「白山から妙見山」
07年6月11日(月)
国土地理院地形図:「谷川」、「中村町(ごく一部)」25000分の1を参照して下さい。 白山・妙見山は以前から候補に挙がっていたが、梅雨入り前の好天に誘われて出掛けてきた。 この山域は全く初めてということもあり、展望抜群の楽しい楽しい尾根歩きを満喫することが出来た。 白山へは各方面から多くのルートが拓かれているが、今回はメインルートといえる前坂ルートを経由して、白山から妙見山へ縦走。 そして北の峠道を利用して黒田へ降りてくるという行程である。 今回の山行で参考にさせて頂いたウェブページ、及び書籍は以下の通り・・ 播州野歩記さん、 「黒田庄町の山、妙見山と白山」 (ルートは大幅に異なっています) 神戸新聞総合出版センター 新版ふるさと兵庫50+8山 P.92 「白山」 4:55 自宅出発。 今回は約5ヶ月ぶりに車利用での山歩き。ガソリン代もバカ高いし列車を利用したい気もあったが、既に数年前に電化されてしまって 自分の好きな気動車が駆逐されてしまった加古川線に乗る気にはなれなかった。とはいうものの加古川線の電車をまだ直に見たことがなかったのでついでに撮影はすることになるが。 5:55 前坂登山口隣の駐車場到着。 上記の書籍には「付近には駐車場が無い」と書かれているが、登山者向けとしてグラウンド脇を駐車場として利用することが出来てありがたい。 登山靴に履き替え、ウォーミングアップをして出発。前回は「六甲縦走」でひたすら歩いたが、今回はいつもの撮影を楽しみながら、地図読みしながらの山歩きである。 |
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6:03 大歳神社(前坂登山口) (左) 登山口のはずが一瞬立ち入り禁止になっているのかと思った。どうやら鳥居が壊れそうになっているようだ。よく見ると鳥居脇から入れるようになっている。 短い階段を上がるときれいな花がいっぱい咲いていて、いきなり目を楽しませてくれる。(右) もう一回階段を上がったところが本堂のある境内になっている。 |
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6:13 境内脇から山道へ入る (左) そこそこ広い境内の隅には立派な案内板が設置されている登山口があった。山道に入る前に地形図を見たり、虫除けスプレーを吹きかけたりする。 実際には鳥居から登山口まで10分もかからないので念のため。 はじめは薄暗い森の中を緩やかに登っていく。踏み跡はとても明瞭でよく登られている山だとすぐに実感する。 トラックは大歳神社のすぐ南まで突き出た尾根を目指しているようですぐに尾根上に到達した。 そこからは正面に304mピークを見据えながらの尾根歩きになる。尾根上の巨岩などを避けながら歩きやすいところを選んでトラックが敷かれている感じだ。 (右) 初日の出を拝みに登る山にもなっているということで、とにかく安全にということだろうか。 それへの配慮からかもしれないが、白山頂上まで延々と100mおきに「白山頂上まであと●●●●m」の表示がされている。 個人的にはカウントダウンされているようでいささかせわしなく感じる。 |
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304mピークまでの尾根はだいたいが低い潅木が生い茂っている。高い木は少ない分ところどころで周囲の景観が開ける。(左) 6:56 松尾の辻 (右) 程よい斜度のトラックを登っていくと、公設案内板で「松尾の辻」と表記されているところに到達。ここで小休止をとる。 「松尾の辻」とあるから分岐になっているのかと思ったがそうではないようだ。ここでも尾根上の巨石を避けてトラックが敷かれている。 地形図によるともう既に304mピークまであと少しのところまで登ってきている。最初の登りの区間もそろそろ終わりのようだ。 ところがトラックはこの後南方にカーブしながら304mピークを巻きにかかる。登り当初から最初の目標に据えていたピークだけに少々肩透かしをくらった思いがする。 この後も白山頂上まで基本的にピークは避けてトラバースするパターンが繰り返される。とにかく安全に省エネで歩くのが基本的な戦略のようだ。 人生論っぽい文章で馴染み深い兵庫登山会の案内板がもしあったら表現に困りそうな気がする。 現実は白山のトラックのようにピークを避けてトラバースするようなことは許されない問題が山積みだが・・。 