「氷ノ山・東尾根(まど登山口経由)から氷ノ越」 2013年 6月 8日(土)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「氷ノ山」




 〜 はじめに 〜

 前の週に摩耶山で今年初のボッカトレを行い、歩き始めはしんどさもありましたが
どうにか感覚を取り戻しました。ということで今回は更にステップアップの行程です。

 氷ノ山では昨秋に仙谷と三の丸コースでボッカトレしたのに続いて、
今回は3年ぶりとなる東尾根コースでボッカトレすることにしました。
でもただ3年前のプランをトレースするだけでは面白みに欠けるので、
初めて“まど登山口”より山頂を目指すことにします。
 今回は前夜出発で夜中着という、自分にしては珍しいプランで臨みました。








 4:30 福定親水公園駐車場にて、車の中で起床

 早朝のこの時刻でも既に数台停まっている。
山上の避難小屋で過ごされた方も居られるかもしれない。




 5:17 福定親水公園出発

 ちょうど親水公園に朝日が照らされた時間帯に出発。
3年前の日帰り装備での山行と比べて、どのくらい体力を消耗するのだろうか。

 氷ノ山国際スキー場までは舗装された林道を歩く。








 行程概要 (山中のルートは不正確です)



 地蔵堂の少し上で谷が崩壊している箇所があり、梯子が設置されています。
 5:46 氷ノ山国際スキー場

 福定親水公園から約30分で氷ノ山国際スキー場に到着。
スキー場のロッジのベンチを借りて小休止をとる。

 なおスキー場にも逆水キャンプ場があってテン泊を検討してみたが、今回のプランには都合が合わなかった。
でも良いロケーションなので、いずれテントを張ってみたい。




 なお、今回よりLEKIのトレッキングポールを使っている。
従来のものは7年間使ってきたのだが、片側のポールが勝手に縮むようになったので新調を決断した。
ポールは使用の度にバラして、汚れをふき取った後で乾燥させるという。
ずぼらな自分は今までほったらかしだったが、これからは正しい保管方法をぜひ実践してみたい。








氷ノ山国際スキー場 ロマンスコース

 見ているだけで大回りで飛ばしてみたいという気にさせられる。
まだまだ次のスキーシーズンまで長いな・・。




 スキー場を過ぎた辺りから林道は未舗装となるが、退屈なことには変わりない。




 6:03 東尾根登山口

 3年前はここから登ったが今回はやり過ごす。
登山口を通過すると同時に、ここの駐車スペースで登山準備をされている数人の方から声を掛けられる。
今日は大規模な学生の登山大会があって、後ほど大挙して登ってくるという。
準備中の方は先生方のようだった。
配慮をお願いされたのだけれど、自分も学生時代に同じような学校行事を経験しているのでこれはお互いさま。

 でも後から考えればこの情報を聞いた時に、東尾根登山口から登るプランに変更すべきだったかもしれない。
生徒さん達とは登りの途中から、そしてまた下りでも遭遇し、氷ノ山越手前までは激しい渋滞も発生することになる。
それらの事態はもう少し後で、まだしばらくは人けの無い、静寂に包まれた山行を楽しむことが出来た。




 今日はまど登山口から東尾根に入るので、まだまだ林道歩きが続く。
それだけならまだ良いが、時折通り掛る車によって発せられる砂煙にはまいった。
 あまり氷ノ山の林道を長く歩くプランは得策ではないようだ。








 6:28 まど登山口到着

 それでもどうにか約1時間10分で長い長い林道登りが終わった。
親水公園からここまで歩くプランはもう二度と嫌・・という気分だった。

 ところでまど登山口からは氷ノ山を目指すトラックだけではなく、
旧氷ノ山山麓スキー場経由で草出へ下山するトラックも始まっている。
後ほど手持ちの“山と高原地図”を見てみたら確かに記載があった。

 氷ノ山山麓スキー場は一度行ってみたいと思っていたところ、惜しくも廃止されてしまったスキー場だ。
これはいずれ草出から氷ノ山へ登ってみなくてはいけないだろう。




 6:40 まど登山口出発








まど登山口からは比較的緩やかな登りが続く

 長い長い林道歩きを終えて、ようやく本格的な山道が始まった。
等高線の数が数えやすい緩やかな尾根が続いていく。
しばらくは等高線の閉じたピークは無いようだが、隠れたミニピーク程度はあるかもしれない。
まど登山口から氷ノ山まではまだあと4kmもある。








