「白髪岳」 白髪岳〜松尾山 07年9月27日(木)
国土地理院地形図:25000分の1「篠山」を参照してください。 散々迷った末に今回は「ふるさと兵庫50山」の一つで、以前から興味があった白髪岳を登ることにした。 六甲以外で“50山”に登るのは久しぶりだ。 白髪岳は篠山盆地の南西隅にあって山頂からの展望は抜群で、山頂周辺はたいへん急峻だということで非常に楽しみだ。 今回参考にした資料は以下の通り・・・ 神戸新聞総合出版センター刊 「ふるさと兵庫50+8山」 ← 今では更に改訂版が出版されているようです。 そして、【摩耶山さん歩】さんの「白髪岳〜松尾山縦走」 も参照しています。 4:55 自宅出発 今日は久々に車を使うことに。明石から篠山方面へはR175号を北上。社からはR372と分かりやすいが、社の街路の煩雑さは少々やっかいだ。 登山口にあたる住山地区へはJR福知山線古市駅へ着く直前に細い道を左折するのだが、初めてで分かりづらく結局古市駅でUターンすることになった。 6:10 住山地区到着 住山地区は東西を山に挟まれた静かな山村だった。コミュニティーバスが集落の奥まで入ってきており、バス停に隣接する辺りで駐車スペースを見つけた。 空模様はこの時点ではよく晴れていた。暑くなりそうな登山日和と思いきや・・ 6:20 身支度を整えて出発 出発してすぐにこれから畑仕事に向かう途中のおじいさんと出会う。最近は白髪岳に登りに来られる方をよく見かけるようだ。 そして「朝、霧が深ければ晴れ。霧が薄ければ曇り」という格言まで教えて下さった。うんなるほど、って感心したが、 それでは今日は霧が薄いので曇りになってしまうではないか。そういえば何だか雲が目立つようになってきたような・・。 |
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6:30 最初の分岐で白髪岳方面へ おじいさんに先に行っていただいて、分岐周辺で今日初めて撮影を行う。分岐からは白髪岳の後で通過する松尾山が近くに見えている。 今日の天気予報は「晴れ」で、夕方から雲が広がってくるというものだったが、おじいさんのほうが正しいことがこの後すぐに判ることになる。 この時点ではまだ青空が広がってはいるが・・。 道端では「彼岸花」がきれいに咲いていた。摩耶山へ登った先週までと比べると格段に涼しくなった。やはり暑いのは彼岸までなのだろうか。 ちなみに上記の書籍では松尾山から白髪岳へ反時計周りに周回するプランで書かれているが、日当たりが良さそうで日が高くなれば暑くなりそうな 白髪岳を先に登ろうという考えで、自分は時計周りに歩くことにした。 車一台が通れるくらいの緩やかな登り道を歩いていく。途中からは舗装は途切れて林道の風情になった。 実際に白髪岳へ取り付くまでのこの林道歩きは単調でけっこう長く感じた。風景も植林、巨大な堰堤とつまらない。 そしてこの間に完璧に曇り空になってしまった。やはり地元の方の言われることは確かなものだと納得出来る。 しかし、晴れを想定して来た身にとってはまさしく想定外で、一気にモチヴェーションが下がってしまった気持ちは否めない。 でもここまで来て帰るわけにもいかない。再訪する理由が出来たと気持ちを切り替えることにした。 |
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6:55 東屋のある白髪岳登山口到着 ようやく実質的な登山口まで辿り着いた。比較的最近設置されたと思われる東屋と「住山生活環境保全林」と書かれた案内板がある。 案内板によると白髪岳と松尾山の間の麓にも山頂を目指さない別のトラックがあるようだ。 東屋で一息入れようとすると、スズメバチが盛んに行き来しているのが目に入る。もしかしたら軒下に巣でもあるのではと思い、遠慮して案内板の前で休むことにした。 ところで先日、三宮のICI石井スポーツで新しい上着を購入。スズメバチから目立ちにくいと思われる無地のアイボリーのものにした。 店頭でいつも思うのだが、何故かチェック柄のものがほとんど。自分は基本的に無地が好きなので自ずと選択肢は限られてしまう。 山歩きの上着はチェック柄にしなければいけない理由があるのだろうか。これってトリビアにならないだろうか。 それはともかく、この後も山頂などでスズメバチと何度か遭遇するが目を付けられずに済んだ。でもやはり近くを飛び回られると落ち着かないのは変わりないが。 5分程度小休止をとって登り始める。右手は植林の山腹。左手は沢で小さい堰堤も見えている。 このあたりは地元の小学生の野外活動の舞台にもなっているような形跡もみられる。 最初からすぐに急上昇するのではなく、緩やかに高度を上げていくようだ。 |
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と思ったら今度はジグザグに植林の中を登り始めた。でもすぐに山頂を目指すのではなく、谷の源頭部を巻くように敷設されているようだ。 トラックは丸太の階段がしっかりと整備されていて、さすが兵庫50山だと感心する。 |
