「早春の高御位山」 鹿嶋神社を起点とする基本的な周回コース
鹿嶋神社大鳥居駐車場〜百間岩〜264.2mピーク〜高御位山〜長尾〜大鳥居駐車場へ 07年1月22日(月)
国土地理院地形図:「加古川」25000分の1を参照して下さい。 始まってみれば想像以上に異常な暖冬となってしまった。いやこれはもはや「冬」とは言えない気がする。 シーズン券で通っている万場スキー場は雪不足のために休業中。隣の奥神鍋はまだ滑れるが、快適なコンディションとは言えない状況だ。 一昔前の自分ならそれでもスキーに行っていただろうが、今日は山歩きに出かけることに。対照的に記録的な大雪となった昨冬からは考えられない事態。 年初に以前から検討していた一眼レフデジタルカメラ(通称:デジイチ)を購入・・。遂に買ってしまった。当分旅行はもちろん、他のことが何も出来なくなった。 ともあれこれで冬の間にゆっくりと操作に習熟し、春から本格的に活用するつもりだったが、この異常気象のためにいきなり山歩きに持ち出すことになった。 以前、フィルム時代に一眼レフを使用していたが(既に壊れた)、10年近いブランクがあったためにとにかく練習が必要だと考え、 歩き慣れた短距離のトラックである高御位山(しかもごく基本的な周回コース)を選択した。 このコースはたいへんポピュラーなものであり、「ふるさと兵庫50山」 神戸新聞総合出版センター刊 をはじめとして、多くの方がサイトでご紹介されている。 今回はコースの詳細を詳述するいつもの趣旨ではなく、見慣れた山を一眼レフで撮影するとこのようになるというようなサンプル写真集の趣でいこうと思う。 一眼レフ購入を検討されている方に参考になれば幸いであります。 使用している機材は以下の通り・・・ ● カメラ本体 : Canon EOS 30D ● 超広角ズームレンズ : EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM ● 標準ズームレンズ : EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM ● 望遠ズームレンズ : EF70-300mm F4-5.6 IS USM これまで使用していたコンパクトデジカメ、Lumixはガタがきていたので修理に出している。戻ってきたら一緒に活用する予定。コンパクト機の機動性は捨て難いものがある。 フィルム時代に使用していた一眼レフもCanonであり、自分にとっては違和感なく馴染めるだろうという自然な選択だった。以前のものには50mmの単焦点標準レンズが 初めから付いており、当時はこの1本の標準レンズだけで色んなものを撮っていた。 とりあえず上記の3本のレンズがあればあらゆるものを一通り表現できると思う。理想的にはこれにマクロレンズを加えると「摩耶山さん歩」さんや、「播州野歩記」さんの ように山野草のクローズアップまで表現対象が広がるが、それは今後ゆっくり検討していくことにしたい。今のところはあらゆる意味でこれが限界である。 6:10 自宅出発。夜明けを撮るつもりだったが、寝過ごしてしまい出発が遅れてしまった。車はスタッドレスタイヤ装備だが向かう先は鹿嶋神社・・。 6:45 鹿嶋神社大鳥居駐車場到着。プランでは東の長尾地区の駐車場に停めるつもりだったが寝過ごしたので計画変更。車道歩きは後に廻す。 6:50 鹿嶋神社大鳥居駐車場出発。もう薄明るくなっているので日が昇ってからの写真しか撮れないだろうが仕方がない。鳥居をくぐって参道に入ると、 立ち並ぶ灯篭の全てに破魔矢が無数に差し込んであるのを見てびっくりする。自分は破魔矢を買ったことがないし、今年も初詣自体行ってないので、 よく分からないが灯篭に差し込むものなのだろうか。事の善し悪しは別として美観上ははっきり言って良くない。神社の方が片付けられるのだろうか。 境内を急ぎ足で素通りして百間岩へ向かう。参拝よりも撮影のほうが自分にとって遥かに大事だ。 森の中の暗い区間があるのでヘッドライトを用意していたが全く必要なかった。 ちなみに今日の山歩きは撮影しまくりながらなので、所要時間は全く参考にならないことを付記しておきたい。 |
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7:17 急斜面の百間岩を登りきった辺りで撮影練習に入る。(左) 初めてデジイチを三脚に預ける時間は非常に緊張した。いつも以上に慎重に三脚をセットする。 レンズ交換も緊張の連続。絶対に落とさないように腰を下ろして自分の太ももでテーブル代わりにして交換。スキーのエッジよりもよほど気を遣う相手だ。 これまで山歩きで使っていたコンパクトデジカメと違い、撮影準備も大層に感じる。慣れればなんてことはないかもしれないが・・。 山歩きのためにレンズ付きボディの状態で収納出来るカメラバッグを用意。(ショルダータイプ。肩からたすき掛けしている。長い望遠ズームレンズを付けての収納は無理。) 交換レンズ2本はザックの中で待機させている。