ある御座山山頂の岩頭が見えてくる。

 短いがけっこうな激下りを経て2,020mコルに到着。
コルには北相木村から上がってくるルートの指導標もあるが、見たところ踏み跡は薄いようだ。
むしろ逆の東側に明瞭な登山道が下っているが、指導標には何も書かれていない。

 2,020mコルを過ぎるといよいよ最後の登りとなる。








 8:48 2,110mピーク   

 避難小屋のある2,110mピークに登り着いた。
もう目前の御座山山頂とほぼ同じ高さに来ているが、ここでは樹林帯に覆われて展望は無い。

 避難小屋から西側へ進むとすぐに展望抜群の岩稜に飛び出す!
目指す山頂はもうすぐ先のようだ。








 8:53 御座山山頂(2,112m)到着   

 岩稜の突き当たりに位置する御座山山頂に到着!
また「わお!」と感動する他ない絶景が広がっていた!

 避難小屋のある樹林帯のピークに阻まれる東側以外は、長野と群馬の広範囲を見渡すことが出来る。
山頂はかなりの強風でめちゃくちゃ寒かったが、今日は急がない行程なのでしっかりと絶景を満喫していきたい。








八ヶ岳連峰もちょうど真横から眺める恰好となる   

 瑞牆・金峰に登った時には全く雪が見えなかったが、1ヶ月の間に徐々に雪化粧が進んでいた。
ちなみに今日御座山を選んだのも、雪に覆われていないことを確認出来たからだった。
念のための6本爪アイゼンは持っているが、山頂付近の日陰の岩に少しだけ雪が見られたのみ。
少量の雪は既に積もったことがあったようで、常に最新の情報を確認する大切さを感じた。








北八ツは幾分雪が少なめだが、蓼科山頂だけはしっかり白くなってきている   








すっかり雪山になった北アルプス。ちょうど日が当たっている常念が美しい…。槍は天気悪そうだが辛うじて見える。  爺ヶ岳から白馬にかけての後立山連峰。もうスキーも出来そうな雰囲気だ。

 遠い北アルプスはすっかり雪山になっていて、憧れの思いで眺めた。








比較的黒い山肌が目立つ浅間。噴煙も見えず今日なら前掛山まで登れそうだが…(噴火警戒レベルは2のままで前掛山は登山不可)   

 既に縦走した黒斑山周辺の外輪山もよく見えている。
山頂で居合わせた方によると、ここ数日の昇温でだいぶ白くなっていた浅間の雪はだいぶ解けたようだ。




 浅間山の東側後方に見えた白い稜線は、少し前にギリギリ縦走出来た谷川連峰主脈だったかもしれない。




 岩陰などで風を避けつつ、暖かいコーヒーを飲みながら絶景を目に焼き付けた。








佐久平の向こうに北信の山々まで見えていた   




10:03 御座山山頂出発

 いつしかあっという間に御座山山頂で1時間超滞在していた。
いつまで眺めていても飽きない絶景だったが、下山後の温泉を楽しみに出発した。








栗生登山口まで忠実に引き返していく。南側は奥秩父から南アルプスまで見えている。  栗生へは避難小屋から右手へ








栗生コースは急坂の連続なので下りは特に要注意   

 クサリ場の辺りは後ろ向きに慎重に下る。

 不動の滝までのジグザグは落ち葉によるスリップと、隠れた石車に注意。








11:13 不動の滝(1,700m)  11:46 栗生登山口到着 

 日が当たって暖かい不動の滝まで下りてきてほっと一息付ける。




 比較的ゆっくりしたペースだったが、それでも山頂から2時間も掛からずに栗生登山口に下山。
1ヶ月ぶりの登山だったが、なかなか良い足慣らしとなった。

 自分が下山した時には車は2台だけだったが、今日出会った方々を計算したら多い時で5台になっていただろうか。




 装備を解いてから、ほど近いところにある滝見の湯に向かう。








南相木温泉・滝見の湯  名前から興味が湧いた滝だった

 比較的最近リニューアルされたようで、きれいな温泉で最高だった♪
寒い時期の温泉は本当に生き返る思いがする。




 この滝見の湯のそばには、犬ころの滝という面白い名前の滝があってついでに滝見もしていった。








もっと日が高い季節のほうが良かったかも  犬ころの滝

 初冬の低い日差しで寒々しい滝見になってしまったが仕方がない。
犬ころの滝は普通になかなか立派な滝で、なんでこの名前が付いたのかは由来不明という。
滝が犬に似ているわけでもないし、不明となると余計に気になってしまう。








 滝見は温泉の後だったので、体が冷えない程度で引き上げて帰途に就いた。
今日は比較的早く帰ったので、佐久から長野にかけて夕刻のラッシュと重なり行きの倍の時間が掛かってしまった。




 〜 終わりに 〜

 半日の行程で登れる山の中でも、御座山は特に気になっていました。
谷川、浅間、槍、蓼科、南ア、そして奥秩父と、今年登った山々を見渡せて最高のひと時でした。
しばらくぶりの登山だったので余計に、山から改めて元気をもらった気がしました。








行程断面図です




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