「北岳」 2014年 8月15日(金)、16日(土)

国土地理院地形図
 : 25000分の1 「鳳凰山」、「仙丈ヶ岳」




 〜 はじめに 〜

 今夏の不安定な天候のために直前まで迷った遠征でしたが、さほど荒れ模様にはならなさそうな南アルプスを初めて選びました。
結果として北岳のみとなりましたが、当初の計画では白峰三山縦走を考えていました。
稜線上では視界不良と強風があって縦走はまた機会を改めることになりますが、南アルプスの山深さは充分に体感出来た山行となりました。
天候は味方してくれませんでしたが、それでも中止よりはマシと考えるしかないです。

 山行当時は2014年7月に発生した土砂崩れのため、芦安からの通常の交通アクセスが利用出来ない状況となっていました。※8月末復旧済
ということで、今回は南の奈良田を起点として、そこからのバス便を利用することとなりました。関西からだとかなり遠回りでしたが止むをえません。
長野県伊那側から北沢峠経由で広河原へ向かうことも出来ますが、バスを乗り継ぐために広河原出発時間はやや遅くなってしまいます。
少しでも早く肩の小屋へ辿り着きたいという希望を最優先して、奈良田まで遠路を車で向かいました。山梨県に入ったこと自体初めてでした。








 8月15日 3:30頃 奈良田、登山者用駐車場到着

 かなり多くの車が駐車中でしたが、まだまだスペースに余裕がありそうだった。
お盆の悪天のせいもあったかもしれない。




 5:15頃 奈良田出発 朝は一応晴れていた

 バス停へ向かおうと車を出ると、10人程度が乗車できる乗り合いタクシーが待機中であることに気付く。
バスより少しだけ高くなるけど、広河原へ早く着けるようなのでこちらに乗車することに即決した。
タクシー運賃:1,300円(協力金100円含む) 所要時間もバスより短い。


 乗り合いタクシーにて奈良田出発後間もなく、林道ゲートがまだ閉まっていたのでしばらく待機。
ちなみにこのゲートは白峰三山縦走後の下山口となるところ。この時はここへ降り立つことが出来ればいいがと思っていた。

 ゲートが開くのを待って再出発。急カーブが続く険しい林道を広河原へ向かう。
運転手さんから芦安から入れないことでの影響や、南アルプスの色々なお話を聞きながらの乗車時間でした。



 まもなく広河原へ辿り着く直前、北岳と思われる鋭鋒がちらっと車窓から見えた!
結果としては朝だけ好天で、この後は間もなく天候が崩れていくことになるのだが。




 5:50頃 広河原到着。

 乗り合いタクシーの運転手さんにお礼して下車。
登山開始前に広河原インフォメーションセンターに立ち寄る。
各種情報などの掲示や、バスの切符売場、そしてトイレもある重要な施設だ。








 行程概要 



 6:04 広河原(1,520m+)出発

 いよいよ北岳へ向けて出発!いつまで天候がもつか分からないが、完全未踏の南アルプスなだけに道中も楽しみだ。
インフォメーションセンターの横を通り過ぎると、すぐに野呂川の端に出る。








 
広河原より北岳が・・もう見えなくなった。(>_<)

 正面にはこれから登っていく大樺沢、その向こうに北岳があるはずだが、早くも雲が沸いてきてしまった。
上手くすれば午前は天気がもつとみていたが、この調子ではその見通しも外れそうだ。

 天候を気にしながら野呂川に掛かる吊り橋を渡って右岸へ。








 6:12 広河原山荘

 吊り橋を渡ったところは広河原山荘。山荘では宿泊、そして周囲ではテント泊も可能。
家の近くにこういうところがあったらとつくづく思う。
ここでまったりするのはいずれかの楽しみにおいといて、直ちに大樺沢へ向かう。
登山道は山荘のすぐ横から始まっている。

 北岳へのメインルートだけあって、非常に歩きやすいトラック。
最初の目標は白根御池へ向かうルートとの分岐点となるが、等高線の間隔も概ね広くて歩き始めにはちょうど良い。








 6:37 白根御池分岐点(1,660m+)

 まずまずのペースで白根御池分岐点に到着。
一旦ザックを下ろして小休止をとっていく。その間にも続々と後続の方々が通過され、大樺沢と白根御池へと向かわれる。
今回の山行は計画通りに歩ければここには戻ってこないが、そうでない場合には下りで白根御池経由で歩くことにしている。
 自分の場合は初日の昼過ぎには肩の小屋に到着したいので、登りでは大樺沢を歩くことに即決している。