山歩きではやはり広角、標準ズームレンズの使用頻度が高く、ザックを下ろさなくてもこの2つを交換出来るようにするのが今回見つけた課題。 カメラバッグ自体は出来るだけ軽くしたほうがよいと思ったので、交換レンズはもちろん入らない。せいぜいブロアーやレンズペーパーくらい。これは良い選択だったと思う。 急ぎ足で登ってきたおかげで日の出ちょうどには間に合わなかったが、日の出直後の写真を撮ることは出来た。(右) 1枚の構図で極端に明るさが違う場合、どこで測光するかが非常に重要だが、こういう時のためにAEB撮影(オート・エクスポージャー・ブラケティング撮影)という 3段階に露出を自動的に変えて撮影する機能があるのだが、まだ使いこなせていなかったので、日の出のこの構図の写真は適当に撮ったこの1枚しかない。 |
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朝日が照らす百間岩 超広角レンズは今回初めて使用したが、標準ズームレンズではありえない視界の広がりを表現出来るという。 ファインダーを通して初めて視野を見たときは驚いた。しかし、良いこと尽くめではなく、画面周辺のものは歪んで写るため、自分も実際より太って見える。 人物を美しく見せなければいけないポートレート写真には全く不向きのレンズだと実感する。でも景観の良いところでは正に絶大な威力を発揮すると思う。 |
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8:00 気が付けば百間岩の最上部に40分ほど留まっていた。そろそろ他の景観の撮影に移ろうということで行程を進める。 ここからしばらくは緩やかな道が続く。 |
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望遠ズームレンズで撮影してみたら姫路城までくっきりと写すことが出来た。ちなみに三脚は使用していない。 レンズに手ぶれ補正機能が付いているとはいえ、望遠にすればするほどぶれやすくなるので、決定的瞬間を失敗しないために撮影には非常に気を遣う。 それにしても300mmもの焦点距離にもなると、肉眼でも確認出来ないものも見えるようになるので望遠鏡にも使えそうだ。これからは鳥などを見かけたら狙ってみよう。 |
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高御位山遠望 送電線北の210m+ピーク辺りから高御位山方面を眺める。これは標準ズームレンズで最も広角にしたもの。 今日撮影した写真は全てピクチャースタイル「風景」で撮影した。手前から奥までの深い被写界深度、そして高コントラストを得られるという。 山歩きは基本的にこのピクチャースタイルでいけそうだ。 |
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8:20 高御位山へ向けての稜線歩き 一つ前の写真とほぼ同じところから撮影。但し超広角レンズに付け替えてみた。 1枚の写真に多くの情報を詰め込めるところが最大の魅力だと思う。人物もこれくらい離れていれば歪も目立たないようだ。 この辺りでペットボトル片手に歩いている地元の方と思しき人、2人とすれ違う。 とても素晴らしい散歩道を日常的に歩いていてうらやましい環境だと思う。 |
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264.2mピーク付近より西の稜線を眺める JR曽根駅近くの南端の稜線まで眺めることが出来る。手前側の岩がちな尾根辺りが特に好きなところだが、 超広角レンズではあまり目立たなくなってしまうようだ。いつでも広角で撮ればよいというわけでもないので、レンズ交換の手間は惜しんではいけないだろう。 手際よく交換できるように工夫が必要だ。 |
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264.2mピーク 頂上が広くて平らな264.2mピークを通過。ここの三角点の保存状態はかなりひどい。角が欠けて赤ペンキまで塗りつけられている。 いくら鹿嶋神社に参拝しようが賽銭を増やそうが、ここで三角点を傷つければ願いは成就されないのではないか。 |
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9:15 馬の背分岐を直進 ここから南下すれば30分程度で大鳥居駐車場まで戻れるが、それではあまりにも早すぎるので予定通りに高御位山まで向かうことにする。 木々が木の葉を完全に落としているのを見て今が冬だということを改めて思い出した。深刻な雪不足だが・・。 |
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高御位山へ向かう この写真を見る限りでは、町のすぐ側の山とは到底思えない。 桶居山へ向かう分岐までは何度となく歩いているが、そこから東は以前に1度歩いたことがあるだけで殆ど忘れている。 264.2mピークより西のアップダウンに比べればずっと軽い、緩やかなトラックが続いていた。 |
