「天下台山・北尾根から東尾根周回」 2014年11月30日(日) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「相生」 〜 はじめに 〜 3年前になりますが、一度同じ時期に岩屋谷公園から御津山脈を経て柏公園まで縦走しています。 複雑な海岸線を近くに眺められるこの山域の雰囲気は、六甲や高御位山辺りでは味わえないものです。 低山ゆえに初冬の今がまさに適期ということで、母と親戚のかのこさんにも楽しんでもらおうと計画しました。 2人連れなのと、下山後に室津に立ち寄ること、そしてかのこさんが夕方から所用があることを踏まえて、 昼頃には下山出来るやや短めのプランです。 但し、下山に歩く東尾根は自分も未踏のルートであり、中身は薄くならないでしょう。 岩屋谷公園への道筋はやや分かり辛い。国道2号線那波交差点を南へ曲がってすぐの陸橋を渡るのがポイント。 後は谷奥へ向けて車を走らせ、小川の西側に沿う道へ入ること。 6:30 岩屋谷公園駐車場にて待合せ 天下台山を選んだのも、かのこさんとの合流のしやすさを考えての選択だった。 公園のトイレに立ち寄ったりして出発準備を整える。 広い駐車場があって登山基地としても最適だが、周辺は住宅街なので静かに準備しよう。 |
行程概要 ![]() 天下台山は遊歩道並みの岩屋谷公園からの直登コースをはじめ多くのコースがあります。 北尾根は程好く手入れの行き届いた気持ちの良い尾根道。 一方、東尾根はややヤブっぽく、道標も手作り感抜群の自分好みのルートです。 ルートが不明瞭な箇所、枝道もあるので、読図しながら歩くことが望ましいでしょう。 |
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6:47 岩屋谷公園駐車場出発 ようやく薄明るくなってきて出発する。今日の行程は3年前と同様にお気に入りの北尾根を登ることにした。 山行の風情は良いし展望にも恵まれた良いコースと思う。 北尾根に関しては3年前に詳述しているので、今回は簡略して記したい。 |
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6:49 北尾根登山口 北尾根の末端にある墓地から登山開始だ!小さいが道標があるので難なく見つかると思う。 近所迷惑にならないよう山中に入ってから鈴を鳴らす。まあこの山にはクマは出ないだろうけど鳴らしておけば落ち着くということで。 お二人もいつものように遠慮なく大きな声で話しながら登っていく。 |
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7:10 150m+送電線鉄塔 北尾根は僅かに登るだけですぐに展望が広がるのが良いところ。 相生の街の向こう、上郡方面のみ雲海に覆われていた。 母は覚える気はないので登山者として困ったことだが、かのこさんは読図の練習中ということでアドバイスしながら小休止をとる。 |
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7:20 160m+ピーク 送電線から僅かに登って160m+ピークを通過。 今まで見えなかった253mピークが南側にどっしりと構えている。 自分しか写っていない写真はこの後も何枚かあるが2人は殆ど先行している形となっている。 |
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とんび岩 160m+ピークを僅かに南下したところで、天下台山のシンボル的存在?とんび岩に差し掛かる。 岩屋谷公園や向かいには東尾根の景観が素晴らしい。 ところでかのこさんには詳細な行程を告げていなかったのだが、東尾根を下るというのは全く想定していなかったよう。 かのこさんは読図の練習中なのでちょうど良い行程になると思う。 |
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253mピークへの登りの途中。かのこさんは暑くなってレイヤリング調節中 | とんび岩。遠くから眺めると嘴っぷりがよく目立つ。 |
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7:58 253mピーク 烏帽子岩に立ち寄ってから広い253mピークに到着。 手前のミニピークに重なるように、天下台山が既に見えている。 |
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天下台山の前衛、280m+ピークへ向けて南下 このアップダウンはやや地形が複雑。分岐もあるので読図練習には役立った。 |
