「氷ノ山・氷ノ山越から大久保下山コース」 2013年 6月 9日(日) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「氷ノ山」 〜 はじめに 〜 昨日は団体の生徒たちと共に賑やかというかせわしない山行となりました。 今日は行程上、昨日の続きのようにブン回し尾根をハチ高原方面へ向かい、 初めての利用となる大久保下山コースを下ってみます。 4:00 起床 今回も比較的すんなりと起きることが出来た。 実は3:30頃だっと思うけど、よく通る鳥の声で一度目が覚めた。 けっこう沢の水音が大きいので耳栓を付けて寝てたのだけど、 全ての音を軽減するわけではないようだ。 自分が朝食中に近くでテン泊されていた方が早くも出発される。 やはりベテランの山ヤさんは朝が早いなあと感心した。 6:09 福定親水公園キャンプ場出発(700m+) すぐ近くの駐車場に停めてあるマイカーに不要なものを置いたりしたので、 実際にはもう少し早く出発出来たと思う。 出発準備中に4人パーティーの方々が氷ノ山越に向けて通り掛かられる。 後ほどこのパーティーさんと氷ノ山越に辿り着くまで抜きつ抜かれつで登ることになる。 昨日の疲れをしっかりと感じつつ、昨日下ってきたばかりのトラックを氷ノ山越まで 登り返しにかかる。キャンプ場からの標高差は540m。昨日は800mほど登っているので、 間違いなく氷ノ山越までが今日の行程の最大の難関になる。 キャンプ場から少し上はガレ場が広がる川原を歩いていくが、 ここで南側の沢を挟んだ急斜面から落石の音が聞こえる。 ふと目線を向けるとなんとクマを目撃!山歩きを始めて以来、初めての経験だった。 数十メートルの距離があるが、クマはまだ自分に気付いていないようだった。 そこで両手のトレッキングポールを打ち鳴らしてみる。 するとようやくクマは自分に気付いてくれて、斜面の上方へと逃げていった。 沢の水音で鈴の音が聞こえていなかったのではないだろうか。 咄嗟のことで撮影も出来なかったが(そもそも広角レンズを付けているので無理だった)、 氷ノ山でクマを観たのはけっこう貴重な経験だと思ったのでレポ中で触れておきたい。 改めてクマのテリトリーに入らせてもらうという気持ちと、鈴などの備えが大事だと思った。 川原を過ぎたところから本格的な登りが始まる。 昨日の疲れもあるので、比較的ゆっくりした足運びを心がける。 少し登ったところで布滝へ立ち寄られていた上記のパーティーさんと出会う。 この後は休憩の度に前後入れ替わる状態で、氷ノ山越まで登り返すことになる。 6:46 地蔵堂 地蔵堂の周辺は一旦急登が一段落して、ちょっと一息つける。 |
行程概要 (山中のルートは不正確です)![]() 福定親水公園キャンプ場 駐車場から氷ノ山越側に少し上がった広い草地がテントサイト。 トイレは駐車場にあるのを利用するので少し遠い。 炊事場はテントサイト内にあり、水は豊富に補給可能。 テントサイトに車の乗り入れは出来ません。 ワイルド感たっぷりのキャンプ場なので夜は真っ暗。 でも普段どれだけ余計な灯りに囲まれて生活してるか実感出来ます。 人間は暗くなれば眠くなるもので、いつも夜まで仕事をしている自分には 昔の人の生活が少しうらやましくもあります。 テントサイト利用料は一張り1,000円。 大人200円、子供100円なので、単独行の自分の場合は1,200円。 夕方に管理人さんが徴収に来られます。 夏休み等の繁忙期以外は予約不要とのことですが、 タイミングによっては学校行事で団体利用があるとのことですので 不意な混雑を避けるためにも事前確認は必要かと思います。 |
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7:01 崩壊現場通過 パーティーさんの後を追う状態で崩壊現場を通過。 木地屋跡付近で休憩中のパーティーさんの先を行かせて頂き、そのまま氷ノ山越に至る。 7:24 とうろう岩 とうろう岩付近からエンジンが掛かったのか脚の調子が良くなってきた。 |
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7:48 氷ノ山越(1,240m+) 福定親水公園から約1時間40分の登り返しで氷ノ山越に再び到着。 到着時は昨日とは打って変わって誰も居なかった。 ザックを下した後はベンチで足を伸ばして寛ぎつつ、登り返しの達成感に浸る。 天候は曇りで写真写りは冴えないが、その代わりに晴天だった昨日よりはだいぶ涼しくて過ごしやすい。 10分程度の自分の休憩中に前述のパーティーさんや、鳥取側からも数人登られてきて一気に賑やかに。 この後の様子からすると、おそらく大半の方は氷ノ山に向かわれた模様。 乱れた息が整ったのを見計らって、3年ぶりに赤倉山・大平頭方面へ向けて登り始める。 |
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氷ノ山を背に赤倉山をトラバース中 氷ノ山越からはいきなりの急坂登りとなるが、赤倉山をトラバースする場面になると快適な縦走となる。 ここからホードー杉分岐に至るまでは小刻みにアップダウンを繰り返す。 縦走は楽とはいえないが、最初の氷ノ山越までの登り返しに比べると大したことはない。 |