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緩やかにアップダウンを繰り返すうちに暑くなってきた。今が1月というのを忘れそうだ。これは本当に冬ではない気候だ。 |
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10:42 高御位山山頂到着 境内より一段高い、この岩棚が実質的な山頂になるだろう。この写真は超広角レンズで空間の広がりを表現したかったが、やはり視界の端に入ると人物が太って見える。 |
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高御位神社の脇にひっそりとある三角点299.8m。地形図にそう書かれているのだが、300mちょうどにすればすっきりするのにと思うのは自分だけだろうか。 上記の岩棚のほうが人の背丈以上に高いので、野歩記さんが記述されているように、高御位山の標高は300mを越していると考えて差し支えないと思う。 そこそこの広さのある境内はひっきりなしに人々が行き交う。ウォーキング中の地元の方、自分のようなハイカー姿の方と様々だ。 平日ではあるがなかなかの賑わいだ。 |
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雪の無い北方の山々・・。笠形山方面遠望 昼からは下り坂という天気予報が出ていたが、それを感じさせる雲が近づいてきている。今日は半日プランにして正解だったようだ。 ここでお話した地元の方に聞いたのだが、昨年の冬は笠形山が白く見える日が多かったという。今年は青々としているが・・。 |
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高御位神社前に立つ飛翔碑にて 普段は被写体を忠実に捉える標準ズームレンズを使用するのがやはり良さそうだ。 以前は単焦点レンズを当たり前のように使っていたが、コンパクト機によってズームレンズの便利さに慣れてしまった今となってはもう手放せなくなっている。 自分の位置を変えるよりも前にズームのほうを動かしてしまっているが、始めに教えてもらったことが「(撮影前に)一歩前に踏み出せ」、だったと思う。 |
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高御位山山頂の岩棚 昔の人々が神が住まうところと思った雰囲気が充分に感じられる。 超広角レンズによる歪みも、被写体によっては問題にならないと思った。 |
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超広角レンズでは馬の蹄の形をしている高御位山系の全貌を捉えられることに驚いた。 11:30 ひとしきり撮影した後で下山を開始する。 高御位神社から東へ少し下ると長尾へ向けて南への分岐を下る。この辺りで自分撮りをしたかったが、風が強くて躊躇してしまった。 コンパクト機を修理に出したきっかけがまさに「風吹岩に三脚を倒したこと」だからだ。三脚ももっと頑強なものが良いのだろう。 しかしそうなると重くなるし・・。良いものは軽いがやはり高いだろう。次から次へと金がかかりそうだ。 |
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長尾へのトラックは中盤に百間岩と同様の広い岩場を通過する。傾斜はこちらのほうが緩そうだ。 この岩場でお菓子を食べて小休止を取ることにする。山頂付近で吹いていた風は幾分穏やかになった。 最後はうっそうとした森の中に入って、長尾の集落の外れに出てくる。 時折曇ることがあったが、今日は終始好天の元歩くことが出来た。 |
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12:13 長尾登山口に降りてくる 柿の木に見送られて登山口を後にする。登山口からは高御位山山頂付近がかなり近くに見えている。 長尾地区にある池の端の駐車場までならすぐだが、今日は寝坊のおかげで大鳥居駐車場に停めたので、最後に20分少々車道を歩かなければならない。 道すがら高御位山の端正な姿を眺めることが出来る。東から見ると播磨富士の異名が合う姿だが、南から見てもなかなかのものだ。 12:33 鹿嶋神社大鳥居駐車場到着。広い駐車場はけっこうたくさんの車で埋まっていた。参詣者かハイカーの利用が多いのだろうか。 撮影はやはり英会話と同じで実践が大事と改めて実感した。実際に使ってみて分かることが非常に多い。 この調子で慣れていくと、いずれまたNZへ撮影に行きたくなるのは目に見えているような気がするが、とりあえずそれは忘れておこう。 今はそれよりもこの冬の異常さが深刻な心配事だ。今は新しいウェアのことも忘れたほうがいいようだ。 |