06年 5月25日(月) 神鉄鵯越駅〜菊水山〜鍋蓋山〜再度山〜錨山〜JR元町駅
Mt.Kikusuiyama Mt. Nabebutayama Mt. Futatabiyama to Mt. Ikariyama 25th.
May / 06
前回の山歩きから中2日ということでまだ多少足の疲れは残っているが、とにかく天気の良い日には歩かなければならない。しかも今日は空気の澄み具合もまあまあ良さそう。
ということで、展望スポットの多いこの行程を選択した。昨年にも逆向きでほぼ同じトラックを歩いているが、残念ながら天気はそれほど良くなかった。
全山縦走路の一部でもある一般向きのルートであるが、2回続けて登山口までに道を誤ってしまうというおまけもついてしまった。
6:30 神鉄鵯越駅出発 裏六甲へ回るには日頃慣れ親しんでいる阪急は使えない。 山電と並んで運賃の高い神鉄を利用するしかない。節約ハイカーの自分にとって、 神鉄に乗るのは一大決心が必要。だからこの山域を巡るには好条件の日を 待たなければならない。 |
駅の東の脇から始まる全山縦走路を歩く。街歩きをしなくてよいのは非常にうれしい。 そしてすぐにこの分岐に差し掛かる。菊水山へ向かうには舗装された車道を進むの だが、ここで北へ伸びる山道を登ってしまったのである。 昨年、長くはないがこの辺りで一旦山道を歩いた記憶があったのがまずかった。 結論から言えばこの山道は鈴蘭台の西の君影町へ向かうのである。 しかし、これに気付くのは少し経ってから。 |
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菊水山遠望 しばらくの急登を経て、菊水山を眺める高台に出てくる。 以前の記憶にあったのと違う山道であることに気付く。と同時に方角が逸れている ことにも。せっかく登ったのだがこのままでは辿り着かなさそうなので急坂を駆け 下ることにした。前回の五助山に続いて、2度連続で登山口に辿り着くまでに道を 誤ってしまった。 |
7:17 菊水山がようやく間近に とんだ寄り道をしてしまったが、順路に戻ってからは記憶通りに道を辿ることが 出来た。この後神鉄の高架下をくぐり、ようやく菊水山登山口に到着する。 |
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7:25 菊水山 あと900m 兵庫登山会 しばしの小休止の後、いよいよ今日最初の本格的な登りに挑む。 (既に君影町へ向かう急登を登ったが) 日陰だが日が高くなるにつれ、気温が上がってきたことを感じる。 夏になれば一旦山歩きもシーズンオフになるので、あと何回歩けるだろうか。 |
鵯越駅から挑む菊水山のトラックは階段につぐ階段。 整備が行き届いて少々味気なさを感じるが、歩きやすいといえば歩きやすい。 山頂まで急登の連続というのは分かっているので、一段一段しっかりペース 配分して歩く。 |
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途中からはプラスチック製の階段も現れる。しかも手摺付き。 まさに至れり尽くせりとはこのこと。土砂の流出による段差の拡大もなく、 家の階段を上がるように足には優しい。 |
7:55 大展望! 最近の雨で洗われたのか空が抜けるように青く、空気がかなり澄んでいる。 菊水山を選んだことが報われた瞬間だった。前回歩いた時には曇っていたので、 一際感慨深い。神戸の街が箱庭のように見下ろせる。和歌山方面もどうにか見える。 |
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須磨アルプス、明石海峡方面遠望 須磨アルプスの岩尾根がよく見える。やはり山は空気の澄んだ日に登るのが 最高である。いつでもこのような空気ならいいのだが。 |
永遠に続くような階段を経て、ようやく開放的な菊水山山頂に到着。 |
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8:05 菊水山山頂 (458.8m) ポートタワーやポートアイランドが手に取るようである。 それにしても神戸空港まで出来てしまって、どんどん島が増えてきた。 このままでは海が無くなってしまうと思ったが、須磨にある土砂を運び出す 施設が最近撤去されたので、ようやく自然破壊が収まったのであろうか。 |
昨年訪れた時には工事中だったが、菊水山山頂には展望テラスが設置された。 巨大なアンテナの基礎部分にあるという。ここに来るのを楽しみにしていた。 |