最近は毎日が“年金”のニュースで騒がしいが、仮にきちんと社保庁が今まで年金を管理していたとしても、 現役世代が支える今の仕組みのままでは破綻するのは当然の帰結なのだ。お金が湧いて出てくるわけではない。 どんどん少子高齢化が進むのだから。記録が消えたというか消されていたことでとどめを刺されたようなものだ。 「人は見たいと思う現実しか見ない」とユリウス・カエサルが言っていたが、自分は夢を見ることなく現実を見たい。 はっきり、包み隠さず収支報告をしてもらって、数十年後に殆ど無い同然の年金受給額がいくらなのか示してもらいたい。 自分の予想では、上手く言っても払わされた分がそのままの額で戻ってくるのではないかと思っている。既に制度としては崩壊していると言って支障はないだろう。 特に自分も含めて若年層はもはや年金に頼るなどと甘い考えは捨てなければならない。おそらく将来は“定年”、“老後”などといった概念は無くなるだろう。 余程金持ちでない限りは、体が動く限り働き続けなければならない。その為には身体を鍛え続けることがより重要になる。介護も医療もより金がかかるものに なることは想像も容易だからだ。 そのためにはまず今までに勝手に払わされた年金保険料を返してほしいものだ。 いい加減な管理をしていたことは、顧客(国民)からみれば充分に解約理由になると思うのは自分だけだろうか。 今の論点はとかく責任のなすり合いと出ない電話応対だけに偏りがちだが、いつ今の形を改めるのか、はたまた廃止するのかという視点が若年層にとってはより重要なことだ。 まあ最低限、歴代の社保庁長官の退職金を召し上げて年金受給の足しにするくらいはすぐにでも行うべき策だろう。 足腰を鍛えるにはとにかく山歩きは最適だと思う。自分はただのウォーキングやランニングでは続かないが、やって楽しいことは続けやすい。 |
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左手に304mピークを巻きながら、南隣の300m+ピークとの間の吊り尾根へ向かう。もう高低差は殆どなく、トラックは平坦でとても快適だ。 |
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7:10 270m+コル到着 トラックはほどなく吊り尾根に乗る。270m+コルはなかなかの好展望だ。初めての展望を楽しむために、ここでしばらく休憩する。 南北には同じような高さのピーク、東西にはそれぞれ全く違った景観を楽しめる。 西には車を停めている前坂地区を眼下に望める。加古川線の線路も見えるようだが、当分列車は来ないので残念ながら望遠レンズの出番はなかった。 そして立ち木が被っているが、遥か西には笠形山まで霞んで見える。左端には端正な山容の300m+ピークがあるが、ここから尾根で結ばれているようだ。辿れるのだろうか。 |
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白山・妙見山遠望 反対の東側にはこれから歩いていく山々を眺めることが出来る。ここで初めて白山・妙見山の山頂を見た。特に白山は地形図でも分かるように周囲の等高線が混み合った 尖がったピークが特徴だ。なだらかな妙見山は展望が無いことは分かっているが、とにかく白山の山頂がどのようなものかとても楽しみにしながら歩いていける。 ちょうどこの頃、東方には怪しげな雲が広がっていて、立っている270m+コルにも時折突風が吹きつけてくる。いかにも天気が崩れそうなパターンで少々心配になったが 結局この日は終始「晴れ時々曇り」の好天が続いた。 |
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北には304mピークが間近に見える。そして270m+コルからマーキングの付いた踏み跡がピークに向けて続いているのを確認する。(左) 前坂から登ってきて巻いてしまったピークなので登ってみようと思った。コルからの標高差も僅か30mほどだ。 しかし、最初はそこそこ明瞭だった踏み跡が少し登っていくとヤブ漕ぎを強いられる状態に変わっていく。 冬ならともかく今の時期にヤブ漕ぎをしてまでピークに固執する気にはなれずに引き返した。いずれ寒い時期に再訪することにしよう。 7:30 270m+コル出発 充分に東西の景観を楽しんだのでそろそろ出発することにする。すぐ南には等高線の閉じた300m+ピークがあるが、ここでもピークに向かうことなく 北東の山腹をトラバースしていく。 (右) 一応ピーク、そして南西へ伸びる尾根を目指すトラックがあるのかと注意して右手を見ながら歩いたが、 はっきり踏み跡と認識出来るところは無かった。 300m+ピーク北東山腹を緩やかにトラバースしていくと程なく尾根に乗った。そこは秋谷池から登ってくる別ルートとの合流点でもあった。 |