890m+

 かなり緩やかな登りが続くが、微妙な起伏のある隠れたピークを通過することで、
ある程度行程の進み具合を感じられる。








緩やかにカーブを描きながら南西の方角へ

 氷ノ山まで3.5km。
まど登山口から登り始める人はそう多くないのか、あまり踏み固められていないルートが続く。
イメージよりも植林が目につくところが多かった。








 7:15 970m+ピーク

 まど登山口から歩き始めて、最初の等高線の閉じたミニピークに到着。
このピークから北に派生する支尾根によって、今朝歩いてきた林道は大きな迂回を強いられている。
東尾根登山口から登ってくるトラックが合流する地点でもある休憩小屋まではもうそんなに遠くないようだ。








 7:23 990m+ピーク

 短いけどやや急な登りを経て再び等高線の閉じた990m+ピークに到着。
南東側の景観がいくらか垣間見える。

 ここで少し前方から大勢の人の話し声が聞こえてくる。
もう団体登山が始まっているようだ。ということは、東尾根休憩小屋はもうすぐ先だということも分かる。
今このまま前進してしまっては、団体行動が大嫌いな自分も飛び入り参加せざるを得ない。
まど登山口からまだザックを下していないので、ここで団体をやり過ごすためにも小休止を取っていくことにした。








 7:46 東尾根休憩小屋

 ちょっと前方が静かになったのを見計らって行動再開。
990m+ピークのすぐ先で東尾根登山口から登ってくるトラックとの分岐、そして休憩小屋に到着。
写真には写っていないが、まだ周囲にはちらほらと関係者の方々が小休止中。




 ここでまど登山口からの未踏区間を踏破したことになる。あっけなかった。
林道歩きを倍にしてまで、この区間を歩いて良かったのかはちょっと微妙だったのが正直なところ。

 ここから先は以前に歩いたことのある区間ばかり。
そして学生の皆さんと抜きつ抜かれつしながら山頂を目指すことになる。
トラックの詳細は3年前に触れているので、今回は雰囲気だけお伝えしていきたいと思う。








 8:09 ドウダンツツジ群生地

 案内板の立つ群生地を通過。赤いベニサラサドウダンがいっぱいだが、開花まであと一息のよう。
相変わらず花に疎いので、花の名前は帰宅後に確認した。








 8:16 一の谷休憩所

 ちょっとトラックが広がるだけの休憩所に到着。
この先はしばらく狭い山腹道が続くので、休憩するには良いタイミングの場所ではある。

 この時を含めて山頂に至るまで、数人単位のグループの女子高生達と小休止のたびに並びが前後して入れ替わる状態が続いた。
休憩のときにお話を聞いてみると、競技登山とオリエンテーリングの趣旨で歩かれているようだった。
自分も高校の時にハチ高原周辺を歩かされたが、あの時は楽しいなんて全く思わなかった。
生きている時間が長くなれば、変われば変わるものだ。








学生達の合間を縫って神大ヒュッテに差し掛かる

 日が当たって暑かった・・。もう塩分補給のための味塩が欠かせなくなってきた。




 9:03 神大ヒュッテ到着

 既に大半の生徒は通り過ぎたのか、居合わせる人々はちらほらの神大ヒュッテ。
通過を確認するための先生方のほうが多いようだ。他にも自分と同じく一般の方も見受けられる。




 9:13 神大ヒュッテ出発

 ここから山頂までは標高差160mくらい。福定親水公園を出発してから既に4時間。
でも休み休み登ってきたから、思ったほど疲れていない。
背負っている荷が重くなると、本当に意識して荷を下ろす時間を確保するのが大事だということを実感する。








古木帯の木道を通過

 前後の合間を見計らって撮影。
しばらく雨が降っていないから、いつも湿っぽいイメージがあるところでもカラカラの状態だった。








氷ノ山山頂まであと0.5km。

 なだらかな地形が広がることで山頂が近づくことを実感する。
振り返ると登ってきた東尾根を垣間見ることが出来る。








そして山頂の避難小屋が見えてきた!