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3年ぶりのブン回し尾根の景観 大平頭の休憩小屋も既に小さく見えている。 3年前は好天で鉢伏山への登りがとても暑かった・・。 布滝頭付近は一部急なアップダウンもあるが、大部分は緩やかなトラックが続く。 |
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縦走中には点在するブナの原生林を楽しめる |
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9:10 大平頭休憩小屋 休憩中の子供たちで大賑わいの大平頭休憩小屋に到着。 好奇心旺盛な子供たちから色々な質問をされ、予想外に和気藹々の休憩時間になった。 クマを見たことはある?と聞かれたので、ついさっきのこととは伏せて、あると答える。 まあこれだけの団体で賑やかに歩いていたら、絶対にクマが気づいてくれるだろう。 中には自分も未踏の常念岳へ登ったことがあるという子供も居て、思わぬ山談義まで出来てしまう。 自分もいずれは信州の山々を歩き倒したい。 子供たちはハチ高原からスタートして、この後氷ノ山へ向かうという。 軽装だし今日の涼しい天気ならば、楽しく歩けるのではないだろうか。 9:28 大平頭休憩小屋 引率する先生方や子供たちに別れを告げて出発。 子供たちの思い出の一片として記憶に残ってくれればいいなと思う。 |
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ホードー杉分岐手前は等高線の間隔が広い美しい森となる 先ほどまで賑やかだったから、余計に静けさが身に沁みる。 3年前は大きな水溜りがあったような気がするが、空梅雨のために地面は乾ききっている。 |
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9:39 ホードー杉分岐 ハチ高原へ向けて激下りが始まる手前でホードー杉分岐となる。 久しぶりの三角点「大久保」とも再会。 ここからは緩やかな下りでホードー杉へ到達出来るが今回はパスした。 今日の行程ではブン回し尾根の縦走もまもなく終盤となるが、 前述の小学生たち以外は比較的静かで昨日よりは遥かに静かな山行となりそうだ。 ホードー杉分岐からはやや急な下り。 3年前はスリップした時に手をケガしているところだ。 自分にとって要注意ポイントということで慎重に下っていくが、地面が乾いているので前回より簡単に歩けた。 |
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9:53 ハチ高原の大展望が広がる 森を抜けて一気に高原に飛び込んでいくという、この場面は自分にとってお気に入りとなっている。 3年前はハイパーボウル東鉢スキー場まで縦走し、その時に歩いた稜線がよく見える。 今回、下山開始地点となる分岐はすぐ下に近づいている。 |
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トラック沿いにはタニウツギがよく目立つ |
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9:58 大久保下山コース分岐(1,040m+) 草原の中にある分岐に辿り着く。 昨日のような晴天ならば暑いだろうけど、今日は涼しい風が吹き抜けて非常に居心地が良かった♪ あまりに快適でしかも好展望の分岐なので、ここでザックを下して大休止をとっていくことにした。 ハチ高原といえばスキーのイメージが非常に強いが、夏前のこの時期も悪くないと思った。 |
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10:20 大久保下山コース分岐出発 いよいよ初めて大久保下山コースで下山にかかる。 草原の中の細い踏み跡を辿る気持ちの良い歩き始めだ。 少し下で等高線の間隔が狭くなるまでは、快適に下ることが出来る。 |
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大久保下山コース分岐から見えるスキー場群 |
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草原の中を気持ちよく歩ける大久保下山コース |
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森が近づいてくる 次第に眼下に森が近づいてくる頃にはやや急な下りとなる。 この後は森に入るのではとみて、ハチ高原と鉢伏山を眺めて小休止。 昨日歩いた氷ノ山周辺のトラックと比べると、よく踏まれたトラックではないが、 踏み跡はかなり明瞭な状態が続く。 |
