「霞に浮かぶ那岐山 蛇淵の滝から滝山」  08年4月28日(月)

国土地理院地形図:25000分の1「日本原」、「大背」を参照してください。

 07年に2度にわたって因美線の撮影で那岐駅周辺を訪れた際からいずれ行こうと思っていた那岐山。
今年中にでも訪問する心積もりだったが、自公政権の暴政によるガソリン暫定税率復活直前に実行することにした。

 因美線撮影時は鳥取県智頭方面からのアプローチだったが、今回は南麓である岡山県の奈義町側から登るということで、
周辺の道路は全く未知の世界。佐用以西の道筋をしっかりリサーチしてから訪れた。ちなみにカーナビというような文明の利器は導入していない。

 今回も当然高速料金のかかる中国道は使用せず、加古川・姫路・太子龍野バイパス経由で、龍野からは国道179号を西進。美作江見から県道479号、国道429号、県道51号で北上。
今日の目的地である那岐山南麓の蛇淵の滝付近にある駐車場を目指す。

 数本のトラックが那岐山を目指して伸びているが、今回はCコース(大神岩経由)をピストンする。




6:05 那岐山南麓、蛇淵の滝駐車場到着

 自宅から約2時間で到着。平日とはいえ一応GWなので、先行者が居られるかと思ったが誰もいなかった。
周辺は何箇所か駐車場が設けられており、自分が停めたのは蛇淵の滝の入り口にあたる鳥居が目前の駐車場。
ここより上、車は「進入禁止」の標識が出ている。

 昨年から計画を温めていた初めての那岐山を前にして、早くも興奮気味でもどかしく思いながら出発準備をする。
4月とは思えない暑さが続いている昨今だが、早朝の標高560mにある駐車場はさすがに肌寒かった。




6:15 蛇淵の滝前を出発

 鳥居をくぐるとすぐそこに蛇淵の滝があるようだが、滝は最後の楽しみにとっておくとして、まずは那岐山を目指す。
緩やかな砂利道の林道をしばらく登っていく。天気はまあまあのようだ。但し、元々今日は視界の良さは期待していなかったが、
予想以上に霞が掛かっているようだ。








氷ノ山後山那岐山国定公園の案内

 この国定公園は昭和44年4月10日に指定されました。
国定公園は国立公園に次いで我が国でも優れた自然景観地帯を
環境庁長官が指定するもので、指定された地域は自然の保護が
はかられるよう厳重に規制されています。たとえば、レンゲツツジ、
アカモノ、イワカガミなどの高山植物を採ることは、法律でかたく
禁じられています。

 環境庁・岡山県
6:20 林道から登山道へ

 すぐに林道からトラックが分岐。ここから山道に入っていく。
この辺りで氷ノ山後山那岐山国定公園の概要や周辺トラックのマップなどの案内板が設置されていた。
今日の本来のプランはBコースで登って、Cコースで下るというものだったが、「Bコースは風倒木で通行困難」という駐車場周辺の張り紙を見て、往復ともCコースを辿ることになった。
倒木といえば以前に七種薬師(薬師峯)から七種山へ歩いた際にたいへんな目に遭っているので、迷わずに指示に従うことにする。
それにしても各地の山にこれだけの被害を与えた2004年の台風とはいったいどれほどの勢力だったのだろうか。(当時はNZに居たので伝聞でしか知らない)

 ということで周辺一帯は伐採現場となっており、山肌は露わで荒れ果てた光景が広がる。そのおかげで行く手上方には既に那岐山が見えている。
一帯が美しい森に戻るにはどれだけの年月が必要になるのだろうか。








6:24 Bコース・Cコース出合

 林道から離れてすぐにBコースとCコースが分岐する。現在は蛇淵の滝から登るならCコースしか選択肢がないのが実情になっていて残念。
(Aコースは少し離れたところから出発している。こちらの被害状況は不明)
伐採された原野と化した中をCコースは緩やかに登っていく。自然災害で仕方ないとはいえ、コース序盤の雰囲気はあまり良いものではなかった。