涼風が通り抜ける大樺沢コース

 出発地の広河原が標高1,500mなので元々涼しいうえに、大樺沢の涼風まで加わって気持ち良いことこの上ない!
沢に付かず離れずといった感じで、徐々に高度を上げていく。
雨の多い今夏を物語るように、トラックは常に濡れていてスパッツは必需品である。








ガレ場も通過する大樺沢コース

 左岸の支谷から流れ出たようなガレ場を通過。
一見するとどこを歩くのかといった感じだが、ルートはしっかりと付けられている。








初めて右岸へと渡る

 鉄パイプでしっかりと組まれた橋を渡って右岸へ。
大樺沢は水量豊富な激流となっている。普段の山で見る沢とは明らかに違う雰囲気だ。
それはともかく、時折は朝日が射して青空も見えていたが、もうはっきりと天候が下り坂であることは間違いなかった。








西方からどんどん沸いてくる雲を横目に大樺沢コースを登っていく

 撮影、または小休止の度毎に前後の登山者と入れ替わりながら、ひたすら上へ上へと登っていく。








 
ミニピーク状の地形を通過

 道標を見ると大樺沢を離れるポイントとなる二俣(トイレ有り)まであと1時間・・。
大樺沢だけでも普段の山行の標高差に匹敵する。北岳までの残す標高差を計算して南アルプスの雄大さを実感する。








再び左岸へと渡る

 この辺りでついにポツポツと小雨が降ってきてしまった。
しばらくは降り方の様子を見ていたが、止むどころかしっかりと降ってきたので、適当なところでレインウェアを着込む。
結果的にこの後、肩の小屋に辿り着くまでレインウェアを脱ぐことはなかった。
昼までは晴れるどころか、朝しか天候はもってくれなかった。
今回も前途多難な山行となりそうだ。








 8:50 大樺沢二俣(2,210m+)到着

 雨は止みそうにないし、テンションが落ちた状態でようやく二俣に到着。
周囲では小休止したりレインウェアを用意中の方々で賑わっている。

 雨の中、撮影するのはかなり億劫なのだが、ここは行程中の要衝なので思い切ってカメラをセットする。








 
大樺沢の雪渓上を流れる雲をぼんやり眺めて小休止

 ここから稜線に出るまで標高差約700m。しかも等高線はずっと詰まっている。
雨に打たれてトイレの傍で休憩するのはイマイチだけど、ここでちょっと休んでおかないといけないだろう。
ということでここで15分ほど休憩をとっておく。




 二俣から小太郎尾根分岐へ突き上げる右俣コースは、山と高原地図によると登り2時間30分。
天候が良ければ周囲の景観が広がってきそうな、灌木帯が点在する草原を登っていく。
後から振り返ればこの辺りでの雨の降りが最もひどく、カメラはしっかりとビニール袋に包んだうえでカメラバッグへ収納。
ということで2時間近く撮影枚数はゼロ・・。

 好天の時は現行の古いカメラバッグでも問題ないが、雨天の際はレインカバー付きの新しいカメラバッグが欲しいと思う。
またスキーの時に使う防水カメラをサブカメラとして用意するのもいいかもしれない。

 時に立ち休憩をしながら、登り下りの方々をやり過ごしつつ、以上のような装備の改善策を考えたり、
今夏の今後の計画を考えたりしながら、右俣コースの急登をゆっくりとこなしていく。

 またこの辺りでは学生の団体も多かった。
学生時代が遥か遠くなった自分には“山岳部”という響きに憧れはあるが、基本的に団体行動が苦手なので入部は難しいだろう。

 途中でやや等高線が広がる辺りがあって、その辺りが休憩の好適地だったかもしれない。








 
11:08 草すべり・右俣分岐点(2,740m+)    

 普段にない標高差と右俣コースの急登に喘ぎつつ登っていると、ようやく草すべり・右俣分岐点に到着。
この頃には雨は小康状態となっており、久しぶりにカメラを取り出す。
撮るもののない天候では、分岐は欠かせない撮影スポットだった。※ 北岳ではたくさんの花が咲いていました。花好きの方には雨でも楽しめるでしょう。

 小休止の間にも、右俣コース、草すべりコース両方から続々と登山者が登ってくる。
このような天候でもお盆ということもあって大勢の方々が山に来ていることを改めて実感。
自分も最後まで迷ったけど、連休を家で過ごすよりは良かったんではないかと思う。
もちろん好天であれば何もいうことはないのだけど。



