「名色から蘇武岳へ」 11年 6月 4日(土) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「栃本」 参考文献 : 神戸新聞総合出版センター 【 ふるさと兵庫100山 】 : 昭文社 山と高原地図 【氷ノ山 鉢伏・神鍋】 〜 はじめに 〜 約半年ぶりで、なんと今年初めての山行です。改めて宜しくお願い致します。 今回の神鍋高原を舞台にした山行は、今年ボードデビューをした友人のリクエストでした。 しかし直前でキャンセルとなり、結果的に普段通りの単独行となっています。 昨年の氷ノ山、鉢伏山の経験により、今の時期のゲレンデ歩きは暑いと分かっていたの ですが・・。 代替の山行計画が無かったため、未踏の蘇武岳に立てるからと向かうことにしました。 蘇武岳へ向かうルートは阿瀬渓谷からの長いルートと、短めの名色ルートの2つと なりますが、半年ぶりの山行ということでお手軽なほうを選択しました。 |
行程概要 (山中のルートは不正確です)![]() 旧名色スキー場の最上部に至るまでは長い林道歩き。 林道終点からはなかなか良い山道となりますが、トータルで見ると面白いルートかどうかは 微妙なところです。これまで蘇武岳が未踏だった理由でもあるのですが・・。 |
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7:10 旧名色スキー場駐車場出発 旧名色スキー場最寄の広大な駐車場に車を停めて出発する。考えてみれば冬以外に神鍋を訪れたのは初めてだ。 神鍋高原には現在、アップかんなべ、奥神鍋、そして万場と3つのスキー場がある。奥神鍋と万場は接続しており、一つのスキー場のように楽しめる。 スキー場に関しては当サイトの別コンテンツで扱っているため、これ以上は詳述しない。 名色スキー場は09−10シーズンをもって閉鎖されてしまったが、かつて短期間ながらスキー学校でインストラクターをさせて頂いた思い出のスキー場でもある。 プライベートでも3,4回は来ているが、とにかく手強い斜面が多いというのが印象に残っている。 蘇武岳へは駐車場からスキー場に対して反対側へ向かう。 あとは要所要所にある案内板のおかげでスムーズに山頂へと向かえるだろう。 蘇武岳へ向かうルートの中で名色ルートは最短なのだが、その道中の半分近くは単調な林道歩きを強いられる。 本来の山行の楽しさからは少し外れる感は否めないが、今回は半年ぶりの山行のため足慣らしと考えよう。 |
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7:40 林道出合 ガイドブックや山と高原地図で推奨されている林道とはここで合流する。 ちなみにここまで辿ってきた林道は地形図(14年3月1日版)にも記載されていなかった。 山と高原地図には備前山山頂付近まで車で上がれるように記載されているが、現状はここから上は一般車両進入禁止になっているようだ。 |
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8:35 林道備前山出合 長い長い林道歩きを経て備前山山頂付近まで登ってきた。 このまま蘇武岳へ向かってもよいが、旧名色スキー場へのオマージュとしてぜひ備前山へと寄っていきたい。 |
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![]() 在りし日の山頂リフト 備前山にて |
8:40 備前山山頂(797m)及び、旧名色スキー場山頂リフト降り場跡 ※ 備前山山頂はこのリフト降り場辺りで、地形図に標高点表示がある。平らな山頂である。 林道出合から数分で何となく見覚えのあるリフト降り場へ到着。 ワイヤーは既に外されているが、それ以外は殆ど営業当時そのままの状態で残っていた。 自分も1回だけだがこの山頂リフトに乗ったことがある。振動の大きな昔ながらのシングルリフトだった。 しかし残念なことに2004年の台風被害で運行できなくなったと聞いている。 北側は急斜面の備前山に架かっているだけに、降り場の上に立つとなかなかの絶景が見られると思ったが、 手入れされなくなって既に7年経っているため、下手をすると板を踏み抜いてしまいかねない状況だったので立ち入りは見送った。 その後数年はこの山頂エリアを除いた状態でオープンしていたが、やはり滑走エリアが減ったというのは営業面で痛かったのではと推察する。 |