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森に沿ってハチ高原方面へ 草原から下ってそのまま森の中へ入るのかと思ったら予想は外れた。 左手に続いてハチ高原を見ながら、波打つ穏やかな地形を歩いていく。 もっと良い時期には、高原の景観を楽しめるより爽快なコースではないだろうか。 |
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10:42 森の中へ しばらく森に沿って歩いていたが、途中からはやはり森歩きとなる。 でも周囲は植林よりも自然林が目立つ雰囲気の良い森。 なお地形図上では大久保下山コースを示すと思われる破線道が描かれているが、 前述の読み外れも加わって現在位置の確認は難しくなってしまった。 |
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緩やかに下っていく大久保下山コース |
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次第に傾斜が増す 現在位置はあやふやになってしまったが、等高線から斜度の変化はある程度読み取れる。 しばらく緩やかな下りが続いたが、麓に向けて再び急斜面になってきた。 ジグザグに付けられたトラックを下っていく。 しばらく下ると尾根の形状も現れてきて、概ね破線道に沿って下っているのではないだろうか。 |
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11:03 沢沿いの林道に出る 踏み跡は尾根を西側に離れ、まもなくして擁壁で固められた沢に出る。 まだ大久保の集落までには達していないが、実質的な山道はここで終わるようだ。 ザックを下して小休止をとる。横の沢にはきれいな水が流れており、顔を洗ってリフレッシュする。 沢沿いに下っていくと、すぐに車が通れるくらいの林道になる。 左岸から一度右岸へと林道が続き、堰堤を見送ったら再度左岸へ橋を渡る。 橋の下流側は広い川原になっており、大勢の子供たちが野外活動中だった。 |
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11:19 大久保下山コース入口 左岸に渡り返してしばらく下ると、田畑が広がる大久保集落の外れに出てきた。 ここが実質的な登山口のようだ。登山口からはブン回し尾根の稜線がよく見えている。 登山口からは田畑の向こうに比較的大きな建物が集まる集落の中心部が見えているので、 それに向かって歩いていく。集落の中の道は迷路のようなので、バスも通る広い道を目指すほうが得策と思う。 広い車道に出ると三叉路まで道なりに下っていく。 ここまで辿ってきた集落内のルートの経緯は上手く説明出来ない。 今日の行程を逆向きで歩くことも考えたが、登山口までスムーズに辿り着ける自身がなかった。 |
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11:35 三叉路 やはり下山時に舗装路を延々と下るのは疲れるものだ。車道を三叉路まで下ってきて小休止した。 その際に偶然、鉢伏行の全但バスが通り掛かり、数人の登山者らしい方々が下車される。 帰宅後に調べてみたら八鹿駅10:35発〜鉢伏11:29着。運賃は氷ノ山鉢伏口バス停下車だと940円。 写真は数分後に折り返し八鹿駅行となって通り掛かったバス。 旅程例としては、大阪8:12発・特急こうのとり1号乗車、八鹿10:28着。 続けて上記のバス便に乗り換えると、11:30頃にこの三叉路に到達することが出来る。 この三叉路から福定親水公園まで約120mの登りとなる。文字通りに2日間の行程で最後の登り。 疲れと暑さも加わってしんどい区間だが、行く手前方にそびえるブン回し尾根の稜線を見上げて達成感を得ることが出来る。 福定親水公園が近づくにつれて傾斜が増していくが、もう一山越えるつもりでじっくりと登っていく。 |
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11:58 福定親水公園到着 三叉路から約20分弱で到着!日曜昼間ということもあって駐車場は満車状態だ。 2日間のボッカトレ山行を終えて達成感と余韻を感じつつ、横を流れる沢で小休止をとってから帰途に就いた。 〜 終わりに 〜 目論見通りに氷ノ山はボッカトレとテン泊練習にとても良い山だと思いました。 但しこの時期は学生の団体が集結しているということを学習した山行でもありました。 随分久しぶりに団体行動の雰囲気を味わいましたが、単独行好きの自分には有難くない状況です。 来年からは氷ノ山には今の時期を外して訪れることにします。 今回の氷ノ山ボッカトレは北ア同行予定の友人のトレーニングのために設定したものでありました。 しかし、結果的に自分だけで鍛える形になってしまいました。 今夏に2人で遠征山行に行くのは難しくなっていると感じ始める山行にもなりました。 |
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行程断面図です![]() |