 稜線まであと一登りというところでトラブル発生。
最後のジグザグのところで、ポールの石突きの片方が取れていることに気付く。
幸いにも取れてからすぐに気付けたので、10mほど下りたところで転がってるのを回収。
この石突きの外れやすさはちょっと問題ありかも。








11:33 小太郎尾根分岐点(2,840m+)

 広河原から約5時間30分でようやく稜線に到達!
でも展望が無いのが残念でならない。

 肩の小屋まで30分という道標を見かけるが、この最後の30分が重いというのはこれまでのアルプス山行で実感してきたこと。
ここでしっかりと15分程度休憩をとる。但し、稜線西側は強風が吹き付けており、登山道の付けられている東側で留まる。








肩の小屋まであと15分

 小太郎尾根分岐から肩の小屋までの標高差は170m。
等高線もそれほど閉じておらず、一部を除いては緩い登りとなっている。
それでも休憩をとったにも関わらず脚が重い・・。
また時折身体が煽られるくらいの突風が吹き付けるので、三脚を立てることも出来ない。

 この視界不良と強風に遭った稜線歩きを経て、明日以降の縦走計画の見直しをほぼ決定することとなった。








12:22 荒涼とした稜線歩きの果てに遂にテン場到着!

 待望の肩の小屋まであと少しのところで、テン場の一つに差し掛かる。
この強風が抜けるところでは張りたくないなあと思いつつ、最後の登りをゆっくりとこなす。








12:27 北岳肩の小屋(3,010m+)到着!

 やっとの思いでようやくようやく北岳肩の小屋に到着・・。
朝から雨に打たれながらの天候の下で、1,500mの標高差を登れたこと自体で大いに達成感があったと正直思う。

 体を休めるのはテント設営後。ということで、さっそく小屋でテン泊の申込を行う。テント設営料金は600円。








北岳・肩の小屋テン場

 稜線上は強風でもテン場は東斜面にあるので、ほぼ微風で終始した。
また設営中は雨も止んでいたことも不幸中の幸いで、しっかりと防風対策をとってテントを張ることが出来た。

 本来であれば、北岳山頂へ軽装で向かうところだが、今日は迷わず先送り。
また明日以降、縦走継続か広河原へ下山するかは朝に最終判断を行うこととして、ゆっくりとテントで骨休めをすることにする。
まあ事前情報では初日より2日目のほうが悪かったので、もう8割方諦めるということで気持ちの整理は出来ていた。

 本来であれば富士山も見える絶景のテン場のはずが、今日はもうすることがない。
小屋でバッジ、水などを購入したりして、夕方近くになって早々と夕食を済ませて就寝モードに入る。

 18時過ぎには早くも寝入ることが出来た。
時折テントに当たる雨音が聞こえていたが、翌日午前2時の携帯アラームで目が覚めるまで概ね熟睡。








 8月16日 2:00頃 アラームにより一旦起床

 前夜から引き続いて雨が降っていることが身を起さなくても分かる。
この時点で縦走継続の可能性はほぼ無くなった。
北岳山頂へピストンして広河原へ下りる行程へ変更ということになるので、
とりあえず3時にアラームをセットしてもう一眠り。




 4:30頃 何度か寝たり起きたりを繰り返して、この頃に起床。

 時折雨がテントに当たる音が聞こえてくる。今日も引き続き悪天のようだ。
今日で広河原へ下山することとして、朝食と撤収準備を始める。




 6:51 北岳肩の小屋出発

 山頂までのピストンとなるので、小屋にザックを置いておけるのだが、
いずれかにリトライする縦走の前準備としてフル装備のままで北岳へ登頂しておくことにする。

 北岳山頂へは小屋の母屋の東側を回り込むようにトラックが始まっている。








北岳山頂へ向けて残す標高差は180m余

 昨日と同じく時折強風が吹き付ける稜線だが、意外に多くの登山者が行き交っている。
自分はというと、昨日の疲れと重装備のために、今日も脚が重く何度か後続の方に道を譲った。




 途中で稜線上にあるニセピークの一つに乗り上げてしまう。
このような視界不良の際にはルート誤りが致命傷となりかねないので、
自分の読図を過信せずに縦走は止めておくべきだろうと改めて感じた。