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8:25 260m+送電線鉄塔 280m+ピークの少し手前まで登ってきた。 この日は朝のうちはまずまず空気が澄んでいて、近くは龍野周辺の山々、そして明神山や笠形山まで見通すことが出来た。 |
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8:30 280m+ピーク 天下台山が間近に見える280m+ピークに到着。写真では写っていないが、このピークからも海が見える。 二人とも初めての山なので、相生湾の眺めは新鮮な景観だったよう。 暖かい日差しの下で小休止をとった。 |
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8:47 東部墓苑コースと合流 3年前、いきなり広い道に飛び出してびっくりした分岐に差し掛かる。 東部墓苑コースは西側から天下台山へ登るメインルートで、地形図でも破線道表示がある。 |
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8:58 天下台山山頂(321.31m)到着 東部墓苑コースと合流するとすぐに南北に広い天下台山山頂に到着! 高御位山とほぼ同じ標高の低山ではあるが、周囲360度の大展望が楽しめる素晴らしい山頂だと思う。 二人に3年前の行程を実際の景色を見ながら説明。 いずれは御津山脈も歩いてもらいたいが、野瀬奥山周辺は文字通りのイバラの道。 とりあえず今日は止めておくべきだと真っ先に考えた。 ここで記念写真撮影やティータイム、そして地元の方々との山談義でやや長い山頂滞在時間をとった。 |
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9:47 天下台山山頂出発 1時間近い滞在ののち、ようやく天下台山山頂を出発。 思っていたよりは長い滞在となったが、今日の行程の距離であればゆっくりしてもいいだろう。 岩屋谷公園から通じているよく整備された遊歩道を下っていく。 |
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9:58 東尾根へ向かう 3年前はここから野瀬奥山へ向けて引き続き南下している。 今日は東尾根へ周回するので、ここからが自分にとっても未踏区間となる。 分岐周辺は関電の巡視路なので、草刈りまでされてしっかりと整備されている。 |
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10:04 250m+送電線鉄塔 広い尾根に立つ送電線鉄塔に突き当たって巡視路は終点となる。 東尾根コースは天下台山から歩いてくると、尾根を道なりに進む形でヤブへと入るように続いていく。 広い巡視路で見慣れると分かりにくく感じるが、しっかりした踏み分け道となっているようだ。 一応方向確認してからいよいよ東尾根コースへ突入していく。 |
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286mピークへ向けて 286mピーク本体へ取付くまでは高低差の少ない広い尾根を辿っていく。 尾根が痩せていない分、地形をイメージしたうえでルートファインディングをしっかり行う。 この付近ではややルートが不明瞭な箇所が見受けられるが、 尾根が右カーブを始めるところの西側にある240m+ピークの存在を目印として意識した。 なお母にとってはこれまでの山行で最もバリルートの範疇になるが、意外にもヤブに対する抵抗感は無いようだ。 |
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286mピークへの登りの途中 振り返ると先ほどまで居た天下台山がよく見えた。 286mピークへ登っていく時は暑いくらいだった。日当たりが良いうえにヤブっぽい山腹には風が全く通っていなかった。 時々振り返ることは方向感覚や距離感を感じることで、読図の役にも立つということを伝えたかった。 |
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10:24 286mピーク到着 天下台山とさほど標高が変わらず東尾根の中で最高地点、そして周辺からもよく目立つ存在の286mピークに到着。 展望も三角点も無いものの、ピーク上には標高を表示した案内板がきちんとある。また東へ向かう枝道も分岐している。 このピークで休憩中に北からご夫婦の方が到着されるが、驚くことにかのこさんの山友さん【山登りを楽しもう!】のmkさん、kokoさんだった! そのまま自然と山談義になるが、この前の週には段ヶ峰周辺をご一緒されていたよう。 自分が裏明神を歩いていた時だが、段ヶ峰周辺はあいにくの天候でかなり寒かったようだ。 mkさん、kokoさんはこちらと真逆の行程で周回されていて、この後下山してから岩屋谷公園で再会することになる。 先週まででも明神山で多くの方々と出会ったばかりで、登るたびにどなたかと出会う奇遇が続いている。 10:41 286mピーク出発 mkさん、kokoさんと別れを告げ、東尾根の北上を再開する。 |