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7:38 秋谷池コース出合 これほど好展望の分岐も珍しいのではないだろうか。この辺りは痩せ尾根になっていて、分岐の案内板があるところはそのままはっきり認識出来る峠にもなっている。 ここでは北以外の270度の景観を楽しむことが出来る。もちろん小休止をとった。270m+コルから好展望のおかげで行程の進み具合が遅くなった。 次は南東に見える300m+ピーク(等高線は閉じていない)を目指す。北側には岩場の表記があるが、どのような光景が待っているのか楽しみだ。 |
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300m+ピークへ向かう吊り尾根も景観抜群の最高の尾根道だった。ここはただ通過するだけではもったいない。しっかりと眺めを楽しみつつ歩いておこう。 日が高くなるにつれて日差しが強く、少々暑くなってきたが程よい風が吹き付けてかなり暑さをしのぐことが出来た。 |
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7:52 またみのずれ通過 (左) 例によって再びピークをトラバースしていく。岩場の表記は小さなガレ場を指していたのだろうか。ほんの短い区間だがなかなかスリルがあった。 「またみのずれ」と公設の案内板があったがどういう意味なのだろうか。それはともかく“またみのずれ”からは初めて北方の景観が広く見渡せた。 (右) 帰路に通過する黒田の集落が小さく見える。そして人工ではあっても池がある光景はなかなか良いものだ。 |
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白山・妙見山へ続く主尾根に乗る (左) “またみのずれ”からすぐに再び尾根に乗る。相変わらず好展望の素晴らしい尾根道だ。300m+ピーク(等高線は閉じてない)を背にして、次は397.2m三角点ピークを目指す。 ここから見ると397.2mピークは一つのピークに見えるが、実はそのすぐ手前に360m+ピーク(等高線は閉じてない)が重なっている。地形図を見ると、南から平らに見える尾根が 上がってきているのが397.2mピークだ。 しばらく高低差の無い尾根道だが、360m+ピークに取り付く頃からそこそこの斜度になる。そのまま登っていくのかと思ったら、再びトラバースを開始。北へ巻いていく。 このまままた巻いてピークの向こう側に出ると思ったが、「狸穴」と書かれている分岐のところでピークに向けて登りに掛かる。 「狸穴」とは日本昔話を連想させるし、由来が気になる名称だ。ところで分岐から下へ伸びるトラックはどこへ通じているのかだが、案内板を見るのを狸穴に気を取られて忘れてしまった。 ここから先ほどの「またみのずれ」から見えた池に向かって尾根が伸びているので、下山路として使えるのかもしれない。 狸穴から登りに掛かるが、360m+ピークの北斜面をトラバースにかかる。そして再びピークを過ぎて尾根に乗る。きょうはこのパターンが多いなぁ。 そして少し先に397.2mピークが現れる。先ほどは殆ど360m+ピークと重なって見えていたが、実際にはそこそこ離れていた。(右) 8:17 とがのお分岐 すぐにピークに近づくが、ここでもやはり北山腹をトラバースする。そしてまたまた尾根に乗ったところが「とがのお」と書かれている分岐。 397.2mピークへ向かって細い踏み跡が分岐しているが、木々の枝で踏み込みにくいようにされている。メインルートから離れる形になるので、 知らずに踏み込まないようにとの配慮からだろうか。 しかし397.2mピークに向かっていることは確実だろうと思い踏み込んでいく。分岐からピークの形が枝越しにも分かる。距離も高低差もごく僅かだ。 途中からは細い踏み跡が更に細くなり、シダが生い茂って地面も見えなくなる。ヘビが怖いので伸ばした三脚で前方を叩きながら前進した。 |