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しばらく登ると前述の「住山生活環境保全林」の一環で整備されたと思われるトラックとの分岐に差し掛かった。 白髪岳山頂までもう0.63kmしかないのか、とこの時点では思ったが、実際には数字以上に歩き応えのあるトラックだというのが歩き終えての感想になる。 この後、しばらく登ってきたが、何故かけっこう下りだしてきて少々不安になる。地形図を見てある程度先を予想しながら歩くことにしているが、 予想外の光景が広がると不安になるものだ。ましてどん曇りの早朝で、森の中は非常に薄暗く雰囲気も良くない。 分岐での道標では確かに白髪岳山頂を示しているし、分岐からは他に道も無いので間違いないだろうと思い先へ進む。 まもなく殆ど涸れ谷と化した沢を通過。足場も狭くてやや危険な岩場と言えそうで、渡渉箇所にはロープも設置してあった。 |
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沢を過ぎるとようやく山頂に向けての本格的な登りが始まった。等高線の詰まったやや急な山腹を階段道が延々と続く。 いつの間にか植林から自然林に変わって、森の雰囲気は良くなった。 そしてこの日は暑さはなかったが、湿度はけっこうあったようで一気に汗が噴出してくる。途中何度か足を止めて水分補給を行う。 |
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7:38 白髪岳山頂から派生してくる尾根に乗った 急な山腹道はここでひとまず一段落。尾根上の緩やかな登りになってほっとする。 そしてしばらく尾根道を登ると、今日初めての展望スポットへ到着する。 |
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7:50 ベンチのある展望スポットへ到着 おそらくこれまで登ってきた東向きの尾根と、南東、そして南から登ってくる尾根が合流する辺りに位置すると思われる。 ここから先は弓なりに続く小刻みなアップダウンを経て、さほど標高差の無いように見える山頂を目指すだけだ。 その前にせっかくベンチがあるのだから、小休止を取っていくことにする。 ここからは白髪岳から松尾山にかけての北から東、そして南西の一角の展望を楽しむことが出来る。 |
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ベンチから南西の景観。ススキが秋を感じさせる 遥か西にうっすらと見えているのは西光寺山だろうか。空気が澄んでいれば淡路まで見えるというが、今日はやはりさっぱりだ。 またいずれ機会を見つけて来なくてはならないだろう。 やはり六甲と違って、丹波の天気は読むのが難しいのだろうか。 |
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しばらく展望を楽しんで出発する。出発してすぐに再び展望の無い尾根になるが、そこで再び道標が設置されていた。 〔 白髪岳山頂まで 0.35km 〕 白髪岳山頂までもうあと350mしかないのかと思ったが、この350mがけっこう長かった。というか自分撮りをしなければ短いのだろうけど。 それにしても暗い山腹の分岐から300mほどしか歩いていないのかというのが意外だった。けっこう長く登ってきたという感触だったのだが。 まもなく短い登りを経て小ピークを通過。(等高線は閉じていない模様) ピークの周囲を取り巻くように分岐があってちょっと戸惑う。 実際にはピークを過ぎた後ですぐに合流していた。 そして間もなく本日のハイライトの岩稜歩きの区間に突入する。 |
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岩壁のロープ場を登っていく 同じ区間を上下から撮影したもの。ロープを頼れば楽だが、なくてもなんとか登っていけそうな感じがする。 この日はどん曇りの上に霞んでいたが、条件が良ければ広がってくる景観を楽しみながら登れる楽しい区間だと思う。 |
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8:20 680m+ピークより南の今田町方面を眺める ロープ場を登り切ると左手に展望抜群の小ピークがある。これ以上カメラから離れて撮れないほどの狭いピークだが、 見通しは抜群だ。ただ今日の視界は10kmもないような感じだが・・。 北向きに振り返ると、既に白髪岳山頂が間近に見えている。標高差もさほどないようだ。 このあたりは痩せ尾根になっており、もし木々が無ければスリル満点な区間になっていただろう。 再び見通しの利かなくなった尾根道を小刻みなアップダウンを経て歩いていくと、目前を岩壁が立ちはだかる。 登ることも不可能ではないように見えるが、ここは右手に巻いていくようで無難にこれに従う。 |