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見通しの利かない雑木林の尾根 次の目標はほぼ真北にある220m標高点ピークだが、既に木々の向こうに薄らと透けて見えている。 その手前直前まで約70mの標高差をゆったりと下っていく。220m標高点ピークまでの登り返しは10m程度。 |
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木々が疎らになっているところはヤブっぽい | 龍野方面の景観が開ける |
雑木林は防火帯のように木々が無くなっているところもある。 やはりそこではヤブっぽくなっているが、踏み分け道となっているのは分かる。 この辺りで再び2人組のハイカーさんとすれ違う。 その方から、先の道中で季節外れの花が咲いているという情報を得る。 花に疎い自分が見つけられるだろうか。 途中で東側が開けるところに出る。さほど遠くないところにある龍野の街まで見通せる。 2014年大河ドラマ「軍師官兵衛」の序盤の舞台になった街として改めて今年を振り返る思いとなった。 基本的にTV自体じっくりと観ることは少ないが、官兵衛は1年を通してしっかりと視聴。 カットされている要素は多いと感じるが、ドラマとしては充分満足出来る良作だったのではと思う。 そういえばしばらく龍野の山に行っていないな。 |
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11:09 220m標高点ピークすぐ南の分岐 まもなく220m標高点ピークというところで、シダに覆われた分岐に差し掛かる。 自分の予想ではルートはピーク上を通るのではと思っていたのと、岩屋谷公園を示す案内板がすぐに目に付かなかったことで周辺状況を確認する必要性を感じた。 二人には分岐で待っていてもらい、自分だけ220m標高点ピークまで行ってきた。 するとピーク上からは北へ向けてルートが下り始めたので、元の分岐から西へ向かうほうが東尾根のルートであると判断。 分岐に戻ってくると二人が岩屋谷公園の道標を見つけていたので結果的に確認作業は徒労に終わったが、 バリルートにおいては慎重さを要する必要性は伝わったのではないかと思う。 分岐上で辿ってきた286mピーク、天下台山を振り返りながら5分程度小休止をとった。 |
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更に続くヤブっぽい東尾根 東尾根ルートは220m標高点ピークの西側を巻いて、ほぼ90度方向転換。 山肌を下る部分はやや足場が悪いが、二人は果敢にサクサク前へ進んでいく。 この分なら遠慮なく大概のバリルートの山に連れていけそうだ。 200m+ピークは尾根状の僅かな起伏のようで、今ピークを通過したという感じが希薄。 |
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11:28 210m+ピークから少し南の展望地 しばらくヤブっぽい局面が続いたが、ここにきて展望溢れる心地良い稜線となる。 岩屋谷を挟んで西側には朝方登った北尾根がよく見える。 繰り返しになるが自分自身も初めて見る光景なので、二人と一緒に楽しんでいる。 離れたところから見ていてもとんび岩はよく目立つし、253mピークが意外にも堂々とした山容で見える。 日当たり良好で暖かくて居心地が良いので、ここで10分程度小休止とした。 |
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210m+ピークへ向けて北上 次の目標は東尾根の中でも目立つ210m+ピーク。 40mほど登り返すだけのミニピークではあるが、整ったお椀型の山容はなかなか堂々としたものだ。 |
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210m+ピークへの登りの途中で今日の行程を振り返る 意外にも木陰が殆どなくて暑いくらいの登り返しだったが、おかげで北尾根、東尾根を見渡すことが出来た。 今日は天下台山北側のみのコンパクトな行程ではあるが、なかなか変化に富んだ楽しい道程だったように思う。 |
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11:54 210m+ピーク 山頂は一転して展望のない210m+ピークに到着。 このピークは南北に長い楕円形の地形で、縦走するにはほぼ道なりに北へ進んで行く。 |