檜皮の森林(ひわだのもり)

 国宝・重要文化財等の歴史的建造物は定期的に屋根の
維持・補修が必要です。
 「檜皮」はこれらの材料として昔から使われています。
 この国有林はその「檜皮」を供給する森林に指定しています。

 岡山森林管理署
6:36 林道を横切る

 まもなくCコースは林道と交差。那岐山まで2.5kmの道標が立っている。その横には「檜皮の森林」の簡易的な案内板。そして那岐山国有林の案内板が少し上に立っている。
ここまで来たところで暑くなって上着を一枚減らして一息入れる。
この辺りで標高約700m。駐車場から既に140mほど登ったが、那岐山まであと550mほどの標高差。まだまだ先は長い。

那岐山国有林

1.国有林のおいたち

 那岐山国有林は、岡山、鳥取の県境に位置し、地形は全般に急であり、山の高さは海抜500〜1240mの範囲にあります。
この国有林は、版籍奉還により旧藩領が、明治5年に国有林野となったものです。

2.気候・自然

 この地方の気象条件は年間降水量約2000mm、最深積雪は、約2.0m、積雪期間は11月中旬〜4月上旬で年間平均気温は、約12℃となっています。
森林植物帯上、水平的には、暖帯北部、垂直的には暖帯から温帯下部に属しています。基岩は花崗岩、流紋岩から成り、土壌は黒色森林土壌でスギ、
ヒノキの適地が多く生育状況は、おおむね良好です。また多くの野生鳥獣も生息しています。なお夏から秋に来る台風の影響で那岐山麓に吹き荒れる
「広戸風」は全国的にも知られています。

3.やくわり

 総面積431HAを全て水源かん養保安林としているほか、311HAが氷ノ山、後山、那岐山国定公園に、73HAがレクリエーションの森(那岐山風景林)に
指定されており、各種の公益的機能発揮のための森林の維持造成に務めています。

近畿中国森林管理局 岡山森林管理署









正面に那岐山が近づいてくる

 林道を横切ってからしばらくすると再び伐採地を通過。以前は無かったと思われる那岐山の遠望を得られる。
次の休憩スポットと想定している大神岩(標高1000m)まではけっこう急斜面のようだが、破線道がジグザグに描かれていることから、
さほど急な部分はなさそうだ。

 伐採地の山腹道を歩いているとパイプを使用した水場に辿り着く。もちろん飲む気にはならないが、
たっぷり汗を流した帰路には顔を洗わせてもらおう。








 伐採地を通過すると地形図どおりにトラックはジグザグに登っていく。途中までは植林が続くが、
いつしか周囲にはミヤコザサが茂り始める。六甲ではお馴染みの存在だがここでも見られる。

 やがて植林も途切れて雑木林になり、雰囲気もぐんと良くなる。
かなり登ったと思われた頃、ずっと山腹をジグザグに登ってきたトラックが尾根に到達。
この尾根は三角点那岐山ピークから南へ派生する尾根で、その尾根の末端に位置する大神岩に到達した。








7:20 大神岩

 尾根に辿り着いて左手を見ると、眺めの良さそうな大神岩に到着。本能的に岩へと登っていく。








 展望が良ければ四国まで見えるというが、今日は眼下の日本原ですら手前しか見えない状況。
これは今日の山行は次回に大きな楽しみを残すものになることを実感した。

 ところで大神岩は尖った面を上にした巨岩が点在し、岩の間の狭いスペースを通るというような岩場で、身動きし辛いことこの上なかった。
とはいえ展望さえ良ければ最高のスポットであるのは間違いないだろう。

 ここで朝食にしようかと思ったが風がけっこう冷たいので、トラック沿いにある丸太のベンチで食べることにした。
今日は朝4時出発だったので、まだ朝食を食べていなかった。