 稜線上の岩の隙間にポールを突いた際に再び石突きが抜けてしまった。
しかも今回はスノーバスケット毎抜けていてびっくりする!
前日外れたのと同じ側のポールで発生したアクシデントだった。
どうも自分は左側へ重心が寄っていて、結果的にポールを強めに突いてしまうという、スキーと共通のクセがあることを認識した。
ともあれスノーバスケット毎外れるというのは困るので、帰宅後にアロンアルファでしっかり接着した。次の山行からは大丈夫だろう。








 
 7:56 北岳山頂(3,193m)到着

 諸々のアクシデントを乗り越えて、ようやく北岳山頂に到着!
好天であれば大勢の方々で賑わっているはずの山頂も数人程度の貸切状態。

 山と高原地図では50分のところを、今回は1時間も掛かった。
天候次第で山の難易度は容易く変わることを改めて感じた登頂となった。









 居合わせた数少ない東京からの方々と山談義を交わしたりして、展望が無い山頂でまったりした時間を過ごす。
30分近く山頂に居た間も静かなままで、また展望が開けることもなさそうなので出発を決める。




 8:30 北岳山頂出発

 視界不良の中での稜線の下りはやや注意を要する。
好天時には何でもなさそうな区間に思えるが、ふとしたきっかけでルートを誤りかねない。








 8:54 北岳肩の小屋到着

 下りは比較的順調に下ってきて、肩の小屋へ降り立つ。
広河原までの大下りの前にザックを下ろして小休止をとっていく。
幸いにも雨は小雨程度で降ったり止んだりを繰り返していた。




 9:21 北岳肩の小屋出発

 前述の山頂でお会いした東京から来られているお二人さんが下山されてまもなく自分も肩の小屋を出発。
また別の日にここに再訪することもあるだろう。




 稜線上に2、3ヶ所短い岩場の急坂があるので、雨天時の下りは滑落注意。




 9:49 小太郎尾根分岐

 遂に展望を得られないまま稜線を後にする瞬間はやはり残念としかいいようがなかった。
奥穂の時といい、何だかその地域での最高峰の山との相性が悪いような気がする。

 下りはやはり早く、ほどなく草すべり・右俣コース分岐を通過。
下りはピストンを避けるためにも草すべり、白根御池コースを利用する。

 この頃から数多くの登り中の方々とすれ違う。
お盆の北岳の人気の度合いは天候とは関係ないような感じだ。








草原で始まる草すべりコースはまもなく深い樹林帯へ

 登り下りとも多くの方が歩かれているので、僅かな隙を狙って撮影。
草すべりコースは右俣コースと比べても遜色ないほどの急坂が続く。
白根御池小屋で1泊して登りを2日掛かりで登るとしても、決して生易しい登りではないと感じる。
もちろん下りにおいても身体の負担は小さくはない。








延々と急坂の中にジグザグが続く草すべりコース

 最盛期は過ぎたように見えるが黄色い花がたくさん咲いていて、見るものが無い下りの道中を慰めてくれる。
この辺りで再び雨の降り具合がひどくなってきた。








森を抜けて草原状の斜面に出てくる

 何だか見晴らしの良いところに出てきた。これが草すべりといわれるところだろうか。
雨は小康状態になったがガスは相変わらず取れない。
この辺りでは登り下り共多くの方々で賑わっていた。








白根御池が見えてきた

 ガスの向こうにぼんやりと池とテントが見えてきた。
どうやら白根御池に辿り着いたようだ。








11:08 白根御池(2,236m)到着

 地形図にもしっかりと表記されている著名な池ではあるが、見た目にはあまりきれいな水ではないのが惜しい。
池の前からは登りで通過した大樺沢二俣へ抜けるルートがここから分岐している。








しっとりとした雰囲気の白根御池

 実際にはここまでガスっていないのだが、カメラのレンズの曇りが取れなかった。
もう一本替えのレンズを持ってくれば解決出来たのだが、それだけザックがまた重くなるし難しいところだ。








白根御池小屋

 池、そしてテン場を通り抜けたところに白根御池小屋があった。
ここの標高が2,236m。広河原まであと700m超の下りが待っているので、とりあえずザックを下ろして休憩していこう。

 白根御池小屋は深い樹林に囲まれ、なかなか良いロケーション。
ここで1泊してから下山するのも悪くないが、この天候ではテン泊する気も萎えてしまう。
というのも肩の小屋でのテン泊の際、テントはすごい結露のために外だけでなく内側もびしょ濡れの状態になってしまっていたのだった。