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再び現れたロープ場。岩壁に出来た足場を頼りに登っていく。ロープは手すり代わり程度のもので、もし無くても登れそうな気がする。 |
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ロープ場が終わると今度は鎖場。何だか直進すると巻き道があるような気配だったが、殆ど条件反射的に鎖に手を掛けた。 好みによってルートを選べるようになっているようだ。 鎖場を登り切ると再び大展望が広がるが、今日は割愛してとっとと山頂を目指す。 |
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8:44 そそり立った岩稜を乗り越えていく 鎖場を登り切ると、けっこう高度のある岩場の上に出る。北にはもう白髪岳山頂が目前だ。 山頂を前に立ちはだかる岩は足場も豊富で、ロープも設置してあって簡単に乗り越すことが出来た。 この辺りは本当に天然のアスレチックのような区間で、今日最も楽しかった区間だと思う。 この岩場を過ぎると、岩場を巻いてきたようなトラックと合流。後は見通しの利かない潅木に覆われた尾根を緩やかに登っていく。 これまでの岩稜地帯に比べると、山頂直下は意外にあっさりとしたものだった。 |
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8:52 白髪岳山頂到着 東屋のある登山口から約2時間も掛かって、ようやく白髪岳山頂に到着。中央に二等三角点と、東の傍らには趣のある山名板が出迎えてくれる。 目に付くゴミを数点拾ってから写真撮影。でも三角点周辺は予想外に見通しが悪い。自分の身長と同じかそれ以上の草木が囲んでいる。 三角点手前にある道標によると、松尾山へ下っていくトラック入り口が北外れにあって、確認のためにそちらへ進んでみると、 三角点周辺では味わえない大展望が広がっていた。何枚か撮影したが、暗い曇りのためにモノトーン調の写真にしかならない。でもこれはこれで良しということで掲載することに。 |
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白髪岳山頂から南方の景観 条件が良ければ六甲まで見える方角だろうけど・・。 |
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北から東にかけては、これから向かう松尾山と、それへ通じる尾根を眺めることが出来る 松尾山への尾根は高低差も少なく、快適な尾根歩きが楽しめそうだ。 篠山市街はちょうど松尾山の山影に隠れている模様。多紀連山は・・、霞んでいてよく分からない。 山歩き中、常時30Dボディに付けている24mmレンズでは689mピークから松尾山まで入らなかったので、10-22レンズに交換して撮影。 最近の山歩きはこの2本で撮影を済ませることが多くなった。万一、野鳥を撮影したい場面に遭遇したらアウトだが・・。 白髪岳山頂でオカリナを楽しむつもりだったのだが、周囲を絶え間なくスズメバチが飛び交っているので遠慮することにした。 それでも結局30分程度山頂で過ごした後、松尾山へ向けて出発することにした。今度は好天の元で白髪岳山頂へ来ることが出来るとよいのだが。 三角点のすぐ側にある道標には、〔 松尾山山頂まで 1.10km 〕 という情報が書かれている。 上記の景観からすると、もう少しありそうな気がするが・・。数字以上にこの山域は雄大に見える。 山名板の裏からも踏み跡が松尾山へ向けて下っていくように見える。しかし実際には大きく北側からぐるっと尾根を回りこんで行くので、 地形図と上記の道標からして、これは違うと判断したが紛らわしい踏み跡だと感じる。 9:20 白髪岳山頂出発、松尾山へ 白髪岳に辿り着く直前までとは対照的に、松尾山へ向けては急坂で始まっていた。 |
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白髪岳山頂北は延々と続くロープ場 急坂の両側にロープが張り巡らされた区間をどんどん下っていく。これは傾斜が緩むまで続くので、標高差は50mほどあると思われる。 確かに激下りなところもあったが、大体の区間はロープが無くても大丈夫なような気がする。ちょっとロープを巻きつけられている木が可哀想な思いがする。 似たようなところということで、最近行っていない明神山のことを思い出していた。 北の689mピークへの吊り尾根に降りてきたところでようやくロープ場は途切れた。 次は689mピークだと勇んで平坦な尾根を歩いていくと・・ |