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8:21 397.2m四等三角点ピーク (左) すぐにピークに到着した。考えたらこれまで散々トラバースしてきたので、ピークに立ったのは今日はこれが初めてだ。 木々に覆われて展望無し、という光景を想像していたが、南側の一角に窓が開いていた。ピークは蛇谷北山と同じか、やや広いくらいだ。 殆ど木陰が無くて暑いからすぐに出発しようとしたが、今日の行程中で最もゴミの目立つところだった。目の届く範囲で数点回収するが、 人目が無いとやはり捨てやすいのだろうか。ゴミの始末も出来ないとはお気の毒な方が居られるものだと毎回思う。 周囲の藪の中にもビールの空き缶など目立つゴミが散見されるが、藪に踏み込むのはヘビが怖いので残念ながら回収出来ず。 一通りゴミを回収した後、来た道をそのまま分岐まで戻る。ピークから他に踏み跡は伸びていなかったので、行止まりだとみて間違いないのではないだろうか。 8:26 先ほどの分岐まで戻って、再びメインルートを歩き始める (右) やはり足元が見えるということは心強い。397.2mピークはヘビのいなくなる秋冬にまったり過ごすには最適なピークかもしれない。 |
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397.2mピークを過ぎると再び高低差の少ない快適な尾根道が続く。同じ尾根道でもアップダウンの激しい高御位山とはえらい違いだ。 次は440m+ピークと、その後ろにはいよいよ白山が見えてくる。どこから見てもやはり尖がっている山だなぁと実感する。 その前に一旦等高線の分断されたコルへ下る。(360m+コル)この辺りはかなり深い森になっており、暑い日ざしからは完全に守られる。 コルを過ぎると440m+ピークまでは登り一辺倒だ。でもピーク直下に至るまでは緩い登りだから本当に楽だ。 |
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8:49 440m+ピーク西の展望地にて 深い森に覆われた尾根が続くが、不意に視界が開けてこれまでに歩いてきた尾根のほぼ全貌を見渡すことが出来た。 後で分かることだが、ここが西方の展望を最も楽しめるスポットだと思う。ちょうど程良い高さに倒木があってベンチ代わりにもなる。 大人数で憩うスペースは無いが、単独行で一息入れるには最適なところだ。 この後、例に漏れず440m+ピークを巻くことになるが、今日初めていつの間にかピーク付近を通り過ぎてしまい、「今ピークを巻いた」という認識を持てなかった。 トラックがピークを通過すれば「今ピークを越えた」と簡単に認識出来るが、巻いてしまえば現在地確認に少し注意力が必要になる。それ程難しいシチュエーションでは なかったかと思うが、いくつか小刻みなアップダウンを通過しているうちに曖昧になってしまったのかもしれない。まだまだ自分の注意力は散漫なのかもしれない。 |
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8:56 門柳出合 (左) ということで「440m+ピークを過ぎた」とはっきり認識できないまま、白山山頂直下の門柳出合に到着。 けっこう急に見える南斜面からトラックが合流してきている。距離で考えると門柳を基点にするほうが短いが、これまでの尾根歩きの楽しさを味わってきた 後となっては、時間さえあれば前坂基点で歩いたほうが断然楽しめる山域ではないかと思う。 分岐上で小休止をしていよいよ白山山頂に向けての登りを開始する。 あのトンガリようから急坂が待っていることは想像が容易だが裾野だけは緩やかだ。門柳出合からすぐそこそこ広い「削平地」に出てくる。 (右) 今では何も遺構は残っていないが、立ち木に権現跡とあることから白山にはかつて山上に寺院が林立していたようだ。 写真は露出補正で暗めにして実際の雰囲気に近づけている。涼しい風が吹き抜けて暑がりの自分には居心地が良いところだ。 |
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権現跡を過ぎるといよいよ白山の頂に向けての急坂が始まる。僅かに緩い南側の斜面を選んでトラックが敷かれている。 (左) それでも直登ならばロッククライミングになってしまうような急傾斜だが、出来るだけ登りやすいようにジグザグになっている。 9:10 白山頂上直下の分岐 (右) 幸いにもすぐに「白山頂上まで40m」の分岐に到達。直進すれば妙見山へ向かうが、その前にもちろん白山を目指す。 分岐からも同じような急斜面が続くが、右手に大きく妙見山を見たりしてすぐに白山頂上へ到達だ。 |