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菊水山山頂の展望テラス 神戸の街から丹生山系まで、およそ270度を見渡すことが出来る。どうせならアンテナの最上部にでも設置してくれれば360度の展望だったのだが。 ともあれ、新設されたばかりできれいである。ここでしばらく休憩しつつ展望を楽しむことにする。 |
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神戸から明石海峡にかけての景観 |
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北区の街並みと丹生山系の景観 |
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高取山と須磨アルプス 馬の背付近の岩稜がよく見える。 |
播磨灘方向 家島がうっすらとだが見える。 |
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鍋蓋山 展望テラスで15分近く過ごして、そろそろ重い腰を上げることにする。 立ち去りがたいがそろそろ次の目的地である鍋蓋山へ向かうことに。 菊水山山頂から鍋蓋山を眺める。この2つの山の間のアップダウンが楽しみ。 |
8:45 菊水山山頂と三等三角点を後にして鍋蓋山へ。 全山縦走路の順路向きに歩くのは初めてである。 |
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城ヶ越を東へ この辺りの尾根歩きがけっこう好きなのだが、すぐ北に住宅地が広がっている ことにギャップを感じざるをえない。 ここで一つ問題が発生した。三脚の雲台とカメラをつなぐネジが取れてしまった のである。おかげでこの後、縦のアングルで自分を含めた撮影をすることが 出来なくなってしまった。やはり道具は日頃のメンテナンスが大事だと痛感した。 |
正面の鍋蓋山がどんどん高くなる。菊水山からどんどん急坂を下っていく。 山と高原地図「摩耶・六甲」ではこの辺りに“やせ尾根ガレ危険”という表示がある。 多少滑りやすい箇所はあるが、さほどではない。 部分的に鉄階段もある。雨が降ると滑りやすくなるかもしれない。 この後少々、薄気味悪い池の端を通って天王吊橋へ。下りきった・・。 |
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9:20 天王吊橋 天王谷川の50m上を渡る。ありがたいことに神戸市により全山縦走の ハイカーを守るために架けられたという。それ以前は下の川まで下っていた のであろうか。道路も渡らなければならない。それを考えると随分楽になった ものである。 |
天王谷と有馬街道を見下ろす ここに来るといつも思うのだが、バンジーサイトを設置するには最適なところだ。 交通量が多いのでギャラリーも多いし。(脇見の原因になるかも) このくらいの高さだと、NZでは初級向きに分類される。ちなみに自分は初めてで いきなり102mを飛び降りて「あまのじゃく」ぶりを発揮したことがある。 |
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9:28 鍋蓋山への急登に挑む 天王吊橋の高度感を楽しんだ後、いよいよ下った分を登り返す時が来た。 うっそうとした森の中をジグザグに付けられたトラックを登っていく。 急だが整備は万全で非常に歩きやすい。 |
登りはさほど長くはなく、すぐに展望の利く岩場に到着する。 もう5月下旬ということもあり、日が当たるとかなり暑くなってくる・・。 |
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9:48 菊水山遠望 鍋蓋山の急坂の疲れを取るためにここで小休止。もう菊水山と同じくらい 登ってきた。ここまで来ると鍋蓋山山頂も近い。 朝方は空気が澄んでいたが、後ろに見える須磨アルプスが少々霞んできた ような気がする。 |
10:10 鍋蓋山山頂 (486.2m) 高い木々が散在する鍋蓋山山頂に到着。 いつも大抵ここでハイカーがくつろいでいるのだが今日は誰もいない。 菊水山に続いてここからの展望も楽しみである。 |
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ハーバーランド、神戸駅付近を正面に見下ろす 薄い雲が掛かってきたようだ。経験上この雲が出てくると翌日が雨になる。 良い日に休みが巡ってきて良かった。 |