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9:32 689mピークをトラバースしていく まもなく登りに差し掛かる頃、トラックは689mピークの南東斜面に向けてトラバースを始めた。 正面にはピークへ向かうトラックがあるようだが、木々の枝で塞がれている。どうしてピークを経由しないのだろうか、 何故閉鎖しているのかが気になったが無難に従うことにした。こういう時に例えば七種山山系なら欠かさずピークを踏むところだが。 |
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殆ど高低差のない689mピークの山腹道 多少肩透かしな気がするものの、体力的には楽な山腹道を軽快に歩いていく。 |
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9:42 689mピークの東で再び尾根に復帰 山腹道は程なく終わって、再び松尾山へ向かう尾根に乗る。振り返るとやはりこちら側からもピークへ向かう踏み跡がある。 ここで一つの仮説を立てたのだが、ピークを経由するとそこで尾根を乗り間違う可能性があると考慮してのことだろうか。 確かに地形図を見ると689mピークから北西には歩きやすそうな幅広で緩やかな尾根があって、誘い込まれやすそうな気がする。 ここから松尾山までは殆ど東へ一直線となる。多少の高低差があるが、白髪岳方面から歩くと松尾山に取り付くまで殆どが下りのようだ。 |
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9:50 白髪岳、689mピークを眺める 松尾山と白髪岳をつなぐ尾根も基本的に見通しが利かないのだが、意外にも広く見渡せるスポットに出てきた。 北東から眺める白髪岳もすっきりと整った山容で素晴らしい。せっかくなのでザックを下ろして休憩をとっていくことにした。 ここでは何故かスズメバチもいなかった。 ここでも24mmでは入らないので、10-22mmで撮影。 |
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尾根上で一息ついて、再び松尾山へ向けて歩き始める。前方には松尾山の北隣にある620m+ピークが大きく見えてくる。 あのピークは経由するのだろうかと思ったが、やはりこれもトラバースして通過した。 再び尾根に乗ったところで、北の文保寺から上がってくる別ルートが合流してきた。 そこからは右手に610m+ピークを見ながら平坦で真っ直ぐのトラックを辿る。 |
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10:10 文保寺分岐その2 前方に松尾山の北山腹が大きく見えてくる。その手前で再び文保寺から登ってくるトラックが合流してくる。 ちなみに右手にも緩やかに下っていくが、もしかしたら白髪岳登山口にある東屋方面へ通じているのかもしれない。 今日は周回するので当然松尾山へ登っていく。ここから松尾山山頂まで標高差約80mの久々の急坂の登りとなる。 今日の行程で最後となるはずのまとまった登りであろうし、気合を入れて登っていく。松尾山への急登は丸太階段で始まった。 |
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松尾山北斜面は急斜面ではあるが、ジグザグに登っていく区間が多いので、思ったほどハードではなかった。 六甲を思い出すミヤコザサが茂っていて分かりにくいが、しっかりとした踏み跡のあるトラックが山頂まで続いている。 |
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10:22 松尾山山頂到着 息が上がってくる頃に広々とした松尾山山頂に到着。 松尾山山頂付近は戦国時代の山城跡で、見事なまでの削平地が広がっている。基本的に展望は無いが、北東隅の一角から篠山盆地を見下ろすことが出来る。 三角点は無いが、よく目立つところに朽ちた案内板がある。ところどころ字が薄くなっていたが、何とか大部分は読むことが出来た。誤字脱字の可能性が無いとは いえないがご容赦いただきたい。
丹波は元々、管領細川京兆家の守護地。戦国時代には諸豪族の中の波多野家が勢力を張った国で、播磨、但馬と並んで山城の多い国となっている。 これまで丹波は全く手付かずだったが、一つ一つじっくりと攻略していくことにしよう。 それにしても法道仙人はどこでも見かける名前だが、どのような人物だったのだろう。 ここではアブがうるさいだけだったので、オカリナを楽しんでいくことにした。 ところで時折木漏れ日が降り注ぐようになったが、やはり一時的で今日は曇り空で推移するようだ。 10:43 松尾山山頂出発 松尾山山頂から南へは数段の削平地が続く。削平地は平坦。間は短い急坂。これを幾度か繰り返す。 松尾山は南に670m+ピークが並ぶ双耳峰になっている。約30m下って約20m登り返すようだ。 |