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9:14 白山頂上 (510m) 本で見ていた岩棚の広がる白山頂上に到着!さすが兵庫50山に選定されているだけある、素晴らしい山頂が待っていた。 |
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白山山頂からの景観T 空気の澄んだ日は明石海峡大橋まで見える、ということだったがやや霞んでいて社辺りまでが限界か。 それでも初めて見る白山からの光景に大満足だ。周囲にはまだまだ登りたくなる山がいくらでも見える。 でもこれからは暑くなるのでとりあえず少し先にはなるが・・。 |
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白山山頂からの景観U 麓の谷には門柳の田園風景が広がっている。奥には同じく兵庫50山の西光寺山(だと思う)が見える。やまあそさんのレポを見て行きたくなっていたがまだ未踏のままだった。 せっかくだから澄んだ秋空の元で登ることにしよう。 山頂からはこれから向かう妙見山も見えるが、木々の間からようやく見える程度。山頂直下の分岐から登ってくる道中のほうが妙見山の景観は良い。 白山山頂は期待通りに素晴らしい景観が楽しめた。天気も山頂では晴れ渡り、おかげで写真写りも良くなったが、その分とても暑かった。 今日はまだ何とか我慢出来るが、真夏にこの岩棚の上に居たら干からびてしまいそうだ。 山頂で約30分過ごして出発準備をしていると、中高年の単独男性が登ってこられた。門柳から登って妙見山を経由して白山へ辿り着かれたそう。 山で若い人を見かけるとは珍しいと言われた。確かに山歩きをしている人は(特に平日は)若年層が少ないように感じる。 これは老若男女、しかも国籍を問わずに多くの人を見かけるNZのトラックとは全然違うところである。 山歩きは楽しいが山中で若い女性とよく出会うようになればもっと楽しくなることは間違いないだろうなぁ。 ところでNZでは年間で必ず5日は公的な有給があって、これを行使するのは国民の権利であり義務でもあるので、必ず有給を使っていると聞いたことがある。 日本は有給に対する認識が企業も国民も遅れているというほかないが、自分は率先して有給を利用して完全消化を維持している。 9:45 白山頂上出発 単独男性と挨拶を交わし、入れ替わりに登ってきたトラックを分岐まで下っていく。次の目標は妙見山だ。 |
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妙見山遠望 白山頂上直下からは、これから歩く尾根とその向こうに妙見山の全貌を眺めることが出来た。白山とは対照的に緩やかな山頂付近の地形が印象的だ。 妙見山山頂は3箇所あるようだが、三角点のあるピークは最も向かって左側。見た目にも三角点ピークよりも右の2つのピークのほうが高そうだ。 そして妙見山まで続く尾根もアップダウンの少ない穏やかなものだ。これは楽しい尾根歩きになりそうと嬉しくなる。 |
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白山頂上下の分岐からは小さいコルを経て、妙見山に向かう尾根歩きとなる。(左) 写真では妙見山が見えているが、殆どの区間は展望の利かない森に覆われた尾根だ。 白山の西隣のピークを認識出来なかったことを反省して、妙見山に辿り着くまでの尾根をよりじっくりと観察しながら歩くことにする。 白山と妙見山を結ぶ尾根上には等高線の閉じたピークが全部で6つある。これらのピークを地形図と照合しながら観察して歩いていく。 最近になって始めた地図読みだが、ただ黙々と歩くよりも山歩きがより楽しくなるツールだと気付いた。楽しみだけでなく色んな意味で有益で、 自分のように単独行のハイカーには特に欠かせないと思う。 一つ目の540m+ピークは僅かな起伏の上にある。何も気付かずに歩いてしまいそうだ。 10:07 549mピーク通過 (右) 白山・妙見山の間で唯一標高点表示のあるピーク。周囲は深い森に包まれて展望は皆無。ピークの中心に生えた大木を軸にトラックが右手に約90度曲がる。 ここはトラックがピーク上を向きを変えながら通過するということで、はっきり認識しやすいと思う。木陰たっぷりで風通しも良く、ここで小休止をとる。 |