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170m+ピークが見えてくる 210m+ピークから緩やかに下っていくと、東尾根は左ターンを描いていく。 地形図では「那波野」の文字が重なって見辛いが、尾根状には170m+ピークがあって そこから岩屋谷公園へ向けて下りが始まるはずだ。 |
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12:09 160m+より東尾根を外す 220m標高点ピークの時と同様、170m+ピークに辿り着く手前でルートは尾根を外し始めた。 ここは170m+ピークの西側山腹で、ここから激下りが始まる模様だ。 一呼吸おいてから下り始めることにする。 |
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岩屋谷公園へ向けて激下り開始 地形図どおりの激下りが始まった。 激下りの標高差は合計で130mほどだが、岩屋谷公園へ着くまで気を抜かないようにしたい。 自分が撮影している間にも二人はどんどん下っていく。 次の目標は90m+にある送電線鉄塔。そこからは歩きやすい巡視路となるはずだ。 最初は送電線鉄塔は見えないが、北尾根の160m+ピーク付近から伸びてくる送電線が目印となる。 |
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天下台山から伸びる北尾根のパノラマ 東尾根は絶好の北尾根の展望台だった。 下りの途中で足を止めると、北尾根の行程を詳細に振り返ることが出来る。 東尾根は北尾根と比べるとあまり歩かれていない印象を受けるが、尾根歩きの対象としては決して見劣りしないと思う。 |
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12:25 90m+送電線鉄塔 最初は見下ろしていた送電線鉄塔に辿り着き、約70mの激下り前半が終わった。 北尾根のとんび岩のほうが高くなっているのを眺めて、下げた標高を実感出来る。 北側山腹に伸びる巡視路にも目が留まるが、これは北隣の送電線鉄塔を目指すものと思われる。 岩屋谷公園へはあと60m下りを残すのみで、鉄塔の奥から下り始める巡視路へ方角を確かめてから進む。 |
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90m+送電線からの下りで咲いている花を見つけた すれ違った方から言われていたことをすっかりと忘れていたが、通り掛かってすぐに目に付いた。 自分が知っている数少ない花のコバノミツバツツジに見えるが、この初冬の時期に咲くことがあるのだろうか。 でも理屈はともかく良いものを観れたと二人も喜んでいた。 |
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岩屋谷公園と北尾根が近づいてくる 90m+送電線鉄塔を過ぎると、巡視路ということもあって手入れされたルートとなる。 但し最後まで岩場もあって、なかなか飽きさせない道のりだった。 岩屋谷公園が近づいてきて、公園で憩う方々の姿も見えてくる。 |
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12:40 岩屋谷公園・東尾根登山口到着 飛び出したところは公園のトイレの脇で、文字は消えかけているが「東尾根コース」と辛うじて読める道標がある。 岩屋谷公園はその名のとおり北と東の両尾根に挟まれた別天地という雰囲気の落ち着いた公園。 距離は短いながらも内容盛りだくさんで大盛り上がりだった山行の余韻を楽しみつつ、公園でしばし小休止をとる。 すぐ隣の駐車場に戻ると、同時にmkさん、kokoさんも北尾根から下山されてきたところで首尾良く再会となりました。 全く逆向きに歩いてはいても、何だか山行を共に出来ましたように暫しの団らんを楽しんでからお別れしました。 またどこかの山でお会いすることもあるでしょう。 〜 終わりに 〜 天下台山は低い山ではありますが、放射状に多くの登山道が伸びています。 行程を組み立てるのが楽しい山で、回数を重ねたくなります。 但し整備具合は登山道によってかなり異なるので、事前の下調べは欠かさず行いましょう。 東尾根は地形図とコンパスで読図を行うのがベターと感じます。 なおお二人ともヤブに対して拒否反応は示さなかったので、いつか御津山脈へ縦走する行程を組んでもいいかなと思いました。 |
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行程断面図です![]() |