那岐山の植生

 ここは、大神岩(海抜1000m)です。眼下に広がっているのが
津山盆地の東端に位置する奈義町です。続いて勝北町・勝央町・
津山市・吉備高原の山並み、小豆島が見えます。
 このあたりからブナが生える気候帯になります。となりの滝山では
ブナの林が広がっています。
 山頂への登山道では、足元にショウジョウバカマ・ニシキゴロモ・
アカモノ・マイヅルソウ・イワキンバイなどが、その上に目をやると
サラサドウダン・ホツツジ・ノリウツギ・ニシキウツギ・ヤマツツジなどが、
高木としてはウリハダカエデ・コミネカエデ・ミズナラ・ウラジロノキなど
多くの植物たちに出会うことができます。

 動植物を傷つけないよう、この自然を永く子孫に伝えましょう。

丸太ベンチ前にある案内板
7:42 大神岩出発

 朝食のコンビニおにぎりを食べ終わって出発。これまでずっと山腹道だったが、
ここからは自分の好きな尾根道が始まるということでわくわくしながら登っていく。





尾根道ではアセビが見られた

 大神岩からは上にまっすぐ伸びる尾根を登っていく。尾根はなだらかで幅広で森が続き、周囲の景観を眺めることは出来ない。でも、
まだ葉を付けていない木々が多くて明るい雰囲気だ。但し標高が既に1000mを越えたからか寒くなってきて、一旦脱いだ上着を再び着込む。








7:53 1071mピーク

 大神岩から10分程度で1071mピークを通過。展望は無いが、行く手には随分近くなった那岐山が木々の枝越しに見えている。
ミニピークからは少しだけ下ってから、那岐山上に辿り着くまで170m余りの登りを残すのみとなる。
いつ森林限界を抜けるのかと、楽しみにしながら登っていく。森は山頂間近になるまで続いた。

 途中トラックが付け替えられたところもあった。路面が崩壊でもしたのだろうか。








遂に森林限界を突破

 長かった蛇淵の滝からの登りもようやく終わりが近づいてきた。
上空の雲が流れるのも速く、高いところまで登ってきたことを実感させられる。
そして行く手には道標が見えてきた。遂に待望の那岐山上へ到達したようだ。








8:20 那岐山上に到達

 那岐山山上周辺はなだらかな丘陵状になっており、見渡す限り草原が広がっていた。自分好みの素晴らしい雰囲気で、一気に那岐山に魅了されてしまった。
トイレも備えた休憩所もあって心強いというか那岐山の人気の高さが頷ける。
西には後で向かう予定の滝山へ続く縦走路が分岐するが、とりあえずこの三角点ピークと那岐山最高峰のピークを踏んでおくことにしよう。









三等三角点 : 点名「名義山」
三角点那岐山ピーク(1240.3mピーク)

 三等三角点のある1240.3mピークに到着。かつてはここが那岐山山頂とされていたようで、古い地形図ではここに山名の記載があるようだ。
自分が携行している地形図「日本原」(19年8月1日発行1刷)では、北東に見えるピークに那岐山の山名が記載されている。
2つのピークの標高差はたった15mほどだからどちらが山頂でもたいした問題ではないような気がするも、無用な混乱を避けるために
地形図には正確な情報を記すべきと考えると、この修正は意義あることと思える。

 天気に恵まれればまさに全方向に展望を得られる素晴らしいピークだが、今日は霞と雲によって外界が見えない別世界となっているので、
小休止だけをして那岐山山頂へ向かう。








8:30 三角点那岐山ピーク出発

 いよいよ待ちに待った那岐山上の稜線を堪能出来る。今日は周囲の見通しがイマイチなことから、まさに隔絶された世界を歩いているという感がある。
稜線上では身を隠すものもないことから、くま鈴を鳴らないようにして、まさに自然の音だけが聞こえる状態にして歩いた。