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リフト降り場の横にはパトロール詰所、そして年季を感じるコース案内板があって、往時を知る者にとっては何ともいえない寂しい気持ちになる。 かつては上級者御用達だったこのリフト降り場もゆっくりと自然に還っていく運命にある。 まだ2級合格前で小回りが制御できない頃に上がってきた自分にとっては度胸試しのような経験だったが、 まさかその約10年後に閉鎖されることになるとは考えもしなかったので、とても貴重な記憶になっている。 自分が転がり落ちた?馬の背コースは景観抜群なので、少しだけ下って備前山からの眺めを楽しんでいこう。 リフト降り場からしばらくは緩やかな斜面が続く。進行方向正面には自分にとってお馴染みの万場スキー場も見えている。 |
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![]() 在りし日の馬の背コース |
約10年ぶりの馬の背コースをちょっとだけ下る ここまでは緩いのだが、この先は地面が切れている。 |
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馬の背コース核心部へ ここからが馬の背コースハイライトの急斜面区間だ。 遥か下方に見えている第3ゲレンデまで急降下していくのだが、斜度の急さが半端ではなかった。 記憶を辿れば完全に腰が引けてしまい、途中で大転倒しながらもやっとの思いで降りたような。 伸びた木々が斜面を塞ぐ形になっていて、コースが使われなくなってからの年月を感じさせられる。 いずれは周囲の木々と同化して、外見上もコースがあったことが分からなくなるだろう。 ちなみに第3ゲレンデまではゲレンデの中を歩いて登ってこられることは確認している。 しかしそこから先の急斜面部分のルートが不明確で、林道を歩いたほうが無難ということになった。 距離は大したことはないのだが、道無き急斜面を登るのはリスクがあると思われる。 しばし馬の背コースから神鍋高原の景観を楽しんだ後、前述の林道出合まで戻って山行を再開しよう。 備前山を過ぎるとまもなく山道に入れるはずだ。 |
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9:09 林道終点 約2時間をかけてようやく林道歩きが終了。 ここからやっと山道に入ることが出来る。長かった・・。 なお林道は更に奥へと続いているようだが、山と高原地図によると「荒廃のため進入禁止」とある。 |
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美しい森に覆われた蘇武岳登山道 長い林道歩きは退屈だったが、一旦山道に入ってしまえば、 ご覧のような美しい森の中を歩くことが出来る。 一応尾根には乗っているが丸みを帯びた幅広の尾根なので、景観を楽しめる尾根ではない。 それでも時折日差しが射す新緑のトンネルは歩いて心楽しいものだった。 あまり特徴の無い尾根道だったが、途中で小さく等高線が閉じた920m+ピークが比較的地図読みしやすい。 そこで尾根が「く」の字の曲がっていることも手助けになる。 |
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9:55 神鍋高原を囲む主稜線が見えてくる 山道に入ってからまだ1時間も経っていないが、木々越しに神鍋高原を取り囲む主稜線が近づいてきた。 神鍋高原は標高1000m前後の山々によって囲まれた盆地状になっていて、 スキー場の中で奥神鍋のみゲレンデ最上部がこの主稜線に到達している。 |
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細かくアップダウンの続く主稜線上の登山道 道なりに主稜線に合流。蘇武岳までの標高差はもう100mも無いが、 意外にも主稜線上のほうがアップダウンが多いように感じた。 でも美しい森が相変わらず続き、楽しい山歩きが楽しめるのは変わりない。 ちなみに楽しい山歩きのためには、主稜線に沿って舗装された林道が通っていることは忘れたほうが良いだろう。 神鍋高原の周囲の主稜線を踏破するトラックでもあれば、より神鍋の魅力が増したであろうけど、 それよりも先に林道を通してしまい、単に自分の夢想で終わってしまっているのは残念だ。 |