菊水山、高取山、須磨アルプス、明石海峡遠望 ひとしきり展望を楽しんだ後、そろそろ重い腰を上げて次の目的地である 修法ヶ原池(しおがはらいけ)へ向かう。 |
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10:40 鍋蓋山山頂から全山縦走路をしばらく東へ進み、鍋蓋北道へ入る。 |
鍋蓋北尾根 あまり尾根らしくない尾根。部分的に急なところもあるが、 概ねこのようななだらかなトラックが続く。修法ヶ原池へは一つ目の分岐で東へ。 |
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弘法大師修法の地 修法ヶ原池の少し西、トラック脇にある。名前からか清浄な空気が流れている 気がする。 |
11:00 修法ヶ原池と再度山 雨ばかりの5月だったので、修法ヶ原池は満々と水を湛えている。 残念ながら風が少しあったので、逆さ再度山にはならなかった。 浜側から見る再度山は「神戸富士」という異名がぴったりくる山容だが、 北から見ると特に特徴の無い山になってしまう。 それにしても木陰の無い池の端を歩いていると非常に暑い。 急激に体力が奪われる気がする。用意した2Lのお茶がどんどん減ってきた。 |
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11:10 再度山山頂へ 修法ヶ原池から南へ進み、車道を越えて緩いトラックを上がったところが 再度山への登山口である。公設の道標は無く、私設のテープが目印。 昨年は無かったが、再度山も段々と注目されてきたのであろうか。 踏み跡は明瞭で、短い急登を経て山頂へ辿り着く。 |
11:20 再度山山頂 (469.3m) 眺望なしの再度山山頂に到着。倒木に腰掛けてしばらく小休止。 展望が無いのが残念だが、木立のおかげでかなり暑さをしのげてありがたい。 最終目的地である錨山へは、登ってきた西からのトラックではなく、 南側から登ってくる急なトラックを慎重に下っていく。 |
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南斜面を下るトラックはけっこう急で足場が悪く慎重を要する。 行場のようなところを通る。苔むした祠がとても良い雰囲気である。 |
11:35 大龍寺境内へ降り立つ ここからは境内の中を下っていく。 |
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大龍寺 再度山南麓に位置する。山間にひっそりと佇む趣がまた良い。 再度山山頂から歩いてくると、この本堂の右手から出てくる。 錨山へは本堂正面の階段を下りる。 |
たくさんの祠に見送られながら緩やかに下っていく。それにしてもたいへん広い 境内だ。秋の紅葉も絵になりそうな空間だと思った。 |
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毎日登山一万回塔 山門の南には再度山に1万回登られた方々を顕彰した碑が建っている。 かつて森の無かった頃ならば見晴らしが良く、より楽しく歩けただろうが、 今の再度山に1万回登ろうとは、このあまのじゃくの自分でも思わない。 ともあれすごい記録であろうことは間違いない。敬意を表したい。 |
11:45 再度山山頂付近を見上げる 山門から降りてきたところは広場になっている。 ちょうどお遍路さんが通りかかられたので借景とさせてもらった。 再度山はかつて山城があったという。山頂付近が平らなのはその時の名残 なのかもしれない。 |
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善助茶屋跡 大龍寺からすぐ南には善助茶屋跡がある。毎日登山発祥の地として有名だ。 現在は石碑以外は何も残っていないが、そばのあずまやにはゲストブックが 置かれ、サインを残す毎日登山の雰囲気を味わうことが出来る。 ちなみに自分は面倒くさがりなのでサインはしていない。 |
善助茶屋跡からは再度谷道、二本松道とトラックが分岐するが、 錨山へ向かうので二本松道を歩く。殆ど高低差のない快適なトラックだ。 しかしすぐ横を再度ドライブウェイが走っており、車の騒音が聞こえてくる のが残念である。 |
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12:08 二本松道は再度ドライブウェイで寸断されている。 交通量はさほどではないが、横断の際は気をつけなければならない。 |