 三角点ピークの近くには水場もあるようで、この周辺からトラックが分岐していた。

 那岐山山頂手前では避難小屋もある。ここで一泊するのも一興かもしれない。








8:40 那岐山山頂(1255m)

 避難小屋から短い登りを経てまもなく那岐山山頂に到着。こちらも三角点ピーク同様、周囲遮るもののない全展望を得られる素晴らしいピークだった。
この後は西の滝山まで稜線上を縦走するが、その前に那岐山山頂で楽しい大休止をとる。








那岐山山頂

 山頂では写真撮影や2個目のおにぎりで軽食、そしてオカリナを吹いて一時を過ごす。
実はつい最近、自分を可愛がってくれた祖母が亡くなり、いつも以上に心を込めて18番の「♪アメイジンググレイス」を吹いた。
いつもより空に近いここで吹くことで、天にも音色が届きそうな気がする。祖母は大の阪神ファンだったので、広島ファンの自分でも「♪六甲おろし」をレパートリーに加えたく思う。

 ※ レポの途中でしめっぽくなってすいません。でも那岐山で気持ちの整理をかなり付けることが出来ました。








9:35 那岐山山頂出発

 約1時間近く那岐山山頂で過ごした後、いよいよ滝山へ至るまでの縦走を開始する。
ここから見ると一目瞭然だが、三角点ピークのほうが少し低い。
縦走の終着点である滝山はやや霞んでいる。でも上空の雲は急速に少なくなり、好天の元での縦走になりそうだ♪








9:45 三角点那岐山ピークを通過

 10分程度のピストンで最初に到達した三角点ピークまで戻ってくる。ちょうどCコースを登り終えた男女2人パーティーとすれ違う。

 今度はそのまま三角点ピークを素通りして休憩小屋前を通過。一路滝山へ向かって西進する。
休憩小屋からは北の河津原(因美線那岐駅近郊)へ下るトラックが分岐する。

 いずれは鳥取側からも那岐山へ登ってみたいが、それは自公政権が崩壊して正式に道路特定財源並びに
暫定税率が廃止された時のお祝いにとっておくことにしたい。自分は時代の潮目が変わりつつあると感じている。
高度成長期の残滓(道路特需)は遠からず潰え、少子高齢化時代の要請に応える政治が行われるようになるのはそう先の話ではないと思う。いやそうならなければならない。








滝山へ至るまでの草原の稜線

 三角点ピークの肩までやってくると、前方に広がる景観に思わず息を飲んだ。
ただ素晴らしいとしか言いようのない草原の広がる美しい稜線。楽しい稜線歩きになりそうと自然に興奮する。
なお、この稜線は鳥取・岡山の境界尾根にもなっている。

 下り始める前に滝山へ至るまでの稜線を地形図と見比べてみる。
等高線の閉じたピークが数えてみると途中に4箇所ある。その他等高線が広がっているところもあるから、小刻みなアップダウンを伴う隠れたミニピークも
少なくとも4、5箇所はありそうだ。まずは2つの1170m+ピークを目指す。ここでは便宜上T,Uと番号付けしている。


 下り始めようとして上記の写真を撮った後、西から単独男性が喘ぎつつ登ってこられた。
滝山コース(南から滝山へ直登するトラック)を登って、縦走路を東進して来られたという。
この後Cコースで下山して国道(53号)まで歩き、タクシーを確保して車へ戻られる計画とのこと。
タクシーを使えれば色々なコースバリエーションを組めるが、その場合は出来れば2、3人のパーティーで歩きたいところだ。








 見渡す限り広がる笹原の稜線を歩いていく。天気は良いし緩やかな下りだし、最高に気持ちの良い時間だった。
那岐山はピストンにはなってもぜひ稜線上を縦走すべき山だと強く思う。








10:00 1170m+ピークT

 一度アップダウンを経て1170m+ピークTを通過。振り返ると那岐山の2つのピークが仲良く並んでいる。
双子と言っても良いほど似通った山容だ。
そして縦走路のトラックは1170m+ピークTの南の縁を巻くように西へ続いている。