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10:53 千年杉 670m+ピークへ登り返す途中に、周囲の木々よりも一回り大きな巨木があった。 本当に千年の樹齢かどうかは分からないが、なかなか立派な木であることは間違いない。 千年杉を皮切りに、松尾山からの下山は数々の見どころが点在する充実したルートとなる。 千年杉を過ぎると短い登り返しで670m+ピークに到着。 松尾山山頂と比べると、同じ削平地でも潅木が生い茂ってあまり山頂っぽくない。 削平地を横切って再び下り始める前に、仙ノ岩への分岐を発見。 今日は見通しが悪いがせっかくなので寄っていくことにした。分岐からは少し下るだけですぐに辿り着いた。 |
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11:05 仙ノ岩 仙ノ岩は670m+ピーク南東斜面に大きく突き出た展望抜群の岩場となっている。けっこう下のほうまで降りることが出来るようだが、 今日は霞んでいるので最も手前の部分しか踏んでいない。ここでもスズメバチがけっこう飛び回っており、撮影を済ませると早々に出発することにした。 少しだけ登り返して670m+ピークへ引き返し、ここからは約130mの標高差の下りとなる。 |
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再びロープ場が現れる 松尾山、正確には670m+ピークの南斜面は、けっこう等高線の混んだ急斜面となっていて、今日のコースを逆向きに歩いたら この区間が最難関になるのは間違いないようだ。全ての区間ではないが、特に急坂となっている部分にはロープも張られている。 スリップに注意しながらひたすら急降下していく。 |
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11:25 卵塔群 急坂を下りきったところは後述する三叉路になっている。右手は森が切れていて、松尾山の見どころの一つである卵塔群が並んでいた。 後方の三叉路の手前には六地蔵、その前に“卵塔”が整列している。付近には解説板も何も無いのでこの卵塔群の詳細は不明だ。 山城関連のものとしたら、武士達の墓地ということになるのだろうか。 卵塔群から南の森に向けて踏み跡が続いているが、三叉路には東へ向けた道標しかない。 下ればどこかへ通じているような気もするが、寺社の史跡が点在するルートへ向けて歩くことにした。 |
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11:35 卵塔群前の三叉路を住山地区へ向けて直進する 直進すると、住山、古市とあるので、この標識に従うことにした。 地形図では松尾山からほぼ真っ直ぐに降りてきた破線道がこの辺りで急に北東へ曲がって等高線を辿るようにして、 住山地区の東にある407mピークまで派生している尾根まで迂回して集落へ降りていくように描かれているが、 まさにこの破線道は珍しく実態に即した状態であることをこれから自分の足で確かめることになる。 |
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11:40 愛宕堂を通過 しばらく山腹道を快調に歩いていると、愛宕堂(木が手前にあって目立たないが写っている)と石仏に出迎えられる。 松尾山(高仙寺山)はかつては全山が大規模なお寺だった片鱗が伺える。この後も点在する史跡がいくつか現れることになる。 この後南東に向きを変えながら山腹道は緩やかな下りになる。周辺は沢の源頭部のようでけっこう水気が多かった。 |
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11:45 三基の石仏 しばらく下ってくると、びっしりと草に覆われた削平地に降り立つ。今では削平地の端には三基の石仏が佇んでいるだけだが、かつては何か建物があったような感じだ。 この削平地の傍らに、地面に打ち捨てられた朽ちかけた案内板がある。 見どころ満載の松尾山の絵図も併せて載せられていて非常に有用だ。これは住山の登山口にでも設置したほうがより役立つのではと思うが・・。
この旧丹南町設置の案内板は元々はもちろん三基の石仏のある削平地の脇に建っていたのであろうけど、腐食によるのか風雪等によるのかは分からないが、 とりあえず更新しなければならない状態にあることは間違いない。NZならばDOC(日本でいえば文科省か。史跡等の管理。トラック、山小屋の管理修復も行う)による 全国で統一されたデザインの案内板を、随所で見ることが出来るのだがあまりに環境が違い過ぎる。教育再生を言うならこういう地域に密着した文化財関連の管理も大事だと思うが。 ムダに使われている税金はいくらでもあるのだから。 そういえば、前回のレポで自民党政権である限り首相が代わっても中身は同じと記述したが、予想通り早くもボロが出始めている。 地元兵庫県選出の現文科相が前回の衆議院選挙の際に、工事業者から金を受け取っていたということがその一つ。 