 9:51 氷ノ山山頂(1509.6m)到着

 思ったよりも人が少なめの状態の山頂に到着。
まど登山口経由で遠回りしたこと、学生の団体登山に対応したのも加わって、出発から4時間30分ほど掛かった。

 この後は出発地の福定親水公園まで下りの行程を残すのみだし、
まだ10時前で時間もたっぷりあるということで山頂でゆっくり過ごすことにした。
でも後に遭遇する事態が分かっていれば、それ程長居することなく出発したのだが・・。








山頂南側の展望所より三の丸方面を眺める

 初めてここからの光景を見た時は感動ものだったが、もうだいぶ見慣れてしまった。
杉の大木が見えるところは泥沼の難所となっている1,448mピークで、
自分も昨秋にあそこでトレッキングポールの石突きの片方を紛失している。

 ここはしばらく過ごしていると風冷えしてくるくらいだった。

 ここで居合わせた方からビールのおすそ分けを勧められる。
たいへん有難いことだったのだけれど、自分は全く酒が呑めないので・・と丁重にお断りさせて頂きました。
酒はともかくとして、誰とでも打ち解けられるのが山のすごいところと思う。




 展望所に居続けたら風冷えで冷え切ってしまいそうだったので、日当たりの良い山頂へ戻る。
すると、いつの間にか地面が見えないくらいの大勢の登山者が集結している。
そろそろ滞在時間も1時間くらいになるということで、ようやく出発することにした。
下山まで約2時間とみていたので、昼過ぎには福定親水公園のキャンプ場でテントの設営を始められるだろう。




10:54 氷ノ山山頂出発








氷ノ山山頂から氷ノ山越までよく整備されたトラックを下っていく

 自分が下山している間にも大勢の登山者が登ってくる。
ここしばらくは人けの少ない山が続いたこともあって、改めて氷ノ山の人気の高さを実感する。
これらの写真は前後の間合いを見計らって撮影したもので、常に行き交う登山者が絶えることはないといった具合だ。








ブナ原生林

 この辺りでは小学生くらいの子供たちの団体ともすれ違う。

 
 氷ノ山越までの行程の半分を過ぎた頃、後方から団体登山の学生に追いつかれる。
つい撮影に時間を取ってしまっていたので、ペースが遅かったのだろう。

 行きがかり上、学生達の列に加わって歩くことになった。
砂埃も舞い上がって本当に大変だった。六甲縦走大会で渋滞に巻き込まれた時のことを思い出した。








11:54 氷ノ山越(1,240m+)

 ようやく辿り着いた氷ノ山越。
長く感じたけど過去のレポを見てみたら、山頂からの所要時間は今回のほうが7分早い。

 学生たちはここで小休止を始めたので、その間に先に進むことにした。
でもその前に団体さんがどこへ向かう予定なのかくらい確認しておけば良かったというのが今回の反省点だ。
福定親水公園へは最後まで降りてこられなかったので、消去法でいくとハチ高原方面へ縦走されたのだと思う。








とうろう岩展望地より少し上のところで小休止中

 行動時間が6時間を超えてくる頃にちょっと疲れを感じ始める。




12:13 とうろう岩展望地

 何だか以前よりも木々が育って、とうろう岩が見えにくくなっている。
というか、どこにあるのかわからない状態だ。




12:31 木地屋跡








12:33 崩壊地を通過

 木地屋跡からすぐのところで谷が大きく崩壊していた。
過去3年で大規模な土砂流失があった模様。

 崩壊現場の両岸には階段が掛けられているが、けっこう急で滑りやすそうなので慎重に通過した。








12:44 地蔵堂

 小休止には最適な地蔵堂に到着。この付近でもまだ登り中の方とすれ違う。
氷ノ山は各所にある避難小屋で宿泊出来ることもあるのだろうか、午後遅くなってもけっこう登られる方が多いようだ。
自分も出来れば山上で宿泊したいけど、今はテント泊の練習をしたいのでまたの機会に置いておきたい。








13:13 福定親水公園キャンプ場到着 (奥に見えている建物は炊事場) 炊事場からは遠くなるけど、駐車場のトイレが近くなるほうへ設営。テントの後方に駐車場がある

 氷ノ山越から1時間20分。山頂からだと2時間20分で下山。
駐車場から少し西側にあるテントサイトに到着。
もう何度か歩いた区間だったが、やはり途中で自分のペースで歩けなかったからか疲れを感じていた。
すぐに設営には掛からずに、しばらくベンチに腰を下ろして休憩をとった。

 このキャンプ場は今まで各所で利用してきた中で最もワイルド感溢れるところだった。
ロケーションは悪くはないが、テントサイトに沿って登山道が通っていることは、
利用に際して頭に入れておくべきだろう。




 〜 終わりに 〜

 約8時間のかなり疲れを感じた山行でした。
でも比較的早めにテント生活に入れたので、後の時間はけっこうゆったりと骨休め出来ました。
この日は自分を含めてテントは3張りでした。

 翌朝は再び氷ノ山越まで登り返すプランを組んでいます。
すんなり早起きして涼しいうちに登ってしまいましょう。




 
2日目に続く








行程断面図です




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