1170m+ピークUが近づいてくる

 写真は2度目のアップダウンを登り返しているところ。アップダウンはさほど急ではないものの、数十メートルの範囲で繰り返す。
丸太階段になっているところもあるが、中には土が流れてしまって、丸太の上を歩くような階段もある。
雲悌の上を歩いているような感触で余計に脚力を使うので意外に疲れる。








1170m+ピークUからの那岐山展望

 滝山までの道中半ば辺りに位置する1170m+ピークU手前からの那岐山の景観。美しい山容で思わず見とれてしまう。
トラックも草地が多いので、歩いていてとても足に優しい。








10:15 1170m+ピークU到着

 東屋のある1170m+ピークUに到着。朝は雲が多かったが、いつの間にか快晴に近い空模様だ。
標高は高くても暑くなってきたので、再び上着を一枚減らす。

 1170m+ピークUは三角点那岐山ピークと同規模の大きなピークであり、ここからは北の物見峠に向かって長大な尾根も分岐している。
しかし、予想に反してこのピークから北へ向かうトラックは、自分の見た限りでは見受けられなかった。


10:25 1170m+ピークU出発

 水分補給などして一息入れた後で、縦走後半の区間へ突入。滝山までは残り1.9km。
トラックはピークの南縁をなぞるようにして南西の方向へ伸びている。








1170m+ピークU付近から滝山への稜線

 縦走後半にあたるこの区間には等高線の閉じたピークが2つ。滝山に重なるように見える1150m+ピークと1140m+ピーク。
1140m+ピークは1150m+に隠れる形になっていてここからは見えない。

 本当に草原のみが広がっていたこれまでの区間と違って、幾分背の低い木々が周囲に目立つようになってきた。
標高は殆ど同じだが、尾根の向きが多少変わったことが植生に影響しているのだろうか。








1150m+ピークへの登り

 一つアップダウンを経て1150m+ピークへ至る。ほんの50mの登り返しだが、縦走路中では幾分まとまった登りになるだろうか。
いつの間にか時間は昼近くになり、日差しが暑く感じられるようになってきた。夏は辛い稜線歩きかもしれない。




10:43 1150m+ピーク

 東西に長くて平らな1150m+ピークを通過。これまでと違って周囲には木々が点在して、全展望を得られるピークではなかった。
トラックはピーク上で南に向きを変えて再び下り始める。








1150m+ピーク付近

 1150m+ピークを過ぎると、近くなってきた滝山と、その手前にはこれまで隠れていた1140m+ピークが見えてくる。
今度のアップダウンはたいしたことはなさそうでほっとする。




10:54 1140m+ピーク付近

 1140m+ピークも展望は今ひとつのピークだった。木々の中には倒れてトラックを塞いでいるものあって迂回を強いられる箇所が2箇所ほどある。
但し、1140m+ピークを過ぎると、尾根の両側が切れ落ちてきて、今日最も尾根らしい尾根を歩くことが出来た。
木々の枝越しに近づいてくる滝山を間近に見ながら残り少なくなった縦走後半の区間を歩いていく。








11:07 滝山コース出合

 滝山山頂へは約50mの登りを経て到達する。その途中で滝山コースが合流してきた。
試しにやってきた那岐山だが、この山域も例に漏れずあちこち歩きたくなってきた。

 出合からはあと200mで滝山山頂。展望抜群の那岐山の2つのピーク同様の姿を期待していたのだが、
山肌を覆う森を見てそれは違うことを悟る。








滝山山頂

 滝山山頂は東西に長いピークで、三角点のある西側が一段高くなっていた。
そこには展望台が設置されている。あそこに登らないと何も見えないのだなと分かった。








   
11:15 滝山山頂 (1196.5m)