二本松バス停の横から南へトラックが続いている。 周りには何もないので、このバス停で降りるのはハイカーだけであろうか。 |
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二本松バス停から少し南へ登ると、すぐに分岐が現れる。 直進すると城山、新神戸駅、北野町方面へ。目的地の錨山へは右折する。 |
12:22 錨山の東には堂徳山という山がある。山と高原地図「六甲・摩耶」に よるとどうやらこの行き止まりとなる正面のトラックを進むようだ。暑いので早く 降りたいが近そうだし寄り道する。 |
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12:23 堂徳山山頂 (337.5m) 上記の分岐からすぐに堂徳山山頂に到着。残念ながら展望は無い。 木枠に守られた?三等三角点がある。 トラックは更に南へ下っているが、行き止まりになるかもしれないし、 錨山へ行けるか分からないので、先の分岐へ戻って西へ曲がり車道を横切る。 |
再度ドライブウェイと併走する形で徐々に高度を下げていく。 写真では分からないが、絶え間なく街の騒音が響いてくる。 普段街の中にいると分からないが、どれほどやかましいところで生活している のだろうか。 |
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トラックはヘアピンカーブの手前で再度ドライブウェイと交差する。 この後右へ下っていくが、その前に正面階段を登ったところにある市章山へ向かう。 |
12:42 市章山山頂 (476.5m??) 神戸市のマークのある山としてあまりにも有名。山の上からはもちろん見えない。 山頂にあるこの2本の高い木は麓の街から見てもよく目立つ。 山と高原地図「六甲・摩耶」では476.5mという表記があるが、 堂徳山(337.5m)から下ってきているので、おそらく誤植ではないかと思われる。 |
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神戸の街を見下ろす 朝から比べるとかなり霞んできたが、やはり高いところから見下ろすのは 気持ちが良い。ポートアイランドからハーバーランドが指呼の距離である。 ちなみにすぐ下のフェンスが市章があるところである。 |
12:54 市章山から下ってきてすぐに錨山に辿り着く。 左のフェンスの中に錨マークがある。 下り一方の山歩きなのに、汗が噴出してきて止まらない。 もう展望のコースを歩くには辛い時期になってきたのかもしれない。 この後何度か車道と交差、もしくは分岐を経てどんどん下っていく。 道標は完備されているので、ヴィーナス・ブリッジ、諏訪神社を目指すと 間違いないだろう。 |
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13:10 愛のカギのモニュメント 山が恋人とはいえ一人でここに来ると少々虚しいものがある。 まあ良しとしよう。夕方から夜に掛けては遠慮したほうが良いかも。 展望テラスからはさっきよりも街の眺めが近くなった。かなり降りてきたようだ。 |
ヴィーナス・ブリッジ ちなみにヴィーナス・ブリッジに来たのはこの時が初めて。 昨年、城山から錨山を歩いたことがあるが、その時はここを通らずに真っ直ぐ 諏訪神社に降りたのであった。 この歩道橋は再度ドライブウェイをまたぐために造られたことを初めて知った。 |
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ひとしきり眺めを楽しんだ後、ヴィーナス・ブリッジの歩道橋でぐるっと下って 再び山道へ入る。諏訪神社はもう近い。 |
13:19 諏訪神社 ヴィーナス・ブリッジから降りてくると神社の東側に出てくる。 ここからはJR元町駅まではさほど遠くない。 13:37 JR元町駅到着 後半暑くて少々ばてたが、好天に恵まれ良いトランピングとなった。 |
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今日の行程の中で特に難しいところはないが、とにかく分岐が多いので慣れない方は必ず地図を参照していただきたい。 また再度山は登山口の分かりにくさ、多少ラフなトラックであることから、ここだけは山に慣れた人向きといえるかもしれない。 |