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10:13 530m+ピークT通過 (同じような標高のピークが続くので、便宜上番号を割り振ることにする) (左) 次の530m+ピークTもトラックがピーク上を向きを変えながら通過するので認識は容易だ。先ほどとは逆に左手に曲がる。 立ち木の向こうにコルを挟んで次の530m+ピークUが近くに見えている。尾根上で最も距離が接近しているピーク同士ということも良い判断材料になった。 10:18 530m+ピークU付近を通過 (右) 530m+ピークTから下ってきて、すぐに530m+ピークUの登りが始まる。ここはそこそこ急だなと思ったら、トラックが南斜面にトラバースを始めた。 歩きながら左手上方にピークが見えるのを確認。ここで南側から巻いたのは次の540m+ピークへ最短距離で結ぼうとしたのだろうか。 |
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10:22 540m+ピーク付近を通過 (左) 次の540m+ピークは唯一2本の等高線が閉じたミニピーク。そこそこ規模の大きなピークで、しかも地形がやや複雑。通り過ぎてあの辺りが最も高かったかなと思った感じだ。 なお、ピーク上には明らかに人工物に見える石垣などの遺構が散在している。白山山頂西には権現堂があったが、こちらは山城跡のように思える。もちろん寺院跡の可能性もあって 断言は出来ないが・・。地形図には唯一岩場の表記もあることから、現在地確認の手がかりになりそうだった。 10:29 530m+ピークV付近を通過 (右) 次の530m+ピークVもさほど高低差の無いピークだが、ここも南斜面をトラバースしていく。 ピーク直下の等高線が開いていること、妙見山まで最短距離で結べることからトラバースを決めたのだろうか。 530m+ピークVは最後のミニピークである。一旦コルへ下るといよいよ妙見山へ向けての登りが始まる。 でも妙見山山頂西斜面は等高線が広く開いているためにごく緩やかだ。 |
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10:39 十字路到着 (550m+) (左) 白山直下から始まった楽しい尾根歩きも十字路をもって終わりになる。ここは文字通り交差点になっている。そこそこ広い平地があって、かつては何か建物があったような感じがする。 ここから妙見山山頂に至るまでは、距離は短いもののけっこうな急斜面が待っている。十字路の案内板の前で小休止をとる。 妙見山山頂付近はループトラックが敷かれている。周回の途中で門柳へ下山、そして完全に周回して十字路へ戻ってくることが出来る。 周回路は地味ながらも数箇所の見どころを抱えている。白山・妙見山が初めての自分はもちろん周回して妙見山を堪能することにする。 小休止の後で妙見山山頂に向けて急登に挑む。ここまでの緩やかな尾根とは対照的になかなかの急斜面だ。但し十字路から山頂までの標高差は60m程なのですぐに終わる。 それよりも滑りやすい土質にはまいった。特に雨上がりというわけでもないのだが、とにかくツルツル滑る。登りでもけっこうスリルがあって怖かった。下りで通過しないほうがいいかも。 ようやく滑りやすい急斜面を登り終えると、妙見山山頂のある尾根に乗る。右手にも下れそうな踏み跡が続いているが枝で塞がれている。後で分かることだが、 「つえたて」というところへ下れそうな気がする。妙見山山頂から何気に歩くと、十字路よりもつえたてへ降りてしまいそうだから塞いでいるのかもしれない。 尾根に乗ったところで90度左へ向きを変えてすぐに妙見山山頂へ到達する。 10:55 妙見山山頂 (622m) (右) 緩やかな尾根上にあるごく僅かな起伏だが、三角点と山名標柱が立っていることでここが妙見山山頂と分かる。 周囲は深い森に覆われて展望は全く無い。その代わり暑さはしのげるので、暑がりの自分には白山より妙見山のほうが居心地が良かったりするかも。秋冬なら断然白山だが。 とりあえず三等三角点を前にして小休止をとる。 |