11:38 白根御池小屋出発

 小康状態が続いている間に行程を進めようと出発する。
白根御池小屋を左手に見ながら広河原へ向かう。








しばらくは水平道が続く白根御池コース

 白根御池小屋からはほぼ北に向けて等高線に沿うようにトラックが伸びている。
この辺りは地形図の破線道のとおりだった。但し、小刻みにアップダウンを繰り返すので、歩いていて楽なトラックではない。
しかも多くの水分を含んで、地面はぐちゃぐちゃになっている。








南アルプスらしい深い森を歩けるのが白根御池コースの魅力だろうか








12:15 水平道を離れて急登の尾根へ

 この道標を見届けてまもなくトラックは急登の尾根へと向かい、ようやく激下りの再開となる。








右俣コースと同等かそれ以上にタフと感じる白根御池コース

 部分的に尾根が緩くなるところもあるが、基本的に急坂が延々と続く。
下りでもかなり脚力を要するところだが、ここを登るのもかなり体力が必要だろうなと思う。
広河原から北岳(肩の小屋)まで1日で登ってしまうか、白根御池で1泊して2日掛かりで登るのとどちらが良いか。
簡単に結論は出せないような気がする。
但し、白根御池コースを経由するほうが北岳までの所要時間が長くなるという点は頭に入れておくべきと思う。








急坂をカバーするための丸太階段も多数

 濡れている時はスリップしやすいので足運びは慎重に!!

 この白根御池コースを下っている間にも、数えきれないくらいの方々とすれ違う。
単独の方から団体、そして外国人まで様々だった。








白根御池コースに複数あるベンチ

 ベンチに座れる人数は限られるので、場合によっては競争率が高くて座れないことも!?

 この辺りで天のいたずらか晴れ間が見えてきて、正直なところちょっと焦った。
もう1日肩の小屋で粘るべきだっただろうかと思ったが、晴れ間が見えたのも束の間だった。

 但し雨は上がったようなので、暑苦しいレインウェアを久しぶりに脱ぐことにした。








一旦緩むかに見えたが、再び激下りへ








次第に尾根が痩せてくる

 この辺りまで下ってくると、下方から水音が聞こえてくる。
長い長い下りにもようやく終わりが近づいてきたようだ。








淡い日が射し込んで美しさを増す木々

 普段目にしている貧弱な植林とは別格。
沢の水音は段々と大きく近くなってくるが、最後の最後まで急坂が続く。








 
13:50 白根御池分岐点(1,660m+)

 本来の行程を遂行出来ればここへ戻ってくることはなかったので、分岐に辿り着いた時には思わず深い溜め息をついてしまった。
ともあれ、草すべり・白根御池コースの急坂の下りを終えたことでほっとしたのも事実。
でも残す行程は広河原までの緩やかな下りを残すのみとなってしまった。








 
14:10 広河原山荘到着

 前日朝に登ったトラックを順調に下って広河原山荘に到着。
山荘前では下り中に幾度となくお会いした方々とご挨拶を交わす。

 なお奈良田へ向かうバスは14:00に発車したところで次は15:40だった。
一応、奈良田行のバス時刻表を調べておいたことが、幸か不幸か役立つことになった。
時間はたっぷりあったので、泥だらけになっている靴やスパッツを洗い落とし、また家へ下山メールを発信しようと試みた。(携帯は通じなかった)

 そうこうしているうちに再び雨が降ってきた。
止みそうにないので、テン場用としている折り畳み傘を差して対岸にある広河原インフォメーションセンター(バス停)へ向かう。

 インフォメーションセンターでは乗車に先だって、バスの切符を購入しておく。

 広河原・奈良田 間 \1,130 (協力金\100含む)








15:40 広河原より奈良田へ向けてバスで出発

 乗車待ちの人数に対応して、2台のバスが運行してくれた。
見た限りでは立ち客無しの状態で一路奈良田へ向かう。








15:25 奈良田着

 ウトウトしている間に奈良田に到着。

 車に戻って出発準備を整えてから、長い長い帰途に就く。








 〜 終わりに 〜

 自分の判断の如何によっては中止も余儀なくされたお盆の山行でしたが、どうにかピークハントという形で実施することが出来ました。
初めての南アルプスは標高差1,500mを1日でこなした達成感は得られましたが、天候に恵まれず消化不良の感はやはり否めません。
今年は難しいかもしれませんが、来夏以降再び機会を見計らってリトライしてみようと思います。
その時はもちろん、白峰三山縦走という形で実行します。








行程断面図です




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