いつもの通りに「単なるミス」と開き直ったことを言っていたが、お金を受け取ることを間違っていたというのは、自分で言っていておかしいとは思わないのだろうか。 何の意味もなく金のやり取りが行われるわけがない。まして公職選挙法に抵触する可能性が高いことだ。 これこそが長年政権を維持し続けることによって生じる主たる“弊害”であると思う。結果、何が生み出されるかというと想像に難くない。 兵庫県だけ限ってみても、明石大橋、神戸空港、そして餘部新橋・・。これまで天文学的な税金を使い続けて、今も莫大な赤字を生み続け、これからも工事が続くものもある。 山道の案内板一つ更新しないのに、税金の使い方が大いに間違っていると思うのは自分だけだろうか。 最近、年金のことに関心を奪われがちだが、自分としては改革の本気度を計る目安として、「特別会計」に本格的に手を付けるかどうかを見たい。 一般会計は既に破綻状態だが、特別会計は実は税金がダブついている状態で、天下り等諸悪の根源の資金源となっている。 この特別会計にメスを入れることは、かつて明治初期に士族への秩禄廃止を断行したことに匹敵する政策になると思う。もちろん抵抗は凄まじいだろうけど。 地面に横たわっている案内板から役立つ情報を頭にインプットしてから、削平地から西向きに「住山」と書かれた下り道を辿っていく。 再び沢の上流部を渡渉、もしくは並走して、しばらく草深く湿っぽい区間が続く。ヒルやヘビが出そうな雰囲気で、三脚で薙ぎ払いながら警戒して進む。 |
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苔むした丸太の橋を渡る しばらくして丸太の橋を渡って左岸へ戻る。ここからしばらく沢沿いを下って、前述の尾根へ山腹道となって続いていく。 結局、これ以降に沢に出会うことはなかった。そういえば、不動滝という滝を通過するはずだったが、今回は見ずに終わってしまった。 どこかで分岐を見落とした可能性もある。今度松尾山から登ったら、疑問は解決するかもしれない。 しばらく山腹道が続いた後、松尾山から南の407mピークまで伸びる長い尾根に乗った。 |
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11:55 (元)首なし地蔵 と思われる 尾根に乗ったところで、地蔵が現れた。前述の三基の石仏前の案内板絵図によると、首なし地蔵かと思われる。 というのも首から上は後で乗せられた石のように見えるからだ。にっこり笑っているお顔の石は明らかに後代に置かれたものであろう。 というか何故、首が落ちていたのかが気になる。 しばらく尾根上を辿っていくが、地形図の破線道を裏付けるように、トラックは西山腹へ下っていく。 |
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12:01 穴地蔵 尾根から離れてしばらく山腹道を下っていくと、少し尾根に戻る形の脇道に逸れたところに鎮座していた。 今でも地元の方々であろうか、大切に祀られているようだ。信仰の対象に配慮して手を合わせておこう。 ところで何故、穴地蔵と呼ばれるのかは現場を見てもよく分からない。 ここからもしばらく山腹道は続くが、次第に尾根から離れて潅木のトンネルの中を下っていく。 最後まで明瞭なトラックがこのまま続くと思っていたが、森を抜けるとそこには草原と篠山市の水道施設?と思われる建物があった。 草原ははっきりとした踏み跡は無く、歩きやすそうなところを建物目指して降りていった。 これまで正規のルートを歩いていると思っていたが、確実な取り付きを確認できない形になってしまった。 |
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12:15 林道へ降り立つ 草むらを強行突破してようやく林道へ降り立った。 不動滝を見ていないこともあって、松尾山からの下りは次回へ課題を残す結果となった。 結果的に破線道をほぼ忠実に辿ってきたことにはなるが、いくつもの分岐を見てきたのも確か。 松尾山は一度では味わいきれない、想像以上に奥が深い山だということが分かった。 あとは林道を歩いて住山地区へ戻るだけだ。もちろん別の取り付きがないかどうか沿道の観察は怠らない。 |
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12:28 コミュニティーバスのバス停近くに停めた車へ戻る 沿道の彼岸花などを見やりながら車へ戻る。約6時間の行程は距離の割りには歩き応えがあった。 白髪岳はそう遠くない将来に再び訪れる山になると思う。 12:40 住山地区出発 普段着に着替えて帰途に着く。南下すればするほど日が当たってきて暑くなってきた。 14:05 自宅着 次回はもう10月。タイミングを見計らって六甲縦走の足慣らしをしなければ。 |
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今日の行程の断面図です。![]() |