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11:07 妙見山山頂出発 (左) 三角点ピークを含めて、妙見山は3つピークがあると考えて支障はないと思う。三角点ピークまでは北向きだが、そこから残りの2つのピークへは 南東へ向きを変えつつ伸びる尾根を辿る。ピークの間のコルの標高差は僅か10m〜20m。そして尾根の等高線は広いために、とても穏やかな雰囲気だ。(右) 部分的に踏み跡が細くなるところはあるが、トラックは尾根とピークの上を忠実に辿るので地図読みも容易である。 630m+ピークTから630m+ピークUに向かう際は、少し南寄りに尾根の向きが変わることに注目した。 |
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11:20 展望処まばお (630m+ピークU) (左) 通称「まばお」と呼ばれている630m+ピークUに到着。3つ並んでいる妙見山山頂の中で最も南にあるピークだ。 それほど広く見渡せるわけではないが、正面に三角点山と西脇市街は見える。 もちろん小休止はとるものの、周囲の木陰は猫の額程度で暑さはかなりのもの。撮影と水分補給だけしてすぐに出発することにする。 3つのピークを持つ、変化に富んだ楽しい妙見山山頂巡りはここで終わって、まばおから西へ伸びる尾根伝いに急降下する。 相変わらず土質は滑りやすいが、足場は豊富なので斜面を下る緊張感はない。 11:31 尾根から山腹道へ (右) 急な尾根道を下っていくと、北方へ180度方向転換して山腹道へ入る。急斜面に付けられた、人一人がようやく通れるくらいの細いトラックだが、 忠実に等高線を辿るために平坦で快適に歩ける区間だ。 |
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11:37 妙見堂到着 (左) 細いトラックが急に広い削平地に出てくると妙見堂に到着。質素な造りのお堂が一つあるが、礎石は一回り以上も広く、かつてはもっと立派な建物があったのではないだろうか。 今日の昼食はこのお堂の前の階段に座って食することにする。まばおと違ってここなら夏でも涼しく過ごせそうだ。
涼しい妙見堂の前でオカリナを楽しんだ。不思議とピークで吹くよりも周囲に共鳴して、何だかホールで演奏しているみたいだった。 吹き終わって出発の準備をしていると、夫婦のハイカーが北から来られた。自分と逆向きに周回コースを歩かれていて、これからまばおへ向かわれるところだった。 11:52 妙見堂出発 あとは周回コースの基点である十字路へ戻るだけだ。妙見堂からも同じく山腹道が続くが、幅はぐっと広くなって穏やかな散歩道といった感じだ。 11:59 つえたて通過 (右) ここもトラックが交差しているが、十字路ではなくつえたてと呼ばれている。門柳から妙見山へ向けて登ってくるとここへ出てくる。 |
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12:04 十字路へ戻ってくる (550m+) (左) 約1時間半の周回時間で十字路へ到達。たおやかな妙見山山頂を満喫出来た周回コースだった。 ここから再び歩いてきた尾根を白山経由で前坂まで戻ってもよいのだが、やはり出来るだけ同じところは歩きたくない。 ということで北の峠道を通って黒田へ降りていくことにしよう。 余談だが、そういえば最近カープの黒田は勝ててないなぁ。 十字路からは右手に涸れ沢を見ながら、緩やかな下り道を辿っていく。昔から牛馬を連れて妙見堂へお参りする人々が使っていたような歩きやすいトラックだ。(右) 徐々に沢から離れていくなぁと思う頃には峠(たわ)へ降り立つ。 |
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12:12 たわ通過 (490m+コル) (左) 黒田(旧黒田庄町)と笛路(旧山南町)を結ぶ山道が通る峠でもある“たわ”に到着。ここから笛路へ下っていっても充実した行程になるであろうが 今日はオーソドックスに黒田へ下っていく。周辺は植林に覆われて薄暗いが今の時期なら木陰はありがたい。 黒田への下り道はたわから始まる沢と平行して下っていく。落葉がクッション代わりになるが、部分的にはけっこう急に感じるところもある。(右) 途中からは水音、水量が賑やかになった沢が近づいてきて涼しげな雰囲気にもなる。 段々道幅が広がってきたなと思う頃には舗装路が始まる。木陰が途切れてやっぱり暑い!しかしどこを通っても日は当たるから止むを得ない。 |