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蘇武岳山頂が見えてくる 不意に前方の視界が開け、見紛うことのない未踏の山頂が見えてきた。 名色から約3時間の道程を経てきたから達成感もなかなかのものだ。 しかし山頂のすぐ西を林道が通っていて、それからだとすぐに山頂に到達出来てしまうことは忘れたほうが良い。 最後にやや急な階段道を登って遂に蘇武岳山頂に到着だ。 10:28 蘇武岳山頂(1074.4m)到着 |
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蘇武岳山頂 こ広い草原状になっている居心地抜群の蘇武岳山頂だった。 角が欠けているのが残念だが、一等三角点の存在感が非常に大きい。 全方向を記載した方位板があるが、この日は霞みがひどくて遠景は望めそうにない。 とりあえず初めての蘇武岳山頂をゆっくり過ごしていくことにしよう。 |
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霞みがかっていたため、大岡山がうっすらと見える程度。アンテナが立っているのが名色スキー場最上部にあたる備前山。 これまでこの蘇武岳は近くて遠い存在だった。というのも名色、万場、奥神鍋スキー場からは地形の関係で見えないのだ。 空気の澄んだ日には山頂から日本海も見えるという。また秋以降に再訪したいものだ。 自分が山頂に滞在中に、愛犬を連れた単独男性の方、ご夫婦の方々が到着される。 長丁場の蘇武岳だがなかなかの人気のようだ。 11:15 蘇武岳山頂出発 山頂滞在約45分で出発。ここからは歩いてきた道をピストンで戻る。 阿瀬渓谷と名色の2ルート以外でバリエーションルートが取りにくいのがネックだ。 往路に気になったのだが、備前山到達手前で一箇所分岐があり、 もしかしたら名色のゲレンデに通じているのではと帰路に立ち寄ってみた。 しかし少し進んだ植林の中で行き止まりになっていた。 残念ながらゲレンデに合流出来なかったが、行き止まりになっていることを確認できたので良しとしよう。 結論を言うと、林道からゲレンデに通じているルートは無いようだ。 |
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![]() 在りし日の第1ゲレンデ |
13:17 旧名色スキー場山麓に戻ってくる 帰路も約2時間かかって降りてきた。 帰る前にせっかくだから名色スキー場のゲレンデに寄っていこう。 |
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案内板など多くの設備がそのまま残っている旧名色スキー場 冬が来たらまた営業出来そうな雰囲気だが、もうゲレンデとして賑わうことはない。 手強い斜面の多い名色の中でも山麓の第1ゲレンデはスキーデビューにも安心の斜面だ。 シーズン中はそれ程広いとは思わなかった第1ゲレンデだが、やはり歩くと広く感じる。 名色が閉鎖されたことは残念だが、時代の流れで仕方がないのだろうか。 山行後、以前から行きたかったお店に立ち寄りました。 |
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たじま食堂 てんの店 道の駅神鍋高原から国道482号を少し江原側へ下ったところにあります。 万場スキー場、ロッジTENのマスターが約1年前に開店された食堂です。 なかなか行く機会が無く、今回初めての訪問となりました。 |
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![]() 左の方がてんの店、及びロッジTENのマスター |
![]() 万場スキー場ユートピアゲレンデにあるロッジTEN |
山行でお腹を空かせたこともあり、より美味しく頂けました。 自分は麺類が好きですが、この日はカレーラーメンをオーダーしました。 TENでは御馴染みの味、そしてマスターとのおしゃべり。まるでスキーシーズン中に戻ったかのような感覚でした。 ちなみにスキーシーズン中はゲレンデ内にあるTENと掛け持ちされ、とてもお忙しくされています。 このお店のおかげで年中、TENの味が楽しめます。神鍋に立ち寄った際は是非とも利用したい食堂です。 うっかり撮り忘れましたが、メニューも豊富です。またドライバーは無論ダメですが、酒類も有ります。 ![]() 兵庫県豊岡市日高町名色1330-1 営業時間 : 昼11:00〜15:00 夜17:00〜 駐車場有り |
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行程断面図です![]() |