 那岐山山頂から約1時間45分で滝山山頂に到達。一際大きな一等三角点に出迎えられる。
三角点の北は木立が途切れており、北側は展望台に登らなくても景観を得ることが出来る。

 トラックは更に西の広戸仙(爪ヶ城山)へと続いているが、ここから那岐山までの距離とほぼ同じだけ離れている。
もちろん歩き続けたいのだが蛇淵の滝まで戻らないといけないし、広戸仙までのアップダウンは地形図を見る限りこれまでと違ってけっこう険しそうだ。
将来の楽しみにとっておくことにして、今日は予定通り滝山山頂で折り返すことにしよう。









一等三角点 : 点名「滝山」
滝山山頂展望台で一休み一休み

 霞んだ日本原を見下ろして少し早めの昼食を摂る。
日本原は自衛隊の演習場になっているようだが、今日は一切砲声や銃声は聞こえてこない。
これからも戦闘訓練が実戦に役立つことがないように願いたいものだ。
自分は自衛隊をイラクに派遣していることは、最近の司法の判断を待たずとも明らかに憲法違反だと以前から考えている。
本当に同盟国を自認するならばブッシュの暴走を止めるべきだっただろう。史実は小泉が全く逆の経緯を辿ってしまったが。








12:00 滝山山頂出発

 いつの間にか45分ほど過ごしていた滝山山頂を出発。展望台は暖かくて風も心地良く眠たくなってしまった。
出発しようとしたところで、自分と同じ行程で歩いてきた単独男性の方と山頂付近ですれ違う。
今日縦走路中で出会った方は以上の2人だけだった。多くの方は那岐山の2つのピーク間とCコースに集中するようだ。








滝山から見る那岐山

 楽しい稜線上の縦走路だが、やはりピストンはイマイチ面白みに欠ける。
ちょうどお昼過ぎになって、雲が増えてきたことも影響しているかもしれないが。
復路は歩きに集中して、自分撮りは控えることにする。








12:57 三角点「那岐山」ピーク到着

 約1時間で三角点那岐山ピークに戻ってくる。殆ど止まらずに黙々と歩いてきたからか、朝からの疲れが出てきたように感じる。
三角点を前にして一休みしていこう。ピークは朝と違って登山者が行き交い、なかなかの賑わいだ。
程近い最高峰にも数人居られるのが肉眼で確認出来る。








13:13 三角点「那岐山」ピーク出発

 息を整えたところでCコースを下り始める。登りでは約2時間かかったが下りはどの程度短縮されるだろう。
縦走路の復路と同様に撮影を少なめにして、歩くのに集中する。








13:35 大神岩通過








 伐採地の水場で顔を洗う。冷たくて生き返る思いがする。








 林道を横切ると、広大な伐採地ではあちこちで切り出し作業が行われていた。
昼間はまさに工事現場になっている。時折林道では木材などを積み出す大型車が通るようなので気をつけよう。








14:13 蛇淵の滝駐車場到着

 三角点那岐山ピークからちょうど1時間で駐車場に下山。
車に戻る前に後回しにしていた蛇淵の滝を観暴していこう。

 鳥居をくぐると整備された歩道が沢へ下っていく。入り口で二股に分かれているが、滝へアプローチできるのは左のほう。








 降りついたところは浮き御堂っぽいテラス。滝が奥に見えるがちょっと遠い。しかもちょうど目の高さに太い木の枝があって視界を遮っている。
沢に下りることは不可能ではないようだが、疲れもあってテラスから眺めるに留める。








蛇淵の滝

 今日全く使っていなかった望遠ズームレンズに交換して撮影。奈義町の名勝に数えられるだけあって見事な滝だ。




15:00 蛇淵の滝駐車場出発。帰途につく。

 蛇淵の滝を堪能して出発。初めての那岐山に大満足の思いで那岐山麓を後にする。
帰路、家に着く直前に暫定税率が加算されていない、正当な値段のガソリンを満タン給油したことは言うまでもない。








今日の行程の断面図です。




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