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12:37 溜め池 突如、エメラルドグリーンの水面を湛える溜め池が目に飛び込んでくる。人工物とはいえ、下りてくる山の水をそのまま湛えた水の美しさはなかなかのものだ。 もっと涼しい季節なら、ここで昼食を摂るのも悪くない。 12:42 ため池出発 2、3点堤の上のゴミを回収してから黒田へ歩き続ける。じっとしているととにかく暑い。 林道沿いの溝には豊富な水量の水が流れている。山の水はとても冷たくて、顔を洗うと生き返る思いがする。 |
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13:00 老人ホーム前へ出てくる ここから先は片側1車線の車道を歩く。今日の目的の一つに加古川線沿線の写真を撮るというのがあるので、本来のルートよりも少し遠回りすることになる。 良い撮影ポイントを探すためにも、とりあえず線路沿いまで歩くことにした。地形図を見ると、ここから後は西へ一本道で簡単だ。 ところで地形図「谷川」では黒田の集落の途中で切れているので、西隣の「中村町」も併用しなければならず少々面倒だ。 |
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黒田へ向けて歩いていくと、今日歩いてきた尾根を見渡すことが出来た。ちょうど水田に山影が映っていて、田園風景の情緒も感じられる。 |
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本黒田駅周辺の集落を歩いていると、何故かツバメがいっぱい飛んでいた。ここは久しぶりに望遠レンズの出番ということで、すかさずレンズ交換して撮影した。 一羽だけ電線に留まり続けてくれていた自分のようなマイペースなツバメが居たので、狙い通りの構図で撮影することが出来た。 |
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13:30 本黒田駅駅舎にて小休止 ツバメを撮影した後、とにかく暑いので自販機でジュースを買って本黒田駅で少し涼んでいくことにした。 駅舎はよく見かける類の落書きだらけだ。学生の頃を思い出す。 列車利用で白山へ登るとしたらこの駅が最寄となる。ここから前坂登山口まで徒歩約30分だ。特に遠いわけではないが、 加古川線は西脇以北は運行される列車本数がとにかく少ないので要注意だ。お気に入りの姫新線のほうがまだ多い。 特に昼間は2、3時間空く時間帯もあるので、半日プランの際は時刻表のチェックは欠かせない。 自分の場合時刻表をあらかじめチェックしていたのは撮影のためなのだが。あと30分くらいで谷川行きが通り掛る。この辺りは集落が多いので、 もう少し見通しの利く前坂寄りの田園地帯で撮影することにする。 前坂周辺の農道から撮影した、谷川行き普通列車(右) 自分の感覚からすると正直なところ、やはり周囲の雰囲気からして明らかに浮いていると言わざるを得ない・・。 神戸線を走っていたとしたら何ら違和感がないステンレスの電車だ。(もちろん単行ではなく両数を増やしての話だが) やはり電化された加古川線は、自分にとって魅力が失われた路線になってしまったようだ。 最近の新型車両は皆ステンレス製ばかり。神戸線を毎日利用しているがなんとも味気ない沿線風景になってしまった。 軽コストでJRには都合が良いのだろうが、尼崎の列車事故で浮き彫りになった脆弱性という危険さは無視されたままだ。 この問題が改められてより堅牢な列車が製造されない限り、自分は後ろ寄りの車両に乗るように心掛けるのを変えるつもりはない。 今日撮影した鉄道写真はこの列車1本だけだが、次は15時代まで待たなくてはいけないし、このステンレス製の電車では撮影意欲が湧かない。 14:09 前坂登山口前の駐車場に到着 田園沿いの撮影地より約10分で駐車場に到着。帰路も1時間半程度のドライブで帰宅する。 これまで全く手を付けてこなかった山域だったが、白山・妙見山を通じて北播の豊かな自然の一端を楽しむことが出来た。 また近い将来、再び北播に赴くことになると思う。 |
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今日の行程の断面図です![]() |